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約束
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『ピロピロリーン』
私「!」
何かの音で目が覚めた!…アラーム?
スマホを確認すると…
私「げっ!七時過ぎてるっ!」
や、ヤバイ!
朝ご飯、作る暇無い…ど、どうしよう!
って、それより旦那と子供達を起こさないと!
『トントン』『ガチャ』
母親「いつまで寝てるの?早く起きなさい!
遅刻するよ。」
あれ?お母…さん?
…
あぁ!
そうか。私は今、ゲームのヒロインだった!
そういえば、さっき…
もう一度、スマホを確認すると
私「なんだ、今日、土曜日じゃん」
母親「そうだよ。でも、約束があるから
早く起こしてって昨日、言ってたでしょ。」
え?約束…
…
!
私「どうしてもっと早く起こしてくれなかったのーっ?」
母親「起こしたよ。今ので三回目」
私「…」
私が悪いのか、ヒロインが寝坊助なのか
とにかく急がねばっ!
直ぐに準備をして家を出た。
今日、藤堂先生はテストを作る為に学校に来る。その合間に勉強を教えてくれる事になっているんだから。
って、どうしてこのゲームは、微妙な場面からスタートするのかね?
今日みたいに、寝坊してギリギリとか
前も、お昼ご飯食べて、そのまま寝ちゃって放課後あたりからスタートしたし…。
まぁ、もともとストーリーの設定とか決まってるのかも知れないけど、もう少し融通きいて自由に動ければいいのにな…
あ、でもそうなると、このゲームの内容自体
変わってきちゃうのかな?
んー。わかんなくなって来た…
成り行きに任せろって事なのかな?
そんな事を考えているうちに、学校の近くの駅に着いた。
約束の時間まで、あと五分ちょっと。
ギリギリ間に合うか…な?
『ブォオオオンッ!』
うっさ!
耳を塞ぐ。バイクの音だ。
その音は、私の目の前で止まった。
??「おい!遅刻する気か?」
私「え?」
聞き覚えのある声。
声の主がヘルメットを外す。
私「とっ藤堂先生!」
藤堂「後、四分三十秒…」
私「へ?」
『ブォオオオン!ブウウウウウーン』
ニヤリと笑うと、そのまま学校の方角へ走り去ってしまった。
えぇー?
そこは、乗るかとか聞いてくるところでしょーよ!
私は、藤堂先生を追いかけるように全速力で学校へと向かった。
『ガラッ』待ち合わせ場所の化学室の扉を開ける。
私「はぁはぁ…セーフ…」
走ってきたので、息が切れる。
藤堂「二十秒遅刻」
私「こまかすぎますよ…」
藤堂「俺がせっかく教えてやるって言ってるのに遅刻とか、ありえねぇから」
私「なっ…だったらあの時、乗せてくれたっていいじゃないですか!」
藤堂「無理」
私「どうしてですか?」
藤堂「女は乗せねぇって決めてるからな」
何それ。どんな理由が?
気になる…けど、これは聞いたらダメなやつなのかな?
好感度、下がったりする?
ゲームなんだから、困った時は選択肢とか出ればいいのに。私の頭の中でいいからさ。
藤堂「な、何だよその、不審者を見るような目は?」
不審者を見るような目って…
ヒロインはどんな目をしているんだろう?
あれ?
そういえば…
私「バイクですね!」
藤堂「は?」
あ。主語が足りなかったか。
私「この前、ぶつかった時の
あの、瞬間移動とか言ったやつです」
藤堂「あぁ、アレか。今更気がついたのか」
私「いや、だってバイク、どこにも見当たらないですし…」
先生達が車とか止めてある場所にバイクなんて無かったよね?
…神隠し…?
藤堂「アンタ、今とんでもない事、考えたろ?」
私「う…」
私に疑いの目を向ける藤堂先生。何で分かったんだろう?
私「か、神隠しだなんて思ってませんから」
藤堂「ぷっ…アハハハハ…変なやつだなアンタ」
ヒロイン、変なやつって思われてる…
藤堂「どこにあると思う?」
私「え?」
藤堂「バイク」
すると、藤堂先生が着ている白衣のポケットを指さした。
私「?」
藤堂先生が手招きをする。
…何か企んでる?
恐る恐る近づいて行くと藤堂先生が白衣のポケットに手を入れた。
そこから、小さなバイクが出てきた。
私「あ。」
まさか、小さくした?
