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第1章
第2話 自己紹介
しおりを挟む入学式を終えた俺は、あの教師に連れられて教室に行くはずが、途中で別の教師に呼ばれて行ってしまったため、絶賛1人で探索中である。
(ええー?行っちゃったんですけど...。新入生1人にするってまじ?...うっそーん。...頑張って探しますか。
さてさてー、俺のクラスはー、どこかなぁー...?ははっ、なーんちゃって ♪
実は俺ってば頭良いから、特待生サマなんだよねー♪ だ・か・らー、俺のクラスはSクラス!パチパチパチー ♪ さすが俺ー ♪
ってことでー、Sクラスへレッツラゴー★)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
講堂を出て、とりあえず本校舎を歩き、キョロキョロと珍しい施設やお高そうな絵画などに目移りしながらも、チアキはSクラスにたどり着いた。
(あ、あそこにSクラスのプレートあるじゃん。やっと見つけたぜ...。謎にバカでかいせいで迷いまくったし、はあ....。
前から入って目立ちたくねえし、後ろのドアからいっちょ行きますかー。)
ーーガラガラガラガラーーピシャン...ーー
「「っ!!」」
「「シーーーン....」」
(...なんだ皆してポカーンとしやがって。教師までもアホ面じゃねえか。....俺普通に入ってきただけだよな?なんかしたか?んー、分かんねえな...。まあいっか、考えてもしゃーねーし。
俺の席はー、どこだー?お、窓側の1番後ろの席空いてるじゃん。絶対あそこだな。いい席空いてんじゃーん!ラッキー★)
ーースタスターーキィーーストッーー
「「シーーーン...」」
クラスメイトや教師までもが、途中で入ってきたチアキに釘付けだった。それもそのはず。本人に自覚はないが、チアキは大層な美形なのである。
そう!めちゃくちゃ!美しいのだ!!気づいていないのはチアキだけなのだが、皆チアキに見惚れているのだ。
(....いったいなんなんだ?そんなにずっと見られっと恥ずかしいんですケド....。)
「.....。っは!ごほん...!おい、お前初日から遅刻とはいい度胸だなあ?あとから話があるから覚悟しておけよ…!ったく...。」
いち早く意識の戻った教師がチアキに言う。
「............。」
(えーー、めんどくせぇ...。はぁ、忘れなければ行くか。)
「はぁ、返事なしか....。まあいい。
今はそれぞれ自己紹介をしていた。どっか誰かさんのせいで途中で止まったがな!じゃ、次のやつから自己紹介してけー。」
(ふーん、今自己紹介してんのか。今は...、まだ3分の1ってとこか。じゃあ俺のとこに来るまでまだあるな。)
「...ーーーです。」
「ーーーーです。ーーで、ーーです。」
「ーーーです。ーーでした。」
どんどん右側から順に発言しているのを横目に、空を見上げる。朝は急いでいたせいで空など見ている暇はなかったが、どうやら今日は晴天のようだ。雲一つないとまではいかないが、ちらほらと見えるくらいである。入学式に相応しい天気であろう。
(あー....天気いいなぁー...。屋上とか木陰とかで寝たら気持ちいんだろうなー...。眠くなってきた....。)
そんなことを考えつつウトウトしていると、どうやら前の席のやつの番になったようだ。まだまだまどろんでいたいところだが、そろそろ意識をはっきりさせねばなるまい。そう考えながら前を向くと、前の席のやつの声が聞こえてきた。
「顔見知りの人の方が多いと思うけれど、改めまして。水崎 彗です。僕は幼等部からこの学園にいるから、分からないことがあったらなんでも聞いてね。よろしくお願いします。」
「「パチパチパチ」」
(ふーん、ここって幼等部からあんのか。知らなかったなー。っと、次俺じゃん。うわー、普段は他の奴と話したりしねえから、こういうの苦手なんだよなあ....。簡潔に済ませっか。)
「.....夏川 千昭。」
「「「(簡潔すぎる.....!!)」」」
ーーガタンーーストンーーー
(これでいいだろー。よーし、頑張った頑張った~ww)
なお、満足しているのは本人のみである。
「...ごほんっ。これで皆紹介したなー。これから1年間世話になるメンバーだから、仲良くするんだぞー。
んで、次はこれからの予定を説明するから、よく聞けよ。今日はこの後はそれぞれ寮に帰って荷解きだ。終わったやつから自由にしていい。注意事項はーーー...」
(今日はあとは自由か....。荷解き終わったら一眠りでもすっか。寝る子は育つって言うもんなー。...もう育たねえけど。)
「ーーーに気をつけること。注意事項はこれで以上だ。なにか質問はあるか?......無いようだな。では今日はこれにて解散!各自安全にしっかりと荷解きを終えるように。明日は遅刻すんなよ...?じゃ、ばあーい。」
そう言って教師は教室を出ていった。それに伴い生徒もちらほらと出て行ったり、友達のところへ行っている。
(じゃ、俺も行くか...。たしか外部生は、入口に案内が待ってるはずだ。)
そんなことを思い出しながら、チアキは教室を出ていった。
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