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第五章 思いもよらない
第十話 タオルで拭かないで
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最近思うことがある。
中年の肌は何故、こんなにもベタベタオイリーなのにカサつくのか。
季節は朝夕の肌寒さを感じる11月、一応乾燥防止の為に100均で買った化粧水をお風呂上がりと朝顔を洗った後ぐらいに手でまぶす程度試してはいる。
その程度ではどうにもならないのかもしれないが、やっぱりすぐに肌はカサカサになって小鼻の辺りが乾燥で白く粉をふいてしまう。
鼻の頭とおでこはテッカテカなのにである。
そういえば昔、洗顔フォームのCMでも「べたべたするのにカサつくぅ」と高校生が言っていたのを思い出す。彼女も今となってはいい歳だろうな、などと一瞬よぎるがあのセリフはこういう肌の事を言っていたのか。
そうか世の学生さんも悩んでいるのか?疑問に思っているのは私だけでは無いのかもしれない。
どなたかこの問題に答えてくれるおばちゃん、もとい御年配の奥様はどこかにいらっしゃらないものだろうか?
気が付けば無意識におばちゃんを探してしまっている(決していやらしい意味ではない)。
私のロープレでいうジョブは今や完全に「おばちゃんレンジャー」だ。まだレベルは3か4あたりか?よって未だ目標を確認することは出来ずにいる。
今日も小鼻の下がカサカサになって朝少し皮が剥けてしまったのでオロ○イン軟膏のお世話になっている。
本日の外回り修理などは入っていないので、事務処理や色んな説明書をあさってみたりと室内で出来ることをひたすらやりながら過ごしていた。
私は新聞を読む習慣がないので、もっぱら携帯のネットニュースで情報収集をする程度だ。
たまにテレビもそれと同じ目的で点けっぱなしにしている。
お昼もみんながご飯を食べる時に見ることもあるので大体そのままにしていることが多い。
今日もテレビを点けたままで作業をしていた。
お昼近くになると情報番組もいつの間にか主婦好みの番組に変わっていた。
普段はメイクやファッションなどのコーナーであまり興味を引く話題ではないので目に留めないが、今日のメイク術のコーナーで私が目に留めた人物が一人いた。
それは綺麗な女性でもなく、探し求めている年配の奥様でもなかった。
「もぉ、やだぁ~勝手に入ってこないで~。」
テレビから流れるその声の主は、、、、、、紛れもなく、おじさんである。
言い換えればオネエさんだ。
メイクアップアーティストと名乗っているそのおじさんは、私から見ると顔が綺麗な訳でもなければとてもカリスマ~という風貌でも無いように感じられる。
ただ、肌は綺麗そうだった。
「〇〇さんのおたく訪問~」のそのコーナーで一体何が私が心を捉えたのかというと、その人が顔を洗った後に発した何気ない一言だった。
いつも通り泡洗顔を終えたらしくその人が顔から水を滴らせたままで洗面台から部屋に入ってくる。
「ちょっと~、顔びしょ濡れじゃないですか~!ちゃんと拭いてきて下さいよ~!」
訪問したタレントが突っ込むと〇〇さんが、
「私、拭かないんです~。」
「タオルで拭くと必要な水分、全部取っちゃうから乾くまでそのままなんです~。」
タレントは「え~、なんですかそれ~?」って簡単に流してたけど、今凄く大事なことさらっと言って無かったか!?
「タオルで拭くと必要な水分、全部取っちゃうから」
なんだそれ?
タオルが?全部?取っちゃうの?
一見とても当たり前のような事に聞こえるけど私には悪魔の呪文のように響いた。
「タオルで拭くと必要な水分全部持っていかれる」「必要な水分全部、、全部、、全部、、、」
不覚にも一瞬で「おじさんレンジャー」にジョブチェンジの瞬間である。
毎日タオルで体や顔を拭いているけど、潤い全てをヤツに持っていかれていたのかっ!!!
フハハハハハハハハハハ、、、!!!!
暗黒の魔王が頭の中で嘲笑っている。
ちきしょう!今まで気付かずになんてことだ!
返せ!今すぐに!!
潤いをっ!返せーーーーーっっ!!!!
あまりの衝撃の一言にゲームの勇者のように泣き崩れたい気分だ。
テレビでは引き続きカリスマおじさんのメイク術が披露されていた。
もはや全く興味はない。
ただただこのおじさんの一言に今までの当たり前だと思っていた概念をひっくり返されたのだけは確かだったのだ。
その後事務仕事も気もそぞろに済ませ、早めに家路についた。
___________________________________
タオルで拭かない、タオルで拭かない、、。
呪文のように頭の中で繰り返しながら手と顔を洗う。
その流れで無意識に手を拭いてはっと思い留まる。
、、、、、あ、危ない、!
この時点でまたヤツに体を乗っ取られる所であったっ!
つい習慣でタオルで無意識に顔も拭いてしまいそうになる、、、しかもまだ顔が濡れているという違和感のために、拭いてしまいたいと手がウズウズしている。
ま、魔王恐るべし、、、、!
少しでも気を抜くと本当に拭いてしまいそうです。
「まだだ。」どこの師匠かわからないが言う。
もう本当にベタベタでこれがいつまで続くのかと思うと耐えられそうにありません。
「まだ早い!」
ぐっと拭きたい衝動をこらえる。
何故こんなに我慢をするのか?
どうしてデマかもしれない話を信じて試してみるのか?
バカじゃないの?
世間の声が聞こえる気がした。
何故って。
だってこれが本当なら、こんなお金もかからないちょっとした事で潤いが少しでも増すのなら、、!
それは凄いことだからです!
コスパ良すぎる事だからです!!
誰がこんな事を試してみようと思うでしょうか。
あのタレントだって鼻で笑った事を、本気で毎日やり続けて美肌になった〇〇さんを誰が笑えるでしょうか?
「耐えるのじゃ。」
どなたか存じませんが、もぉそろそろ良いでしょうか?心の中で問う。
返事がないのでもういいかぃ?
少し肌を触ってみると、あんなにびちょびちょだった頬も額もすっかりパックをしたようにしっとりとサラサラしていたのである。
(毎日これでいこう!)
またまた伝説のネタを手に入れた事を確信するのである。
私が、顔が乾くまでじっとしていなくても良い事に気付くのは11月も終わる頃であった。
中年の肌は何故、こんなにもベタベタオイリーなのにカサつくのか。
季節は朝夕の肌寒さを感じる11月、一応乾燥防止の為に100均で買った化粧水をお風呂上がりと朝顔を洗った後ぐらいに手でまぶす程度試してはいる。
その程度ではどうにもならないのかもしれないが、やっぱりすぐに肌はカサカサになって小鼻の辺りが乾燥で白く粉をふいてしまう。
鼻の頭とおでこはテッカテカなのにである。
そういえば昔、洗顔フォームのCMでも「べたべたするのにカサつくぅ」と高校生が言っていたのを思い出す。彼女も今となってはいい歳だろうな、などと一瞬よぎるがあのセリフはこういう肌の事を言っていたのか。
そうか世の学生さんも悩んでいるのか?疑問に思っているのは私だけでは無いのかもしれない。
どなたかこの問題に答えてくれるおばちゃん、もとい御年配の奥様はどこかにいらっしゃらないものだろうか?
気が付けば無意識におばちゃんを探してしまっている(決していやらしい意味ではない)。
私のロープレでいうジョブは今や完全に「おばちゃんレンジャー」だ。まだレベルは3か4あたりか?よって未だ目標を確認することは出来ずにいる。
今日も小鼻の下がカサカサになって朝少し皮が剥けてしまったのでオロ○イン軟膏のお世話になっている。
本日の外回り修理などは入っていないので、事務処理や色んな説明書をあさってみたりと室内で出来ることをひたすらやりながら過ごしていた。
私は新聞を読む習慣がないので、もっぱら携帯のネットニュースで情報収集をする程度だ。
たまにテレビもそれと同じ目的で点けっぱなしにしている。
お昼もみんながご飯を食べる時に見ることもあるので大体そのままにしていることが多い。
今日もテレビを点けたままで作業をしていた。
お昼近くになると情報番組もいつの間にか主婦好みの番組に変わっていた。
普段はメイクやファッションなどのコーナーであまり興味を引く話題ではないので目に留めないが、今日のメイク術のコーナーで私が目に留めた人物が一人いた。
それは綺麗な女性でもなく、探し求めている年配の奥様でもなかった。
「もぉ、やだぁ~勝手に入ってこないで~。」
テレビから流れるその声の主は、、、、、、紛れもなく、おじさんである。
言い換えればオネエさんだ。
メイクアップアーティストと名乗っているそのおじさんは、私から見ると顔が綺麗な訳でもなければとてもカリスマ~という風貌でも無いように感じられる。
ただ、肌は綺麗そうだった。
「〇〇さんのおたく訪問~」のそのコーナーで一体何が私が心を捉えたのかというと、その人が顔を洗った後に発した何気ない一言だった。
いつも通り泡洗顔を終えたらしくその人が顔から水を滴らせたままで洗面台から部屋に入ってくる。
「ちょっと~、顔びしょ濡れじゃないですか~!ちゃんと拭いてきて下さいよ~!」
訪問したタレントが突っ込むと〇〇さんが、
「私、拭かないんです~。」
「タオルで拭くと必要な水分、全部取っちゃうから乾くまでそのままなんです~。」
タレントは「え~、なんですかそれ~?」って簡単に流してたけど、今凄く大事なことさらっと言って無かったか!?
「タオルで拭くと必要な水分、全部取っちゃうから」
なんだそれ?
タオルが?全部?取っちゃうの?
一見とても当たり前のような事に聞こえるけど私には悪魔の呪文のように響いた。
「タオルで拭くと必要な水分全部持っていかれる」「必要な水分全部、、全部、、全部、、、」
不覚にも一瞬で「おじさんレンジャー」にジョブチェンジの瞬間である。
毎日タオルで体や顔を拭いているけど、潤い全てをヤツに持っていかれていたのかっ!!!
フハハハハハハハハハハ、、、!!!!
暗黒の魔王が頭の中で嘲笑っている。
ちきしょう!今まで気付かずになんてことだ!
返せ!今すぐに!!
潤いをっ!返せーーーーーっっ!!!!
あまりの衝撃の一言にゲームの勇者のように泣き崩れたい気分だ。
テレビでは引き続きカリスマおじさんのメイク術が披露されていた。
もはや全く興味はない。
ただただこのおじさんの一言に今までの当たり前だと思っていた概念をひっくり返されたのだけは確かだったのだ。
その後事務仕事も気もそぞろに済ませ、早めに家路についた。
___________________________________
タオルで拭かない、タオルで拭かない、、。
呪文のように頭の中で繰り返しながら手と顔を洗う。
その流れで無意識に手を拭いてはっと思い留まる。
、、、、、あ、危ない、!
この時点でまたヤツに体を乗っ取られる所であったっ!
つい習慣でタオルで無意識に顔も拭いてしまいそうになる、、、しかもまだ顔が濡れているという違和感のために、拭いてしまいたいと手がウズウズしている。
ま、魔王恐るべし、、、、!
少しでも気を抜くと本当に拭いてしまいそうです。
「まだだ。」どこの師匠かわからないが言う。
もう本当にベタベタでこれがいつまで続くのかと思うと耐えられそうにありません。
「まだ早い!」
ぐっと拭きたい衝動をこらえる。
何故こんなに我慢をするのか?
どうしてデマかもしれない話を信じて試してみるのか?
バカじゃないの?
世間の声が聞こえる気がした。
何故って。
だってこれが本当なら、こんなお金もかからないちょっとした事で潤いが少しでも増すのなら、、!
それは凄いことだからです!
コスパ良すぎる事だからです!!
誰がこんな事を試してみようと思うでしょうか。
あのタレントだって鼻で笑った事を、本気で毎日やり続けて美肌になった〇〇さんを誰が笑えるでしょうか?
「耐えるのじゃ。」
どなたか存じませんが、もぉそろそろ良いでしょうか?心の中で問う。
返事がないのでもういいかぃ?
少し肌を触ってみると、あんなにびちょびちょだった頬も額もすっかりパックをしたようにしっとりとサラサラしていたのである。
(毎日これでいこう!)
またまた伝説のネタを手に入れた事を確信するのである。
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