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50王子の新しい婚約者に求婚されたのだが?
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無事、あの愚かな伯爵を救ったが、王子の目的は別にあったようだ。
「久しぶりだな、クリス」
「……はい、カール殿下」
「随分と付け上がっているようだな。卑怯で邪悪な魔道具の力まで借りて、そこまでして私の婚約者へと復縁したかったのか?」
「(は!?)」
俺は驚いた。言葉だけを聞けば、王子がクリスを嘲けている。
だが、王子はクリスが自分に気持ちがあり、必死に復縁したいと思っていると決めつけている。親同士が決めた婚約。それを一方的に破棄して恨みこそすれ、縋る女性などいまい。
度し難い自信。誰もが自身に最大級の敬意と好意を持つと信じて疑らない。
実際にはクリスにとって、やっかいな、子供のような婚約者だったにも関わらずにだ。
「……お言葉ですが、殿下。魔道具の力は使っておりませんし、使っても――――――卑怯ではないでしょう」
「まったく! また反論か! お前はいつもそうだ、言葉を巧みに操って自分の都合の良いように物事を運ぼうとする!」
「……」
「だが残念だな、私はお前と復縁する気などない、決して、な」
一方的に話す王子カール。クリスにとって、カールとの縁談の再考など興味がある筈がない。
自身の命を奪おうとした男など、誰でも怖くてごめんこうむるだろう。
この男には色々なモノが欠けていた。
「今日、予定を変更してこの会場に足を運んだのは、お前に引導を渡すためだ。もう、お前には用はない、私の新しい婚約者を紹介しよう――――――さあ 来ると良い、アン」
「……はい」
そう言って大げさに後ろに振り返り、手を差し伸べる。大勢の参加者の中から進み出てきたのは美しい少女だった。
絹糸のように艶のある髪、長い睫毛に星の如く澄んだ瞳、均整の取れた手足、柔らかい感じの美貌の少女がそこにいた。
「アンソフィ。新しく俺の婚約者となる平民の娘だ」
会場がどよめいた。
当然だろう。王族が平民と婚約するなど前例がない。いや、この王子は正気なのか?
「……アン」
カールに興味を示さないクリス、クリスが興味を持ったのは―――新しい婚約者のアン。
クリスがこの平民の娘、アンを見る目はその視線は―――心配で仕方がないという。
俺はクリスに聞いた。
「もしかしてこの子が?」
「……ええ。私の親友のアンよ」
やはりか。クリスからアンネリーゼ殿下ともう一人の少女、平民のアンと親友だと聞いた。
カールがアンにご執心なことも。
この婚約は全てクリスへのあてつけ。どこまでも子供じみた男だ?
「貴様は私が心優しく素直なアンに好意を抱いたことに嫉妬し、アンの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を――――」
「あの、ちょっとよろしいですか? 殿下?」
「なんだ! 今いい処なんだ!」
悦に入って語っているところ、突然その渦中の人物アンが口を挟んだ。不快なのか眉間にしわを寄せてアンを睨む。自分の話を遮られ、いらいらしたようだ。
「婚約ですか? 婚約なら昨日お断りしましたが、ご存知ありませんでしたか?」
アンの言葉でその場が凍り付いた。
カッコ悪。皆の前で新しい婚約者を紹介したら、大勢の前で婚約を拒否されたことを言われるなんて、間抜け過ぎた話なんだが。
「昨日王家の使者である第二王子殿下エルン様にそれをお伝えしたところ、たいそう感謝して頂けましたよ。無学の私でも、平民の私が王家の方……ましてや未来の王であるカール殿下に嫁ぐなど、身分不相応。カール様の気の迷いだと思いました。知らなかったのでしょうか?」
そうか、アンはクリスの親友。アンはクリスの味方なんだ。
だが、この子は大丈夫なのか? カールを敵に回すことになるが。
「なっ! なんだと! 私が婚約すると言っているのだぞ。なぜお前ごときが口をはさむ!」
やっぱりこんなことが分かってないんだな。俺にはわかった。第二王子エルンもクリスの味方だ。そして、アンネリーゼ王女もアンも。カールの思考が単純過ぎるのだが。
「お言葉ですが、国王陛下は国のため、各貴族様との間に太いパイプを作るために有力な貴族様の親戚になるために、現在も新しいご令嬢を探されているのですよ。それを勝手に私ごときが?」
アンの言うことはもっともだ。普通に考えてカールの思考はおかしい。
「き、貴様ぁ! 平民の分際で、わ、私が間違いを犯したと言うのか? 不敬であろう!」
いや、不敬になりそうなのはカールの方だ。俺はアンネリーゼ王女とエルン王子に支えられて会場に入って来た人物を見て、全てがわかった。この茶番の結末が。
「王の前で不敬である!」
突然間に入って来た大きな声。病床より国のため、わざわざこの会場に足を踏み入れたのは、この国の国王、ハインリヒ・ユングリングその人だった。
カールは国王の参加を知らなかったのかって?