いや…でも、これゲームだし、ありえなくはない、よね?
魔法使い設定?
いやいやいや、そんな設定はどこにも書かれて無かったし。
私「ま、まさか小さくしてポケットに隠したとかはないですよねー?」
藤堂「どうだろうな?」
ニヤニヤして私を見る藤堂先生。
絶対、からかってる!
藤堂「ほれ」
私「何ですかこれ?」
藤堂「いらねぇのか」
私「いらないですね」
手のひらサイズの小さいバイクを
渡してきたけど、コレどうしろと?
藤堂「この学校、バイク禁止なんだよな。
だから、アンタ隠しといて」
え?
まさか、本当に小さくした?
よく見ると、このバイク、藤堂先生が乗ってたバイクに似てるような…
ん?
藤堂「くくく…」
笑いこらえてるしっ!
あー、もう。
やっぱりからかってるよ、この人。
ってかこの学校、バイク禁止だったんだ。
なのに、どうしてバイクで来てるんだろう?
バレたらヤバイんじゃ…
それよりバイク、どこに隠してるんだろう?
私の手の上に乗っているバイクを見つめていると
藤堂「無くすなよ。」
私「はい。」
勢いで「はい」と答えてしまったけど
何の為に、私にくれたんだろう?
藤堂「じゃ、始めるか」
私「何をですか?」
藤堂「はぁ?アンタ、何しに学校来たんだよ?」
と、私をいつもの、目つきの悪い目で睨む。
私「て、テスト勉強です。」
藤堂「全く…で?苦手な教科ってどれ?」
藤堂先生は、化学の先生なのに数学でも社会でも英語でも、どんな教科の質問をしても全て教えてくれた。
藤堂先生って、苦手な教科は、ないのかな?
頭いいんだ…
感じ悪いし、目つき悪いし、口も態度悪いけど(私にだけ)ちょっと見直したな。
『ぐー』
!
鳴ったのは、私のお腹。
藤堂「クククク…すげぇ音!」
私「し、仕方ないじゃないですか。だってもう、お昼…っ」
!
藤堂先生の方を向くと、今まで見せた事の無い顔で微笑んでいた。
いつもは、怖いと言うか、何か企んでそうな…
口の先端が、こう上がってたりしてるのに
今のは、なんて言ったらいいのか、とにかく
にっこりと優しい目で笑っていた。
藤堂先生の、この優しい笑顔に、ドキリとしてしまい、お腹が鳴ったのを聞かれてしまった恥ずかしさなんて、一瞬で飛んでいってしまった。
藤堂先生って、こんな顔で笑うんだ。
藤堂「ん?どうした?弁当忘れたのか?」
私「あ、いえ、持ってきました。」
家を出る時、ヒロインのお母さんが渡してくれたのだ。
そのお弁当を食べながら、化学室の時計を見る。
いつの間にか十二時、過ぎてたんだ…
集中してて、全然気が付かなかったな。
藤堂先生の教え方も、すごく解りやすくて
そんなに勉強得意じゃなかった私でも
難しい問題集がスラスラ出来たし。
この調子で頑張れば、もしかしたら結構良い点数を取れるんじゃないかな?
私「あれ?藤堂先生、パン?」
藤堂「あぁ。作ってくれる奴なんていねぇからな」
いない?彼女いそうなのに。
あ、そうか。彼女いる設定だったら奪還的なのになっちゃうもんね。もし、いたとしたら、たとえゲームでも何か嫌だな。
藤堂「それとも、アンタ作ってくれんの?」
私「え?」
どうせ、適当に言ったであろうその言葉に
またドキリとしてしまう。
素直に、私に作ってきて欲しいとか
言ってるって思ってもいいのかな?
私「作りましょうか?」
藤堂「へぇ、作れるの?」
私「ま、まぁ。」
多分、ですけどね。
“私は”一応、主婦歴長いから作れるけど
“ヒロインが”となると微妙なんですが…
藤堂「じゃぁ、明日作ってこいよ。」
私「はい。」
藤堂「ちゃんと食えるもん、作ってこいよー」
ちょっと、からかったような笑顔が
可愛いなんて思ってしまったのは
きっと、ヒロインの感情なんだろうな。
明日、藤堂先生にお弁当を作ると約束したけど
このヒロインは、大丈夫だろうか?
後半のテスト勉強は、お弁当の事でいっぱいになって、さっきより捗らなかったのは
藤堂先生には絶対、言わないでおこう。
私「!」
何かの音で目が覚めた!…アラーム?
スマホを確認すると…
私「げっ!七時過ぎてるっ!」
や、ヤバイ!
朝ご飯、作る暇無い…ど、どうしよう!
って、それより旦那と子供達を起こさないと!
『トントン』『ガチャ』
母親「いつまで寝てるの?早く起きなさい!
遅刻するよ。」
あれ?お母…さん?
…
あぁ!
そうか。私は今、ゲームのヒロインだった!
そういえば、さっき…
もう一度、スマホを確認すると
私「なんだ、今日、土曜日じゃん」
母親「そうだよ。でも、約束があるから
早く起こしてって昨日、言ってたでしょ。」
え?約束…
…
!
私「どうしてもっと早く起こしてくれなかったのーっ?」
母親「起こしたよ。今ので三回目」
私「…」
私が悪いのか、ヒロインが寝坊助なのか
とにかく急がねばっ!
直ぐに準備をして家を出た。
今日、藤堂先生はテストを作る為に学校に来る。その合間に勉強を教えてくれる事になっているんだから。
って、どうしてこのゲームは、微妙な場面からスタートするのかね?
今日みたいに、寝坊してギリギリとか
前も、お昼ご飯食べて、そのまま寝ちゃって放課後あたりからスタートしたし…。
まぁ、もともとストーリーの設定とか決まってるのかも知れないけど、もう少し融通きいて自由に動ければいいのにな…
あ、でもそうなると、このゲームの内容自体
変わってきちゃうのかな?
んー。わかんなくなって来た…
成り行きに任せろって事なのかな?
そんな事を考えているうちに、学校の近くの駅に着いた。
約束の時間まで、あと五分ちょっと。
ギリギリ間に合うか…な?
『ブォオオオンッ!』
うっさ!
耳を塞ぐ。バイクの音だ。
その音は、私の目の前で止まった。
??「おい!遅刻する気か?」
私「え?」
聞き覚えのある声。
声の主がヘルメットを外す。
私「とっ藤堂先生!」
藤堂「後、四分三十秒…」
私「へ?」
『ブォオオオン!ブウウウウウーン』
ニヤリと笑うと、そのまま学校の方角へ走り去ってしまった。
えぇー?
そこは、乗るかとか聞いてくるところでしょーよ!
私は、藤堂先生を追いかけるように全速力で学校へと向かった。
『ガラッ』待ち合わせ場所の化学室の扉を開ける。
私「はぁはぁ…セーフ…」
走ってきたので、息が切れる。
藤堂「二十秒遅刻」
私「こまかすぎますよ…」
藤堂「俺がせっかく教えてやるって言ってるのに遅刻とか、ありえねぇから」
私「なっ…だったらあの時、乗せてくれたっていいじゃないですか!」
藤堂「無理」
私「どうしてですか?」
藤堂「女は乗せねぇって決めてるからな」
何それ。どんな理由が?
気になる…けど、これは聞いたらダメなやつなのかな?
好感度、下がったりする?
ゲームなんだから、困った時は選択肢とか出ればいいのに。私の頭の中でいいからさ。
藤堂「な、何だよその、不審者を見るような目は?」
不審者を見るような目って…
ヒロインはどんな目をしているんだろう?
あれ?
そういえば…
私「バイクですね!」
藤堂「は?」
あ。主語が足りなかったか。
私「この前、ぶつかった時の
あの、瞬間移動とか言ったやつです」
藤堂「あぁ、アレか。今更気がついたのか」
私「いや、だってバイク、どこにも見当たらないですし…」
先生達が車とか止めてある場所にバイクなんて無かったよね?
…神隠し…?
藤堂「アンタ、今とんでもない事、考えたろ?」
私「う…」
私に疑いの目を向ける藤堂先生。何で分かったんだろう?
私「か、神隠しだなんて思ってませんから」
藤堂「ぷっ…アハハハハ…変なやつだなアンタ」
ヒロイン、変なやつって思われてる…
藤堂「どこにあると思う?」
私「え?」
藤堂「バイク」
すると、藤堂先生が着ている白衣のポケットを指さした。
私「?」
藤堂先生が手招きをする。
…何か企んでる?
恐る恐る近づいて行くと藤堂先生が白衣のポケットに手を入れた。
そこから、小さなバイクが出てきた。
私「あ。」
まさか、小さくした?
いや…でも、これゲームだし、ありえなくはない、よね?
魔法使い設定?
いやいやいや、そんな設定はどこにも書かれて無かったし。
私「ま、まさか小さくしてポケットに隠したとかはないですよねー?」
藤堂「どうだろうな?」
ニヤニヤして私を見る藤堂先生。
絶対、からかってる!
藤堂「ほれ」
私「何ですかこれ?」
藤堂「いらねぇのか」
私「いらないですね」
手のひらサイズの小さいバイクを
渡してきたけど、コレどうしろと?
藤堂「この学校、バイク禁止なんだよな。
だから、アンタ隠しといて」
え?
まさか、本当に小さくした?
よく見ると、このバイク、藤堂先生が乗ってたバイクに似てるような…
ん?
藤堂「くくく…」
笑いこらえてるしっ!
あー、もう。
やっぱりからかってるよ、この人。
ってかこの学校、バイク禁止だったんだ。
なのに、どうしてバイクで来てるんだろう?
バレたらヤバイんじゃ…
それよりバイク、どこに隠してるんだろう?
私の手の上に乗っているバイクを見つめていると
藤堂「無くすなよ。」
私「はい。」
勢いで「はい」と答えてしまったけど
何の為に、私にくれたんだろう?
藤堂「じゃ、始めるか」
私「何をですか?」
藤堂「はぁ?アンタ、何しに学校来たんだよ?」
と、私をいつもの、目つきの悪い目で睨む。
私「て、テスト勉強です。」
藤堂「全く…で?苦手な教科ってどれ?」
藤堂先生は、化学の先生なのに数学でも社会でも英語でも、どんな教科の質問をしても全て教えてくれた。
藤堂先生って、苦手な教科は、ないのかな?
頭いいんだ…
感じ悪いし、目つき悪いし、口も態度悪いけど(私にだけ)ちょっと見直したな。
『ぐー』
!
鳴ったのは、私のお腹。
藤堂「クククク…すげぇ音!」
私「し、仕方ないじゃないですか。だってもう、お昼…っ」
!
藤堂先生の方を向くと、今まで見せた事の無い顔で微笑んでいた。
いつもは、怖いと言うか、何か企んでそうな…
口の先端が、こう上がってたりしてるのに
今のは、なんて言ったらいいのか、とにかく
にっこりと優しい目で笑っていた。
藤堂先生の、この優しい笑顔に、ドキリとしてしまい、お腹が鳴ったのを聞かれてしまった恥ずかしさなんて、一瞬で飛んでいってしまった。
藤堂先生って、こんな顔で笑うんだ。
藤堂「ん?どうした?弁当忘れたのか?」
私「あ、いえ、持ってきました。」
家を出る時、ヒロインのお母さんが渡してくれたのだ。
そのお弁当を食べながら、化学室の時計を見る。
いつの間にか十二時、過ぎてたんだ…
集中してて、全然気が付かなかったな。
藤堂先生の教え方も、すごく解りやすくて
そんなに勉強得意じゃなかった私でも
難しい問題集がスラスラ出来たし。
この調子で頑張れば、もしかしたら結構良い点数を取れるんじゃないかな?
私「あれ?藤堂先生、パン?」
藤堂「あぁ。作ってくれる奴なんていねぇからな」
いない?彼女いそうなのに。
あ、そうか。彼女いる設定だったら奪還的なのになっちゃうもんね。もし、いたとしたら、たとえゲームでも何か嫌だな。
藤堂「それとも、アンタ作ってくれんの?」
私「え?」
どうせ、適当に言ったであろうその言葉に
またドキリとしてしまう。
素直に、私に作ってきて欲しいとか
言ってるって思ってもいいのかな?
私「作りましょうか?」
藤堂「へぇ、作れるの?」
私「ま、まぁ。」
多分、ですけどね。
“私は”一応、主婦歴長いから作れるけど
“ヒロインが”となると微妙なんですが…
藤堂「じゃぁ、明日作ってこいよ。」
私「はい。」
藤堂「ちゃんと食えるもん、作ってこいよー」
ちょっと、からかったような笑顔が
可愛いなんて思ってしまったのは
きっと、ヒロインの感情なんだろうな。
明日、藤堂先生にお弁当を作ると約束したけど
このヒロインは、大丈夫だろうか?
後半のテスト勉強は、お弁当の事でいっぱいになって、さっきより捗らなかったのは
藤堂先生には絶対、言わないでおこう。
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