29 / 34
友情・1
しおりを挟む
登山に慣れているのか、世楽は登るのが速い。
しかも、結構登ったのに
歩くスピード全然変わらねぇし。
世楽について来たおかげか
後ろの方を歩く生徒が、ゴマみたいに見える。
いつの間にか、かなり先頭を歩いていたんだな。
しかし、疲れた…
改「せ…世楽って、登るの速いな…」
冬磨「別に、普通だけど」
普通じゃぇよ。全然、息切らしてねぇじゃん!
改「もしかしてさ…登山とか好きなの?」
冬磨「それ、君に話したところで
メリットあるの?」
う…。メリットなんて、ないっつの。
もう、ずっとこんな感じだし
俺、そろそろ心が折れそうなんだけど。
あー、マジでどうやって仲良くなりゃ
いいんだよ。
改「あ、ある!メリット、めちゃくちゃある!」
冬磨「あ、そう。」
適当に言ってみたけど、やっぱダメか。
世楽は、どうでもよさそうな表情で
俺の事をチラッと見ると、さっきよりも更に
スピードを上げて行ってしまった。
マジかよ!どんだけ、速いんだ!
もう、無理…
俺は、疲れた身体を少し休める為
その場に、しゃがみ込んだ。
茅菜も新も、ゴマだし大丈夫だよな。
しばらくして何人か、俺の前を通り過ぎると
俺の数メートル先の視界に、新が映った。
改「やば!」
新「なにー?お兄ちゃん、俺の事
待っててくれたのぉ!」
わざとらしく、俺に向かって叫ぶ新。
アイツ、全然疲れてなさそうなんだけど。
もしかして、俺が先に行ったの黙って
見てたのって俺を疲れさせるためだったとか?
性格悪いっつうか、ずる賢いっつうのか。
休憩して、軽く復活した俺は
世楽を追いかけて、目的地の頂上を目指した。
そして、あれから世楽には全く追いつけないまま、頂上に着いた。
新の奴、まさか俺にこのまま負けるなんて
思ってなかったんだろうな。
よっしゃ!
新にクロボシまた一つ付けたぞーーーーっ!
一歩リードしたぞーーーーっ!
心の中で叫んだ。
今頃、新の奴…ムフフ
多分、いや絶対今
俺、妖しい表情してるわ。
頂上は、広いキャンプ場みたいだった。
自然豊かな大草原が広がっていて
ここで昼寝でもしたら、いい夢でも
見られそうだ。
小さい建物が幾つかある。
休憩所とかトイレとかかな?
確か、この後ここでバーベキューやるって言ってたな。
先に頂上で、待っていた先生達が既に準備を
終わらせていて、頂上に辿り着いた生徒達は
食べ始めていた。
改「あれ?」
世楽は?…いない?
俺の前を通り過ぎてった生徒は、数人。
まだまだ、後から登って来る生徒は
沢山いる。
この少人数の中から、世楽を見つけるなんて
余裕のはずなんだけど、どこにもいないぞ?
トイレか?
丁度、行きたくなってきたのでトイレマークの付いた建物に、入った。
見た感じ、誰もいない。個室もだ。
先生や、先に着いてた生徒に聞いても
誰も見ていないと言う。
まさか…
!
世楽の奴、迷ったのか?
いやいや、一本道だったから迷うとか
まず、ねぇな。
じゃぁ、まさか落ちた!…とかだったりして。
俺の背筋が「ぞわっ」とした。
先生「おーい、二岾どこ行くー?
バーベキュー出来てるぞー!」
いやいや、まだ決まったわけじゃない。
先生の叫んでる声が聞こえたけど
先生の声なんか無視して、俺の足は
たった今、登ってきた山を走って下りていた。
しかも、結構登ったのに
歩くスピード全然変わらねぇし。
世楽について来たおかげか
後ろの方を歩く生徒が、ゴマみたいに見える。
いつの間にか、かなり先頭を歩いていたんだな。
しかし、疲れた…
改「せ…世楽って、登るの速いな…」
冬磨「別に、普通だけど」
普通じゃぇよ。全然、息切らしてねぇじゃん!
改「もしかしてさ…登山とか好きなの?」
冬磨「それ、君に話したところで
メリットあるの?」
う…。メリットなんて、ないっつの。
もう、ずっとこんな感じだし
俺、そろそろ心が折れそうなんだけど。
あー、マジでどうやって仲良くなりゃ
いいんだよ。
改「あ、ある!メリット、めちゃくちゃある!」
冬磨「あ、そう。」
適当に言ってみたけど、やっぱダメか。
世楽は、どうでもよさそうな表情で
俺の事をチラッと見ると、さっきよりも更に
スピードを上げて行ってしまった。
マジかよ!どんだけ、速いんだ!
