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note 3 女子中学生 ありさ
第二話 いじめという言葉
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私はしばらくあゆみに憑いてまわった。
物理的な攻撃は出来ないことはわかったが、少しでもこいつを苦しめてやりたいと心底思っていた。
かよは相変わらずあゆみに執拗に絡まれている。
他のクラスメイトはそれを雰囲気で感じてはいたが、皆見て見ぬふりをしていた。
次の授業「いじめ問題について」臨時のカウンセラーの特別授業というものだった。
恐らく私の自殺の一件で、こういった授業を増やさざるを得ないようだ。
その講師である先生は、柔らかい口調で「いじめ」かそうでないかの例を淡々と話すけれど、それを聞いたところで何の解決にもならない事を私と、私の隣で話を聞いている濱安先生は分かっている。
私がこの体になってから知った事だが、この女の先生は職員室や教室でいじめにあっている。
物理的な暴力もあるが、精神的にくる部類のしつこさがあった。
彼女は大人しい性格の美人で、女受けは悪く、男性教師からはセクハラまがいの言動を受けている。
同僚の女の先生からは言葉の暴力を受けていたり、お局カラスの波木先生からはいつも嫌味を言われている。
彼女を見ていると、職員室を出た後でよく溜息を漏らしている。
教室に入る時に必ず深呼吸をしてからドアを開けるのも知っている。
教室でも彼女は女子から疎まれ、授業中に歩く度に足を引っ掛けられて何度も転びそうになっていた。
特に沼川あゆみのいじめは酷く、先生のスカートに血のシミを付けて男子の前でわざとネタにしたり、私の下の毛を日誌に挟ませたり、大事な書類を抜いて破棄したりとかなり陰湿なものだった。
この感じだと、彼女の精神が崩壊するのも時間の問題である。
大体「いじめ」というコトバ自体が今となっては緩すぎるように思える。
響きの緩さとは裏腹に実際にされている事は人格を壊す「暴力」だ。人を壊すのだからある意味精神的な「殺人」だ。
「いじめ」は絶対に許してはいけないと誰もが分かっていることなのに、それをやってしまう当人がいて、巻き込まれる事が怖くて周りも見て見ぬふりをしている事実がそこには存在していた。
物理的な攻撃は出来ないことはわかったが、少しでもこいつを苦しめてやりたいと心底思っていた。
かよは相変わらずあゆみに執拗に絡まれている。
他のクラスメイトはそれを雰囲気で感じてはいたが、皆見て見ぬふりをしていた。
次の授業「いじめ問題について」臨時のカウンセラーの特別授業というものだった。
恐らく私の自殺の一件で、こういった授業を増やさざるを得ないようだ。
その講師である先生は、柔らかい口調で「いじめ」かそうでないかの例を淡々と話すけれど、それを聞いたところで何の解決にもならない事を私と、私の隣で話を聞いている濱安先生は分かっている。
私がこの体になってから知った事だが、この女の先生は職員室や教室でいじめにあっている。
物理的な暴力もあるが、精神的にくる部類のしつこさがあった。
彼女は大人しい性格の美人で、女受けは悪く、男性教師からはセクハラまがいの言動を受けている。
同僚の女の先生からは言葉の暴力を受けていたり、お局カラスの波木先生からはいつも嫌味を言われている。
彼女を見ていると、職員室を出た後でよく溜息を漏らしている。
教室に入る時に必ず深呼吸をしてからドアを開けるのも知っている。
教室でも彼女は女子から疎まれ、授業中に歩く度に足を引っ掛けられて何度も転びそうになっていた。
特に沼川あゆみのいじめは酷く、先生のスカートに血のシミを付けて男子の前でわざとネタにしたり、私の下の毛を日誌に挟ませたり、大事な書類を抜いて破棄したりとかなり陰湿なものだった。
この感じだと、彼女の精神が崩壊するのも時間の問題である。
大体「いじめ」というコトバ自体が今となっては緩すぎるように思える。
響きの緩さとは裏腹に実際にされている事は人格を壊す「暴力」だ。人を壊すのだからある意味精神的な「殺人」だ。
「いじめ」は絶対に許してはいけないと誰もが分かっていることなのに、それをやってしまう当人がいて、巻き込まれる事が怖くて周りも見て見ぬふりをしている事実がそこには存在していた。
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