中年男が女性の井戸端会議の健康ネタを実践していく話☆

天仕事屋(てしごとや)

文字の大きさ
上 下
13 / 19
第六章 にわかに信じ難い

第十三話 中年の恋バナ(序文)

しおりを挟む
 以前の、幼なじみからの紹介の話を覚えておいでだろうか。

 中年の恋バナなど興味も無いだろうが、出来れば少しでも聞いて頂きたい。しかし恋バナと言えるほど華やかなものではないが、内心色々とそわそわしていたのは間違いない。

 中年の枯れた心にもまだ潤いが残っていたのかと、自分でも驚いている。
 まさかこれも化粧水の効果なのか?ーーー(んな訳ねーだろー!)と心の声が囁くけれど、ここはそう思ってしまいたい。もしそうだと仮定して今までの話題を振り返ると、試し続けてきた知識にも箔が付くってもんだが、、。

 ※今回異様に口数が多く見て取れる文章になっているのは、恐らく平常心を取り戻そうという無意識の表れであると補足しておく。

 ____________________________


 紹介の話があってから数日後、私は幼なじみのそいつと服を見にデパートへ行った。

 正直に白状すると私には服に対するこだわりがあまり無く、こういう場合にどんな格好をしていいのかが全く分からない。
 その点やつは服のセンスは目立たずにシンプルを心がけているようで、いつも服装と髪型に関しては男の私から見てもスッキリしている。
 だからこの際、当日のコーディネートを丸々見立ててもらおうという寸法であった。
 やつはそれを蘭○園のスペシャル定食ですんなり引き受けてくれたのである。

 _____________________________
 
 さて、待ち合わせ当日の話に戻そう。
 私は職場から車で5分先のケーキ屋さんの駐車場で車を停めて先方を待っていた。
 そこは彼女達の住んでいる家の付近だというので待ち合わせ場所にさせてもらったのである。

 幼なじみの見立て通りの明るい色のデニムボタンシャツにグレーのシンプルなダウンジャケット(やつの言っていた説明を覚えた)、ズボンはベージュの今まで一度も履こうと思った事のない色の物を身に着けて及んでいる。
 
 こちらは先方がどんな方かは結局確認していない。勝手なこちらの先入観を持ってしまっても申し訳ないし、というよりはあれこれ考え過ぎる自分が煩わしいのでむしろ知らないほうが良いかと思ったのもあった。
 先方にはこちらの顔写真を見せているらしい。
 今思えば、その時点でお断りを頂かなかった事に心底感謝している。

 早めに駐車場に着いた私は、ようやく面接まで辿り着いた就活生のような心持ちで車内で待つ。
 
 しばらくしてタバコを吸いたくなってくるが、ここはぐっと我慢して缶コーヒーをぐいっとカラカラの喉に流し込む。

 すると眼の前に小さな女の子を連れた女性がキョロキョロしているのが見えた。

  


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

優等生の裏の顔クラスの優等生がヤンデレオタク女子だった件

石原唯人
ライト文芸
「秘密にしてくれるならいい思い、させてあげるよ?」 隣の席の優等生・出宮紗英が“オタク女子”だと偶然知ってしまった岡田康平は、彼女に口封じをされる形で推し活に付き合うことになる。 紗英と過ごす秘密の放課後。初めは推し活に付き合うだけだったのに、気づけば二人は一緒に帰るようになり、休日も一緒に出掛けるようになっていた。 「ねえ、もっと凄いことしようよ」 そうして積み重ねた時間が徐々に紗英の裏側を知るきっかけとなり、不純な秘密を守るための関係が、いつしか淡く甘い恋へと発展する。 表と裏。二つのカオを持つ彼女との刺激的な秘密のラブコメディ。

眠れる夜のお話

天仕事屋(てしごとや)
児童書・童話
子供たちが安心して聴ける 眠れるお話です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

処理中です...