18 / 66
18また新しいスキルが勝手に増えているのだが?
しおりを挟む
「だから、みんなが作ってくれた急所に運良くだな。俺のささやかな上級魔法があたっただけで、俺は運がいいだけのごっつぁんゴールを決めただけなんだ!」
「「「「「「「「「「そんな訳ないでしょうぉおおおおおおおおお」」」」」」」」」」
総勢十数人に一斉に突っ込まれる。
俺が運よく、キングタイガーを倒してしまったせいで、何故か気まずくなっていた。
「ほんと、みんなの頑張りが奇跡を呼んだんだ。おそらく俺の魔法が1mmでもずれていたら、あんなことにはならなかった、多分」
「今、多分って言った。とてもそんなの信じられないわ。一人で楽々勝ってたわよね?」
「いやいや。そんな馬鹿なことがある訳が……」
「じぃーーーーーーーーーーーー」
「じぃぃーーーーーーーーーーー」
「じぃぃぃーーーーーーーーーー」
だからそんな目で俺を見ないで!
☆☆☆
俺達は冒険者レオン達に別れを告げるとディセルドルフの街に馬車で向かった。
別れ際にレオンが俺に言ってくれた。
「アルベルト様がスキルに恵まれなかったこと、きっと落胆されたと思いますが……先程の戦いを見て……アルベルト様は【賢者様】どころか【勇者様】の称号に相応しい方と思えました。きっと、アルベルト様はこれから、この国を支える人物になると思えます」
「えっ……?」
「ですから、アルベルト様がどんなスキルだったのかは知りませんが、アルベルト様はあまりにもお強いです。これからもディセルドルフの街をはじめ、よろしくお願いします」
はは。
実家では全く期待なんてものをされたことがなかったから、なんというか……あれだ。
逆に買い被りすぎだ。俺のこと、期待してくれるんだ。俺は込み上げるものを感じた。
近い内に彼らとはまた再会するだろう。俺はしばらくディセルドルフの街に滞在する。
クリスはディセルドルフの領主、イエスタ・メクレンブルグ、クリスの叔父さんのところにしばらく身を寄せることになるようだ。幸い、俺もイェスタさんとは面識がある。
イェスタさんは王国近衛騎士団長を務めたこともある武人だ。神級身体強化魔法のスキルの使い手。
彼もまた今の王侯貴族の腐敗に心を痛めているらしい。人物として尊敬できるし、信頼できることは俺自身も知っている。正直、俺の父親より遥かに信頼できると思う。
「……そうだ」
そういえば、キングタイガーとの戦いの後、新しいスキルを習得したな。
俺は思念を集中する。こうすると、自身のスキルの内容が分かるのだ。
【種族:人間】
【才能:底辺召喚術士】
【スキル一覧】
・スライム召喚
・神級火魔法
・神級身体強化魔法
・上級火魔法
・上級土魔法
・上級錬金術
・身体強化(小)
・魔法解析(小)
・探知(小)
・治癒(小)
なんかいつの間にか増えているな。錬金術はゲリンの旗下の騎士をぶっ飛ばした時に手に入れたのだろう。
16歳の誕生日の日、鑑定士からハズレスキルだと告げられた、あの日。
あれからまだ10日もたっていない。だが、俺は幼馴染のクリスと再会し、彼女の護衛役の臣下として、仕事にもありつけたし、妹的な存在のリーゼとも再会できた。
気のせいだろうか? 実家にいるときより、ずっと居心地がいい。
領でのエーリヒやベルンハルト達に囲まれていた時ほどではないが、充実してる。
「「「「「「「「「「そんな訳ないでしょうぉおおおおおおおおお」」」」」」」」」」
総勢十数人に一斉に突っ込まれる。
俺が運よく、キングタイガーを倒してしまったせいで、何故か気まずくなっていた。
「ほんと、みんなの頑張りが奇跡を呼んだんだ。おそらく俺の魔法が1mmでもずれていたら、あんなことにはならなかった、多分」
「今、多分って言った。とてもそんなの信じられないわ。一人で楽々勝ってたわよね?」
「いやいや。そんな馬鹿なことがある訳が……」
「じぃーーーーーーーーーーーー」
「じぃぃーーーーーーーーーーー」
「じぃぃぃーーーーーーーーーー」
だからそんな目で俺を見ないで!
☆☆☆
俺達は冒険者レオン達に別れを告げるとディセルドルフの街に馬車で向かった。
別れ際にレオンが俺に言ってくれた。
「アルベルト様がスキルに恵まれなかったこと、きっと落胆されたと思いますが……先程の戦いを見て……アルベルト様は【賢者様】どころか【勇者様】の称号に相応しい方と思えました。きっと、アルベルト様はこれから、この国を支える人物になると思えます」
「えっ……?」
「ですから、アルベルト様がどんなスキルだったのかは知りませんが、アルベルト様はあまりにもお強いです。これからもディセルドルフの街をはじめ、よろしくお願いします」
はは。
実家では全く期待なんてものをされたことがなかったから、なんというか……あれだ。
逆に買い被りすぎだ。俺のこと、期待してくれるんだ。俺は込み上げるものを感じた。
近い内に彼らとはまた再会するだろう。俺はしばらくディセルドルフの街に滞在する。
クリスはディセルドルフの領主、イエスタ・メクレンブルグ、クリスの叔父さんのところにしばらく身を寄せることになるようだ。幸い、俺もイェスタさんとは面識がある。
イェスタさんは王国近衛騎士団長を務めたこともある武人だ。神級身体強化魔法のスキルの使い手。
彼もまた今の王侯貴族の腐敗に心を痛めているらしい。人物として尊敬できるし、信頼できることは俺自身も知っている。正直、俺の父親より遥かに信頼できると思う。
「……そうだ」
そういえば、キングタイガーとの戦いの後、新しいスキルを習得したな。
俺は思念を集中する。こうすると、自身のスキルの内容が分かるのだ。
【種族:人間】
【才能:底辺召喚術士】
【スキル一覧】
・スライム召喚
・神級火魔法
・神級身体強化魔法
・上級火魔法
・上級土魔法
・上級錬金術
・身体強化(小)
・魔法解析(小)
・探知(小)
・治癒(小)
なんかいつの間にか増えているな。錬金術はゲリンの旗下の騎士をぶっ飛ばした時に手に入れたのだろう。
16歳の誕生日の日、鑑定士からハズレスキルだと告げられた、あの日。
あれからまだ10日もたっていない。だが、俺は幼馴染のクリスと再会し、彼女の護衛役の臣下として、仕事にもありつけたし、妹的な存在のリーゼとも再会できた。
気のせいだろうか? 実家にいるときより、ずっと居心地がいい。
領でのエーリヒやベルンハルト達に囲まれていた時ほどではないが、充実してる。
52
お気に入りに追加
2,613
あなたにおすすめの小説
A級パーティーを追放された黒魔導士、拾ってくれた低級パーティーを成功へと導く~この男、魔力は極小だが戦闘勘が異次元の鋭さだった~
名無し
ファンタジー
「モンド、ここから消えろ。てめえはもうパーティーに必要ねえ!」
「……え? ゴート、理由だけでも聴かせてくれ」
「黒魔導士のくせに魔力がゴミクズだからだ!」
「確かに俺の魔力はゴミ同然だが、その分を戦闘勘の鋭さで補ってきたつもりだ。それで何度も助けてやったことを忘れたのか……?」
「うるせえ、とっとと消えろ! あと、お前について悪い噂も流しておいてやったからな。役立たずの寄生虫ってよ!」
「くっ……」
問答無用でA級パーティーを追放されてしまったモンド。
彼は極小の魔力しか持たない黒魔導士だったが、持ち前の戦闘勘によってパーティーを支えてきた。しかし、地味であるがゆえに貢献を認められることは最後までなかった。
さらに悪い噂を流されたことで、冒険者としての道を諦めかけたモンドだったが、悪評高い最下級パーティーに拾われ、彼らを成功に導くことで自分の居場所や高い名声を得るようになっていく。
「魔力は低かったが、あの動きは只者ではなかった! 寄生虫なんて呼ばれてたのが信じられん……」
「地味に見えるけど、やってることはどう考えても尋常じゃなかった。こんな達人を追放するとかありえねえだろ……」
「方向性は意外ですが、これほどまでに優れた黒魔導士がいるとは……」
拾われたパーティーでその高い能力を絶賛されるモンド。
これは、様々な事情を抱える低級パーティーを、最高の戦闘勘を持つモンドが成功に導いていく物語である……。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
外れスキル【転送】が最強だった件
名無し
ファンタジー
三十路になってようやくダンジョン入場試験に合格したケイス。
意気揚々と冒険者登録所に向かうが、そこで貰ったのは【転送】という外れスキル。
失意の中で故郷へ帰ろうとしていた彼のもとに、超有名ギルドのマスターが訪れる。
そこからケイスの人生は目覚ましく変わっていくのだった……。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
外れスキル【削除&復元】が実は最強でした~色んなものを消して相手に押し付けたり自分のものにしたりする能力を得た少年の成り上がり~
名無し
ファンタジー
突如パーティーから追放されてしまった主人公のカイン。彼のスキルは【削除&復元】といって、荷物係しかできない無能だと思われていたのだ。独りぼっちとなったカインは、ギルドで仲間を募るも意地悪な男にバカにされてしまうが、それがきっかけで頭痛や相手のスキルさえも削除できる力があると知る。カインは一流冒険者として名を馳せるという夢をかなえるべく、色んなものを削除、復元して自分ものにしていき、またたく間に最強の冒険者へと駆け上がっていくのだった……。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
没落貴族に転生した俺、外れ職【吟遊詩人】が規格外のジョブだったので無双しながら領地開拓を目指す
名無し
ファンタジー
現実世界で事故死したはずの主人公だったが、気付いたときには異世界の貴族として転生していた。
貴族の名はシオン=ギルバートといって、気弱で怠惰な少年で知られており、不良たちに遊ぶ金を渡すために父親の形見を売り払う有様だった。
そんな没落寸前のシオンがある日、酒に酔って転倒し、頭を打って気絶してしまう。
そこに警備員として働いていた主人公の魂が入り込む形になり、【吟遊詩人】というジョブを授かることに。
外れだと思われていたが実は至高のジョブで、さらに主人公は剣道の達人であったため、それまで彼をバカにしていた周囲の人間を見返しつつ、剣と音の力で領地開拓を目指す第二の人生が幕を開けるのであった。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる