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その頃、アウクスブルク帝国でも色々あったようです。1
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アウクスブルク帝国皇太子カール・フィリップ。彼は顰めっ面で、彼の配下の冒険者エドヴァルドからの報告を聞いていた。彼はクリスの元婚約者で婚約破棄した張本人である。彼の他、剣聖ガブリエル 賢者アドロフ・エリク四人がクリスの情報を共有していた。彼らは皆、クリスが元所属していた魔法学園の生徒だ。
彼らは王都を追放した元侯爵令嬢クリスティーナを監視していた。彼らは満足していなかったのだ。皇太子はクリスの極刑を望んだ。何故なら、愛しい恋人ベアトリス・ケーニスマルクを害する可能性を無視できなかったからだ。
彼らがわざわざ、追い出した罪人の動向を探っているのは、これもひとえに、クリスに怪しい動向が暴かれれば、すぐさま、動かぬ証拠を根拠に、今度こそ密かに斬り捨てるためだった。全ては愛しいベアトリスの為。必ず真の断罪をしてみせる。彼はギリリの歯噛みし、決意を見せる。
「それにしても、愛しいベアトリスにも困ったものだ」
「ああ、彼女は優しすぎる」
「その通りだ。クリスティーナがこのまま追放されて黙っているとは思えない」
「断頭台へさっさへ送りこめていれば」
無言が訪れた。何故なら、憎いクリスティーナを断頭台に送り損ねたのは他でもない愛しいベアトリスが義母姉のクリスティーナを庇った為だった。
アウクスブルク帝国は500年前に当時この世界を恐怖に陥れた魔王を討伐した「勇者」と「聖女」が結婚し、当時魔境だったこの地を開拓し、興した国だ。その国力は増大し、ついには隣国を吸収し、帝国と称するにまでなった。しかし、アウクスブルク帝国は元々魔境だった事もあり、数十年に一度の割合で国内の瘴気が濃くなり、帝国の辺境を危険に陥れる魔物を多数生み出す。その都度、討伐されるのだが、瘴気の発生の際、限なく生まれ続けるのできりがない。
そして200年程前、瘴気がこれまでなく濃くなり、魔王の復活を示唆する聖なる鏡に亀裂が入る程にまでなった。しかし、その時、一人の聖女が、勇者と共に、光魔法で瘴気を次々と浄化していった。
国教会は彼女を大聖女と呼んだ。以降、瘴気が濃くなる兆しがあれば聖女のタレントを持つ者を国で保護し、瘴気の浄化に努させ、帝国の安寧を得る事になった。
国教会だけではなく、皇室もまた聖女に関して関心を持つ。それは、帝国を救う聖女を皇室に引き入れ、庶民の支持を得る為だった。そして、皇室は聖女のタレントを持つものを皇女として皇室にしばしば迎え入れた。
カール・フィリップ達の時代、まさにその瘴気が濃くなる時期となったのだが、聖女はここ最近、女神様からそのタレントを贈られる事なく、ある年、ようやく1人の聖女が現れる事になる。その聖女のタレントを女神様より授かったのがクリスティーナ・ケーニスマルク侯爵令嬢。そして、政略の為、皇太子カール・フィリップと婚約するに至った。
しかし、あくる年、なんと二人目の聖女が現れた。12歳の誕生日に聖女のタレントを授かったのは、なんと、聖女クリスティーナの異母妹ベアトリスだったのだ。彼女の婚約はすぐに決めかねられた。父親であるベルンハルト・ケーニスマルクはクリスティーナの異母妹を深く愛しており、婚約には慎重だった。彼は既に長女を皇室に送っており、二人目の選択肢を有意義に使いたいという政略的な意味もあったのであろう。
カール・フィリップは、クリスティーナを真の意味の聖女となどと、とうてい思えなかった。無論、将来の伴侶としてもだ。何故なら彼女は傲慢で嫉妬深く、帝国の皇太子である婚約者の彼の事すら下にしか見ていない。そしてお気に入りの格下の彼がクリスティーナ以外の女性に気持ちが移るのが、とてもとても嫌で我慢ならない性分なのだ。
聖女とはとうてい思えぬ性格、慈悲深い言葉はなく、逆に無視や暴言は当たり前で、機嫌が悪いときは当たり前のように他人に八つ当たりしたりや難くせをつけて苛めたりしていた。そんな彼女に辟易としている中、15歳となり王立魔法学園に通う事になったクリスティーナの義母妹、ベアトリス。ケーニスマルクと出会ったのは、そんな事を思っていた頃だ。
素直で明るく、誰に対しても分け隔てなく慈しむベアトリス。そんなベアトリスに心を奪われるのに、いくらも時間は必要なかった。そして、いつからか、激しく嫉妬し、ベアトリスへの嫌がらせを激化していくクリスティーナを疎ましく思い、彼女へ激しく憎悪が増していった。
そして魔法学園のダンスパーティの折、ついに、クリスティーナは嫉妬のあまり、ベアトリスを階段から突き落とし、怪我をさせるにまでに至った。帝国の宝である聖女を害するという事は極めて大きな罪。たとえ、クリスティーナが聖女であってでもだ。
そして、断罪はなされた。カール・フィリップとベアトリスを想う同士はめいめいにクリスティーナの悪行の数々の証拠を突き出し裁判を開いた。クリスティーナは必死に弁明するが、その姿は醜悪としか言えなかった。
「違います、違うのです殿下! その女が、あなたとばかり親しくするから私は……」
「クリスティーナ・ケーニスマルク! 聖女であり、妹であるベアトリス穣への嫌がらせの上、怪我をさせるなど私に相応しくない! 貴様との婚約は破棄とし、このベアトリス・ケーニスマルク穣を新しい婚約者として迎える!」
「そんなっ!」
頭を垂れて床に手を突くクリスティーナ。そんな彼女を冷たく見下ろし、カールはベアトリスを愛おしい目で見る。
「貴様への沙汰は極刑以外あるまい! 追って侯爵家に伝達する! それまで牢で、頭を冷やせ!」
「待ってくださいまし!」
声を上げたのは、他でもない、渦中の人、クリスティーナの異母妹ベアトリスだった。
「お義姉様の命を助けてくださいまし……」
真の聖女の言葉に皆、息を呑んだ。クリスの罰は極刑から追放刑へと変わったが、裁判ではクリスティーナは相変わらず、自身にしかわからない理屈で、必死に取り繕う。誰しもが、聞きたくなどなかった。そんなクリスティーナに、カールは更に憎悪の炎を燃やすのだった。
裁判が終わった後、裁判所の休憩室で許可を貰い、カールはベアトリスを慰める。ベアトリスはあれ程自身を虐めた義姉のクリスティーナの断罪で傷ついているのだ。だが、カールはベアトリスを慰める事自体より、ようやく公にベアトリスと二人っきりになれる事に安堵した。
「ベアトリス、義母姉の事は気にするな。彼女は罪を犯したのだ。彼女は罪を償わなければならない。それを君が気に病む事はない。それより、これから君は聖女としての使命がある。大変だとは思うが僕達が協力する、だから、安心して欲しい」
「は、はい…ありがとうございます。それはとても嬉しいのですが、私はお義母姉様の事が心配で……」
目を潤ませ、尚もあの、醜悪な義母姉のクリスティーナを想うベアトリス。そこには真の聖女がいた。
「お義姉様を何とか助けて頂く事はできないのでしょうか?」
「ベアトリス。君は優しい、しかし、君は自分の事をもっと大切に想う事だ。こんなにも大勢の人に想われる君自身こそを慈しんで欲しい。そうだ。クリスティーナだが、本当にもう大丈夫だと安心しているのか? あれだけ君に嫌がらせをし、私に執着したのだ…君を階段から突き落とするぐらい、君を嫌っていた」
「そ、そんな、私はお義母姉様の事が……それにカール様は義母姉様の婚約者だったのに……」
「君が気に病む事はない。もう僕は彼女とは関係ない。僕が愛しているのは誰が何と言おうとベアトリス、君だけだ」
「しかし……」
「君は人が好過ぎる。君は自分の身の安全を先ず、考えるべきだ。私に君の事を守らせてくれ!」
ベアトリスの手を握り、ベアトリスを説得する。今考えるべきはクリスティーナの復讐からベアトリスを守る手段を十分考える事だ。クリスティーナの執念を考えると、当然の事である。
「義母姉様が私を害するのでしょうか?」
「実際、君は害されたろう?」
「ですが、お義姉様は追放されて罰を受けられる。そんな状態で......」
「ああ、アウクスブルク帝国から追放されては、彼女も簡単には手はだせまい。しかし、あの女の事だ。執念深く、再び君を狙ってくるに違いない」
「わ、私はそこまであの人に?」
ベアトリスの義母姉への呼称がお義母姉様からあの人に変わった事にカールは満足した。ようやく、彼女もあの悪女の質の悪さに気がついてくれたのだ。
「彼女はアクイレイア王国の国境の街で追放される。しかし、君の父上は流石に裏で手を回すだろう。あの女が彼の地で力を蓄えた後、君への復讐に乗り出すのは時間の問題だ。僕にはわかる。長い間、あの女の性格の悪さを間近で見た。君だって見ていただろうに。あの女は贖罪などできないし、反省もしないだろう」
「しかし、その様に遠方であれば、あの人にどうする事も、あの人がどうにかできる事もないのではないでしょうか?」
カールには考えがあった。
「だから、監視を付ける。あの女が不穏な動きを見せれば、密かに斬り捨てる。その役目を……エドヴァルドに任せるさ」
「......」
「安心しろ。あの女が改心したら、その時は何もしない。それに君が安全な事が確認できるだろう?」
こうして、カールの配下の冒険者ルーンナイトのエドヴァルドがクリスティーナを監視する事になった。しかし、この時、ベアトリスの目の奥に黒い光が輝いた事にカールは気がつかなかった。
彼らは王都を追放した元侯爵令嬢クリスティーナを監視していた。彼らは満足していなかったのだ。皇太子はクリスの極刑を望んだ。何故なら、愛しい恋人ベアトリス・ケーニスマルクを害する可能性を無視できなかったからだ。
彼らがわざわざ、追い出した罪人の動向を探っているのは、これもひとえに、クリスに怪しい動向が暴かれれば、すぐさま、動かぬ証拠を根拠に、今度こそ密かに斬り捨てるためだった。全ては愛しいベアトリスの為。必ず真の断罪をしてみせる。彼はギリリの歯噛みし、決意を見せる。
「それにしても、愛しいベアトリスにも困ったものだ」
「ああ、彼女は優しすぎる」
「その通りだ。クリスティーナがこのまま追放されて黙っているとは思えない」
「断頭台へさっさへ送りこめていれば」
無言が訪れた。何故なら、憎いクリスティーナを断頭台に送り損ねたのは他でもない愛しいベアトリスが義母姉のクリスティーナを庇った為だった。
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しかし、あくる年、なんと二人目の聖女が現れた。12歳の誕生日に聖女のタレントを授かったのは、なんと、聖女クリスティーナの異母妹ベアトリスだったのだ。彼女の婚約はすぐに決めかねられた。父親であるベルンハルト・ケーニスマルクはクリスティーナの異母妹を深く愛しており、婚約には慎重だった。彼は既に長女を皇室に送っており、二人目の選択肢を有意義に使いたいという政略的な意味もあったのであろう。
カール・フィリップは、クリスティーナを真の意味の聖女となどと、とうてい思えなかった。無論、将来の伴侶としてもだ。何故なら彼女は傲慢で嫉妬深く、帝国の皇太子である婚約者の彼の事すら下にしか見ていない。そしてお気に入りの格下の彼がクリスティーナ以外の女性に気持ちが移るのが、とてもとても嫌で我慢ならない性分なのだ。
聖女とはとうてい思えぬ性格、慈悲深い言葉はなく、逆に無視や暴言は当たり前で、機嫌が悪いときは当たり前のように他人に八つ当たりしたりや難くせをつけて苛めたりしていた。そんな彼女に辟易としている中、15歳となり王立魔法学園に通う事になったクリスティーナの義母妹、ベアトリス。ケーニスマルクと出会ったのは、そんな事を思っていた頃だ。
素直で明るく、誰に対しても分け隔てなく慈しむベアトリス。そんなベアトリスに心を奪われるのに、いくらも時間は必要なかった。そして、いつからか、激しく嫉妬し、ベアトリスへの嫌がらせを激化していくクリスティーナを疎ましく思い、彼女へ激しく憎悪が増していった。
そして魔法学園のダンスパーティの折、ついに、クリスティーナは嫉妬のあまり、ベアトリスを階段から突き落とし、怪我をさせるにまでに至った。帝国の宝である聖女を害するという事は極めて大きな罪。たとえ、クリスティーナが聖女であってでもだ。
そして、断罪はなされた。カール・フィリップとベアトリスを想う同士はめいめいにクリスティーナの悪行の数々の証拠を突き出し裁判を開いた。クリスティーナは必死に弁明するが、その姿は醜悪としか言えなかった。
「違います、違うのです殿下! その女が、あなたとばかり親しくするから私は……」
「クリスティーナ・ケーニスマルク! 聖女であり、妹であるベアトリス穣への嫌がらせの上、怪我をさせるなど私に相応しくない! 貴様との婚約は破棄とし、このベアトリス・ケーニスマルク穣を新しい婚約者として迎える!」
「そんなっ!」
頭を垂れて床に手を突くクリスティーナ。そんな彼女を冷たく見下ろし、カールはベアトリスを愛おしい目で見る。
「貴様への沙汰は極刑以外あるまい! 追って侯爵家に伝達する! それまで牢で、頭を冷やせ!」
「待ってくださいまし!」
声を上げたのは、他でもない、渦中の人、クリスティーナの異母妹ベアトリスだった。
「お義姉様の命を助けてくださいまし……」
真の聖女の言葉に皆、息を呑んだ。クリスの罰は極刑から追放刑へと変わったが、裁判ではクリスティーナは相変わらず、自身にしかわからない理屈で、必死に取り繕う。誰しもが、聞きたくなどなかった。そんなクリスティーナに、カールは更に憎悪の炎を燃やすのだった。
裁判が終わった後、裁判所の休憩室で許可を貰い、カールはベアトリスを慰める。ベアトリスはあれ程自身を虐めた義姉のクリスティーナの断罪で傷ついているのだ。だが、カールはベアトリスを慰める事自体より、ようやく公にベアトリスと二人っきりになれる事に安堵した。
「ベアトリス、義母姉の事は気にするな。彼女は罪を犯したのだ。彼女は罪を償わなければならない。それを君が気に病む事はない。それより、これから君は聖女としての使命がある。大変だとは思うが僕達が協力する、だから、安心して欲しい」
「は、はい…ありがとうございます。それはとても嬉しいのですが、私はお義母姉様の事が心配で……」
目を潤ませ、尚もあの、醜悪な義母姉のクリスティーナを想うベアトリス。そこには真の聖女がいた。
「お義姉様を何とか助けて頂く事はできないのでしょうか?」
「ベアトリス。君は優しい、しかし、君は自分の事をもっと大切に想う事だ。こんなにも大勢の人に想われる君自身こそを慈しんで欲しい。そうだ。クリスティーナだが、本当にもう大丈夫だと安心しているのか? あれだけ君に嫌がらせをし、私に執着したのだ…君を階段から突き落とするぐらい、君を嫌っていた」
「そ、そんな、私はお義母姉様の事が……それにカール様は義母姉様の婚約者だったのに……」
「君が気に病む事はない。もう僕は彼女とは関係ない。僕が愛しているのは誰が何と言おうとベアトリス、君だけだ」
「しかし……」
「君は人が好過ぎる。君は自分の身の安全を先ず、考えるべきだ。私に君の事を守らせてくれ!」
ベアトリスの手を握り、ベアトリスを説得する。今考えるべきはクリスティーナの復讐からベアトリスを守る手段を十分考える事だ。クリスティーナの執念を考えると、当然の事である。
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「ですが、お義姉様は追放されて罰を受けられる。そんな状態で......」
「ああ、アウクスブルク帝国から追放されては、彼女も簡単には手はだせまい。しかし、あの女の事だ。執念深く、再び君を狙ってくるに違いない」
「わ、私はそこまであの人に?」
ベアトリスの義母姉への呼称がお義母姉様からあの人に変わった事にカールは満足した。ようやく、彼女もあの悪女の質の悪さに気がついてくれたのだ。
「彼女はアクイレイア王国の国境の街で追放される。しかし、君の父上は流石に裏で手を回すだろう。あの女が彼の地で力を蓄えた後、君への復讐に乗り出すのは時間の問題だ。僕にはわかる。長い間、あの女の性格の悪さを間近で見た。君だって見ていただろうに。あの女は贖罪などできないし、反省もしないだろう」
「しかし、その様に遠方であれば、あの人にどうする事も、あの人がどうにかできる事もないのではないでしょうか?」
カールには考えがあった。
「だから、監視を付ける。あの女が不穏な動きを見せれば、密かに斬り捨てる。その役目を……エドヴァルドに任せるさ」
「......」
「安心しろ。あの女が改心したら、その時は何もしない。それに君が安全な事が確認できるだろう?」
こうして、カールの配下の冒険者ルーンナイトのエドヴァルドがクリスティーナを監視する事になった。しかし、この時、ベアトリスの目の奥に黒い光が輝いた事にカールは気がつかなかった。
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