28 / 34
三冠王
しおりを挟む今日、茅菜が夢で見たと言う山
難火有山に俺たちは登る。
高校の行事の一つで、登山、トレッキング
キャンプの、この三つが高校生活三年間の中で
全て、やる事になっていて
三年に一回づつ廻って来る事になっている。
これをリタイアせずに達成すると
三冠王として、卒業式にオリジナルの
三冠王バッヂが貰える事になっていた。
改「いらねぇよ」
俺はね。
でも欲しいって奴、実は結構
いたりするんだよな。
今、俺の隣にいるリュックを背負った
世楽冬磨とかもな。
世楽「また君?…邪魔しないでよ」
俺を睨みつける世楽。
まぁ、睨まれるのも仕方ないよな。
仲良くなる為に、仕方なくとはいえ
付きまとってるわけだし。
しかも、この前からストーカー扱い
されてるしな…
茅菜「私は転校生だから、三冠王達成
出来ないんだよね。なんかショックだなぁ」
わ。ここにも一人、三冠王バッヂ
欲しい人いた。
改「俺の、あげようか?」
茅菜「え?いいよ、悪いし。それに
こういうのって、自分で取ってこそ
意味があるでしょ☆」
意味…そうなのかな。
俺にとっては、どうでもいい行事の
一つなんだけど。
昨年のトレッキングだって、何となく適当に
やってたら、いつの間にか終わってた
感じだったしな。
だけど、今年はそうもいかなそうなんだよな。
タマゴの試験かもしれないから。
新より先に、頂上に辿り着けばいいのか
それとも、違う何かなのか
登山は関係ないのか…。
どっちにしろ、今回は全力でやらないとな。
改「欲しいって言ってる人が持ってる方が
いいんじゃないのか?」
茅菜「…」
茅菜は、少し悩んだ表情になった後
茅菜「それじゃぁ、もらっちゃおうかな☆
だから、三冠王達成するって約束ね!」
改「わかった。絶対取る!」
そんな俺達の会話を険しい顔で見つめる世楽。
茅菜の事が好きであろう世楽は、俺と茅菜が
仲良くしてるのがムカつくんだろうな。
でも、茅菜の事、避ける訳にはいかないし
俺自身、茅菜と距離を取るとかありえねぇし。
先生が、スタートの合図のホイッスルを吹くと
世楽は、俺を無視して登り始めた。
あっ!
仲良くなるチャンス!
俺から逃げるように登る世楽の背中を
走って追いかけた。
新「そんなに走って大丈夫なの?お兄ちゃん」
俺の横に、新が並んだ。
いつから、いたのか。
全く、気配とかなかったんだけど…
改「うるせぇ!新こそ、俺に着いてきて
体力、もたないんじゃねぇの?」
新「へぇ、言うようになったね。
アンタが、世楽にストーカーしてる間に
俺が何もしてなかったと思ってんの?」
改「ストーカーじゃねぇよ!」
まぁ、確かに新の言う通り。
世楽と仲良くなる事ばっか考えてて
俺、何もしてねぇや。
茅菜「そんな事ないよ。いつも世楽くんの事
走って追いかけてたから、体力着いたかも?」
茅菜さん。フォローになってません…
茅菜は、少し息を切らしていた。
わざわざ、庇う為に走って来てくれたのか?
そんなわけないか。期待しすぎ。
期待?何に?
そんな事、考えてたら目の前にあった
世楽の背中が、いつの間にか遠くに行っていた。
やばっ!地味に、アイツ早いな。
俺はまた、走って世楽を追いかけた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
冤罪! 全身拘束刑に処せられた女
ジャン・幸田
ミステリー
刑務所が廃止された時代。懲役刑は変化していた! 刑の執行は強制的にロボットにされる事であった! 犯罪者は人類に奉仕する機械労働者階級にされることになっていた!
そんなある時、山村愛莉はライバルにはめられ、ガイノイドと呼ばれるロボットにされる全身拘束刑に処せられてしまった! いわば奴隷階級に落とされたのだ! 彼女の罪状は「国家機密漏洩罪」! しかも、首謀者にされた。
機械の身体に融合された彼女は、自称「とある政治家の手下」のチャラ男にしかみえない長崎淳司の手引きによって自分を陥れた者たちの魂胆を探るべく、ガイノイド「エリー」として潜入したのだが、果たして真実に辿りつけるのか? 再会した後輩の真由美とともに危険な冒険が始まる!
サイエンスホラーミステリー! 身体を改造された少女は事件を解決し冤罪を晴らして元の生活に戻れるのだろうか?
*追加加筆していく予定です。そのため時期によって内容は違っているかもしれません、よろしくお願いしますね!
*他の投稿小説サイトでも公開しておりますが、基本的に内容は同じです。
*現実世界を連想するような国名などが出ますがフィクションです。パラレルワールドの出来事という設定です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
幽子さんの謎解きレポート~しんいち君と霊感少女幽子さんの実話を元にした本格心霊ミステリー~
しんいち
ミステリー
オカルトに魅了された主人公、しんいち君は、ある日、霊感を持つ少女「幽子」と出会う。彼女は不思議な力を持ち、様々な霊的な現象を感じ取ることができる。しんいち君は、幽子から依頼を受け、彼女の力を借りて数々のミステリアスな事件に挑むことになる。
彼らは、失われた魂の行方を追い、過去の悲劇に隠された真実を解き明かす旅に出る。幽子の霊感としんいち君の好奇心が交錯する中、彼らは次第に深い絆を築いていく。しかし、彼らの前には、恐ろしい霊や謎めいた存在が立ちはだかり、真実を知ることがどれほど危険であるかを思い知らされる。
果たして、しんいち君と幽子は、数々の試練を乗り越え、真実に辿り着くことができるのか?彼らの冒険は、オカルトの世界の奥深さと人間の心の闇を描き出す、ミステリアスな物語である。
家政婦さんは同級生のメイド女子高生
coche
青春
祖母から習った家事で主婦力抜群の女子高生、彩香(さいか)。高校入学と同時に小説家の家で家政婦のアルバイトを始めた。実はその家は・・・彩香たちの成長を描く青春ラブコメです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる