445 / 530
Part 3
* Д.а 予期せぬ *
しおりを挟む
「せっかく外出していますので、今日は、このまま領地内の食事処でランチなどいかがでしょうか?」
楽しいお買い物も終え、このまま邸に戻ろうかと移動を始めた一行。
宿場町側の幌馬車が停まる停車駅に向かってゆっくり進んでいく全員の前で、セシルもそんなことを勧めてみた。
今日は、領地内でどこもかしこも豊穣祭の後片付けで多忙だろうから、領地内の視察は明日以降と計画されている。
それでも、天気が良く、せっかく邸を離れて外出してきたので、このまま邸で籠っているよりは、少し散歩を継続したら楽しいのではないかしら、なんてセシルも考えたのだ。
そこらで豊穣祭の片づけに当たる領民達がいるから多忙であっても、何件かの食事処は、豊穣祭での疲れもみせず、頑張って次の日からお店を開けてくれるところがある。
そんなに毎日、根を詰めてお店を開店しなくてもいいのではないかな、とセシルも話してみたが、順番で店番をしながら、お昼を過ぎたら早めにお店を閉めるから大丈夫ですっ、と商売繁盛を見逃さない頑張り屋なお店の主人達だった。
だから、お昼の時間が近づき、領地内にもある何件かの食事処もランチの準備で忙しいことだろう。
「ああ、それはいいですね。では、行きましょう」
そして、全く問題もなく、一人でさっさと決めているレイフだ。
邸に戻って、することもなく暇になるくらいなら、もっと視察を楽しむべきだろうとの意気込みが、簡単に見て取れる。
ふと、セシルの誘いを聞きながら、ギルバートも考えることがある。
「領地内の食事処ですか? 領地内にもそのような場所があったのですね」
実は、ここ数年、毎回、豊穣祭に招待してもらえたギルバートは、セシルの親切から、視察巡りでかなりの場所を回らせてもらった経験がある。
領地内の視察でも、銀行を見せてもらったり、小学を訪ねたり、豊穣祭後の後夜祭が開かれる大会場を回ったりと、色々な場所を見学させてもらった。
それでも、領地内にあるらしい食事処は――お目にかかったことがない。
「ええ、領地内の大通りに沿って、何件かはあるのですのよ。レストランなどは、宿場町の方にかなり移動させましたので、領地内に残している食事処は、ほぼ領民用のランチがメインとなっていますの。仕事中で、家に戻ってランチを取るよりも、食事処でランチを取ったり、お持ち帰り用のランチなどを買い込んだりと、そちらの方が簡単ですものね」
「お持ち帰りのランチ」
ふーむと、その新たな発想を聞いて、ギルバート――だけではなく、全員が、興味深そうにセシルの話を聞いている。
「ギルバート様は、領地内の食事処など、まだ行かれていませんでした?」
「そうですね。大通りに沿っているのなら、たぶん、後夜祭に向かう時に目にしたかもしれませんが、後夜祭が始まる時間では、お店は閉まっていましたから、まだ一度も訪ねたことがないのです」
「まあ、そうでしたの?」
ここ数年で、ギルバート達もセシルの領地に詳しくなったものだと思っていたセシルだったが、こんな目先に、まだ視察を終えてない場所があったなんて。
何事にも“商売繁盛”、“宣伝”が一番である。
領地内にある食事処は、まだ領地が栄えていない時代から、徐々に設置した食事処で、コトレア領内では年季がある場所だ。
ただ、最初の方は、屋台のような食事処やお店がポツポツと立ち並ぶようなものだったが、それから、徐々に、セシルは小さなお店を並べながら一点集中化させ、ショッピングモール型のスーパーに改造してみたのだ。
とは言っても、日本のような巨大なスーパーマーケットやショッピングモールからはかけ離れている、小さなものだったが。
むしろ、現代の本州などで見られる、商店街の小型版だろうか。
大型のショッピングモールを連想させる建物の建設には、時間もかかれば、費用もかなり要するものだ。
それで、大通り側からの入り口を作り、そこから一本奥にずれた道に沿って、個別の商店を立ち並ばせている。
昔は、大通りから一区画離れた程度の長さのショッピングモールだったが、今では、二区画ほど伸びて、かなりの長さにはなったものだ。
商店街が並ぶ区域はショッピングセンターとして扱っているので、歩く場所は、全部、歩行者用だ。
領地内用の食料品が買える“スーパー”に、日常雑貨を置く店、食事処に、今ではセシルが売り始めている“クララ・ステラ商会”の家具類なども置かれているほどだ。
「楽しみですね」
全員は宿場町を出て領地内に戻る為に、ゆっくりと通りを歩いていく。
お店を出てからも、セシルはオスミンの手を取って一緒に歩いているので、セシルとオスミンは仲良く手を繋いで歩いている状態だ。
オスミンにとっては、女性と手を繋いだまま歩くことなど初めてで、それでも、大人と子供が手を繋いで迷子にならないように一緒に歩くことも初めてで、照れくさく、嬉しくて、歩きながら、その柔らかそうな頬がにやけて緩んでしまっている。
「オスミン様、これから行く食事処は、豊穣祭でも出ていなかった食事などが出されているのですよ」
「ほんとうですか?」
「ええ、そうですね。 そこでは、大抵、領地内での新作品や、これから売りに出そうと考えている商品などが出されているのですよ」
「ええ? じゃあ、セシルじょうも、たべたことがないのですか?」
「ふふ。私はありますわ。新製品など、やはり、ちゃんと試して味見をしてみないことには、売れるかどうかも判りませんものね」
「おいしいですか?」
「ええ、とてもおいしいですわよ。楽しみにしていてくださいね?」
「はいっ」
~・~・~・~・~・~・~・~・
体調を崩してしまい、投稿が大分遅れてしまいました。ここからエピソードの再開です。
読んでいただき、ありがとうございます。
Σας ευχαριστούμε που διαβάσατε αυτό το μυθιστόρημα
~・~・~・~・~・~・~・~・
楽しいお買い物も終え、このまま邸に戻ろうかと移動を始めた一行。
宿場町側の幌馬車が停まる停車駅に向かってゆっくり進んでいく全員の前で、セシルもそんなことを勧めてみた。
今日は、領地内でどこもかしこも豊穣祭の後片付けで多忙だろうから、領地内の視察は明日以降と計画されている。
それでも、天気が良く、せっかく邸を離れて外出してきたので、このまま邸で籠っているよりは、少し散歩を継続したら楽しいのではないかしら、なんてセシルも考えたのだ。
そこらで豊穣祭の片づけに当たる領民達がいるから多忙であっても、何件かの食事処は、豊穣祭での疲れもみせず、頑張って次の日からお店を開けてくれるところがある。
そんなに毎日、根を詰めてお店を開店しなくてもいいのではないかな、とセシルも話してみたが、順番で店番をしながら、お昼を過ぎたら早めにお店を閉めるから大丈夫ですっ、と商売繁盛を見逃さない頑張り屋なお店の主人達だった。
だから、お昼の時間が近づき、領地内にもある何件かの食事処もランチの準備で忙しいことだろう。
「ああ、それはいいですね。では、行きましょう」
そして、全く問題もなく、一人でさっさと決めているレイフだ。
邸に戻って、することもなく暇になるくらいなら、もっと視察を楽しむべきだろうとの意気込みが、簡単に見て取れる。
ふと、セシルの誘いを聞きながら、ギルバートも考えることがある。
「領地内の食事処ですか? 領地内にもそのような場所があったのですね」
実は、ここ数年、毎回、豊穣祭に招待してもらえたギルバートは、セシルの親切から、視察巡りでかなりの場所を回らせてもらった経験がある。
領地内の視察でも、銀行を見せてもらったり、小学を訪ねたり、豊穣祭後の後夜祭が開かれる大会場を回ったりと、色々な場所を見学させてもらった。
それでも、領地内にあるらしい食事処は――お目にかかったことがない。
「ええ、領地内の大通りに沿って、何件かはあるのですのよ。レストランなどは、宿場町の方にかなり移動させましたので、領地内に残している食事処は、ほぼ領民用のランチがメインとなっていますの。仕事中で、家に戻ってランチを取るよりも、食事処でランチを取ったり、お持ち帰り用のランチなどを買い込んだりと、そちらの方が簡単ですものね」
「お持ち帰りのランチ」
ふーむと、その新たな発想を聞いて、ギルバート――だけではなく、全員が、興味深そうにセシルの話を聞いている。
「ギルバート様は、領地内の食事処など、まだ行かれていませんでした?」
「そうですね。大通りに沿っているのなら、たぶん、後夜祭に向かう時に目にしたかもしれませんが、後夜祭が始まる時間では、お店は閉まっていましたから、まだ一度も訪ねたことがないのです」
「まあ、そうでしたの?」
ここ数年で、ギルバート達もセシルの領地に詳しくなったものだと思っていたセシルだったが、こんな目先に、まだ視察を終えてない場所があったなんて。
何事にも“商売繁盛”、“宣伝”が一番である。
領地内にある食事処は、まだ領地が栄えていない時代から、徐々に設置した食事処で、コトレア領内では年季がある場所だ。
ただ、最初の方は、屋台のような食事処やお店がポツポツと立ち並ぶようなものだったが、それから、徐々に、セシルは小さなお店を並べながら一点集中化させ、ショッピングモール型のスーパーに改造してみたのだ。
とは言っても、日本のような巨大なスーパーマーケットやショッピングモールからはかけ離れている、小さなものだったが。
むしろ、現代の本州などで見られる、商店街の小型版だろうか。
大型のショッピングモールを連想させる建物の建設には、時間もかかれば、費用もかなり要するものだ。
それで、大通り側からの入り口を作り、そこから一本奥にずれた道に沿って、個別の商店を立ち並ばせている。
昔は、大通りから一区画離れた程度の長さのショッピングモールだったが、今では、二区画ほど伸びて、かなりの長さにはなったものだ。
商店街が並ぶ区域はショッピングセンターとして扱っているので、歩く場所は、全部、歩行者用だ。
領地内用の食料品が買える“スーパー”に、日常雑貨を置く店、食事処に、今ではセシルが売り始めている“クララ・ステラ商会”の家具類なども置かれているほどだ。
「楽しみですね」
全員は宿場町を出て領地内に戻る為に、ゆっくりと通りを歩いていく。
お店を出てからも、セシルはオスミンの手を取って一緒に歩いているので、セシルとオスミンは仲良く手を繋いで歩いている状態だ。
オスミンにとっては、女性と手を繋いだまま歩くことなど初めてで、それでも、大人と子供が手を繋いで迷子にならないように一緒に歩くことも初めてで、照れくさく、嬉しくて、歩きながら、その柔らかそうな頬がにやけて緩んでしまっている。
「オスミン様、これから行く食事処は、豊穣祭でも出ていなかった食事などが出されているのですよ」
「ほんとうですか?」
「ええ、そうですね。 そこでは、大抵、領地内での新作品や、これから売りに出そうと考えている商品などが出されているのですよ」
「ええ? じゃあ、セシルじょうも、たべたことがないのですか?」
「ふふ。私はありますわ。新製品など、やはり、ちゃんと試して味見をしてみないことには、売れるかどうかも判りませんものね」
「おいしいですか?」
「ええ、とてもおいしいですわよ。楽しみにしていてくださいね?」
「はいっ」
~・~・~・~・~・~・~・~・
体調を崩してしまい、投稿が大分遅れてしまいました。ここからエピソードの再開です。
読んでいただき、ありがとうございます。
Σας ευχαριστούμε που διαβάσατε αυτό το μυθιστόρημα
~・~・~・~・~・~・~・~・
1
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームで唯一悲惨な過去を持つモブ令嬢に転生しました
雨夜 零
恋愛
ある日...スファルニア公爵家で大事件が起きた
スファルニア公爵家長女のシエル・スファルニア(0歳)が何者かに誘拐されたのだ
この事は、王都でも話題となり公爵家が賞金を賭け大捜索が行われたが一向に見つからなかった...
その12年後彼女は......転生した記憶を取り戻しゆったりスローライフをしていた!?
たまたまその光景を見た兄に連れていかれ学園に入ったことで気づく
ここが...
乙女ゲームの世界だと
これは、乙女ゲームに転生したモブ令嬢と彼女に恋した攻略対象の話
乙女ゲームの世界に転生した!攻略対象興味ないので自分のレベル上げしていたら何故か隠しキャラクターに溺愛されていた
ノアにゃん
恋愛
私、アリスティーネ・スティアート、
侯爵家であるスティアート家の第5子であり第2女です
そして転生者、笹壁 愛里寿(ささかべ ありす)です、
はっきり言ってこの乙女ゲーム楽しかった!
乙女ゲームの名は【熱愛!育ててプリンセス!】
約して【熱プリ】
この乙女ゲームは好感度を上げるだけではなく、
最初に自分好みに設定したり、特化魔法を選べたり、
RPGみたいにヒロインのレベルを上げたりできる、
個人的に最高の乙女ゲームだった!
ちなみにセーブしても一度死んだらやり直しという悲しい設定も有った、
私は熱プリ世界のモブに転生したのでレベルを上げを堪能しますか!
ステータスオープン!
あれ?
アイテムボックスオープン!
あれれ?
メイクボックスオープン!
あれれれれ?
私、前世の熱プリのやり込んだステータスや容姿、アイテム、ある‼
テイム以外すべて引き継いでる、
それにレベルMAX超えてもモンスター狩ってた分のステータス上乗せ、
何故か神々に寵愛されし子、王に寵愛されし子、
あ、この世界MAX99じゃないんだ、、、
あ、チートですわ、、、
※2019/ 7/23 21:00 小説投稿ランキングHOT 8位ありがとうございます‼
※2019/ 7/24 6:00 小説投稿ランキングHOT 4位ありがとうございます‼
※2019/ 7/24 12:00 小説投稿ランキングHOT 3位ありがとうございます‼
※2019/ 7/24 21:00 小説投稿ランキングHOT 2位ありがとうございます‼
お気に入り登録1,000突破ありがとうございます‼
初めてHOT 10位以内入れた!嬉しい‼
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
流星群の落下地点で〜集団転移で私だけ魔力なし判定だったから一般人として生活しようと思っているんですが、もしかして下剋上担当でしたか?〜
古森きり
恋愛
平凡な女子高生、加賀深涼はハロウィンの夜に不思議な男の声を聴く。
疎遠だった幼馴染の真堂刃や、仮装しに集まっていた人たちとともに流星群の落下地点から異世界『エーデルラーム』に召喚された。
他の召喚者が召喚魔法師の才能を発現させる中、涼だけは魔力なしとして殺されかける。
そんな時、助けてくれたのは世界最強最悪の賞金首だった。
一般人生活を送ることになった涼だが、召喚時につけられた首輪と召喚主の青年を巡る争いに巻き込まれていく。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスに掲載。
[お願い]
敵役へのヘイト感想含め、感想欄への書き込みは「不特定多数に見られるものである」とご理解の上、行ってください。
ご自身の人間性と言葉を大切にしてください。
言葉は人格に繋がります。
ご自分を大切にしてください。
落ちぶれて捨てられた侯爵令嬢は辺境伯に求愛される~今からは俺の溺愛ターンだから覚悟して~
しましまにゃんこ
恋愛
年若い辺境伯であるアレクシスは、大嫌いな第三王子ダマスから、自分の代わりに婚約破棄したセシルと新たに婚約を結ぶように頼まれる。実はセシルはアレクシスが長年恋焦がれていた令嬢で。アレクシスは突然のことにとまどいつつも、この機会を逃してたまるかとセシルとの婚約を引き受けることに。
とんとん拍子に話はまとまり、二人はロイター辺境で甘く穏やかな日々を過ごす。少しずつ距離は縮まるものの、時折どこか悲し気な表情を見せるセシルの様子が気になるアレクシス。
「セシルは絶対に俺が幸せにしてみせる!」
だがそんなある日、ダマスからセシルに王都に戻るようにと伝令が来て。セシルは一人王都へ旅立ってしまうのだった。
追いかけるアレクシスと頑なな態度を崩さないセシル。二人の恋の行方は?
すれ違いからの溺愛ハッピーエンドストーリーです。
小説家になろう、他サイトでも掲載しています。
麗しすぎるイラストは汐の音様からいただきました!
姉に代わって立派に息子を育てます! 前日譚
mio
恋愛
ウェルカ・ティー・バーセリクは侯爵家の二女であるが、母亡き後に侯爵家に嫁いできた義母、転がり込んできた義妹に姉と共に邪魔者扱いされていた。
王家へと嫁ぐ姉について王都に移住したウェルカは侯爵家から離れて、実母の実家へと身を寄せることになった。姉が嫁ぐ中、学園に通いながらウェルカは自分の才能を伸ばしていく。
数年後、多少の問題を抱えつつ姉は懐妊。しかし、出産と同時にその命は尽きてしまう。そして残された息子をウェルカは姉に代わって育てる決意をした。そのためにはなんとしても王宮での地位を確立しなければ!
自分でも考えていたよりだいぶ話数が伸びてしまったため、こちらを姉が子を産むまでの前日譚として本編は別に作っていきたいと思います。申し訳ございません。
処刑直前ですが得意の転移魔法で離脱します~私に罪を被せた公爵令嬢は絶対許しませんので~
インバーターエアコン
恋愛
王宮で働く少女ナナ。王様の誕生日パーティーに普段通りに給仕をしていた彼女だったが、突然第一王子の暗殺未遂事件が起きる。
ナナは最初、それを他人事のように見ていたが……。
「この女よ! 王子を殺そうと毒を盛ったのは!」
「はい?」
叫んだのは第二王子の婚約者であるビリアだった。
王位を巡る争いに巻き込まれ、王子暗殺未遂の罪を着せられるナナだったが、相手が貴族でも、彼女はやられたままで終わる女ではなかった。
(私をドロドロした内争に巻き込んだ罪は贖ってもらいますので……)
得意の転移魔法でその場を離脱し反撃を始める。
相手が悪かったことに、ビリアは間もなく気付くこととなる。
転生不憫令嬢は自重しない~愛を知らない令嬢の異世界生活
リョンコ
恋愛
シュタイザー侯爵家の長女『ストロベリー・ディ・シュタイザー』の人生は幼少期から波乱万丈であった。
銀髪&碧眼色の父、金髪&翠眼色の母、両親の色彩を受け継いだ、金髪&碧眼色の実兄。
そんな侯爵家に産まれた待望の長女は、ミルキーピンクの髪の毛にパープルゴールドの眼。
両親どちらにもない色彩だった為、母は不貞を疑われるのを恐れ、産まれたばかりの娘を敷地内の旧侯爵邸へ隔離し、下働きメイドの娘(ハニーブロンドヘア&ヘーゼルアイ)を実娘として育てる事にした。
一方、本当の実娘『ストロベリー』は、産まれたばかりなのに泣きもせず、暴れたりもせず、無表情で一点を見詰めたまま微動だにしなかった……。
そんな赤ん坊の胸中は(クッソババアだな。あれが実母とかやばくね?パパンは何処よ?家庭を顧みないダメ親父か?ヘイゴッド、転生先が悪魔の住処ってこれ如何に?私に恨みでもあるんですか!?)だった。
そして泣きもせず、暴れたりもせず、ずっと無表情だった『ストロベリー』の第一声は、「おぎゃー」でも「うにゃー」でもなく、「くっそはりゃへった……」だった。
その声は、空が茜色に染まってきた頃に薄暗い部屋の中で静かに木霊した……。
※この小説は剣と魔法の世界&乙女ゲームを模した世界なので、バトル有り恋愛有りのファンタジー小説になります。
※ギリギリR15を攻めます。
※残酷描写有りなので苦手な方は注意して下さい。
※主人公は気が強く喧嘩っ早いし口が悪いです。
※色々な加護持ちだけど、平凡なチートです。
※他転生者も登場します。
※毎日1話ずつ更新する予定です。ゆるゆると進みます。
皆様のお気に入り登録やエールをお待ちしております。
※なろう小説でも掲載しています☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる