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Part 3
Д.б 状況確認 - 04
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「山の中を進みますから、前後であまり間隔を空けずにお願いしますね?」
「わかりました。馬の鼻が後ろに着くくらいでは、近すぎますか?」
「そこまでの接近をせず、1mほど離れた距離を保ってください。もし、足場の悪い場で馬が足を滑らせた場合など、近接し過ぎていましたら、揃って落馬してしまう可能性も出てきてしまうことでしょう。少し離れているくらいなら、前の馬の動きを見て、すぐに迂回することはできますから」
「わかりました。そのように指示を出しておきます」
「お願いいたします。それから、ここからは、全員、マスクと手袋の使用をお願いします」
ケルトとトムソーヤを待っている間、ギルバート達は、セシルと二人の護衛から、どのように「マスク」 というものを身に着けるのか、その講義を受けていた。
この「マスク」 だって、セシルが領地で開発(していないけれど) した品の一つだ。現代版の「マスク」 とほぼ同じで、おまけに、鼻を押しつぶさないよう、呼吸ができやすいようにと、立体版で作った優れものだ。
色は、黒と白の二色である。今日は、そのどちらも持参してきているセシルだ。
今回は、土砂崩れの調査でもあるから、どれくらいの埃や泥などが出てくるか判らない為、白色の「マスク」 を使用することにした。
騎士達全員が、もらった「マスク」 を顔につけてみて、紐を耳にもかけてみる。
セシルが手を伸ばしてきて、そっと、ギルバートの「マスク」 の高さときつさを調整してくれた。
「ありがとうございます」
セシルが頷く代わりに、少し瞳を細めたような表情をみせてくれた。
セシルの小さな顔は、「マスク」 で半分以上隠れてしまっていて、今は、その深い藍の瞳しか見えないほどだ。
「呼吸は問題ありませんか?」
「たぶん……大丈夫だと、思います」
そうやって話をしている時も、「マスク」の中で自分の熱い息が感じられて、ギルバートも不思議な気分だった。
「慣れるまで少し時間がかかってしまうかもしれませんが、今回は我慢してくださいね? 災害地では、どのような被害が出ているかも判りませんから、下手に、その環境での空気を吸い込んで、体に影響が出てしまっては大変ですものね」
セシルの話し声も、「マスク」 のせいでくぐもっている。
「そうでしたか」
きちんと理由を説明してくれるセシルに感謝しつつ、慣れない「マスク」 の使用を指示されても、ギルバートは文句を言うつもりはない。
このセシルが下手なことを推奨してくるはずもない。セシルの行動には、いつもちゃんとした理由があり、そして、いつも、相手に対する気遣いがあるのだ。
だから、今回だって、きっと全員の安全を考慮して、セシルがそういった指示を出したであろうことは、ギルバートだって気がついていた。
「マスクは、必要以外の時は、決して外さないようにしてくださいね」
「わかりました」
「では、出発します」
ケルトとトムソーヤに導かれ、全員がゆっくりと山の奥へと馬を進めて行く。
最初は、緩やかな傾斜を馬で登り出していたが、段々とその傾斜も強くなり、かなり段差が厳しいデコボコの場所を進んで行くようだった。
木々が所狭しと茂っているが、報告通り、木々で埋もれかえっているわけではない。だから、馬で進んで行く時は、枝に気を付ければいいだけで、進んで行く道先はかなり開けたものだった。
迂回路を探して南下し続ければ、次の一時間は簡単に消えていたことだろう。
馬で山の中を進んで行ったセシル達は、たぶん、その半分にもならない時間で、目的の村を見つけていた。
ケルトが指だけで指し示す方向を、セシルも確認していた。
それで、後ろにいるギルバート達にも、セシルが自分の指で下の方向を指してみた。ギルバートの首が上下に動き、セシルを理解したことを告げる。
大声で叫び合っても良かったが、今の所、いつ何時次の災害が発生するか確かではないので、極力、声を出さずに、全員が指だけの指示で済ませている。
山を下りていく際も、デコボコが激しいので、慎重に、ゆっくりと、それでも、全員が村に到着できたようだった。
「無事に着きましたね」
「そうですね」
ほっと、全員が一安心だ。
「この場所が、村のどの場所に当たるのかは判りませんが、荷車が到着するまで、少し確認を済ませたいと考えています」
「わかりました。それから、セシル嬢」
「なんでしょう?」
突然、名前を呼ばれて、セシルも不思議そうだ。
「この場では、セシル嬢、あなたの指示を仰ぎたいと考えています。たぶん、それが一番効率的で、最善の方法だと思いますから」
「あの……そのような、ことはありませんが」
いえ、大有りなんです。
災害が起きたという報告を受けても、セシル一人だけが、全ての状況を簡単に把握しているかのようだった。
たくさんの質問をしたわけでもないのに、セシルが知りたい情報を把握するのに、その質問が的確だ。無駄もない。
そして、そんな質問だけで、セシルはすぐにその状況を把握しているかのようだった。
セシルは王国にいた時だって、いつどこでも冷静で、その状況判断があまりに的確で正確だったのを、ギルバート自身が身を以て知っていることだ。
だから、この場では、セシルが指示役をするのが一番適しているのだ。
「ですから、我々に遠慮なさらず、指示役はあなたにお任せします」
指示を出すことには慣れているセシルだ。いつもしていることだ。
だからと言って、王国騎士団の副団長であり、王子殿下であるギルバートに指示を出してコキ使うなんて……さすがに、そこまでセシルは厚かましくないと思っている。
セシルの葛藤を理解して、「マスク」 の後ろで、ギルバートがくすっと笑う。
「全く問題はありませんよ。どうか、私の身分のことは気になさらずに。今は緊急事態ですからね。領民の安全確保と確認が最優先でしょう」
「そう、ですわね……」
まさに、ギルバートの言う通りなのである。
「ですから、王国騎士団だからと、遠慮もしないでください。部下にはあなたの指示に従うようにと、言いつけてあります」
一体、いつ、ギルバートはそんな指示を部下の騎士達に出したのだろうか?
なんだか、セシルの行動を見越して、ボイマレに来る前から、そんな指示を出していた気配だ。
それで、セシルはギルバートの気遣いに感謝して、ペコリと頭を下げた。
「ありがとうございます、ギルバート様」
「お礼などいりませんよ。それに、緊急を要する場ですから、そのような礼節は必要ありません。無駄ですから」
そして、さっき、セシルが口にした言葉をそのまま返されて、セシルも少々困ってしまう。恥ずかしいではないか……。
~・~・~・~・~・~・~・~・
A Happy New Year to you!!
新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
Bu romanı okuduğunuz için teşekkür ederiz (hebraw)
~・~・~・~・~・~・~・~・
「わかりました。馬の鼻が後ろに着くくらいでは、近すぎますか?」
「そこまでの接近をせず、1mほど離れた距離を保ってください。もし、足場の悪い場で馬が足を滑らせた場合など、近接し過ぎていましたら、揃って落馬してしまう可能性も出てきてしまうことでしょう。少し離れているくらいなら、前の馬の動きを見て、すぐに迂回することはできますから」
「わかりました。そのように指示を出しておきます」
「お願いいたします。それから、ここからは、全員、マスクと手袋の使用をお願いします」
ケルトとトムソーヤを待っている間、ギルバート達は、セシルと二人の護衛から、どのように「マスク」 というものを身に着けるのか、その講義を受けていた。
この「マスク」 だって、セシルが領地で開発(していないけれど) した品の一つだ。現代版の「マスク」 とほぼ同じで、おまけに、鼻を押しつぶさないよう、呼吸ができやすいようにと、立体版で作った優れものだ。
色は、黒と白の二色である。今日は、そのどちらも持参してきているセシルだ。
今回は、土砂崩れの調査でもあるから、どれくらいの埃や泥などが出てくるか判らない為、白色の「マスク」 を使用することにした。
騎士達全員が、もらった「マスク」 を顔につけてみて、紐を耳にもかけてみる。
セシルが手を伸ばしてきて、そっと、ギルバートの「マスク」 の高さときつさを調整してくれた。
「ありがとうございます」
セシルが頷く代わりに、少し瞳を細めたような表情をみせてくれた。
セシルの小さな顔は、「マスク」 で半分以上隠れてしまっていて、今は、その深い藍の瞳しか見えないほどだ。
「呼吸は問題ありませんか?」
「たぶん……大丈夫だと、思います」
そうやって話をしている時も、「マスク」の中で自分の熱い息が感じられて、ギルバートも不思議な気分だった。
