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v 11 蒼白く果てる
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人は一旦火が着いてしまえば、歯止めが効かない。
男は強く突き続け、女が果てるのを楽しんだ。
暗闇の中に差す月の光りは、女の白い肌を蒼く浮かばせてしっとりと汗が滲んでいた。
その水滴を打ち消すように、快楽の波が女の脳まで登って腰を打ちつけられた瞬間、女の腰はぶるぶると震えた。
ハァ、ハァ、と暗い部屋に二人の吐息が響き、男はまたゆっくりと味わうように動き始める。
女は喉の奥から絞り出すような吐息と、熱い声で悶えながら男のそれを受け止める。
何度も生暖かい夜に、濡れた時間を交わしながらお互いの中に生まれてくる感情を確かめあっていた。
何度も、幾度となく、、、、。
『突然
消えて無くなりたくなる時がある
この世の何処かと自分の存在が
繋がってしまった時
それを失うことが怖くて
存在自体がすぐにでも
無くなってしまえばいいと願ってしまう
そうすれば
全て 熱いままで
永遠の時を迎えられるような
気がするから』
1999年6月22日 19:03
「お前みたいな男は、目の前の女の気持ちに答えることが正しいぐらいに思ってるから、簡単に正義を履き違えてしまうんだよ。」と陽介が唐突に言う。
「その辺が不器用であり、馬鹿なんだ。」
お前に正義を語られる筋合いは無い、と腹立たしく思いながらも剣士は何も言い返せずに黙っていた。
ジョッキのビールを喉に流して焼き鳥を一本やるが、味を感じてはいなかった。
艶めかしく生暖かい感触と、脳に張り付いた記憶が邪魔をして、剣士は目の前の日常に集中出来ずにいた。
陽介にはまだ何も言っていないのに、全部見透かされたようでとても後ろめたい気持ちだった。
彼女に求められ、それを受け入れただけでそこに全く悪意は無かったけれど、今になって思えば自分が結婚している事や彼女がそれを知らなかった事、それを伝える前に理性が吹っ飛んでしまった事に今更ながら後悔していた。
これからの事を考えると色んな問題が多過ぎて頭を抱えずにはいられなかった。
「、、、なぁ、陽介、、、あのさ、」
「次の査定さ。お前一人で、、。」
態度が煮えきらないのを見兼ねて陽介が顔をしかめる。
「なんだよ、、、何かやらかしたか??」
陽介は頬杖をついたまま枝豆を口に放り込んだ。
「いや、、、、うん、、、、、、、。」
言葉に詰まる剣士に陽介はため息をついて、
「何だかよく解んねぇけど、次着いて行くわ。」
喉が乾いて自然とビールを飲むペースが早くなる。
陽介は向かいの席で剣士の顔を眺めて、頬杖をつきながら呆れた顔でもう一つ、枝豆を摘んだ。
男は強く突き続け、女が果てるのを楽しんだ。
暗闇の中に差す月の光りは、女の白い肌を蒼く浮かばせてしっとりと汗が滲んでいた。
その水滴を打ち消すように、快楽の波が女の脳まで登って腰を打ちつけられた瞬間、女の腰はぶるぶると震えた。
ハァ、ハァ、と暗い部屋に二人の吐息が響き、男はまたゆっくりと味わうように動き始める。
女は喉の奥から絞り出すような吐息と、熱い声で悶えながら男のそれを受け止める。
何度も生暖かい夜に、濡れた時間を交わしながらお互いの中に生まれてくる感情を確かめあっていた。
何度も、幾度となく、、、、。
『突然
消えて無くなりたくなる時がある
この世の何処かと自分の存在が
繋がってしまった時
それを失うことが怖くて
存在自体がすぐにでも
無くなってしまえばいいと願ってしまう
そうすれば
全て 熱いままで
永遠の時を迎えられるような
気がするから』
1999年6月22日 19:03
「お前みたいな男は、目の前の女の気持ちに答えることが正しいぐらいに思ってるから、簡単に正義を履き違えてしまうんだよ。」と陽介が唐突に言う。
「その辺が不器用であり、馬鹿なんだ。」
お前に正義を語られる筋合いは無い、と腹立たしく思いながらも剣士は何も言い返せずに黙っていた。
ジョッキのビールを喉に流して焼き鳥を一本やるが、味を感じてはいなかった。
艶めかしく生暖かい感触と、脳に張り付いた記憶が邪魔をして、剣士は目の前の日常に集中出来ずにいた。
陽介にはまだ何も言っていないのに、全部見透かされたようでとても後ろめたい気持ちだった。
彼女に求められ、それを受け入れただけでそこに全く悪意は無かったけれど、今になって思えば自分が結婚している事や彼女がそれを知らなかった事、それを伝える前に理性が吹っ飛んでしまった事に今更ながら後悔していた。
これからの事を考えると色んな問題が多過ぎて頭を抱えずにはいられなかった。
「、、、なぁ、陽介、、、あのさ、」
「次の査定さ。お前一人で、、。」
態度が煮えきらないのを見兼ねて陽介が顔をしかめる。
「なんだよ、、、何かやらかしたか??」
陽介は頬杖をついたまま枝豆を口に放り込んだ。
「いや、、、、うん、、、、、、、。」
言葉に詰まる剣士に陽介はため息をついて、
「何だかよく解んねぇけど、次着いて行くわ。」
喉が乾いて自然とビールを飲むペースが早くなる。
陽介は向かいの席で剣士の顔を眺めて、頬杖をつきながら呆れた顔でもう一つ、枝豆を摘んだ。
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