420 / 532
Part 3
В.в 豊穣祭 - 04
しおりを挟む
* * *
ゾロゾロと、案内役の指示に従って、長い行列が開会式の会場から去っていき、その場は、忙しくパーティションポールを回収している大人達や子供達、指示を出している騎士達などが動き回っていた。
だが、オスミン達とは反対の列に並んでいたような子供達が、たくさんその場に残っていたのだ。
貴族の子供達は見たことがある。集まりにもたくさん集まってきて、子供がたくさんいるのは初めて見ることではない。
だが、平民の子供達がたくさんいる光景を見たのは――実は、オスミンは今日が初めてだったのだ。
それで、目を真ん丸にしたまま、ジーっと、向こうの団体を凝視している。
対する孤児達も、全く見慣れない小さな男の子が、大きな大人達や騎士達に囲まれているので珍しく、ジーっと、オスミンを凝視している。
右と左で、ジーっと、無言で凝視したままの子供達だ。
「さあさ、皆、今年の“初めてのお買い物”ができる子供達は、どなたかしら?」
壇上から下りて子供達の前にやって来たセシルに、全員の注意が戻された。
「“初めてのお買い物”ができる子供達は、前に並んでください」
世話をしている女性だろうか――から背中を押されて、小さな子供達が前に出て来た。
「今年は六人ですか? 例年より少ないのですね」
「そのようですね」
セシルの隣に紳士が並んでいた。きちんとした黒のコートを着ている紳士だ。
「では、名前を呼ばれたら、前に出てきてくださいね。ここにいるアブレルさんから、今日の大事なお金を受け取って、次に私からの贈り物を差し上げます」
「はいっ」
それで、アブレルと呼ばれた紳士の隣で、木箱を持っていた年配の女性が、箱の中からなにか布の入れ物を取り上げた。
「では、ダグ君」
「はいっ……!」
緊張した様子の小さな男の子が、一歩、前に出て来た。
アブレルが、布の入れ物を、まず初めに男の子に手渡す。しっかりと受け取ったのを見て、一枚の紙きれも渡した。
男の子がその紙きれを握りしめながら、感動しているようだった。
「――あれはなんだい?」
「子供達が稼いで貯めていた給金ですよ。そして、紙切れが、今までの預金明細です。豊穣祭で預金を下ろしてしまうので、その明細書ですね」
「預金、明細?」
「ええ、そうです。彼は――確か、領地の銀行の頭取、だったと思います」
「ぎんこう……! ああ、話に聞いていた通りだっ」
レイフが視界の前の光景を見ながら、感激している。
ギルバートも、つい、微苦笑が上がってしまう。
「ご令嬢から渡されているのは、この領地で流行っている、「ショルダーバッグ」 と言うものです」
「お前も持っているじゃないか」
「ええ、そうですね。とても便利ですから」
今日のギルバートもクリストフも、実は、以前にこの領地で買った、ショルダーバッグを身に着けていたのだ。
この領地でよく見かける、肩から斜めに落とし前でバッグを抱えるのではなく、ギルバート達は、ウェストバッグ形式で腰にかけており、剣の邪魔にならないように、バッグは背中側にぶら下がっている。
「“初めてのお買い物”をする子供達は、ご令嬢から、ショルダーバッグをプレゼントされるのです。あちらの紳士から受け取ったのは、給金が入った「財布」 なのですよ。それで、子供達は自分達のお金を入れ、落とさないように、ショルダーバッグに入れて持ち歩くんです」
「素晴らしいっ!」
「ええ、そのような発想があるなど、私も全く知りませんでしたから」
犯罪防止、盗み防止、金銭感覚をきちんと養って、お金の使い方、使い道までも、小さな子供のうちから教え込んでいるセシルに、本当に、自分一人でも生き抜いていきましょう――の信念と絶対的な指針が変わらない。
「おじうえっ!」
「うん? どうしたんだい、オスミン?」
「おじうえっ! ぼくも、その――バッグがほしいです」
「ショルダーバッグのことかい?」
「そうです。ぼくも、ほしいですっ」
「そうだね。とても便利そうだから、お店を見つけたら、買って帰ることにしよう」
「ほんとうですかっ、おじうえっ?」
「もちろんだ」
オスミンの顔が、嬉しさで、嬉々と赤らんでいく。
「私も買って帰ろうかな」
「便利ですよ。私もクリストフも、毎回、領民や騎士達が身に着けているのを見て、便利だなと思い、買って帰って来たんです」
どうやら、セシルの領地では、「次の新しいお客さまもゲット!」 である。
今年のお買い物組の子供達は六人だけなので、セシル達の儀式も、アッと言う間に終わっていた。
セシルが子供達全員に向いて、
「では、豊穣祭で移動する時の決まりごとはなんですか?」
「「「おにいちゃんと、おねえちゃんと、ぜーったい、てをはなさいこと、ですっ!」」」
「そうですね。楽しいものがあるからと言って、一人で走りだしてはいけませんよ」
「はいっ!!」
「お金を使う時は、どうしますか?」
「ちゃんと、おさいふをてにもったまま、はなさいんですっ」
「そうです。では、お金を使い終わったら?」
「ちゃんと、おさいふにしまって、バッグにいれるんですっ」