「慣れるまで少し時間がかかってしまうかもしれませんが、今回は我慢してくださいね? 災害地では、どのような被害が出ているかも判りませんから、下手に、その環境での空気を吸い込んで、体に影響が出てしまっては大変ですものね」
セシルの話し声も、「マスク」 のせいでくぐもっている。
「そうでしたか」
きちんと理由を説明してくれるセシルに感謝しつつ、慣れない「マスク」 の使用を指示されても、ギルバートは文句を言うつもりはない。
このセシルが下手なことを推奨してくるはずもない。セシルの行動には、いつもちゃんとした理由があり、そして、いつも、相手に対する気遣いがあるのだ。
だから、今回だって、きっと全員の安全を考慮して、セシルがそういった指示を出したであろうことは、ギルバートだって気がついていた。
「マスクは、必要以外の時は、決して外さないようにしてくださいね」
「わかりました」
「では、出発します」
ケルトとトムソーヤに導かれ、全員がゆっくりと山の奥へと馬を進めて行く。
最初は、緩やかな傾斜を馬で登り出していたが、段々とその傾斜も強くなり、かなり段差が厳しいデコボコの場所を進んで行くようだった。
木々が所狭しと茂っているが、報告通り、木々で埋もれかえっているわけではない。だから、馬で進んで行く時は、枝に気を付ければいいだけで、進んで行く道先はかなり開けたものだった。
迂回路を探して南下し続ければ、次の一時間は簡単に消えていたことだろう。
馬で山の中を進んで行ったセシル達は、たぶん、その半分にもならない時間で、目的の村を見つけていた。
ケルトが指だけで指し示す方向を、セシルも確認していた。
それで、後ろにいるギルバート達にも、セシルが自分の指で下の方向を指してみた。ギルバートの首が上下に動き、セシルを理解したことを告げる。
大声で叫び合っても良かったが、今の所、いつ何時次の災害が発生するか確かではないので、極力、声を出さずに、全員が指だけの指示で済ませている。
山を下りていく際も、デコボコが激しいので、慎重に、ゆっくりと、それでも、全員が村に到着できたようだった。
「無事に着きましたね」
「そうですね」
ほっと、全員が一安心だ。
「この場所が、村のどの場所に当たるのかは判りませんが、荷車が到着するまで、少し確認を済ませたいと考えています」
「わかりました。それから、セシル嬢」
「なんでしょう?」
突然、名前を呼ばれて、セシルも不思議そうだ。
「この場では、セシル嬢、あなたの指示を仰ぎたいと考えています。たぶん、それが一番効率的で、最善の方法だと思いますから」
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いえ、大有りなんです。
災害が起きたという報告を受けても、セシル一人だけが、全ての状況を簡単に把握しているかのようだった。
たくさんの質問をしたわけでもないのに、セシルが知りたい情報を把握するのに、その質問が的確だ。無駄もない。
そして、そんな質問だけで、セシルはすぐにその状況を把握しているかのようだった。
セシルは王国にいた時だって、いつどこでも冷静で、その状況判断があまりに的確で正確だったのを、ギルバート自身が身を以て知っていることだ。
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指示を出すことには慣れているセシルだ。いつもしていることだ。
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セシルの葛藤を理解して、「マスク」 の後ろで、ギルバートがくすっと笑う。
「全く問題はありませんよ。どうか、私の身分のことは気になさらずに。今は緊急事態ですからね。領民の安全確保と確認が最優先でしょう」
「そう、ですわね……」
まさに、ギルバートの言う通りなのである。
「ですから、王国騎士団だからと、遠慮もしないでください。部下にはあなたの指示に従うようにと、言いつけてあります」
一体、いつ、ギルバートはそんな指示を部下の騎士達に出したのだろうか?
なんだか、セシルの行動を見越して、ボイマレに来る前から、そんな指示を出していた気配だ。
それで、セシルはギルバートの気遣いに感謝して、ペコリと頭を下げた。
「ありがとうございます、ギルバート様」
「お礼などいりませんよ。それに、緊急を要する場ですから、そのような礼節は必要ありません。無駄ですから」
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