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⑦風の強い日に見てはいけない
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俺がまだ、中学の時だ。
季節は秋。台風の風の音が
『 ビュービュー、ガタガタ』うるさい。
その音で起きてしまった。
時計は、夜中の二時頃。丑三つ時ってやつか。
「喉が乾いた」そう思った俺は
仕方なくキッチンに水を飲みに行く事にした。
俺の部屋は二階にある。両親は一階で
眠っているので、起こさないように
ゆっくりと階段を降りてキッチンへ向かった。
廊下の電気だけを付けて、キッチンに入る。
両親の部屋はキッチンの隣。
だから電気は、つけない事にした。
廊下の灯りだけを頼りに、俺専用のコップを
手に取ると水を、いっぱい飲み干した。
『 ビュー、ガタガタ、ザァー…』
雨混じりの音が聞こえた。
さっきまで風だけだったのに
雨が降り出したようだ。
薄暗いキッチンは、なんだか気味が悪く
少しずつ怖くなってきた俺は
キッチンから立ち去ろうとした。
ところが…
ん?
キッチンの窓からは、裏庭が見えるのだが
そこにいつも、母親は洗濯物を干している。
その洗濯物が揺れているようだった。
取り込むの忘れたのかな?
既に雨でビショビショになっているであろう
洗濯物は、このままだと強風で
飛ばされてしまう。
こんな時間に母親を起こす訳にもいかないよな。
だけど、この嵐の中、洗濯物を取りに
外に出る訳にも行かない。
そんな事を考えながら、ユラユラと
揺れる洗濯物を見つめていると…
!
何かが変だ!
風があんなに強く吹いているのに
どうしてユラユラと、ゆっくり
揺れているんだろうか?
不思議に思った俺は、もう少し
窓の近くまで顔を寄せた…
「ぅわっっく!!」
デカい声が出そうになった口を両手で塞ぐ。
俺が洗濯物だと思っていたのは…
物干し竿に長い髪の毛を、ぐるりと
巻き付けた女だった。
その女は、ユラユラと揺れて
笑いながら俺の方を見ていた…
髪の毛だけで、ぶら下がった女は
不自然に曲がった手と足を『 ぶらんぶらん』
と揺らしていて
まるで髪の毛でブランコをしているような
とにかく、気味の悪い動きをしていた。
俺は、悲鳴をあげそうな口を押さえたまま
階段を駆け上って布団に潜り込んだ!
怖くて、全身がガタガタと震えた…
いつの間にか眠ってしまっていたようで
時計を見ると、そろそろ家族が
起きてくる時間。
だけど、嵐のせいでまだ若干薄暗い。
昨日の夜の事を思い出した俺は
また少し怖くなってしまったが
アレが現実だったのか、それとも夢だったのか
確かめたくなった俺はキッチンへ向かった。
何かあれば家族が起きてくるだろうと
そう思ったから。
キッチンの窓から、裏庭を見ると
物干し竿には、何もない。
飛ばされた?
いやいや、多分きっと、夜中に見たのは
見間違えか何かだったんだろう。
そう、言い聞かせた時…
あ!
キッチンのシンクには、少し水の入った
俺専用のコップがあった。
これは、夜中の出来事が現実だった事を
示していて、全身に鳥肌が立った。
季節は秋。台風の風の音が
『 ビュービュー、ガタガタ』うるさい。
その音で起きてしまった。
時計は、夜中の二時頃。丑三つ時ってやつか。
「喉が乾いた」そう思った俺は
仕方なくキッチンに水を飲みに行く事にした。
俺の部屋は二階にある。両親は一階で
眠っているので、起こさないように
ゆっくりと階段を降りてキッチンへ向かった。
廊下の電気だけを付けて、キッチンに入る。
両親の部屋はキッチンの隣。
だから電気は、つけない事にした。
廊下の灯りだけを頼りに、俺専用のコップを
手に取ると水を、いっぱい飲み干した。
『 ビュー、ガタガタ、ザァー…』
雨混じりの音が聞こえた。
さっきまで風だけだったのに
雨が降り出したようだ。
薄暗いキッチンは、なんだか気味が悪く
少しずつ怖くなってきた俺は
キッチンから立ち去ろうとした。
ところが…
ん?
キッチンの窓からは、裏庭が見えるのだが
そこにいつも、母親は洗濯物を干している。
その洗濯物が揺れているようだった。
取り込むの忘れたのかな?
既に雨でビショビショになっているであろう
洗濯物は、このままだと強風で
飛ばされてしまう。
こんな時間に母親を起こす訳にもいかないよな。
だけど、この嵐の中、洗濯物を取りに
外に出る訳にも行かない。
そんな事を考えながら、ユラユラと
揺れる洗濯物を見つめていると…
!
何かが変だ!
風があんなに強く吹いているのに
どうしてユラユラと、ゆっくり
揺れているんだろうか?
不思議に思った俺は、もう少し
窓の近くまで顔を寄せた…
「ぅわっっく!!」
デカい声が出そうになった口を両手で塞ぐ。
俺が洗濯物だと思っていたのは…
物干し竿に長い髪の毛を、ぐるりと
巻き付けた女だった。
その女は、ユラユラと揺れて
笑いながら俺の方を見ていた…
髪の毛だけで、ぶら下がった女は
不自然に曲がった手と足を『 ぶらんぶらん』
と揺らしていて
まるで髪の毛でブランコをしているような
とにかく、気味の悪い動きをしていた。
俺は、悲鳴をあげそうな口を押さえたまま
階段を駆け上って布団に潜り込んだ!
怖くて、全身がガタガタと震えた…
いつの間にか眠ってしまっていたようで
時計を見ると、そろそろ家族が
起きてくる時間。
だけど、嵐のせいでまだ若干薄暗い。
昨日の夜の事を思い出した俺は
また少し怖くなってしまったが
アレが現実だったのか、それとも夢だったのか
確かめたくなった俺はキッチンへ向かった。
何かあれば家族が起きてくるだろうと
そう思ったから。
キッチンの窓から、裏庭を見ると
物干し竿には、何もない。
飛ばされた?
いやいや、多分きっと、夜中に見たのは
見間違えか何かだったんだろう。
そう、言い聞かせた時…
あ!
キッチンのシンクには、少し水の入った
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