「その通りです。皆、よくできましたね」
うわぁーいっ、と小さな子供達が大喜びだ。
「では、付き添いのお兄ちゃんやお姉ちゃんは、しっかり面倒みてくださいね」
「はあいっ」
それで、大きな子供達からも行儀のよい返事が上がる。
「他の皆は、“初めてのお買い物”が終えたら、露店回りをしていいですよ。ただし! ――なにをするんですか?」
「グループで行動すること」
「じゅんじゅんに」
「必ず、人数をかくにんして」
「その通りです。さあ、皆で、豊穣祭を楽しんできましょう?」
「「「はいっ」」」
子供達が、全員、嬉々として歩き出す。
「教育が徹底しているなあ」
「そうですね。子供には、何度も繰り返し説明し、教え込むことが重要だそうでして」
「なるほど。いやあ、まだ豊穣祭が始まったばかりだと言うのに、本当に、興味深いことだなあ」
「ええ、そうですね。まだまだ序の口です」
勢いよく公園を去っていく子供達を見送ったセシルが、ギルバート達の元に戻ってきた。
「では、皆様、豊穣祭を満喫なさってくださいね」
「ああ、楽しみですねえ」
「期待は裏切りませんので」
「ああ、楽しみですねえ」
今回は、アトレシア大王国から王子殿下が二人も来訪しているだけに(ギルバートも王子殿下なので三人にはなるが)、さすがに、セシルも、
「では、ここで」
などと、ゲストを置き去りにして、仕事に戻ることもできない。
ゲストのもてなしの為、セシルは午前中の予定は全部空けておいてある。
~・~・~・~・~・~・~・~・
読んでいただき、ありがとうございます。
Eskerrik asko eleberri hau irakurtzeagatik
~・~・~・~・~・~・~・~・
ゾロゾロと、案内役の指示に従って、長い行列が開会式の会場から去っていき、その場は、忙しくパーティションポールを回収している大人達や子供達、指示を出している騎士達などが動き回っていた。
だが、オスミン達とは反対の列に並んでいたような子供達が、たくさんその場に残っていたのだ。
貴族の子供達は見たことがある。集まりにもたくさん集まってきて、子供がたくさんいるのは初めて見ることではない。
だが、平民の子供達がたくさんいる光景を見たのは――実は、オスミンは今日が初めてだったのだ。
それで、目を真ん丸にしたまま、ジーっと、向こうの団体を凝視している。
対する孤児達も、全く見慣れない小さな男の子が、大きな大人達や騎士達に囲まれているので珍しく、ジーっと、オスミンを凝視している。
右と左で、ジーっと、無言で凝視したままの子供達だ。
「さあさ、皆、今年の“初めてのお買い物”ができる子供達は、どなたかしら?」
壇上から下りて子供達の前にやって来たセシルに、全員の注意が戻された。
「“初めてのお買い物”ができる子供達は、前に並んでください」
世話をしている女性だろうか――から背中を押されて、小さな子供達が前に出て来た。
「今年は六人ですか? 例年より少ないのですね」
「そのようですね」
セシルの隣に紳士が並んでいた。きちんとした黒のコートを着ている紳士だ。
「では、名前を呼ばれたら、前に出てきてくださいね。ここにいるアブレルさんから、今日の大事なお金を受け取って、次に私からの贈り物を差し上げます」
「はいっ」
それで、アブレルと呼ばれた紳士の隣で、木箱を持っていた年配の女性が、箱の中からなにか布の入れ物を取り上げた。
「では、ダグ君」
「はいっ……!」
緊張した様子の小さな男の子が、一歩、前に出て来た。
アブレルが、布の入れ物を、まず初めに男の子に手渡す。しっかりと受け取ったのを見て、一枚の紙きれも渡した。
男の子がその紙きれを握りしめながら、感動しているようだった。
「――あれはなんだい?」
「子供達が稼いで貯めていた給金ですよ。そして、紙切れが、今までの預金明細です。豊穣祭で預金を下ろしてしまうので、その明細書ですね」
「預金、明細?」
「ええ、そうです。彼は――確か、領地の銀行の頭取、だったと思います」
「ぎんこう……! ああ、話に聞いていた通りだっ」
レイフが視界の前の光景を見ながら、感激している。
ギルバートも、つい、微苦笑が上がってしまう。
「ご令嬢から渡されているのは、この領地で流行っている、「ショルダーバッグ」 と言うものです」
「お前も持っているじゃないか」
「ええ、そうですね。とても便利ですから」
今日のギルバートもクリストフも、実は、以前にこの領地で買った、ショルダーバッグを身に着けていたのだ。
この領地でよく見かける、肩から斜めに落とし前でバッグを抱えるのではなく、ギルバート達は、ウェストバッグ形式で腰にかけており、剣の邪魔にならないように、バッグは背中側にぶら下がっている。
「“初めてのお買い物”をする子供達は、ご令嬢から、ショルダーバッグをプレゼントされるのです。あちらの紳士から受け取ったのは、給金が入った「財布」 なのですよ。それで、子供達は自分達のお金を入れ、落とさないように、ショルダーバッグに入れて持ち歩くんです」
「素晴らしいっ!」
「ええ、そのような発想があるなど、私も全く知りませんでしたから」
犯罪防止、盗み防止、金銭感覚をきちんと養って、お金の使い方、使い道までも、小さな子供のうちから教え込んでいるセシルに、本当に、自分一人でも生き抜いていきましょう――の信念と絶対的な指針が変わらない。
「おじうえっ!」
「うん? どうしたんだい、オスミン?」
「おじうえっ! ぼくも、その――バッグがほしいです」
「ショルダーバッグのことかい?」
「そうです。ぼくも、ほしいですっ」
「そうだね。とても便利そうだから、お店を見つけたら、買って帰ることにしよう」
「ほんとうですかっ、おじうえっ?」
「もちろんだ」
オスミンの顔が、嬉しさで、嬉々と赤らんでいく。
「私も買って帰ろうかな」
「便利ですよ。私もクリストフも、毎回、領民や騎士達が身に着けているのを見て、便利だなと思い、買って帰って来たんです」
どうやら、セシルの領地では、「次の新しいお客さまもゲット!」 である。
今年のお買い物組の子供達は六人だけなので、セシル達の儀式も、アッと言う間に終わっていた。
セシルが子供達全員に向いて、
「では、豊穣祭で移動する時の決まりごとはなんですか?」
「「「おにいちゃんと、おねえちゃんと、ぜーったい、てをはなさいこと、ですっ!」」」
「そうですね。楽しいものがあるからと言って、一人で走りだしてはいけませんよ」
「はいっ!!」
「お金を使う時は、どうしますか?」
「ちゃんと、おさいふをてにもったまま、はなさいんですっ」
「そうです。では、お金を使い終わったら?」
「ちゃんと、おさいふにしまって、バッグにいれるんですっ」
「その通りです。皆、よくできましたね」
うわぁーいっ、と小さな子供達が大喜びだ。
「では、付き添いのお兄ちゃんやお姉ちゃんは、しっかり面倒みてくださいね」
「はあいっ」
それで、大きな子供達からも行儀のよい返事が上がる。
「他の皆は、“初めてのお買い物”が終えたら、露店回りをしていいですよ。ただし! ――なにをするんですか?」
「グループで行動すること」
「じゅんじゅんに」
「必ず、人数をかくにんして」
「その通りです。さあ、皆で、豊穣祭を楽しんできましょう?」
「「「はいっ」」」
子供達が、全員、嬉々として歩き出す。
「教育が徹底しているなあ」
「そうですね。子供には、何度も繰り返し説明し、教え込むことが重要だそうでして」
「なるほど。いやあ、まだ豊穣祭が始まったばかりだと言うのに、本当に、興味深いことだなあ」
「ええ、そうですね。まだまだ序の口です」
勢いよく公園を去っていく子供達を見送ったセシルが、ギルバート達の元に戻ってきた。
「では、皆様、豊穣祭を満喫なさってくださいね」
「ああ、楽しみですねえ」
「期待は裏切りませんので」
「ああ、楽しみですねえ」
今回は、アトレシア大王国から王子殿下が二人も来訪しているだけに(ギルバートも王子殿下なので三人にはなるが)、さすがに、セシルも、
「では、ここで」
などと、ゲストを置き去りにして、仕事に戻ることもできない。
ゲストのもてなしの為、セシルは午前中の予定は全部空けておいてある。
~・~・~・~・~・~・~・~・
読んでいただき、ありがとうございます。
Eskerrik asko eleberri hau irakurtzeagatik
~・~・~・~・~・~・~・~・
1
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説

薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。

元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。

辺境伯令嬢に転生しました。
織田智子
ファンタジー
ある世界の管理者(神)を名乗る人(?)の願いを叶えるために転生しました。
アラフィフ?日本人女性が赤ちゃんからやり直し。
書き直したものですが、中身がどんどん変わっていってる状態です。
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。

婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る
拓海のり
ファンタジー
階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。
頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。
破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。
ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。
タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。
完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる