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第1章 全ては僕の一言で始まった
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【王子の部屋】
「ノホ様、ノホ様」
あ、ガミさんだ。
「はい」
「またゲームなんぞなさって。貴方様はこのハポネス王国の王子なのですよ。もう少し自覚なさってください」
はぁ…好きで王子に生まれたわけじゃないだよね、もう王子なんかやめたいよ。
「宗教のお勉強の時間です。早く図書館においでください」
また勉強の時間か…
〈宮殿を出て庭園を通り図書館に向かうノホ〉
【図書館】
「今日は逃げずにいらっしゃいましたね。感心感心」
はぁ、また聖なる書物の研究ね…
「これ、難しいんだよな。あちこち飛んで調べないといけないし…今の時代パソコンが有るんだからさ、ちゃっちゃっとパソコンで調べれば良いのに」
「またそんな事を仰って。それにその言葉遣いは何ですか?!そんな事だから「のほほ~ん王子」なんて言われるんです」
のほほ~ん王子で結構です~
ゲームで色々な言葉を覚えたんだ。
言葉だけじゃない、王室に居ると外の世界のわからない事ってたくさん有る。
時代遅れなんだよな。
「わたくしはノホ様の事を思って申し上げているのです」
ああ、早く終わらせてゲームしたいよ。
「聞いておられるのですか?!」
「ハイハイ聞いてますよ、ガミガミ夫人」
「んまあ、わたくしの名前はガミです、ガミガミ夫人では御座いません!」
【サロン】
〈テーブルにお茶を運ぶ女官〉
「失礼致します。お茶をお持ち致しました」
「ありがとう。良い香りね」
「本日はミントティーでございます」
「お父様、またキタキョウ国がミサイルを発射しましたのね」
「うむ、我がハポネスに向けて発射しおった。牽制しておるのじゃよ」
「メリケン国はまだシルの国と戦争しているのでしょう?」
「ああ、そうじゃよ。今の時代世界の全ての国が軍隊を持っておるからな。いつどこで戦争が始まってもおかしくない状況なんじゃ」
「はあ、終わった終わった」
〈と言いながらノホが戻って来る〉
「お姉様、何の話し?」
「戦争のお話しよ」
「お前もこの国の王子なのだから、いずれ軍を指揮する事になるのじゃぞ」
「僕は嫌だな、戦争なんてゲームの中だけで良いよ」
「オッホン」
あ、イカリ将軍だ。
「明日は訓練ですぞ、ノホ王子」
「本物の戦争がゲームになれば良いのに。ゲームの中で戦争してそれが現実世界に反映されるとか」
「あら、それは良い考えだわ。そしたら誰も血を流す事は無いもの」
「何を仰いますレイ様まで。それでは私達軍人の仕事が無くなります」
「フムフム、ゲームで戦争か。今度提案してみよう」
「陛下までそのような…」
【ノホの部屋】
〈数日後ゲームをするノホ〉
僕は不器用だからね、アクションやシューティングは苦手なんだ。
こうやってマップの中を歩き回れるMMOのRPGが良い。
それにこの「エレ」は、パテ(パーティ)組んで仲間と一緒に冒険に出来るし、チャットで仲良くなれるしね。
この世界の親友はソウちゃん。
彼は僕のギルメン(ギルドのメンバー)なんだけど、すっごく強くて何でも知ってるんだ。
わからない事が有ればすぐに教えてくれるし、強いモンスターの討伐の時は頼めばいつでも一緒に行ってくれる。
普通4人のパテで倒すような強いドラゴンだって、2人だけで倒せちゃうんだ。
猛将なんだけど、軍師にもなれちゃう。
「ノホちゃん」
あ、お姉様だ。
「まあ、可愛いキャラクターね」
「うん、色々着せ替えられるんだよ。ほら見て、女の子もたくさん居るよ」
「本当に戦争がゲームの中だけになれば良いわね」
「うん」
「と言うわけで決まったぞ」
〈と言いながらハピネス国王が入って来る〉
「え?(何が「と言うわけ」なんだか)」
「メリケン国が「それでは軍事産業はどうなるのか?」なんぞとぬかしおるから「ゲーム開発をすれば良い」と言ってやったわい」
「お父様、それでは先日のお話し決まりましたのね?」
「そうじゃよ。これからはゲームの中の戦争が反映される」
「まあ素敵。もう死者も怪我人も出ませんのね?」
「ああそうじゃ。もう我が国の国民を死なせる事も無い。ハポネス王国は我が名ハピネスの如く全国民が幸せになる第一歩じゃ」
こうして僕が言った一言で、本当に戦争がゲームだけの世界で行われて世の中に反映する事になったんだ。
でも、自国の作ったゲームで戦うのは不公平だという事で、中立国が作ったゲームで戦う事になった。
僕達の国ハポネスもゲーム開発をして、どこかの国の戦争に使われるんだ。
そして、海域争いで僕達の国と隣のカンの国が戦争をする事になった。
勿論ゲームの中で。
【兵舎】
ゲームをした事の無いイカリ将軍が出陣するので、僕が教えに来たんだけど…
大丈夫かなぁ?
ああ、なるほど、戦艦ゲームだな。
「おおっ!懐かしい戦艦が有りますぞ」
ちょっと興奮気味のイカリ将軍。
イカリと言う名前だけど、船に乗るから「錨」って言われたりするんだ。
でも、僕達訓練生の間では「怒り」のイカリ将軍。
ああ、でも、もう軍事訓練しなくて良いんだよね?
たぶん…
「ノホ様、これはどうすれば良いのですかな?」
「ここをクリックして装備を選択するんだよ。ガチャで引かないと良い武器無いね」
「ガチャとは何です?」
「これこれ、そこをクリック」
「おおっ!何か出ましたぞ!大砲です、大砲!」
「レアだね、激レア出ないで勝てるかな?」
こんな感じで始まって何日か続いたんだけど、ゲームに不慣れな軍人達では難しくて中々決着がつかないので、民間人を入れる事になったんだ。
但し国が人材を集めて教育したりしてはいけないルールらしい。
アカウントを作成する時に国籍だけ明らかにして自動的にゲーム何の国が決まり、旗を背負って戦うんだ。
そして、普通にゲームする。
ユーザーにはこれが実際の戦争だという事は知らせない事に決まった。
後は普通のゲームと同じでニックネームでプレイするから、どこの誰だかわからないんだけど…
「何で僕が?」
「王子がまずギルドを立ち上げてください」
って、うんもすんも無く僕がやる事になった。
「但し、決して身分を明かしてはなりませんぞ」
身分なんて、今迄だって明かした事無いよ。
だから皆んなと普通に友達になれるんだ。
まあ、とにかくプレイしてみると、イカリ将軍が居た。
確か「近衛連隊長」って言うキャラそうだと思うんだけど…
「ねえ、この、近衛連隊長って」
「私です」
やっぱりか。
「ギルド立ち上げたから入って」
「はっ!えーっと…どうやれば…」
「ここにギルドが有るからクリックして「レ・シルフィード」で検索」
「あ、有りました、有りました!」
要するにこれがハポネス軍て事になるみたいだね。
ややこしいなあ。
まあ、ユーザーには知らせられないから仕方ないね。
ギルメンだけがリアに反映される戦争をするってわけなんだね。
じゃあ強い人集めないとな。
「えーっと、次のギルド戦は….来週の水曜日20時か、それまでにレレ上げしないと」
「レレとは?」
「レベル」
「なるほど…ゲームの中は、わからない言葉だらけですな」
なんて、汗を拭き拭きマウス握ってるイカリ将軍て…フッ、何か笑える。
フレなっとこう。
「ムムっ、フレンド登録?聖騎士さんからだと?」
「それ僕だから、OKして」
「了解です!」
まずは個茶。
/聖騎士/これで個茶とギル茶色出来るね(^^♪
/近衛連隊長/ギル茶とは?どんなお茶ですか?
/聖騎士/ギルドチャット
「はあ?」
「文字数限られてるからね、略したり当て字で遊んだりするから」
「なるほど…」
レレ中々上がらない。
ほう、イカリ将軍レレだけは上げてるんだ。
後は装備だな。
ギルド服長にしとこう。
今日のガチャ後一回回せるな。
他のギルメンは…
はぁ、殆どイカリ将軍の部下だな。
まあ、人材を集めて教育しないルールだけど、軍人だけは例外でここが職場と言うか、戦地になっちゃったからね。
それにしても将軍以外はレレ低いな。
皆んな軍事しか知らない人達だから仕方ないか。
これはやっぱり、民間人で強い人に入ってもらわないとキツいね。
「カンの国のギルドは何て言う名前だろう?」
「シュン軍と言うのがそうです」
どれどれ?
ああ、結構強い人居るなあ。
「むむっ、これはお前の名前か?!」
「はい、そうで有ります!」
「ふざけた名前をつけよって!」
え?どれ?
「ハハハ」
爆弾オヤジだって。
「まあ、良いんじゃない?他のユーザー見てご覧よ。面白い名前多いから」
「はい、それで自分も考えたのです」
〈ニコニコしてノホに近づく武官〉
「これ、殿下に無礼で有ろう」
「良いじゃない、ここではそういうのやめようよ。ギルメンなんだから」
「いや、しかし恐れ多くも」
「敬語なのは仕方ないけど、必要以上にはやめて」
「はあ、殿下がこのように仰せだ。有り難く思え」
「はっ!」
〈ビシッと敬礼する武官〉
そして水曜の夜、いよいよギルド戦が始まる。
みんなギリギリまでレレ上げ頑張った。
装備を整えて準備だな。
初めは戦艦で戦って、最後は船上戦になるんだ。
僕達レ・シルフィードの船上戦のパテは、近衛連隊長、爆弾オヤジ、僕と…もう一人欲しいんだけど…
うーん、皆んなレレ低いな…もっと強いギルメン居ないのかな?
出来れば回復タイプの人…
あ、今一人入ってくれた。
女性みたいだけど…
まあ、ゲームの世界って、男が女の子キャラでプレイする事良く有るからね。
じゃあ、この麗さんに入ってもらって4人のパテで行こう。
「船上戦になったらチャットしてる暇無いからね」
「了解です」
今のうちにギル茶しておこう。
/聖騎士/ギルド入団ありがとうです。
/麗/宜しくお願い致します。
/聖騎士/宜しくです(^^♪
/爆弾オヤジ/宜しくで有ります!
「フフフ、面白い名前なのね」
/近衛連隊長/宜しくお願い致します。
「女のようだが大丈夫か?」
「ゲームだから、女性でも強い人居るよ」
「そうなのですか…」
イカリ将軍より強かったりして。
「姫様と同じ名前を名乗るとは、良い度胸してるな」
「あ、本当だ」
今気づいた。
姉上の名前はレイでこの人は麗。
「始まりますぞ!」
僕の船が旗艦だな。
これがやられたら負け。
お互いの旗艦が最後まで残ったら船上戦になるんだ。
船上戦も面白いけど、要するにバレーボールとかのファイナルセットみたいな感じ。
そこまで行かなくても敵の旗艦を沈めれば勝ちなんだよね。
まあ、戦艦で戦ってる時はチャットぐらい出来るかな。
/聖騎士/ルールわかってる?
/麗/ギルド戦は初めてですので、良くわかりませんわ。
/聖騎士/僕の船が旗艦だから沈められたら負け。
/麗/そうですのね。
/聖騎士/敵の旗艦を沈めたら勝ちだよ。
/麗/わかりました。
/聖騎士/最後船上戦になる場合有り。
/爆弾オヤジ/了解で有ります!
「船上戦チュートリアルしかやった事無いから、やってみたいな」
「あれは中々勝てません」
そうなんだよね、軍人だけでやってた時苦戦してたよな。
「この戦いで勝った国が三ヶ月間海域の侵入を許されるのです」
「あそこは美味しい魚が獲れるから、勝たないとね」
あ、イカリ将軍の船がやられた!
「面目無い」
これ本当に戦争してたら何人死んでるんだ?
海だって汚れるし。
本当ゲームになって良かったよ。
あ、麗さんの船が沈む。
「おのれ!大砲を撃ち込んでやる!」
爆弾オヤジ頑張れ~
「良し!後は旗艦だけだ」
あ、やられた。
「申し訳有りません」
「敵の船に乗り込むよ」
「了解です!」
〈ギルドチャットシュン軍〉
/ソナタこなた/絶対勝つぞ!
/戦士カン1/おーーー!!
「ハポネスの漫画は好きだけど、戦争は負けられない。来るなら来い!返り討ちにしてやる!」
船上戦開始!
/聖騎士/チンしたら復活無しだからね。
「チンとは何です?」
「死ぬとかってゲームでは言わないから、チンて言うの」
「何故です?」
「禁止用語とか有るからね」
「なるほど」
「も、もう喋れません」
イカリ将軍大汗かいてる。
あ、やられた!
僕一人?
これはキツいよ。
あ!
「ごめん」
負けちゃった…
三ヶ月後に勝たないと、美味しい魚が…
「え?次は違うゲーム?」
「はい、何でもその中で生活してるようなゲームだそうですが」
「町を作るところから始まるみたいですよ」
なるほど、全て作り出すタイプね。
これは早く始めないと勝てないぞ。
「ノホ様、ノホ様」
あ、ガミさんだ。
「はい」
「またゲームなんぞなさって。貴方様はこのハポネス王国の王子なのですよ。もう少し自覚なさってください」
はぁ…好きで王子に生まれたわけじゃないだよね、もう王子なんかやめたいよ。
「宗教のお勉強の時間です。早く図書館においでください」
また勉強の時間か…
〈宮殿を出て庭園を通り図書館に向かうノホ〉
【図書館】
「今日は逃げずにいらっしゃいましたね。感心感心」
はぁ、また聖なる書物の研究ね…
「これ、難しいんだよな。あちこち飛んで調べないといけないし…今の時代パソコンが有るんだからさ、ちゃっちゃっとパソコンで調べれば良いのに」
「またそんな事を仰って。それにその言葉遣いは何ですか?!そんな事だから「のほほ~ん王子」なんて言われるんです」
のほほ~ん王子で結構です~
ゲームで色々な言葉を覚えたんだ。
言葉だけじゃない、王室に居ると外の世界のわからない事ってたくさん有る。
時代遅れなんだよな。
「わたくしはノホ様の事を思って申し上げているのです」
ああ、早く終わらせてゲームしたいよ。
「聞いておられるのですか?!」
「ハイハイ聞いてますよ、ガミガミ夫人」
「んまあ、わたくしの名前はガミです、ガミガミ夫人では御座いません!」
【サロン】
〈テーブルにお茶を運ぶ女官〉
「失礼致します。お茶をお持ち致しました」
「ありがとう。良い香りね」
「本日はミントティーでございます」
「お父様、またキタキョウ国がミサイルを発射しましたのね」
「うむ、我がハポネスに向けて発射しおった。牽制しておるのじゃよ」
「メリケン国はまだシルの国と戦争しているのでしょう?」
「ああ、そうじゃよ。今の時代世界の全ての国が軍隊を持っておるからな。いつどこで戦争が始まってもおかしくない状況なんじゃ」
「はあ、終わった終わった」
〈と言いながらノホが戻って来る〉
「お姉様、何の話し?」
「戦争のお話しよ」
「お前もこの国の王子なのだから、いずれ軍を指揮する事になるのじゃぞ」
「僕は嫌だな、戦争なんてゲームの中だけで良いよ」
「オッホン」
あ、イカリ将軍だ。
「明日は訓練ですぞ、ノホ王子」
「本物の戦争がゲームになれば良いのに。ゲームの中で戦争してそれが現実世界に反映されるとか」
「あら、それは良い考えだわ。そしたら誰も血を流す事は無いもの」
「何を仰いますレイ様まで。それでは私達軍人の仕事が無くなります」
「フムフム、ゲームで戦争か。今度提案してみよう」
「陛下までそのような…」
【ノホの部屋】
〈数日後ゲームをするノホ〉
僕は不器用だからね、アクションやシューティングは苦手なんだ。
こうやってマップの中を歩き回れるMMOのRPGが良い。
それにこの「エレ」は、パテ(パーティ)組んで仲間と一緒に冒険に出来るし、チャットで仲良くなれるしね。
この世界の親友はソウちゃん。
彼は僕のギルメン(ギルドのメンバー)なんだけど、すっごく強くて何でも知ってるんだ。
わからない事が有ればすぐに教えてくれるし、強いモンスターの討伐の時は頼めばいつでも一緒に行ってくれる。
普通4人のパテで倒すような強いドラゴンだって、2人だけで倒せちゃうんだ。
猛将なんだけど、軍師にもなれちゃう。
「ノホちゃん」
あ、お姉様だ。
「まあ、可愛いキャラクターね」
「うん、色々着せ替えられるんだよ。ほら見て、女の子もたくさん居るよ」
「本当に戦争がゲームの中だけになれば良いわね」
「うん」
「と言うわけで決まったぞ」
〈と言いながらハピネス国王が入って来る〉
「え?(何が「と言うわけ」なんだか)」
「メリケン国が「それでは軍事産業はどうなるのか?」なんぞとぬかしおるから「ゲーム開発をすれば良い」と言ってやったわい」
「お父様、それでは先日のお話し決まりましたのね?」
「そうじゃよ。これからはゲームの中の戦争が反映される」
「まあ素敵。もう死者も怪我人も出ませんのね?」
「ああそうじゃ。もう我が国の国民を死なせる事も無い。ハポネス王国は我が名ハピネスの如く全国民が幸せになる第一歩じゃ」
こうして僕が言った一言で、本当に戦争がゲームだけの世界で行われて世の中に反映する事になったんだ。
でも、自国の作ったゲームで戦うのは不公平だという事で、中立国が作ったゲームで戦う事になった。
僕達の国ハポネスもゲーム開発をして、どこかの国の戦争に使われるんだ。
そして、海域争いで僕達の国と隣のカンの国が戦争をする事になった。
勿論ゲームの中で。
【兵舎】
ゲームをした事の無いイカリ将軍が出陣するので、僕が教えに来たんだけど…
大丈夫かなぁ?
ああ、なるほど、戦艦ゲームだな。
「おおっ!懐かしい戦艦が有りますぞ」
ちょっと興奮気味のイカリ将軍。
イカリと言う名前だけど、船に乗るから「錨」って言われたりするんだ。
でも、僕達訓練生の間では「怒り」のイカリ将軍。
ああ、でも、もう軍事訓練しなくて良いんだよね?
たぶん…
「ノホ様、これはどうすれば良いのですかな?」
「ここをクリックして装備を選択するんだよ。ガチャで引かないと良い武器無いね」
「ガチャとは何です?」
「これこれ、そこをクリック」
「おおっ!何か出ましたぞ!大砲です、大砲!」
「レアだね、激レア出ないで勝てるかな?」
こんな感じで始まって何日か続いたんだけど、ゲームに不慣れな軍人達では難しくて中々決着がつかないので、民間人を入れる事になったんだ。
但し国が人材を集めて教育したりしてはいけないルールらしい。
アカウントを作成する時に国籍だけ明らかにして自動的にゲーム何の国が決まり、旗を背負って戦うんだ。
そして、普通にゲームする。
ユーザーにはこれが実際の戦争だという事は知らせない事に決まった。
後は普通のゲームと同じでニックネームでプレイするから、どこの誰だかわからないんだけど…
「何で僕が?」
「王子がまずギルドを立ち上げてください」
って、うんもすんも無く僕がやる事になった。
「但し、決して身分を明かしてはなりませんぞ」
身分なんて、今迄だって明かした事無いよ。
だから皆んなと普通に友達になれるんだ。
まあ、とにかくプレイしてみると、イカリ将軍が居た。
確か「近衛連隊長」って言うキャラそうだと思うんだけど…
「ねえ、この、近衛連隊長って」
「私です」
やっぱりか。
「ギルド立ち上げたから入って」
「はっ!えーっと…どうやれば…」
「ここにギルドが有るからクリックして「レ・シルフィード」で検索」
「あ、有りました、有りました!」
要するにこれがハポネス軍て事になるみたいだね。
ややこしいなあ。
まあ、ユーザーには知らせられないから仕方ないね。
ギルメンだけがリアに反映される戦争をするってわけなんだね。
じゃあ強い人集めないとな。
「えーっと、次のギルド戦は….来週の水曜日20時か、それまでにレレ上げしないと」
「レレとは?」
「レベル」
「なるほど…ゲームの中は、わからない言葉だらけですな」
なんて、汗を拭き拭きマウス握ってるイカリ将軍て…フッ、何か笑える。
フレなっとこう。
「ムムっ、フレンド登録?聖騎士さんからだと?」
「それ僕だから、OKして」
「了解です!」
まずは個茶。
/聖騎士/これで個茶とギル茶色出来るね(^^♪
/近衛連隊長/ギル茶とは?どんなお茶ですか?
/聖騎士/ギルドチャット
「はあ?」
「文字数限られてるからね、略したり当て字で遊んだりするから」
「なるほど…」
レレ中々上がらない。
ほう、イカリ将軍レレだけは上げてるんだ。
後は装備だな。
ギルド服長にしとこう。
今日のガチャ後一回回せるな。
他のギルメンは…
はぁ、殆どイカリ将軍の部下だな。
まあ、人材を集めて教育しないルールだけど、軍人だけは例外でここが職場と言うか、戦地になっちゃったからね。
それにしても将軍以外はレレ低いな。
皆んな軍事しか知らない人達だから仕方ないか。
これはやっぱり、民間人で強い人に入ってもらわないとキツいね。
「カンの国のギルドは何て言う名前だろう?」
「シュン軍と言うのがそうです」
どれどれ?
ああ、結構強い人居るなあ。
「むむっ、これはお前の名前か?!」
「はい、そうで有ります!」
「ふざけた名前をつけよって!」
え?どれ?
「ハハハ」
爆弾オヤジだって。
「まあ、良いんじゃない?他のユーザー見てご覧よ。面白い名前多いから」
「はい、それで自分も考えたのです」
〈ニコニコしてノホに近づく武官〉
「これ、殿下に無礼で有ろう」
「良いじゃない、ここではそういうのやめようよ。ギルメンなんだから」
「いや、しかし恐れ多くも」
「敬語なのは仕方ないけど、必要以上にはやめて」
「はあ、殿下がこのように仰せだ。有り難く思え」
「はっ!」
〈ビシッと敬礼する武官〉
そして水曜の夜、いよいよギルド戦が始まる。
みんなギリギリまでレレ上げ頑張った。
装備を整えて準備だな。
初めは戦艦で戦って、最後は船上戦になるんだ。
僕達レ・シルフィードの船上戦のパテは、近衛連隊長、爆弾オヤジ、僕と…もう一人欲しいんだけど…
うーん、皆んなレレ低いな…もっと強いギルメン居ないのかな?
出来れば回復タイプの人…
あ、今一人入ってくれた。
女性みたいだけど…
まあ、ゲームの世界って、男が女の子キャラでプレイする事良く有るからね。
じゃあ、この麗さんに入ってもらって4人のパテで行こう。
「船上戦になったらチャットしてる暇無いからね」
「了解です」
今のうちにギル茶しておこう。
/聖騎士/ギルド入団ありがとうです。
/麗/宜しくお願い致します。
/聖騎士/宜しくです(^^♪
/爆弾オヤジ/宜しくで有ります!
「フフフ、面白い名前なのね」
/近衛連隊長/宜しくお願い致します。
「女のようだが大丈夫か?」
「ゲームだから、女性でも強い人居るよ」
「そうなのですか…」
イカリ将軍より強かったりして。
「姫様と同じ名前を名乗るとは、良い度胸してるな」
「あ、本当だ」
今気づいた。
姉上の名前はレイでこの人は麗。
「始まりますぞ!」
僕の船が旗艦だな。
これがやられたら負け。
お互いの旗艦が最後まで残ったら船上戦になるんだ。
船上戦も面白いけど、要するにバレーボールとかのファイナルセットみたいな感じ。
そこまで行かなくても敵の旗艦を沈めれば勝ちなんだよね。
まあ、戦艦で戦ってる時はチャットぐらい出来るかな。
/聖騎士/ルールわかってる?
/麗/ギルド戦は初めてですので、良くわかりませんわ。
/聖騎士/僕の船が旗艦だから沈められたら負け。
/麗/そうですのね。
/聖騎士/敵の旗艦を沈めたら勝ちだよ。
/麗/わかりました。
/聖騎士/最後船上戦になる場合有り。
/爆弾オヤジ/了解で有ります!
「船上戦チュートリアルしかやった事無いから、やってみたいな」
「あれは中々勝てません」
そうなんだよね、軍人だけでやってた時苦戦してたよな。
「この戦いで勝った国が三ヶ月間海域の侵入を許されるのです」
「あそこは美味しい魚が獲れるから、勝たないとね」
あ、イカリ将軍の船がやられた!
「面目無い」
これ本当に戦争してたら何人死んでるんだ?
海だって汚れるし。
本当ゲームになって良かったよ。
あ、麗さんの船が沈む。
「おのれ!大砲を撃ち込んでやる!」
爆弾オヤジ頑張れ~
「良し!後は旗艦だけだ」
あ、やられた。
「申し訳有りません」
「敵の船に乗り込むよ」
「了解です!」
〈ギルドチャットシュン軍〉
/ソナタこなた/絶対勝つぞ!
/戦士カン1/おーーー!!
「ハポネスの漫画は好きだけど、戦争は負けられない。来るなら来い!返り討ちにしてやる!」
船上戦開始!
/聖騎士/チンしたら復活無しだからね。
「チンとは何です?」
「死ぬとかってゲームでは言わないから、チンて言うの」
「何故です?」
「禁止用語とか有るからね」
「なるほど」
「も、もう喋れません」
イカリ将軍大汗かいてる。
あ、やられた!
僕一人?
これはキツいよ。
あ!
「ごめん」
負けちゃった…
三ヶ月後に勝たないと、美味しい魚が…
「え?次は違うゲーム?」
「はい、何でもその中で生活してるようなゲームだそうですが」
「町を作るところから始まるみたいですよ」
なるほど、全て作り出すタイプね。
これは早く始めないと勝てないぞ。
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