俺のタマゴ

さつきのいろどり

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二人の関係・2

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護利さんと新が……
小声で話しているようだけど、微かに二人の話し声が聞こえてきた。



新「俺は…する気は無い。…俺はアースの…アンタは違うの?」



アース?アースって何だ?



茅菜「…けど、私は新くんを…お願いだから」



くそっ!なんて言ってるか、ほとんど聞こえない!
つか今“ 新くん”って…




新「悪いけど…」


『ゴンッ』


やべっ。壁にぶつけるとか、俺の肘コラ!



新「なんだよ、お兄ちゃん。立ち聞きとか趣味悪いね」

茅菜「え?ふっ二岾くん!」



慌てた顔で護利さんが、こっちを見た!
仕方なく教室に入ると、新は何も無かったかのように俺の方へ向かって歩いて来た。



改「おい、今なに話してたんだ?」

新「別に。本人に聞きなよ。」



そう言うと、新はそのまま教室を出て行った。



茅菜「あの、違うの。」

改「新と二人きりで会って、違うって、何が?」

茅菜「私は、ただ新くんに…」



ほら、また。
またアイツの事、名前で呼んだ。

俺の事は、苗字で呼ぶくせに、何でアイツは名前なんだよ。
それって、俺よりも新の方が親しいって事だよな?
だけど、この短期間で…?

もしかして、護利さんは卵の方で、アイツはグルで、俺は騙されてて…
それで、このまま消されて…まさか!



改「…新と付き合ってるとか?」

茅菜「付き合ってないよ。そうじゃなくて…」

改「じゃあ、何で名前で呼んでるんだよ!それだけ親しいって事なんだろ!」



俺は、カッとなって声を荒らげてしまった。
上手く言えないけど、なんかムカついたんだよな。

護利さんがアイツを名前で呼んでいた事に。



茅菜「二岾くんって呼べば、どっちを呼んでるのってなるし…
卵の方って呼ぶわけにもいかないし…だから」


あ。確かに、そうかも。

すると、急にムキになってた事が恥ずかしくなって



改「ご、ごめん!あの、俺、全然気がつかなくて、た、確かにそうだよな」

茅菜「あの。名前で呼んで欲しいの?」



俺を覗き込むようにして、首を少し傾げて言う護利さんが可愛いすぎて…



改「…」

茅菜「おーい。」



フリーズしてた!

何で、そんな可愛い顔すんだよ。ずりぃだろ!
って、違う違う!まずは新と何話してたか問い質さないと!



茅菜「改くん!」

改「は、はい!」



突然、呼ばれたから焦った!



茅菜「今から、そう呼ぶ。だから、私の事も名前で呼んでよ」



なっ…そう来る?女子を名前で呼ぶの、苦手だったり…。
でも、仲良くなるチャンスだし。



改「か、茅菜…ちゃん?」

茅菜「フフフッ。茅菜でいいよ☆」

改「わ、わかった、茅菜。」



お互いに名前で呼ぶようになった俺達は、前より距離が縮まった…よな?

嬉しくてウハウハな俺は、茅菜と新が何を話してたのか、とか
アースって何なのかとか、実は新とグルなんじゃないかとか、いつの間にか
頭の中から、すぽーんと、飛んで行ってしまっていた。




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