やっぱりやらねば(続)

Anastasia

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アイラと廉

その12-06

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* * *


 その日の夜は、さすがに、心身共に疲弊しきっていて、お互いに休戦状態。

 何事もなく、少々、早い時間から、お互いにぐっすりだった。

 次の日からは、仕方なく仕事に復帰である。

 一日を終え、夕食を済まし、シャワーを終えて、お互いの暗黙の了解からか、その日も、二人は早くからベッドに直行。
 疲労回復に、ぐっすりである。

 それから、三日はそんな日が続き、四日目には久しぶりにジムも行き、軽く汗を流す。

 帰ってきてから、二人でシャワーを浴び、前回のことで味をしめた廉は、シャワーの時はゴムをつけなかった。

 文句をこぼすアイラを前に、たーっぷりと軽く二回。

 ぐっすりと眠っただけに、疲労回復は万全。
 汗を少し流し、新陳代謝が上がって、活力も万全。

 シャワーの後にも、たーっぷりと、アイラを可愛がる気満々の廉は、中出しはしなかった。

 それから、すぐにベッドに直行して、夜が更けるまで、たーっぷりと、アイラと絡み合う。

 これで、廉も通常運転に戻っていた。

 翌朝は、恒例行事で、寝起きのアイラを激しく一回抱き落とす。

 その日の夜も、二人の日課に戻り始めていた。

 週末は、いつものように、ブーブーと、アイラに文句を言われながらも、普段通り、朝早い時間から、アイラをしっかり二回は抱き落とす。

 それから、アイラは二度寝。
 廉は、簡単な軽食でも買いに行く。

 土曜日はデートをすることもあったが、ジムにも行かずにのんびりとする日が多く、大抵は、ブランチを終えて、午後からは、暇になった廉に、またも、たーっぷりと、構われるアイラ。

 それから二人でお風呂に入り、そこでも、たーっぷりと、念入りに。

 夕食は、決まって、テイクアウトが多い。

 それが済むと、廉のせいで、大抵、ベッドに直行だった。

 そして、長い、長い、夜が始まっていく。

 せっかくお風呂に入っても、いつも、二人は寝る前には、汗だくになってることが多い。面倒なアイラは、廉に身体を拭いてもらっている間は、絶対に動く気なし。

 昔から、アイラの世話だけは、しっかりとしている廉だったのだ。

 そんなこんなで、日曜は買い出しに行ったり、掃除をしたり、たまにショッピングに出かけたり。
 二人の日常は、そんな生活だった。

 イギリスから帰ってきて、少しだけ以前とは違った日課が混ざったのは、あれから二人は、毎日、一緒にシャワーを浴びたり、お風呂に入ったり。

 それもこれも、全部、廉のせい。


「のんびりお風呂に入りたいの」
「入れば?」


 そして、剣呑な目で廉を睨め付けているアイラにお構いなしで、結局は、一緒に居座っている廉だ。

 だから、もう、この頃では、毎日、二人一緒にシャワーを浴びたり、お風呂に入ってる。

 もちろん生で、中出しはなし。

 でも、たーっぷり。

 夜になれば、日課となっている情事だけに、アイラの躰だって、すぐに熱くなり、躰中がうずきだしてしまう。

 触れるだけで、吐息が漏れ、快楽に溺れていくのだ。




 昔から、この二人、仲がいいのか悪いのか。ケンカをしているわけでもないが、言い合いは多い。

 でも、二人とも、飄々ひょうひょうとしていて、め合っているのでもない。

 淡々としている割には、結構、好戦的で、アイラの勢いに負かされても、仕返しはする廉だ。

 色気に欠ける話し方に、会話の内容。

 恋人のような色気に欠けている二人、ともよく言われたことだ。

 それでも――

 恋人になってからは、二人もアツアツのカップルだった。

 だって、ねえ?
 これだけ、派手に、毎回、毎回、躰を合わせてるカップルなんていないでしょう?

 お互いに性欲に貪欲で、好きなだけ、お互いをむさぼり尽くす――なんて、中々できませんよ。

 そして、アイラを抱けば抱くほど、アイラの躰に溺れて行く、なんてねえ?




「……っぁ……あぁ……!」
「アイラ……」

 ピッタリと肌を合わせ、抱き合っている二人は微かに息を上げ、抱き合ったまま、呼吸を落ち着かせる。

「アイラ」
「なに?」
「今日は一日中」

 それを聞いて、廉の膝の上でまたがっているようなアイラが、廉を見下ろす。

 その口元が不敵に、蠱惑的こわくてきに、ゆっくりと弧を描いていく。

「へえ。随分、やる気じゃない、レン」
「そう」

「そう~。じゃあ、私が、たーっぷりと、可愛がってあげましょうか?」

 その――記憶もまだ新しい。

 一拍の間が降りて、廉がスリスリとアイラの胸に顔を寄せる。

「いや、今日は、俺一人で十分だから」
「なあに? 遠慮しなくていいのよ、レンちゃ~ん」

「大丈夫。遠慮じゃないから」
「何言ってんのよ。こ~んなにいい女に愛されるなんて、光栄に思いなさいよ」

「思ってるよ。いい女、だって言うとこも」
「あら? 珍しく誉めたてるのねえ」

「事実だよ」

 それで、アイラの胸に押し付けていた顔が少しずれ、その口が、躊躇ためらいもなく、アイラの硬くなった胸の先端を吸い込んだ

「……あぁ……」
「だから、ゴムなし?」

「ええぇ? 明日、下着が汚れちゃうじゃない」
「今回は、セットで買っていいよ」

「それじゃ、足りない」
「じゃあ、セットのやつが二つ?」

「足りない」
「じゃあ、三つ?」

「セットが三つで、ドレスが一つ」
「なんで? ドレスは汚してないよ」

 うふふ、とあやしげに、アイラの口元に、薄っすらとした微笑が浮かび上がる。

「ものすごーいセクシーなドレスを着て、デートするでしょう? 周り中の男から、よだれを垂らさんばかりの汚い眼差し攻撃で、レンが嫉妬するでしょう? それで、家に帰ってきてから、我慢が出来なくて、激しく私を犯すでしょう?」

 それで、廉も黙り込む。

「――わかった。ドレス付きでいいよ」
「そうでしょう? レンちゃんったら~、ワイルドなんだから」

 そして、この手の――交渉には、絶対に勝てない廉だ。

 だが、アイラは廉のものだから、別に、アイラの乗せられても、廉には文句はない。

 アイラを抱けるのは、廉だけなのだから。

 今日もまた、日課(以上)の週末が幕を開けた。

「ねえ、レンちゃん~? 一日中、私を熱く燃えさせて、一体、どうする気なの? 狂ったように乱れさせて、犯す気なの?」
「そう」

「じゃあ、しっかりねん~」

 そして、この場でも、有言実行させるアイラだ。

 これで、廉の有言実行が適わなかったら、アイラは、速攻で、廉を見限っていることだろう。

 気が抜けなくて、手なんか絶対に抜けなくて、アイラ相手だと、どこまでも真剣勝負だ。

 だから、これからだって刺激的なアイラに翻弄されて、一生、刺激が止まないことだろう――




~*~*~*~*~*後書き~*~*~*~*~*

読んでいただきまして、ありがとうございます。気軽に、さくさくと、ストレスなくお読みいただけたでしょうか?
このエピソードで、『アイラと廉』の章は終わりになります。
次回からは、『セス編』です。
お楽しみに!

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*
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