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45スライムの剣がぶっ壊れなのだが?
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「ガァァァァァァァァァア!!」
深淵の闇、としか形容しがたい双眸の瞳を光らせて、怒りの咆哮ほうこうをあげる化け物。
「アルベルト様、痴話喧嘩はいい加減にしてください」
「そうです。いくらアルベルト様が規格外でも、こんな化け物に余裕かますなんて」
レオンとクラウスが延々とクリスに叱られている俺に抗議する。
俺は悪く無いのだが?
「仕方ないわね、特別に許してあげる。だから、この戦い終わったら、デートね」
「ちょっと、クリスさんだけズルい! リーゼも!」
「わ、わかったから、お願いだ」
ようやく、許してくれた。俺は視線をスライムのライムに移す。
ライムはコクリと頷く、何か決意を固めたのだろうか?
「ご主人様、ライムのパンツ見た罰に、ライムともデートお願いします」
そっちの決意?
それにしても、ライムのパンツと太もも。良かったな。
今度、命令して、胸を揉ませてもらおう、使い魔だから、絶対服従の筈だ。
Cではもう一つなのだが、ここは妥協しよう。
もしかしたら、意外と小さいのもいいかもしれん。
「アル?」
「何?」
「今、ライムちゃんにセクハラしようとか企んでたでしょ?」
ギクッ!?
クリスが鋭すぎる。
しばし、再びクリスへ弁解していたが、なんとか収まって。
「では、剣化します。」
ライムは光かがやき、一旦スライム状になるが、形を変えて、一本の剣となった。
白銀に輝く聖剣……と、言えるくらい美しい剣だった。
「アルっ!」
クリスが俺に叱咤の声をかける。リーゼや二人の冒険者は心配そうにしているが、多分いける。
剣から力がどんどん入ってくるのだ。これ、マジ聖剣じゃないか?
俺はスライム剣(仮)で化け物の炎を振り払いつつ、再度化け物を鑑定した。
職業:終末の化け物
属性:闇
ステータス:正常
だめだ、あれ程の攻撃でも、未だステータスは正常だ。ヤツにとってはかすり傷程度なのだ。
ならば。
「レオン、クラウス、しばらくヤツの注意を逸らしてくれ!」
「承知!」
「わかりました。アルベルト様」
「クリスとリーゼは二人の援護を!」
4人に牽制を依頼すると。
「グァアアアアアアッ!」
レオンの一撃を受けて、化け物が咆哮をあげて仰け反る。今が攻撃チャンスだ。
「おおおおおおおっ!」
意識を集中して、剣に魔力を注ぎ込む、だが、逆に剣から力が俺に帰ってくる、信じられない魔力の奔流、俺の力は数倍に増した。走りながら、俺は一旦貰った力を更に剣に返し、力を蓄える。
なんだこれ? それは何故か懐かしいような感じだ。
いつか、この剣をふるったことがあるかのような。そんな既知感を覚え、とある人物の顔が頭に思い浮かぶ。
初代国王エルファシス。英雄と呼ばれ、勇者の称号を得た唯一の存在。何故かその男の顔が頭に思い浮かぶ。
――王国を守るのだ、アル、お前は勇者となる者、王国の剣。
脳裏に会ったことがないはずの勇者の声が聞こえてきた。その言葉を聞くと、更に力がみなぎったような気がした。
「冥王破妖斬!!」
俺の全ての力を剣にこめて、技を放つのであった。
魔力ではない、聖なる何か、そんな金の粒子をまとった力の奔流が化け物を襲う。
「……グアァァァァァァアア」
凄まじい。
まるでこれでは伝説の聖剣じゃないか。
この剣、ただの剣じゃない。
「おお! さすがアルベルト様。あの化け物にかなりの――」
レオンが何かを叫ぼうとしていたが、何故か途中で途切れる。
「…………!」
「え?」
「は?」
「はあ?」
「また?」
化け物に吸い込まれた聖剣の斬撃は凄まじい威力だったが、一旦吸い込まれたあと、更に被害を終末の化け物に広げて行った。
簡単に言おう、終末の化け物は光り輝く聖剣の斬撃の光を一旦吸収するも、更に膨張した光は化け物を蝕み、そして、その体の全てを破壊した。
そして、勢い余ったのか、化け物を突き抜けて、王城の上を光球が飛び越え、かなり先の魔境のもっとも高い魔峰タイタロス山に衝突した。
よし、これで勝負が対等の勝負になる。あとは攻撃の蓄積で倒せる。
あとは地道な攻撃で徐々にダメージを削ればいい。
――と思ってました、普通、そうだと思うんだが。
「……あれ?」
おい。
おいおい。
ちょっと待て。
なんか、終末の化け物が消し飛んだような気がするんだが、間違いだよな。あんなの一人で倒すとか、頭おかしいんだが。
「……まさか」
剣を振るった時に感じた力、金の粒子を振り撒く聖なる力。
もしかしてこの剣、伝説の聖剣で、魔族や暗黒の魔物全てに特攻を持っているとか――?