―――知らないはずがないんだが。
「カールよ。愚かにも程がある。王である私に黙って婚約者を決めるなど、不敬としか言えぬ。その上、そもそもケーニスマルク家のクリスティーナ嬢へ婚約破棄? 貴様、何様ぞ。ケーニスマルク家は王家の始まりから従う忠臣の家系ぞ。かの家に私がどれだけ陳謝して来たか、わかっておるのか? 貴様はしばらく謹慎ぞ!」
「ち、父上!? それでは一体誰が災害級の魔物を倒すのですか? それに今この国の執政は実質的の私が取り仕切っております、政をいかがされる気か?」
王はふうとため息をつくと。
「つい先日災害級どころか聖書にある終末の化け物を討伐した英雄アルベルト達がおる。聞けば貴様が婚約破棄したクリスティーナ嬢も戦いに参戦したと聞く。ならば、お前が謹慎したとして、大勢に影響はあるまい。それに施政についてはお前よりエルンの方が向いておろう」
「そ、そんな……!」
カールは力なく崩れ落ち、床に膝を突いた。
こっぴどく怒られたカールは観念したもか、すごすごとこの会場を立ち去って行った。
そして、取り残されアンと偶然目線があった。
俺はアンを見た瞬間、稲妻に打たれたように衝撃を受けた。
一方アンの方も俺と同じように稲妻に打たれたかのように俺を見つめている。
「わ、私、一目惚れしてしまいました。ア、アルべルト様……私と結婚してください!」
ライムのⅭ、リーゼのD、クリスのF、アンネリーゼ王女のG。
そう、Eが俺の周りにいなかった。
カールの婚約者、いや、婚約もどきだったアンが俺に唐突に告白して来た。
そして。
アンの胸がEカップなのだが。
「久しぶりだな、クリス」
「……はい、カール殿下」
「随分と付け上がっているようだな。卑怯で邪悪な魔道具の力まで借りて、そこまでして私の婚約者へと復縁したかったのか?」
「(は!?)」
俺は驚いた。言葉だけを聞けば、王子がクリスを嘲けている。
だが、王子はクリスが自分に気持ちがあり、必死に復縁したいと思っていると決めつけている。親同士が決めた婚約。それを一方的に破棄して恨みこそすれ、縋る女性などいまい。
度し難い自信。誰もが自身に最大級の敬意と好意を持つと信じて疑らない。
実際にはクリスにとって、やっかいな、子供のような婚約者だったにも関わらずにだ。
「……お言葉ですが、殿下。魔道具の力は使っておりませんし、使っても――――――卑怯ではないでしょう」
「まったく! また反論か! お前はいつもそうだ、言葉を巧みに操って自分の都合の良いように物事を運ぼうとする!」
「……」
「だが残念だな、私はお前と復縁する気などない、決して、な」
一方的に話す王子カール。クリスにとって、カールとの縁談の再考など興味がある筈がない。
自身の命を奪おうとした男など、誰でも怖くてごめんこうむるだろう。
この男には色々なモノが欠けていた。
「今日、予定を変更してこの会場に足を運んだのは、お前に引導を渡すためだ。もう、お前には用はない、私の新しい婚約者を紹介しよう――――――さあ 来ると良い、アン」
「……はい」
そう言って大げさに後ろに振り返り、手を差し伸べる。大勢の参加者の中から進み出てきたのは美しい少女だった。
絹糸のように艶のある髪、長い睫毛に星の如く澄んだ瞳、均整の取れた手足、柔らかい感じの美貌の少女がそこにいた。
「アンソフィ。新しく俺の婚約者となる平民の娘だ」
会場がどよめいた。
当然だろう。王族が平民と婚約するなど前例がない。いや、この王子は正気なのか?
「……アン」
カールに興味を示さないクリス、クリスが興味を持ったのは―――新しい婚約者のアン。
クリスがこの平民の娘、アンを見る目はその視線は―――心配で仕方がないという。
俺はクリスに聞いた。
「もしかしてこの子が?」
「……ええ。私の親友のアンよ」
やはりか。クリスからアンネリーゼ殿下ともう一人の少女、平民のアンと親友だと聞いた。
カールがアンにご執心なことも。
この婚約は全てクリスへのあてつけ。どこまでも子供じみた男だ?
「貴様は私が心優しく素直なアンに好意を抱いたことに嫉妬し、アンの教科書を破いたり、階段から突き落とすなどの狼藉を――――」
「あの、ちょっとよろしいですか? 殿下?」
「なんだ! 今いい処なんだ!」
悦に入って語っているところ、突然その渦中の人物アンが口を挟んだ。不快なのか眉間にしわを寄せてアンを睨む。自分の話を遮られ、いらいらしたようだ。
「婚約ですか? 婚約なら昨日お断りしましたが、ご存知ありませんでしたか?」
アンの言葉でその場が凍り付いた。
カッコ悪。皆の前で新しい婚約者を紹介したら、大勢の前で婚約を拒否されたことを言われるなんて、間抜け過ぎた話なんだが。
「昨日王家の使者である第二王子殿下エルン様にそれをお伝えしたところ、たいそう感謝して頂けましたよ。無学の私でも、平民の私が王家の方……ましてや未来の王であるカール殿下に嫁ぐなど、身分不相応。カール様の気の迷いだと思いました。知らなかったのでしょうか?」
そうか、アンはクリスの親友。アンはクリスの味方なんだ。
だが、この子は大丈夫なのか? カールを敵に回すことになるが。
「なっ! なんだと! 私が婚約すると言っているのだぞ。なぜお前ごときが口をはさむ!」
やっぱりこんなことが分かってないんだな。俺にはわかった。第二王子エルンもクリスの味方だ。そして、アンネリーゼ王女もアンも。カールの思考が単純過ぎるのだが。
「お言葉ですが、国王陛下は国のため、各貴族様との間に太いパイプを作るために有力な貴族様の親戚になるために、現在も新しいご令嬢を探されているのですよ。それを勝手に私ごときが?」
アンの言うことはもっともだ。普通に考えてカールの思考はおかしい。
「き、貴様ぁ! 平民の分際で、わ、私が間違いを犯したと言うのか? 不敬であろう!」
いや、不敬になりそうなのはカールの方だ。俺はアンネリーゼ王女とエルン王子に支えられて会場に入って来た人物を見て、全てがわかった。この茶番の結末が。
「王の前で不敬である!」
突然間に入って来た大きな声。病床より国のため、わざわざこの会場に足を踏み入れたのは、この国の国王、ハインリヒ・ユングリングその人だった。
カールは国王の参加を知らなかったのかって?
―――知らないはずがないんだが。
「カールよ。愚かにも程がある。王である私に黙って婚約者を決めるなど、不敬としか言えぬ。その上、そもそもケーニスマルク家のクリスティーナ嬢へ婚約破棄? 貴様、何様ぞ。ケーニスマルク家は王家の始まりから従う忠臣の家系ぞ。かの家に私がどれだけ陳謝して来たか、わかっておるのか? 貴様はしばらく謹慎ぞ!」
「ち、父上!? それでは一体誰が災害級の魔物を倒すのですか? それに今この国の執政は実質的の私が取り仕切っております、政をいかがされる気か?」
王はふうとため息をつくと。
「つい先日災害級どころか聖書にある終末の化け物を討伐した英雄アルベルト達がおる。聞けば貴様が婚約破棄したクリスティーナ嬢も戦いに参戦したと聞く。ならば、お前が謹慎したとして、大勢に影響はあるまい。それに施政についてはお前よりエルンの方が向いておろう」
「そ、そんな……!」
カールは力なく崩れ落ち、床に膝を突いた。
こっぴどく怒られたカールは観念したもか、すごすごとこの会場を立ち去って行った。
そして、取り残されアンと偶然目線があった。
俺はアンを見た瞬間、稲妻に打たれたように衝撃を受けた。
一方アンの方も俺と同じように稲妻に打たれたかのように俺を見つめている。
「わ、私、一目惚れしてしまいました。ア、アルべルト様……私と結婚してください!」
ライムのⅭ、リーゼのD、クリスのF、アンネリーゼ王女のG。
そう、Eが俺の周りにいなかった。
カールの婚約者、いや、婚約もどきだったアンが俺に唐突に告白して来た。
そして。
アンの胸がEカップなのだが。
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