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18また新しいスキルが勝手に増えているのだが?

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「だから、みんなが作ってくれた急所に運良くだな。俺のささやかな上級魔法があたっただけで、俺は運がいいだけのごっつぁんゴールを決めただけなんだ!」 

「「「「「「「「「「そんな訳ないでしょうぉおおおおおおおおお」」」」」」」」」」 

総勢十数人に一斉に突っ込まれる。 

俺が運よく、キングタイガーを倒してしまったせいで、何故か気まずくなっていた。 

「ほんと、みんなの頑張りが奇跡を呼んだんだ。おそらく俺の魔法が1mmでもずれていたら、あんなことにはならなかった、多分」 

「今、多分って言った。とてもそんなの信じられないわ。一人で楽々勝ってたわよね?」 

「いやいや。そんな馬鹿なことがある訳が……」 

「じぃーーーーーーーーーーーー」 
「じぃぃーーーーーーーーーーー」  
「じぃぃぃーーーーーーーーーー」  

だからそんな目で俺を見ないで!  

 

☆☆☆ 

 

俺達は冒険者レオン達に別れを告げるとディセルドルフの街に馬車で向かった。 

別れ際にレオンが俺に言ってくれた。 

「アルベルト様がスキルに恵まれなかったこと、きっと落胆されたと思いますが……先程の戦いを見て……アルベルト様は【賢者様】どころか【勇者様】の称号に相応しい方と思えました。きっと、アルベルト様はこれから、この国を支える人物になると思えます」  

「えっ……?」  

「ですから、アルベルト様がどんなスキルだったのかは知りませんが、アルベルト様はあまりにもお強いです。これからもディセルドルフの街をはじめ、よろしくお願いします」  

はは。  

実家では全く期待なんてものをされたことがなかったから、なんというか……あれだ。  

逆に買い被りすぎだ。俺のこと、期待してくれるんだ。俺は込み上げるものを感じた。 

近い内に彼らとはまた再会するだろう。俺はしばらくディセルドルフの街に滞在する。 

クリスはディセルドルフの領主、イエスタ・メクレンブルグ、クリスの叔父さんのところにしばらく身を寄せることになるようだ。幸い、俺もイェスタさんとは面識がある。 

イェスタさんは王国近衛騎士団長を務めたこともある武人だ。神級身体強化魔法のスキルの使い手。 

彼もまた今の王侯貴族の腐敗に心を痛めているらしい。人物として尊敬できるし、信頼できることは俺自身も知っている。正直、俺の父親より遥かに信頼できると思う。 

「……そうだ」 

そういえば、キングタイガーとの戦いの後、新しいスキルを習得したな。 

俺は思念を集中する。こうすると、自身のスキルの内容が分かるのだ。 

【種族:人間】 

【才能:底辺召喚術士】 

【スキル一覧】 

・スライム召喚 

・神級火魔法 

・神級身体強化魔法 

・上級火魔法 

・上級土魔法 

・上級錬金術 

・身体強化(小) 

・魔法解析(小) 

・探知(小) 

・治癒(小) 

なんかいつの間にか増えているな。錬金術はゲリンの旗下の騎士をぶっ飛ばした時に手に入れたのだろう。 

16歳の誕生日の日、鑑定士からハズレスキルだと告げられた、あの日。 

あれからまだ10日もたっていない。だが、俺は幼馴染のクリスと再会し、彼女の護衛役の臣下として、仕事にもありつけたし、妹的な存在のリーゼとも再会できた。 

気のせいだろうか? 実家にいるときより、ずっと居心地がいい。 

領でのエーリヒやベルンハルト達に囲まれていた時ほどではないが、充実してる。
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