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23家臣ができたのだが?
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俺と粗暴な男の間に割って入ってくれたのは、先日の戦いで肩に大怪我を負っていた、あのAクラスの冒険者だった。俺に死ぬなと言ってくれた人だ。
「えっ? クラウスさんが一目置いてる? ていうことはマジなのか?」
突然、狼狽え始める粗暴な男。
「えっと?」
「感服しました!」
俺が対処に困っていると、何故か、粗暴な男が土下座した。彼はブルブル震えている。
「Aクラスの先輩方が勝てなかった魔物を一人で倒すとか、そんな化け物みてぇな人に喧嘩を売っちまって、申し訳がねぇ。なんでもしますので、どうか命だけは……」
いや、喧嘩売られたからと命奪ったら、犯罪者だろ?
「いや。別に命を奪うつもりなんて」
「アル、別に大丈夫よ。ケーニスマルク家の力でも、メクレンブルグ家の力を使ってでも、こんな男の一人や二人、この世から消し去っても、揉み消すなんて簡単よ。なんなら、私が代わりに消しさってやろうかしら? 私をコイツの女にするって? 侯爵令嬢の私を? 理由としては十分ね」
「うえ~、貴族……こわ」
リーゼがクリスの言葉を聞いてびびる。そうだな。俺に大して不敬だなんてことは無いけど、クリスに対してはマジで不敬だな。俺はこの粗暴な男に助け舟を出してやった。
「クリス、この人も知らなかったんだろう。流石に極刑は可哀想だろ? 一生強制労働位で勘弁してあげなよ」
「何気にアル様も……こわ」
何故かリーゼが俺の発言にビビる。俺、親切だが。
俺達の発言に、粗暴な男は真っ青になった。
「へっ!? 侯爵令嬢様って……お前、いや、あなた様は貴族?」
「ケーニスマルク家の娘、クリスティーナよ。覚える必要はないわ、明日には首と胴が生き別れになるのだから」
クリス……こわ。
「ケーニスマルク家!? 領主様のご親戚で、時々冒険者ギルドに顔を出すと言う、名門侯爵家の御令嬢? そんな方に喧嘩を売ったら……」
「斬首刑よ」
「ひ、ひぃぃぃぃい!」
男は情けない表情に変わり、プルプルと生まれたての小鹿のように震え始めた。
「なあ、クリス、斬首刑は流石にやり過ぎだろ? ここは強制労働で我慢して欲しいのだが」
「いや、アル様、フォローになってませんよ。あ!? おしっこ漏らしたみたい」
男はおそそうをしてしまったらしい。
「も、申し訳ございません。しかし、なんでこんな素晴らしい方が追放だなんて……」
「アルの実家は人を見る目がないのよ。他家のことだけど、できれば殴り込みたい位腹が立ったわよ」
「SS災害級の魔物を一人で倒すことが出来て、侯爵家の御令嬢が彼女だなんて! こんな凄い方を追放……? 俺、許せないです!!」
内心ガタガタガタとずっこけた。さっきまで俺のハズレスキルを馬鹿にしておいて急に追放を許せないとか言い出したんだが。
「ええっ!? 私がアルの彼女? ええ!? そんなにお似合いだなんて!? ええ!? 早く結婚式場を予約した方がいいって!! そ、そうね。アル、落ち着いて! 早く結婚式予約しよ」
いや、クリス、誰もそこまで言っていない。俺の幼馴染、チョロイン具合が尋常じゃない。
「わああああ……チョロい」
「今、チョロインって言った!! チョロいていうの止めなさい!」
リーゼの突っ込みにクリスが怒って……いつものグーでの殴り合いが始まった。
でも、良く考えたら、侯爵令嬢のクリスへの暴言は本来なら、それこそ死罪な訳で、本当は仲がいいんだな、この二人。
「あ、あの……重ね重ねの御無礼を謝罪します! それと、もし、よろしければ、俺をあなた様の家臣にしていただけないでしょうか?」
「は? 家臣? ハズレスキルの賢者の息子って馬鹿にしていなかった? 弱いヤツは死ぬほど嫌いって言ってなかった?」
俺はこの調子がいい、粗暴な男を生暖かい目で見た。
「そんなことは言ってません。そんなヤツがいたら、俺が成敗します」
わあ……。簡単に自分の言ったこと否定した上、調子がいいこと言い出した。
「ず、図々しい申し出ということは百も承知ですが……」
ほんと図々しいな。
「俺はみなを見返してやりたいんです!」
男は地面に頭を擦りつけて土下座した。
「家臣になりたいって……俺は今、貴族じゃないから、給料は出せないぞ? それでもいいのか?」
「全然構いません! あなた様はいずれ、この国の重要人物になる方、俺はあなたにかける。俺は……俺はハズレスキルなんです!!」
いや、人のことハズレスキルだと馬鹿にしておいて、自分もハズレスキルとか何だ?
「私からもお願いします。調子のいいヤツですが、こいつは元は男爵家の長男だったんです。しかし……」
例のAクラス冒険者がこの粗暴な男をフォローする。
「アル、こいつは人を見る目はあるようよ。意外と役に立つかも」
「アル様、この人可哀想です。臣下にしてあげて……」
俺はしばし考えた。無給だし、臣下というより舎弟か。メクレンブルグ家の養子になれれば正式に臣下にできるか。無為にぬか喜びさせるようなことはしないが、今の俺には将来の可能性がある。
それに同じハズレスキル持ち、少し同情的にもなる。
「わかった。それじゃ、よろしく頼むぞ」
「は! はい! あ、ありがとうございます! 精いっぱい頑張ります!」
こうして謎の粗暴な冒険者は俺の家臣になった。
そして、冒険者ギルドで用事を済ませると、俺たちは帰途についた。
途中、クリスが言い出した。
「ところで、さっきのアルの家臣になったヤツ。名前はなんて言うの?」
「……聞くの忘れてた、はは」
「……なんていい加減な」
「アル様、そう言えば、あの男もアル様の名前、ちゃんと聞いてないですよ」
クリスとリーゼに突っ込まれた……なんていい加減なヤツだ。
「……アルもね」
恐るべき幼馴染のクリス、俺の思考を読み取り、ディスられた。
「えっ? クラウスさんが一目置いてる? ていうことはマジなのか?」
突然、狼狽え始める粗暴な男。
「えっと?」
「感服しました!」
俺が対処に困っていると、何故か、粗暴な男が土下座した。彼はブルブル震えている。
「Aクラスの先輩方が勝てなかった魔物を一人で倒すとか、そんな化け物みてぇな人に喧嘩を売っちまって、申し訳がねぇ。なんでもしますので、どうか命だけは……」
いや、喧嘩売られたからと命奪ったら、犯罪者だろ?
「いや。別に命を奪うつもりなんて」
「アル、別に大丈夫よ。ケーニスマルク家の力でも、メクレンブルグ家の力を使ってでも、こんな男の一人や二人、この世から消し去っても、揉み消すなんて簡単よ。なんなら、私が代わりに消しさってやろうかしら? 私をコイツの女にするって? 侯爵令嬢の私を? 理由としては十分ね」
「うえ~、貴族……こわ」
リーゼがクリスの言葉を聞いてびびる。そうだな。俺に大して不敬だなんてことは無いけど、クリスに対してはマジで不敬だな。俺はこの粗暴な男に助け舟を出してやった。
「クリス、この人も知らなかったんだろう。流石に極刑は可哀想だろ? 一生強制労働位で勘弁してあげなよ」
「何気にアル様も……こわ」
何故かリーゼが俺の発言にビビる。俺、親切だが。
俺達の発言に、粗暴な男は真っ青になった。
「へっ!? 侯爵令嬢様って……お前、いや、あなた様は貴族?」
「ケーニスマルク家の娘、クリスティーナよ。覚える必要はないわ、明日には首と胴が生き別れになるのだから」
クリス……こわ。
「ケーニスマルク家!? 領主様のご親戚で、時々冒険者ギルドに顔を出すと言う、名門侯爵家の御令嬢? そんな方に喧嘩を売ったら……」
「斬首刑よ」
「ひ、ひぃぃぃぃい!」
男は情けない表情に変わり、プルプルと生まれたての小鹿のように震え始めた。
「なあ、クリス、斬首刑は流石にやり過ぎだろ? ここは強制労働で我慢して欲しいのだが」
「いや、アル様、フォローになってませんよ。あ!? おしっこ漏らしたみたい」
男はおそそうをしてしまったらしい。
「も、申し訳ございません。しかし、なんでこんな素晴らしい方が追放だなんて……」
