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アンがぶち切れてしまいましたわ。4
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新人騎士達は皆騒然となった。そして、アン・ソフィが同じ騎士学校を落第したその人である事がわかったのだろう。彼らは不満をぶちまけた。
「うっ?! 嘘だ! あのアン・ソフィが第三中隊だなんて!」
「……俺達はあの過酷な訓練を耐えてきたんだぞ! なのに!」
「いや、戦えばわかる! 俺達騎士学園の首席と次席の二人に敵うもんか?」
みなアンの実力を信じがたい様だった。無理もないかもしれない。初めて見た時は唯、型だけが綺麗な非力な戦士だった。あの頃のアンから今のアンを想像できる筈が無い。
……こ、これは……
お金儲けのチャンスじゃないの? にやりと笑顔のゲス顔でアルを見る。
「(アル、これお金儲けできるよね?)」
「(ああ、流石クリス、気づいたかい?)」
「(ねえ、あなた達ホントに貴族だったの? ドン引きなんですけど、私)」
アンが失礼極まる事を言いやがる。いや、元が貴族だろうがなんだろうが、お金は大事♡
「(アル? レートはどんなものかしら?)」
「(一口1000ディナールてとこだね)」
「(そんなに? 成立するかしら?)」
「(皆さん、騎士学園のプライド背負っているから)」
「(なるほど、それなら成立しそうね?)」
「(クリスさん、アル君、お金のお勘定より私の応援はしてくれないのですか?)」
「(も、もちろんするわよ。が・ん・ば・れ・-・€)」
「(もちろん、応援するさ。が・ん・ば・れ・-・$)」
「(もういいです)」
でも、流石にちゃんと応援しないと、私も気が引けたので、一応真面目な応援をした。
「……ええと、ちゃんと手加減気をつけてね? ……アンは、多分、全力だと二人共直ぐ殺しちゃうから。そう、命は大事よ。一応仲間だから、殺しちゃうと後味悪いわよ」
応援というより、殺人を止める方の意見になった。アンは既に人外の戦力だから、ある意味当たり前なんだけど、それを聞いた新人騎士の人達から殺意を向けられた。いや?! だってホントなんだもん! 私が悪いんじゃないもん!!
同期の中から早速私達は浮いてしまったが、メゲずに商売をする。
「あの~? 一口1000ディナールでアンとロジャー様とヨラン様の戦いにブックメーカーしてるのですけど、如何ですか?」
「決まってるだろ? ロジャーとヨランに10口だ。もってけ全財産だ!」
「俺は20口! 全財産だ!!」
「俺も10口! 俺も全財産だ!!」
「俺は30口だ! 俺はあいつらを信じる!」
「だ、大丈夫ですか?」
「大丈夫に決まってるんだろ!!」*4
「わかりました」
私は後ろを振り向くとニマニマが止まらなかった。こいつら全員一文無しだ。金貸しで更にひと稼ぎできるかしら。ひゃっはー! うひゃはひゃはひゃはひゃはひゃはひゃはひゃは!!
アンは大舞台に登場する事になり、おそるおそる進み出て来た。他の中隊のベテランたちも驚いた様だ。多分、アマゾネスみたいなのを想像してたのだろう。まさか癒し系美少女が登場するなんて誰も思わなかったんだろう。
「……え? か、可愛いな? あれ、アイドルじゃないのか?」
「いや、ちゃんと第三中隊の制服を着てる。間違い無く騎士だ!!」
「いや、いや、大丈夫なのか? 第四中隊って言っても騎士学園を優秀な成績で卒業した猛者だぞ?」
「あの子、殺されたりしないか?」
「…………」*50
私が第四中隊長を見ると、第四中隊長は苦笑していた。私も「はははははは」と思わず乾いた笑いをしてしまった。でも、閃いちゃった。お金儲けのチャンス。
「あの~? 一口1000ディナールでアンとロジャー様とヨラン様の戦いにブックメーカーしてるのですけど、如何ですか?」
私とアルは第四中隊の先輩方にもブックメーカーの商売をふっかけた。
「お前ら、いい根性だな?」
「え!? いや、まあ、そのー」
「(何で褒められんだ?)」
「(そりゃ、目の付け処がシャープだからでしょ?)」
私とアルは第四中隊長の変な言葉に惑わされず、商売を続けた。先輩方は意外にもアンにビットする者がいた。流石~!? でもまじぃい。私達は程ほどでブックメーカーを締め切った。やばかった。第三中隊の人に見つかりそうだったのだ。第三中隊の人にアンにビットされるとぼろ儲けができなくなる。
アンと対戦者ロジャーとヨランが前に進みでる。ロジャーとヨランはこんなに注目を集めると感じてか、緊張して体が動かない様だ。さっきから、右手と右足が一緒に出ていて笑える。しかし、彼らが助けを求めるように同期が集まっていた場所を振り返ると……同期の熱い目線があった。同期に見送られて、心を取り戻した様だ。歩みが元に戻った。一方、アンは魔物との闘いで自信を付けたせいか、その目は前だけを見ていた。
「ヴァーサ家の子アン・ソフィ! 貴方達は私の友人を辱めました。もしこの場で、私と闘おうというのであれば、今日か明日まで闘ってでも、あるいは相打ちとなってでも、貴方達を降参させるまで戦う覚悟です!!」
「ニーストロームの子ロジャー。我が父イバルドの名にかけて、アン・ソフィの挑戦を受けよう」
「ヨンソン家が嫡男ヨラン、貴君を倒す事は、我が誇りの為である、が、ゆえに! 挑戦を受けよう!」
ざわざわし始めた。アンの口上も二人の口上もマジの決闘のものだ。模範試合である筈の試合に本物の決闘が始まるのである。もっとも、この二組の対戦には第四騎士団長クルトさんが審判として立ち会う。ヤバい時には試合を止めるだろう。大丈夫かな? アンこれは決闘じゃないんだよ? 殺しちゃ駄目なヤツだよ。
ロジャーとヨランが腰から下げた剣を抜く、刀身が陽光を反射して輝きを放つ。一方、アンが剣を抜くと、それは木剣だった。私達は新しい剣を買っている余裕がなかった。木剣は体裁が悪い、もちろん闘気を使える私達にとって、木剣である事はあまり意味はない
木剣に闘気を込めれば、その強度も切れ味も鉄の剣をさえ凌ぐ、だが、そんな事は私達にしかわからない。
「貴様! ふざけているのか?」
「俺達を馬鹿にしているのか?」
ロジャーとヨランは侮辱ととらえた様だ。彼らの同期も同様の意見だ。
「はは、やっぱり、これは茶番だぜ! どうせ、一瞬でロジャーとヨランが勝つんだぜ!」
「違いない! どうやって、木の剣で鉄の剣にたちうちできるって言うんだ!」
「試合えばわかります。木剣である事にこだわる時点で差は歴然!」
アンは冷静に言った。そこには絶対的な自信が見えた。皆、静まり返った。試合の開始を告げたのは、第四騎士団長の合図だった。アンは出来る限り丁寧に騎士の礼を取ると、声を張り上げた。
「アン・ソフィ参ります!」
アンは唇をぐっと噛みしめて、覚悟を決めたかの様な顔で走り出した。5メートル程手前で突然スピードを上げると、木剣を手を掲げ、全力で切りかかった。ごきんと鈍い音がして、アンの木剣がロジャーの鉄剣に受け止められた。ロジャーは目を眇めた。全力なのだろう。ロジャーの全身に力が入る。
――――――そうだろうね。あの木剣、ものすごく重いだろうな。鉄の剣なんかより。
アンは、一旦後ろに飛び下がった。ヨランから剣戟が振り下ろされた。それから、ロジャーの右、ヨランの左へと切り込み、フェイントを混ぜ、切り込んだ後、更に切り込む。
ごきん、ごきん、ごきん、と激しい音が響く。
いつの間にか、講堂が大きくざわめき出した。……うん、剣の音が木の剣と鉄の剣のものと違うからね。分かる人は、木の剣が鉄の剣を圧倒しているのを理解しているのだろう。
「……な、なんなんだ、あの木剣」
「それに、この剣戟の音! あの木剣から何故こんなに重い音がするんだ?!」
アンは、もう一度後ろにさがると、闘気を体内で濃く練りだした。どうやら、今までは様子見だったらしい。魔素は練らない。流石に手加減をする様だ。アンも最近は人の闘気や魔素の流れを感じる事ができる様になった様だ。二人の対戦者の闘気の流れ、それは僅かな物だった。彼我の差はあまりに歴然。心の底から騎士道を体現するアンも、本気でし合えば唯の虐め……いや、ただの殺戮になる事がわかってしまったのだろう。アンはこの試合を一機に決めに行く気だ。
アンは木剣を右斜め上段に構えると、助走をつけて、一機に飛んだ。そして!
