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友情・2
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世楽を探す為に、来た道を下っていると
新に出くわした!
だけど、その表情は全く歪んでなかった。
クロボシが付く時は、相当痛いはずなのに
なぜだろう?痛くて、動けなくなってるかと
思ったのに…
新「違ったみたいだな。」
改「!」
違ったって…
登山がタマゴの試験じゃなかったって事か?
でも、試験が登山と関係してるのかとか
これからなのかとか、そんな事
今はどうでもよかった。
とにかく世楽を探す事で頭がいっぱいになっていたから。
新が、何か非肉を言っていたけど
俺はソレをシカトして登ってくる生徒と
逆方向に向かった。
辺りを見回しながら下っていると茅菜に会った。
茅菜「改くん!どうかしたの?」
どうかしたの、だって?
俺、そんなどうかしてそうな顔、してるのか?
改「あ、うん。えっと、先に着いてるはずの
世楽がいなくて。見なかった?」
茅菜「見てないけど…」
改「そっか、ありがと!」
雨が『ポツポツ』と降り出した。
山の天気は変わりやすいとか言うけど
本当なんだな。
茅菜「ちょっと待って!」
急いでる俺の足を、茅菜の声が止めた。
茅菜「私も行く!」
え?
いや、ダメだろ。
雨降ってきたし、風邪でもひいたら困る。
それに、滑って落ちたりなんかした大変だ!
俺は、世楽が居なくなった事を先生に
伝えてもらう事にした。
慌てていたので、伝えるのを忘れていたから。
茅菜「でも…」
改「大丈夫!絶対見つけるから。
それに、世楽と仲良くなるチャンスだからさ!」
その言葉を言うのが精一杯だった。
世楽に、毎日嫌な態度取られてて
これは、茅菜の為だとか言い聞かせて
仕方なくやって来た事だったけど
今は、仕方ないとかそう言う感情じゃなかった。
とにかく世楽の事が、心配で心配で
仕方なかったから。
いつの間にか登ってくる生徒とも
すれ違わなくなっていて
雨も、少し強くなっていた。
あー、母ちゃんの言う通り、傘でもレインコートでも持ってくりゃよかった。
ふと、目をやると『クマ注意』の看板が
目に飛び込んできた!
改「げっ!マジかよ」
登ってくる時、こんな看板あったの
全く気が付かなかったんだけど。
ん?
何か、引きずったみたいな変な跡がある。
その跡を辿ると、五メートルくらい下の方に
傘の上の部分が小さく見えた!
もしかして…
改「世楽か?」
俺は、滑るように五メートルくらいの
坂を降りた。
世楽だと言う確信はなかった。
世楽じゃなかったとしても
人が傘をさしている事に間違いはなかった。
遭難者で、動けないなら俺が助けを
呼びに行けばいい、そう思ったから。
傘をさした人に近付くと、それは小さく低かった。しゃがんでいたからだ。
ゆっくりと上を見上げたのは
俺の探していた世楽だった!
改「あー、よかった。見つかって」
世楽「…君、どうして?」
改「そんなもん、いなかったから
探しに来たに決まってんだろ」
世楽「なんで…」
改「どうしてとか、なんでとか
どうでもいいって!ほら、行くぞ」
手を伸ばしたけど、世楽は首を横に振った。
あぁ、立ち上がれないのか。
世楽「足、痛めた。立てないから
だから、放っておいてよ…」
ひねくれた言葉を発した世楽を無視して
俺は、世楽の片方の腕を自分の肩にかけて
無理矢理立たせた。
改「ほら、そこまで歩くぞ」
世楽「…」
俺達は、いつの間にか本降りになっていた
雨を避ける為に、目の先にある
洞窟のような場所まで歩く事にした。
新に出くわした!
だけど、その表情は全く歪んでなかった。
クロボシが付く時は、相当痛いはずなのに
なぜだろう?痛くて、動けなくなってるかと
思ったのに…
新「違ったみたいだな。」
改「!」
違ったって…
登山がタマゴの試験じゃなかったって事か?
でも、試験が登山と関係してるのかとか
これからなのかとか、そんな事
今はどうでもよかった。
とにかく世楽を探す事で頭がいっぱいになっていたから。
新が、何か非肉を言っていたけど
俺はソレをシカトして登ってくる生徒と
逆方向に向かった。
辺りを見回しながら下っていると茅菜に会った。
茅菜「改くん!どうかしたの?」
どうかしたの、だって?
俺、そんなどうかしてそうな顔、してるのか?
改「あ、うん。えっと、先に着いてるはずの
世楽がいなくて。見なかった?」
茅菜「見てないけど…」
改「そっか、ありがと!」
雨が『ポツポツ』と降り出した。
山の天気は変わりやすいとか言うけど
本当なんだな。
茅菜「ちょっと待って!」
急いでる俺の足を、茅菜の声が止めた。
茅菜「私も行く!」
え?
いや、ダメだろ。
雨降ってきたし、風邪でもひいたら困る。
それに、滑って落ちたりなんかした大変だ!
俺は、世楽が居なくなった事を先生に
伝えてもらう事にした。
慌てていたので、伝えるのを忘れていたから。
茅菜「でも…」
改「大丈夫!絶対見つけるから。
それに、世楽と仲良くなるチャンスだからさ!」
その言葉を言うのが精一杯だった。
世楽に、毎日嫌な態度取られてて
これは、茅菜の為だとか言い聞かせて
仕方なくやって来た事だったけど
今は、仕方ないとかそう言う感情じゃなかった。
とにかく世楽の事が、心配で心配で
仕方なかったから。
いつの間にか登ってくる生徒とも
すれ違わなくなっていて
雨も、少し強くなっていた。
あー、母ちゃんの言う通り、傘でもレインコートでも持ってくりゃよかった。
ふと、目をやると『クマ注意』の看板が
目に飛び込んできた!
改「げっ!マジかよ」
登ってくる時、こんな看板あったの
全く気が付かなかったんだけど。
ん?
何か、引きずったみたいな変な跡がある。
その跡を辿ると、五メートルくらい下の方に
傘の上の部分が小さく見えた!
もしかして…
改「世楽か?」
俺は、滑るように五メートルくらいの
坂を降りた。
世楽だと言う確信はなかった。
世楽じゃなかったとしても
人が傘をさしている事に間違いはなかった。
遭難者で、動けないなら俺が助けを
呼びに行けばいい、そう思ったから。
傘をさした人に近付くと、それは小さく低かった。しゃがんでいたからだ。
ゆっくりと上を見上げたのは
俺の探していた世楽だった!
改「あー、よかった。見つかって」
世楽「…君、どうして?」
改「そんなもん、いなかったから
探しに来たに決まってんだろ」
世楽「なんで…」
改「どうしてとか、なんでとか
どうでもいいって!ほら、行くぞ」
手を伸ばしたけど、世楽は首を横に振った。
あぁ、立ち上がれないのか。
世楽「足、痛めた。立てないから
だから、放っておいてよ…」
ひねくれた言葉を発した世楽を無視して
俺は、世楽の片方の腕を自分の肩にかけて
無理矢理立たせた。
改「ほら、そこまで歩くぞ」
世楽「…」
俺達は、いつの間にか本降りになっていた
雨を避ける為に、目の先にある
洞窟のような場所まで歩く事にした。
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