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とっても近いひと
25. 花火のあと
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あざみヶ丘4丁目には中央公園があって、住民たちの憩いの場となっている。中央公園は、俺のアパートと響也さんの家のちょうど中間地点にある。
朝、目を覚ました俺はおにぎりを二個こしらえると、自転車で中央公園に向かった。青空には金色の太陽が輝いている。まだまだ残暑は続きそうだ。
「誠司くん、おはよう」
「おはようございます」
響也さんは文庫本を片手に、ベンチで俺を待っていた。
本日の響也さんはウェリントン型のメガネをかけている。ブルーのシャツと相まって知的な印象を受ける。
夜はなかなかスケジュールが合わなかったので、俺たちは早朝に会うことにした。朝食を共にして、近況を伝え合う。
「タケちゃんとまた創作フレンチに行ってきました。『天渓』は最高の酒です! 絶対に特約店になりたいな」
「……その子とは何もないんだよね?」
「あいつ、彼女いますよ。ただの幼なじみですってば」
「保育園から一緒だったんでしょ? 誠司くんの小さい頃を知ってるだなんて羨ましいな」
響也さんは結構、独占欲が強い。ふだんは温厚な人なのに、俺が絡むと目つきが変わる。
愛されてるってことかな。
俺の方は、ネットニュースが噂を書き立てていてもジェラシーは湧いてこなかった。俺は響也さんを信じている。
ただし、好き勝手に書き散らしているメディアの無責任さには怒りを覚える。響也さんには余計なノイズがない環境で音楽活動に専念してもらいたい。
「夏祭り、もうすぐだね」
「はい。商店街のみんな、盛り上がってますよ!」
「僕の家の2階のベランダから花火が見えるんだ。見に来ない?」
「ぜひ行きたいです」
俺はおにぎりを頬張った。
おうちデートは初めてだ。俺たちは公園で朝食を共にするだけの健全なお付き合いをしていた。
観覧車でされた濃厚なキスを思い出す。
響也さん、ふたりっきりになったら止まらないんだろうな。俺も男だから、性的な衝動の強さはよく分かる。
俺は響也さんのことを拒まないだろう。花火の夜、俺たちはついに、そういう行為に及ぶことになるかもしれない。
こちらの沈黙を緊張の証として受け取ったのか、響也さんが優しく微笑んだ。
「大丈夫。いきなり襲いかかったりしないから」
「信じてますよ」
「でも、気分が盛り上がった時はいいよね?」
「はい……」
男同士のやり方についてはネットで自学自習しているところだ。体をつなげるためにはいろいろと準備が必要らしい。
涼しい風が吹いてきて、俺と響也さんの髪を弄んだ。
「秋の気配がする。もうすぐ夏も終わるね」
「いろんなことがあったなー」
「そうだね。僕にとっては大きな転換期になった」
ふたりとも、持参した朝食を食べ終えた。
「そろそろ行かないと」
「花火楽しみにしてます」
「僕も」
俺たちは中央公園をあとにした。
◆
夏祭りは盛況のうちに終わった。
沢辺酒店のブースには多くの人々が訪れ、クラフトビールは完売御礼となった。いい宣伝になったかな。これを機に、店舗にもお気に入りの品を買いに来ていただきたい。
仮設テントを畳み、その他の資材とともに店のバックヤードに運ぶ。
もくもくと片付け作業に取り組んでいると、母さんが言った。
「花火、もうすぐね」
「うん」
「いい人と一緒に見るんでしょ?」
「まあ、そのへんは……ご想像にお任せします」
「母さんは誠司が幸せになってくれれば、それでいいから」
いつになく真面目な表情だった。母さんは俺の愛する人が男性であることに薄々気づいているのかもしれない。
親父はこれから商店街の仲間とスナック『よっちゃん』に打ち上げに行くらしい。
「エセ塚エセ也さんは元気にしてるのか?」
「うん」
「芳江ママがまた会いたいってさ」
「伝えておく」
俺は自転車で、貝塚さんが住むあざみヶ丘5丁目に出発した。
◆
ケーキの箱を積み上げたような2階建ての家が見えてきた。
敷地に足を踏み入れ、自転車を停める。
インターホンを押せば、響也さんが出てきた。
「いらっしゃい」
打ち上げ花火の音が轟いている。俺たちは2階のベランダに上がった。
広々としたベランダは開放感がある。
咲いては消える打ち上げ花火を、俺たちは手をつなぎながら眺めた。
夜空に灯った光がパパパっという音を鳴らしながら飛び散って、菊の花をかたどる。
「綺麗ですね……」
「うん。一日の疲れが吹き飛びそうだ」
「響也さんとこうして楽しい時間を共有できること、幸せに思っています」
「僕もだよ」
景気のいい音が鳴り響く。光でできた花が咲いては輝きが薄れ、夜闇にまぎれていく。この一瞬の美を見せるために、花火職人はどれだけの工夫を重ねてきたことだろう。
「花火職人さんってすごいですね。俺は出来上がった商品を売ることしかできないから。モノづくりをしている人に対して敬意が尽きません」
「僕のことも褒めてくれる? 曲作り、頑張ってるよ」
響也さんがぺたんと体を寄せてくる。甘えん坊だなあ。
でも悪い気はしない。俺は追う恋よりも、相手に求められて、それに応える方が合ってるみたいだ。
「響也さん、お仕事頑張ってて偉いですね」
「嬉しい。もっと言って」
俺たちは抱き合った。
「あれ? 香水変えました?」
「うん。シトラス系もいいかなって思ったから。よく気づいたね」
「それは……あなたのことが好きだから」
「可愛いことを言うね。僕、今夜は我慢できなそうだ」
「響也さん……」
ひときわ大きな花火が打ち上げられた。夜空が色とりどりの光によって華やかに彩られる。
やがて大輪の花の残像が消えて、あたりに静寂が戻ってきた。しばし様子を窺ったが、新たな花火が発射される気配はない。これにて花火大会は終わりらしい。
ついに、響也さんとの秘密の時間が始まる。
「誠司くん。リビングに行こう」
「はい」
「喉が渇いたでしょ」
階段を下りる。
リビングに入った瞬間、俺は後ろから抱きしめられた。うなじにちゅっと口づけられる。恥ずかしさを押しのけて、快感がせり上がってくる。
響也さんの手のひらが俺の胸板をまさぐる。乳首に触れられた時、俺はこれまでに感じたことのない甘い悦びを味わった。もっといじめてほしくて、甘い声を上げてしまう。
俺は口移しでミネラルウォーターを飲ませてもらった。冷えた水が甘露のように感じられる。
響也さんの熱っぽい唇が俺の耳たぶに押し当てられる。ちゅっちゅっというリップ音がふたりきりの部屋に響いた。
長い指が俺の太ももに伸びてくる。
「誠司くんが欲しい」
「あっ、あの。シャワーまだですし……」
「じゃあ一緒に浴びよう」
響也さんの濡れたまなざしが俺の心をかき乱した。
「嫌だったらやめるよ?」
「いえ、俺も……響也さんが欲しいです」
俺は響也さんに連れられて、バスルームに向かった。
朝、目を覚ました俺はおにぎりを二個こしらえると、自転車で中央公園に向かった。青空には金色の太陽が輝いている。まだまだ残暑は続きそうだ。
「誠司くん、おはよう」
「おはようございます」
響也さんは文庫本を片手に、ベンチで俺を待っていた。
本日の響也さんはウェリントン型のメガネをかけている。ブルーのシャツと相まって知的な印象を受ける。
夜はなかなかスケジュールが合わなかったので、俺たちは早朝に会うことにした。朝食を共にして、近況を伝え合う。
「タケちゃんとまた創作フレンチに行ってきました。『天渓』は最高の酒です! 絶対に特約店になりたいな」
「……その子とは何もないんだよね?」
「あいつ、彼女いますよ。ただの幼なじみですってば」
「保育園から一緒だったんでしょ? 誠司くんの小さい頃を知ってるだなんて羨ましいな」
響也さんは結構、独占欲が強い。ふだんは温厚な人なのに、俺が絡むと目つきが変わる。
愛されてるってことかな。
俺の方は、ネットニュースが噂を書き立てていてもジェラシーは湧いてこなかった。俺は響也さんを信じている。
ただし、好き勝手に書き散らしているメディアの無責任さには怒りを覚える。響也さんには余計なノイズがない環境で音楽活動に専念してもらいたい。
「夏祭り、もうすぐだね」
「はい。商店街のみんな、盛り上がってますよ!」
「僕の家の2階のベランダから花火が見えるんだ。見に来ない?」
「ぜひ行きたいです」
俺はおにぎりを頬張った。
おうちデートは初めてだ。俺たちは公園で朝食を共にするだけの健全なお付き合いをしていた。
観覧車でされた濃厚なキスを思い出す。
響也さん、ふたりっきりになったら止まらないんだろうな。俺も男だから、性的な衝動の強さはよく分かる。
俺は響也さんのことを拒まないだろう。花火の夜、俺たちはついに、そういう行為に及ぶことになるかもしれない。
こちらの沈黙を緊張の証として受け取ったのか、響也さんが優しく微笑んだ。
「大丈夫。いきなり襲いかかったりしないから」
「信じてますよ」
「でも、気分が盛り上がった時はいいよね?」
「はい……」
男同士のやり方についてはネットで自学自習しているところだ。体をつなげるためにはいろいろと準備が必要らしい。
涼しい風が吹いてきて、俺と響也さんの髪を弄んだ。
「秋の気配がする。もうすぐ夏も終わるね」
「いろんなことがあったなー」
「そうだね。僕にとっては大きな転換期になった」
ふたりとも、持参した朝食を食べ終えた。
「そろそろ行かないと」
「花火楽しみにしてます」
「僕も」
俺たちは中央公園をあとにした。
◆
夏祭りは盛況のうちに終わった。
沢辺酒店のブースには多くの人々が訪れ、クラフトビールは完売御礼となった。いい宣伝になったかな。これを機に、店舗にもお気に入りの品を買いに来ていただきたい。
仮設テントを畳み、その他の資材とともに店のバックヤードに運ぶ。
もくもくと片付け作業に取り組んでいると、母さんが言った。
「花火、もうすぐね」
「うん」
「いい人と一緒に見るんでしょ?」
「まあ、そのへんは……ご想像にお任せします」
「母さんは誠司が幸せになってくれれば、それでいいから」
いつになく真面目な表情だった。母さんは俺の愛する人が男性であることに薄々気づいているのかもしれない。
親父はこれから商店街の仲間とスナック『よっちゃん』に打ち上げに行くらしい。
「エセ塚エセ也さんは元気にしてるのか?」
「うん」
「芳江ママがまた会いたいってさ」
「伝えておく」
俺は自転車で、貝塚さんが住むあざみヶ丘5丁目に出発した。
◆
ケーキの箱を積み上げたような2階建ての家が見えてきた。
敷地に足を踏み入れ、自転車を停める。
インターホンを押せば、響也さんが出てきた。
「いらっしゃい」
打ち上げ花火の音が轟いている。俺たちは2階のベランダに上がった。
広々としたベランダは開放感がある。
咲いては消える打ち上げ花火を、俺たちは手をつなぎながら眺めた。
夜空に灯った光がパパパっという音を鳴らしながら飛び散って、菊の花をかたどる。
「綺麗ですね……」
「うん。一日の疲れが吹き飛びそうだ」
「響也さんとこうして楽しい時間を共有できること、幸せに思っています」
「僕もだよ」
景気のいい音が鳴り響く。光でできた花が咲いては輝きが薄れ、夜闇にまぎれていく。この一瞬の美を見せるために、花火職人はどれだけの工夫を重ねてきたことだろう。
「花火職人さんってすごいですね。俺は出来上がった商品を売ることしかできないから。モノづくりをしている人に対して敬意が尽きません」
「僕のことも褒めてくれる? 曲作り、頑張ってるよ」
響也さんがぺたんと体を寄せてくる。甘えん坊だなあ。
でも悪い気はしない。俺は追う恋よりも、相手に求められて、それに応える方が合ってるみたいだ。
「響也さん、お仕事頑張ってて偉いですね」
「嬉しい。もっと言って」
俺たちは抱き合った。
「あれ? 香水変えました?」
「うん。シトラス系もいいかなって思ったから。よく気づいたね」
「それは……あなたのことが好きだから」
「可愛いことを言うね。僕、今夜は我慢できなそうだ」
「響也さん……」
ひときわ大きな花火が打ち上げられた。夜空が色とりどりの光によって華やかに彩られる。
やがて大輪の花の残像が消えて、あたりに静寂が戻ってきた。しばし様子を窺ったが、新たな花火が発射される気配はない。これにて花火大会は終わりらしい。
ついに、響也さんとの秘密の時間が始まる。
「誠司くん。リビングに行こう」
「はい」
「喉が渇いたでしょ」
階段を下りる。
リビングに入った瞬間、俺は後ろから抱きしめられた。うなじにちゅっと口づけられる。恥ずかしさを押しのけて、快感がせり上がってくる。
響也さんの手のひらが俺の胸板をまさぐる。乳首に触れられた時、俺はこれまでに感じたことのない甘い悦びを味わった。もっといじめてほしくて、甘い声を上げてしまう。
俺は口移しでミネラルウォーターを飲ませてもらった。冷えた水が甘露のように感じられる。
響也さんの熱っぽい唇が俺の耳たぶに押し当てられる。ちゅっちゅっというリップ音がふたりきりの部屋に響いた。
長い指が俺の太ももに伸びてくる。
「誠司くんが欲しい」
「あっ、あの。シャワーまだですし……」
「じゃあ一緒に浴びよう」
響也さんの濡れたまなざしが俺の心をかき乱した。
「嫌だったらやめるよ?」
「いえ、俺も……響也さんが欲しいです」
俺は響也さんに連れられて、バスルームに向かった。
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