「はぁぁっ!!」
剣がロジャーに向かって振り下ろされる。それを必死に受けようとするロジャー!
がきん!?
そして、一瞬で間を詰め、返す刀でヨランへ下段から上段へ一閃!? たまらず、ヨランは剣で受ける!
がきん!?
「......そ、そんな」
「......あ、あり得ない」
二人の鉄の剣が木剣に圧し折られた。折れた剣を手に、唖然とする二人。アンは、
シュッ
と木剣を振ると、剣を鞘に納めた。
「……し、勝負あり! 勝者、アン・ソフィ・ヴァーサ!」
第四中隊長が高らかにアンの勝利を宣言したが、皆、茫然としてアンを見つめていた。しかし、団長、叔父様だけは私を睨み、苦々しい顔を向けていた。
……あ、あれ? ニマニマし過ぎたかしら? 私はブックメーカーの稼ぎに酔いしれ、少々はしたない笑み、ニマニマ笑いが止まらないでいた。
「うっ?! 嘘だ! あのアン・ソフィが第三中隊だなんて!」
「……俺達はあの過酷な訓練を耐えてきたんだぞ! なのに!」
「いや、戦えばわかる! 俺達騎士学園の首席と次席の二人に敵うもんか?」
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「あの~? 一口1000ディナールでアンとロジャー様とヨラン様の戦いにブックメーカーしてるのですけど、如何ですか?」
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「だ、大丈夫ですか?」
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「いや、ちゃんと第三中隊の制服を着てる。間違い無く騎士だ!!」
「いや、いや、大丈夫なのか? 第四中隊って言っても騎士学園を優秀な成績で卒業した猛者だぞ?」
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「…………」*50
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「あの~? 一口1000ディナールでアンとロジャー様とヨラン様の戦いにブックメーカーしてるのですけど、如何ですか?」
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私とアルは第四中隊長の変な言葉に惑わされず、商売を続けた。先輩方は意外にもアンにビットする者がいた。流石~!? でもまじぃい。私達は程ほどでブックメーカーを締め切った。やばかった。第三中隊の人に見つかりそうだったのだ。第三中隊の人にアンにビットされるとぼろ儲けができなくなる。
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「貴様! ふざけているのか?」
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ロジャーとヨランは侮辱ととらえた様だ。彼らの同期も同様の意見だ。
「はは、やっぱり、これは茶番だぜ! どうせ、一瞬でロジャーとヨランが勝つんだぜ!」
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「試合えばわかります。木剣である事にこだわる時点で差は歴然!」
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「……な、なんなんだ、あの木剣」
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アンは、もう一度後ろにさがると、闘気を体内で濃く練りだした。どうやら、今までは様子見だったらしい。魔素は練らない。流石に手加減をする様だ。アンも最近は人の闘気や魔素の流れを感じる事ができる様になった様だ。二人の対戦者の闘気の流れ、それは僅かな物だった。彼我の差はあまりに歴然。心の底から騎士道を体現するアンも、本気でし合えば唯の虐め……いや、ただの殺戮になる事がわかってしまったのだろう。アンはこの試合を一機に決めに行く気だ。
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「はぁぁっ!!」
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がきん!?
そして、一瞬で間を詰め、返す刀でヨランへ下段から上段へ一閃!? たまらず、ヨランは剣で受ける!
がきん!?
「......そ、そんな」
「......あ、あり得ない」
二人の鉄の剣が木剣に圧し折られた。折れた剣を手に、唖然とする二人。アンは、
シュッ
と木剣を振ると、剣を鞘に納めた。
「……し、勝負あり! 勝者、アン・ソフィ・ヴァーサ!」
第四中隊長が高らかにアンの勝利を宣言したが、皆、茫然としてアンを見つめていた。しかし、団長、叔父様だけは私を睨み、苦々しい顔を向けていた。
……あ、あれ? ニマニマし過ぎたかしら? 私はブックメーカーの稼ぎに酔いしれ、少々はしたない笑み、ニマニマ笑いが止まらないでいた。
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