「アルの実家は人を見る目がないのよ。他家のことだけど、できれば殴り込みたい位腹が立ったわよ」
「SS災害級の魔物を一人で倒すことが出来て、侯爵家の御令嬢が彼女だなんて! こんな凄い方を追放……? 俺、許せないです!!」
内心ガタガタガタとずっこけた。さっきまで俺のハズレスキルを馬鹿にしておいて急に追放を許せないとか言い出したんだが。
「ええっ!? 私がアルの彼女? ええ!? そんなにお似合いだなんて!? ええ!? 早く結婚式場を予約した方がいいって!! そ、そうね。アル、落ち着いて! 早く結婚式予約しよ」
いや、クリス、誰もそこまで言っていない。俺の幼馴染、チョロイン具合が尋常じゃない。
「わああああ……チョロい」
「今、チョロインって言った!! チョロいていうの止めなさい!」
リーゼの突っ込みにクリスが怒って……いつものグーでの殴り合いが始まった。
でも、良く考えたら、侯爵令嬢のクリスへの暴言は本来なら、それこそ死罪な訳で、本当は仲がいいんだな、この二人。
「あ、あの……重ね重ねの御無礼を謝罪します! それと、もし、よろしければ、俺をあなた様の家臣にしていただけないでしょうか?」
「は? 家臣? ハズレスキルの賢者の息子って馬鹿にしていなかった? 弱いヤツは死ぬほど嫌いって言ってなかった?」
俺はこの調子がいい、粗暴な男を生暖かい目で見た。
「そんなことは言ってません。そんなヤツがいたら、俺が成敗します」
わあ……。簡単に自分の言ったこと否定した上、調子がいいこと言い出した。
「ず、図々しい申し出ということは百も承知ですが……」
ほんと図々しいな。
「俺はみなを見返してやりたいんです!」
男は地面に頭を擦りつけて土下座した。
「家臣になりたいって……俺は今、貴族じゃないから、給料は出せないぞ? それでもいいのか?」
「全然構いません! あなた様はいずれ、この国の重要人物になる方、俺はあなたにかける。俺は……俺はハズレスキルなんです!!」
いや、人のことハズレスキルだと馬鹿にしておいて、自分もハズレスキルとか何だ?
「私からもお願いします。調子のいいヤツですが、こいつは元は男爵家の長男だったんです。しかし……」
例のAクラス冒険者がこの粗暴な男をフォローする。
「アル、こいつは人を見る目はあるようよ。意外と役に立つかも」
「アル様、この人可哀想です。臣下にしてあげて……」
俺はしばし考えた。無給だし、臣下というより舎弟か。メクレンブルグ家の養子になれれば正式に臣下にできるか。無為にぬか喜びさせるようなことはしないが、今の俺には将来の可能性がある。
それに同じハズレスキル持ち、少し同情的にもなる。
「わかった。それじゃ、よろしく頼むぞ」
「は! はい! あ、ありがとうございます! 精いっぱい頑張ります!」
こうして謎の粗暴な冒険者は俺の家臣になった。
そして、冒険者ギルドで用事を済ませると、俺たちは帰途についた。
途中、クリスが言い出した。
「ところで、さっきのアルの家臣になったヤツ。名前はなんて言うの?」
「……聞くの忘れてた、はは」
「……なんていい加減な」
「アル様、そう言えば、あの男もアル様の名前、ちゃんと聞いてないですよ」
クリスとリーゼに突っ込まれた……なんていい加減なヤツだ。
「……アルもね」
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