いつの間にか、黒く垂れ込んでいた真っ黒な空は青く澄み渡り。
あの馬鹿でかい終末の化け物はその巨大な体躯の大半が消し飛んでいて、残りも浄化されていく。
「非常識すぎるだろ、これ……」
あまりの威力に、俺も驚かざるをえない、が。
シーン、と。
あれだけ激しい戦いの音が響いていた戦場に突然静けさがやってきた。
間抜けな顔のレオン。
空いた口が塞がらないクラウス。
クリスとリーゼは。
ジィー
だからそんな目で俺を見るな!
そして、ぽかんと口を開けたままのレオンが俺と終末の化け物の残骸を交互に見やっている。
「まあ……その、あれだな」
重くるしい沈黙に耐えかねて、俺は弁解のため言った。
「ちょっとやりすぎてしまったな。は、はは……」
「「ちょっとっていうレベルじゃない!!」」
全員からツッコミが入った。
いやな。
俺だってね。聖書に載っている終末の化け物がまさかね、一撃で吹っ飛ぶとか思わなかったの。
だってほら。賢者の親父がワンパンだったんだぞ?
それが一瞬で消滅とか……誰だよ、これやったヤツ、絶対的に何かおかしいぞ。
「はぁ……まったく、アルベルト様は……」
レオンが目あわあわしながら問いかけてくる。
「あのいつものことではありますが……今回はなにをしたんですか?」
「いや……だから剣戟をおみまいしただけで……」
「剣を振るうとあんな化け物が一撃で消滅するんですか?」
「そ……そうみたい」
「はい。アルベルト様がおかし過ぎることだけがよくわかりました。いい加減慣れたいのですが」
なんか誤解があるな。あれはスライムのライムの力が凄いに違いない。俺のせいじゃない。
俺はただ、剣を振るっただけだ。
でも、言っても無駄なような気もする。ライム……俺の使い魔だもんな。
ちなみに悠然と構えていた第一王子カールは目を開いたまま恐怖で気絶していただけだった。
それに気がついた配下の兵士たちは慌てて殿下を密かにその場から持ち去るのだった。
深淵の闇、としか形容しがたい双眸の瞳を光らせて、怒りの咆哮ほうこうをあげる化け物。
「アルベルト様、痴話喧嘩はいい加減にしてください」
「そうです。いくらアルベルト様が規格外でも、こんな化け物に余裕かますなんて」
レオンとクラウスが延々とクリスに叱られている俺に抗議する。
俺は悪く無いのだが?
「仕方ないわね、特別に許してあげる。だから、この戦い終わったら、デートね」
「ちょっと、クリスさんだけズルい! リーゼも!」
「わ、わかったから、お願いだ」
ようやく、許してくれた。俺は視線をスライムのライムに移す。
ライムはコクリと頷く、何か決意を固めたのだろうか?
「ご主人様、ライムのパンツ見た罰に、ライムともデートお願いします」
そっちの決意?
それにしても、ライムのパンツと太もも。良かったな。
今度、命令して、胸を揉ませてもらおう、使い魔だから、絶対服従の筈だ。
Cではもう一つなのだが、ここは妥協しよう。
もしかしたら、意外と小さいのもいいかもしれん。
「アル?」
「何?」
「今、ライムちゃんにセクハラしようとか企んでたでしょ?」
ギクッ!?
クリスが鋭すぎる。
しばし、再びクリスへ弁解していたが、なんとか収まって。
「では、剣化します。」
ライムは光かがやき、一旦スライム状になるが、形を変えて、一本の剣となった。
白銀に輝く聖剣……と、言えるくらい美しい剣だった。
「アルっ!」
クリスが俺に叱咤の声をかける。リーゼや二人の冒険者は心配そうにしているが、多分いける。
剣から力がどんどん入ってくるのだ。これ、マジ聖剣じゃないか?
俺はスライム剣(仮)で化け物の炎を振り払いつつ、再度化け物を鑑定した。
職業:終末の化け物
属性:闇
ステータス:正常
だめだ、あれ程の攻撃でも、未だステータスは正常だ。ヤツにとってはかすり傷程度なのだ。
ならば。
「レオン、クラウス、しばらくヤツの注意を逸らしてくれ!」
「承知!」
「わかりました。アルベルト様」
「クリスとリーゼは二人の援護を!」
4人に牽制を依頼すると。
「グァアアアアアアッ!」
レオンの一撃を受けて、化け物が咆哮をあげて仰け反る。今が攻撃チャンスだ。
「おおおおおおおっ!」
意識を集中して、剣に魔力を注ぎ込む、だが、逆に剣から力が俺に帰ってくる、信じられない魔力の奔流、俺の力は数倍に増した。走りながら、俺は一旦貰った力を更に剣に返し、力を蓄える。
なんだこれ? それは何故か懐かしいような感じだ。
いつか、この剣をふるったことがあるかのような。そんな既知感を覚え、とある人物の顔が頭に思い浮かぶ。
初代国王エルファシス。英雄と呼ばれ、勇者の称号を得た唯一の存在。何故かその男の顔が頭に思い浮かぶ。
――王国を守るのだ、アル、お前は勇者となる者、王国の剣。
脳裏に会ったことがないはずの勇者の声が聞こえてきた。その言葉を聞くと、更に力がみなぎったような気がした。
「冥王破妖斬!!」
俺の全ての力を剣にこめて、技を放つのであった。
魔力ではない、聖なる何か、そんな金の粒子をまとった力の奔流が化け物を襲う。
「……グアァァァァァァアア」
凄まじい。
まるでこれでは伝説の聖剣じゃないか。
この剣、ただの剣じゃない。
「おお! さすがアルベルト様。あの化け物にかなりの――」
レオンが何かを叫ぼうとしていたが、何故か途中で途切れる。
「…………!」
「え?」
「は?」
「はあ?」
「また?」
化け物に吸い込まれた聖剣の斬撃は凄まじい威力だったが、一旦吸い込まれたあと、更に被害を終末の化け物に広げて行った。
簡単に言おう、終末の化け物は光り輝く聖剣の斬撃の光を一旦吸収するも、更に膨張した光は化け物を蝕み、そして、その体の全てを破壊した。
そして、勢い余ったのか、化け物を突き抜けて、王城の上を光球が飛び越え、かなり先の魔境のもっとも高い魔峰タイタロス山に衝突した。
よし、これで勝負が対等の勝負になる。あとは攻撃の蓄積で倒せる。
あとは地道な攻撃で徐々にダメージを削ればいい。
――と思ってました、普通、そうだと思うんだが。
「……あれ?」
おい。
おいおい。
ちょっと待て。
なんか、終末の化け物が消し飛んだような気がするんだが、間違いだよな。あんなの一人で倒すとか、頭おかしいんだが。
「……まさか」
剣を振るった時に感じた力、金の粒子を振り撒く聖なる力。
もしかしてこの剣、伝説の聖剣で、魔族や暗黒の魔物全てに特攻を持っているとか――?
いつの間にか、黒く垂れ込んでいた真っ黒な空は青く澄み渡り。
あの馬鹿でかい終末の化け物はその巨大な体躯の大半が消し飛んでいて、残りも浄化されていく。
「非常識すぎるだろ、これ……」
あまりの威力に、俺も驚かざるをえない、が。
シーン、と。
あれだけ激しい戦いの音が響いていた戦場に突然静けさがやってきた。
間抜けな顔のレオン。
空いた口が塞がらないクラウス。
クリスとリーゼは。
ジィー
だからそんな目で俺を見るな!
そして、ぽかんと口を開けたままのレオンが俺と終末の化け物の残骸を交互に見やっている。
「まあ……その、あれだな」
重くるしい沈黙に耐えかねて、俺は弁解のため言った。
「ちょっとやりすぎてしまったな。は、はは……」
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全員からツッコミが入った。
いやな。
俺だってね。聖書に載っている終末の化け物がまさかね、一撃で吹っ飛ぶとか思わなかったの。
だってほら。賢者の親父がワンパンだったんだぞ?
それが一瞬で消滅とか……誰だよ、これやったヤツ、絶対的に何かおかしいぞ。
「はぁ……まったく、アルベルト様は……」
レオンが目あわあわしながら問いかけてくる。
「あのいつものことではありますが……今回はなにをしたんですか?」
「いや……だから剣戟をおみまいしただけで……」
「剣を振るうとあんな化け物が一撃で消滅するんですか?」
「そ……そうみたい」
「はい。アルベルト様がおかし過ぎることだけがよくわかりました。いい加減慣れたいのですが」
なんか誤解があるな。あれはスライムのライムの力が凄いに違いない。俺のせいじゃない。
俺はただ、剣を振るっただけだ。
でも、言っても無駄なような気もする。ライム……俺の使い魔だもんな。
ちなみに悠然と構えていた第一王子カールは目を開いたまま恐怖で気絶していただけだった。
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