もう、無理…
俺は、疲れた身体を少し休める為
その場に、しゃがみ込んだ。
茅菜も新も、ゴマだし大丈夫だよな。
しばらくして何人か、俺の前を通り過ぎると
俺の数メートル先の視界に、新が映った。
改「やば!」
新「なにー?お兄ちゃん、俺の事
待っててくれたのぉ!」
わざとらしく、俺に向かって叫ぶ新。
アイツ、全然疲れてなさそうなんだけど。
もしかして、俺が先に行ったの黙って
見てたのって俺を疲れさせるためだったとか?
性格悪いっつうか、ずる賢いっつうのか。
休憩して、軽く復活した俺は
世楽を追いかけて、目的地の頂上を目指した。
そして、あれから世楽には全く追いつけないまま、頂上に着いた。
新の奴、まさか俺にこのまま負けるなんて
思ってなかったんだろうな。
よっしゃ!
新にクロボシまた一つ付けたぞーーーーっ!
一歩リードしたぞーーーーっ!
心の中で叫んだ。
今頃、新の奴…ムフフ
多分、いや絶対今
俺、妖しい表情してるわ。
頂上は、広いキャンプ場みたいだった。
自然豊かな大草原が広がっていて
ここで昼寝でもしたら、いい夢でも
見られそうだ。
小さい建物が幾つかある。
休憩所とかトイレとかかな?
確か、この後ここでバーベキューやるって言ってたな。
先に頂上で、待っていた先生達が既に準備を
終わらせていて、頂上に辿り着いた生徒達は
食べ始めていた。
改「あれ?」
世楽は?…いない?
俺の前を通り過ぎてった生徒は、数人。
まだまだ、後から登って来る生徒は
沢山いる。
この少人数の中から、世楽を見つけるなんて
余裕のはずなんだけど、どこにもいないぞ?
トイレか?
丁度、行きたくなってきたのでトイレマークの付いた建物に、入った。
見た感じ、誰もいない。個室もだ。
先生や、先に着いてた生徒に聞いても
誰も見ていないと言う。
まさか…
!
世楽の奴、迷ったのか?
いやいや、一本道だったから迷うとか
まず、ねぇな。
じゃぁ、まさか落ちた!…とかだったりして。
俺の背筋が「ぞわっ」とした。
先生「おーい、二岾どこ行くー?
バーベキュー出来てるぞー!」
いやいや、まだ決まったわけじゃない。
先生の叫んでる声が聞こえたけど
先生の声なんか無視して、俺の足は
たった今、登ってきた山を走って下りていた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
冤罪! 全身拘束刑に処せられた女
ジャン・幸田
ミステリー
刑務所が廃止された時代。懲役刑は変化していた! 刑の執行は強制的にロボットにされる事であった! 犯罪者は人類に奉仕する機械労働者階級にされることになっていた!
そんなある時、山村愛莉はライバルにはめられ、ガイノイドと呼ばれるロボットにされる全身拘束刑に処せられてしまった! いわば奴隷階級に落とされたのだ! 彼女の罪状は「国家機密漏洩罪」! しかも、首謀者にされた。
機械の身体に融合された彼女は、自称「とある政治家の手下」のチャラ男にしかみえない長崎淳司の手引きによって自分を陥れた者たちの魂胆を探るべく、ガイノイド「エリー」として潜入したのだが、果たして真実に辿りつけるのか? 再会した後輩の真由美とともに危険な冒険が始まる!
サイエンスホラーミステリー! 身体を改造された少女は事件を解決し冤罪を晴らして元の生活に戻れるのだろうか?
*追加加筆していく予定です。そのため時期によって内容は違っているかもしれません、よろしくお願いしますね!
*他の投稿小説サイトでも公開しておりますが、基本的に内容は同じです。
*現実世界を連想するような国名などが出ますがフィクションです。パラレルワールドの出来事という設定です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
幽子さんの謎解きレポート~しんいち君と霊感少女幽子さんの実話を元にした本格心霊ミステリー~
しんいち
ミステリー
オカルトに魅了された主人公、しんいち君は、ある日、霊感を持つ少女「幽子」と出会う。彼女は不思議な力を持ち、様々な霊的な現象を感じ取ることができる。しんいち君は、幽子から依頼を受け、彼女の力を借りて数々のミステリアスな事件に挑むことになる。
彼らは、失われた魂の行方を追い、過去の悲劇に隠された真実を解き明かす旅に出る。幽子の霊感としんいち君の好奇心が交錯する中、彼らは次第に深い絆を築いていく。しかし、彼らの前には、恐ろしい霊や謎めいた存在が立ちはだかり、真実を知ることがどれほど危険であるかを思い知らされる。
果たして、しんいち君と幽子は、数々の試練を乗り越え、真実に辿り着くことができるのか?彼らの冒険は、オカルトの世界の奥深さと人間の心の闇を描き出す、ミステリアスな物語である。
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる