俺のタマゴ

さつきのいろどり

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二人の関係

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卵の試験。

同じ顔、同じ能力の二人が、クロボシ五個、先に付くまで競い合う。
クロボシは、先に五個付いた方が消える。努力次第で、負けを回避出来る…か。

俺は、とんでもない事に巻き込まれているようだ。

…巻き込まれて?
そもそも、どうして卵の試験を受ける奴と、そうでない奴がいるんだろう?
護利さんは“選ばれた人”がどうとか言ってたな。

選ばれたって“何に”だ?何か、特別な存在がいるって言うのか?
こう言うのって、漫画とかゲームとかの中だけだと思ってた。
いつも読んだり、プレイしてる側だったのが、実際に自分がってなると
こんなにも恐ろしくて、頭の中グチャグチャで、複雑な気持ちになるんだな。

一言で言うと、何をどうしていいのかわからない、ってやつ。

このまま、卵の中身と試験して、どっちかが消えて、何も無かったかのように忘れて…
そしてまた、誰か知らない奴が選ばれて、卵の試験受けての繰り返しなのか?

なんの為に、試験があるのか。負けたら消えるって事は、優れてる方が残るって事か。
って事は、優れた奴を集めて、何か企んでる奴がいるって事だよな?

しかし、でかい卵を出現させる奴って…
新の事だってそうだ。親とか友達とか周りの奴全員、洗脳したりして
いつの間にか、新が昔の写真にいたり、急に新の部屋とか物があったり

その何かしら企んでるかもしれない奴って、どんだけとんでもない奴なんだよ!?

こういう時って、漫画とかゲームの世界だと、主人公が目標とか持って
敵とかに立ち向かって行くんだろうけど
俺は、そう言うタイプでもないし、出来れば何もしたくない。
でも、何にもしなかったら、消えるんだろうな。

消えるとか嫌だな。



改「あー!マジで、わかんねぇー!」


『ガタッ』


先生「二岾くん。何処が、わからないのかな?
みっちり教えてあげるから放課後、職員室に来なさい」

やべぇ、授業中だったの忘れてた!
俺は、机に足をかけて叫んでた…


改「え?あ、いや。大丈夫です…」

隣の席の新は、口を「ばーか」と言う形に動かして笑っていた。




放課後、職員室に向かう羽目になってしまった俺は仕方なく職員室に行った。
先生にガッツリ叱られた後、軽く落ち込みながら教室に鞄を取りに行く。

校舎は静まりかえっていた。もう、部活やってる生徒も帰った頃だろう。


教室の扉を開けて、そのまま教室に入ろうとすると…



え…

少し開いた扉の隙間から護利さんと新が見えた。

何で?
どうして二人がいるんだ?

二人きりで何を話してるんだ?

まさか、護利さんと新は…


夕日が二人の顔をオレンジ色に染めていた。






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