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Part1
Е.д 恋の病に苛まされるうら若き王子 - 02
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* * *
「王太子殿下、ご用とはなんでしょうか?」
「そう畏まる必要はない。今夜は、身内として、兄として、弟の近況の話を聞こうと呼んだだけだ」
王太子殿下の私室に呼ばれたギルバートは、その内容が、本当に、プライベートだったことに少し笑んで、兄であるアルデーラに促されるままに、大きな長椅子に腰を下ろしていく。
どうやら、兄はすでに仕事を終えていたらしく、二人を挟んで並んでいる豪奢なテーブルの上には、ブランデーのデカンタとグラスが並んでいた。
「お前もどうだ?」
「では、いただきます」
アルデーラが、手慣れた様子で、デカンタからブランデーをグラスに注ぎ、スッと、軽くグラスをテーブルの上で押した。
少しだけ押されたグラスが、ギルバートの方に寄せられて、ギルバートがそのグラスを取り上げる。
濃く滑らかなオレンジ色のような茶色の液体が、グラスの中で微かに揺れ、ギルバートが、一口だけ、口に含む。
まろやかなアルコールが口の中に広がっていき、やっと、そこで、一日の仕事を終えた気分になっていた。
だが――今は、ブランデーを楽しむような、楽しめるような気分でもなく、その一口を飲んで、ギルバートは、また、グラスをテーブルの上に戻していた。
ゆったりと足を組みながら、自分のグラス片手に、その様子を見ていたアルデーラが口を開く。
「今、随分、巷で噂になっているようだが?」
「噂ですか?」
全く思い当たる節もなく、ギルバートの顔は不思議そうだ。
そのギルバートの顔を見やりながら、にやりと、アルデーラが口元を上げる。
「なんでも――かの騎士団副団長は、いつもの冷静沈着さも消え去って、随分、悩まし気な溜息を繰り返している――というような噂だ。おまけに、表情が変わらない冷徹な鬼副団長は、理由が判らなく、思いつめたように悩んでいる。一体、どうしたことなのだろうかと、騎士団内だけではなく、王宮にも、その話が飛び込んでくるほどだ」
「そう、ですか……」
噂の内容を指摘されて、思い当たる節がないわけでもないので、ギルバートも、そこで、嫌そうに溜息をこぼしていた。
「おや? やはり、噂の真偽は、間違っていなかったようだ」
そんな風に茶化さなくとも、ギルバートだって、今の――自分の状況だって、状態だって、ちゃんと把握しているのだ。
隠してだって、いない。
はあぁ……と、あまりにやるせなさそうに、長い溜息を吐き出したギルバートは、そのまま苦しそうに目を瞑って顔を上げ、後ろの背もたれに頭を乗せるようにした。
「兄上、私は、一体、どうしたら良いのでしょうか……」
からかうつもりが、本気でギルバートが悩んでいるとわかり、アルデーラも、少々、驚きが隠せない。
アトレシア大王国には、三人の王子と一人の王女がいる。
大抵なら、王子間で、次の王位継承権争いや、貴族同士の派閥争いが頻繁になったりと、珍しい話でもないだろうが、現アトレシア大王国の王子達の仲は、良好だった。
それは、元より、三人共、共通の目的があり、共通の敵を相手にしているだけに、幼い時から、そして、早くから、三人が、揃って、自分達の進んで行く道を自覚し、決めていたことに他ならない。
だから、第二王子であるレイフなら、アルデーラとの王位継承権を競って、貴族達が第一王子派、第二王子派などと、派閥が出来上がっていてもおかしくはない状況だった。
だが、アルデーラは幼い時より、自身が国王となり――そして、中央政権を強めた王政国家の復活を決意していただけに、その道をまっしぐらに進んできた。
国を治めること、統治すること、権力、そして王族としてのプライドも高く、磨ける能力は全て磨いてきた努力家だ。
元々の資質に加え、実力も能力も証明済みで、自ら課した努力と不屈の精神で、新興貴族達や、王国騎士団をまとめ上げてきた男である。
それに対し、第二王子であるレイフは、頭脳明晰、怜悧で頭が切れる王子として知られている。その為、政官の仕事を担い、今は、レイフの補佐役で、陰からのまとめ役を担っているのだ。
第三王子であるギルバートは、王位継承権が第三位だったこともあり、レイフほどの王子としてのプレッシャーがかからなかったことが、幸いだったのだろうか。
アルデーラもレイフも、まだ生まれていなかった末妹の王女に代わり、末弟だったギルバートを可愛がっていた。
だから、昔から運動神経が良く、剣技に長けていたギルバートは、さっさと騎士団に入団して、武力から、兄であるアルデーラを護ることを誓い、そして、その道を進んで行くことを決めた王子だった。
次期国王であっても、武に長け、戦場にも赴く行動派のアルデーラ。国王としての実力も能力も兼ね備えているだけに、若い王太子殿下は、期待の王子だ。
政官は、第二王子のレイフが統率し、武力は、騎士団の第三王子のギルバートが受け持つという体制が、早くから出来上がっていたのだった。
それだけに、王位継承権争いやら、派閥争いといった余計な混乱に巻き込まれることもなく、その程度の動きは簡単に潰すことができ、政と武力がバランスよく保たれている現状が、幸いしていたのだろう。
その結果、王族内での権力は、驚くほどに安定していた。
末弟であるギルバートも、王家の一員であるから、王族が、揃って、いつも体験するであろう、あまりに汚い貴族社会や、人間不信を呼ぶほどの表裏一体を映す人間の醜さや、媚びへつらい、おべっかやら嘘の賛辞と、辟易するような経験をしてきているのは、他の二人の王子達と全く変わらない。
だから、ポーカーフェイスも得意だし、人前で余計なことは、一切、口に出さないし、寄ってくる者、そうでない者、分け隔てなく、一定の距離を保って、全く親しくならない――そんな王族の生存手段を、早くから身に着けている一人でもある。
ある程度の年齢に達すると、速攻で騎士団に入団し、「王族だから依怙贔屓されて――」 という周囲の中傷をものともせずに、実力で、副団長の地位に就任した実力派である。
今では、訓練の厳しさから、“鬼副団長”とまでのあだ名が飛び交い、おまけに、容赦なく、時に、冷徹な決断を下すギルバートは、仕事に関することだと、ほとんど無表情に近かった。
それで、更に、“氷の副団長”などという、余計なあだ名までつけられたほどである。
「王太子殿下、ご用とはなんでしょうか?」
「そう畏まる必要はない。今夜は、身内として、兄として、弟の近況の話を聞こうと呼んだだけだ」
王太子殿下の私室に呼ばれたギルバートは、その内容が、本当に、プライベートだったことに少し笑んで、兄であるアルデーラに促されるままに、大きな長椅子に腰を下ろしていく。
どうやら、兄はすでに仕事を終えていたらしく、二人を挟んで並んでいる豪奢なテーブルの上には、ブランデーのデカンタとグラスが並んでいた。
「お前もどうだ?」
「では、いただきます」
アルデーラが、手慣れた様子で、デカンタからブランデーをグラスに注ぎ、スッと、軽くグラスをテーブルの上で押した。
少しだけ押されたグラスが、ギルバートの方に寄せられて、ギルバートがそのグラスを取り上げる。
濃く滑らかなオレンジ色のような茶色の液体が、グラスの中で微かに揺れ、ギルバートが、一口だけ、口に含む。
まろやかなアルコールが口の中に広がっていき、やっと、そこで、一日の仕事を終えた気分になっていた。
だが――今は、ブランデーを楽しむような、楽しめるような気分でもなく、その一口を飲んで、ギルバートは、また、グラスをテーブルの上に戻していた。
ゆったりと足を組みながら、自分のグラス片手に、その様子を見ていたアルデーラが口を開く。
「今、随分、巷で噂になっているようだが?」
「噂ですか?」
全く思い当たる節もなく、ギルバートの顔は不思議そうだ。
そのギルバートの顔を見やりながら、にやりと、アルデーラが口元を上げる。
「なんでも――かの騎士団副団長は、いつもの冷静沈着さも消え去って、随分、悩まし気な溜息を繰り返している――というような噂だ。おまけに、表情が変わらない冷徹な鬼副団長は、理由が判らなく、思いつめたように悩んでいる。一体、どうしたことなのだろうかと、騎士団内だけではなく、王宮にも、その話が飛び込んでくるほどだ」
「そう、ですか……」
噂の内容を指摘されて、思い当たる節がないわけでもないので、ギルバートも、そこで、嫌そうに溜息をこぼしていた。
「おや? やはり、噂の真偽は、間違っていなかったようだ」
そんな風に茶化さなくとも、ギルバートだって、今の――自分の状況だって、状態だって、ちゃんと把握しているのだ。
隠してだって、いない。
はあぁ……と、あまりにやるせなさそうに、長い溜息を吐き出したギルバートは、そのまま苦しそうに目を瞑って顔を上げ、後ろの背もたれに頭を乗せるようにした。
「兄上、私は、一体、どうしたら良いのでしょうか……」
からかうつもりが、本気でギルバートが悩んでいるとわかり、アルデーラも、少々、驚きが隠せない。
アトレシア大王国には、三人の王子と一人の王女がいる。
大抵なら、王子間で、次の王位継承権争いや、貴族同士の派閥争いが頻繁になったりと、珍しい話でもないだろうが、現アトレシア大王国の王子達の仲は、良好だった。
それは、元より、三人共、共通の目的があり、共通の敵を相手にしているだけに、幼い時から、そして、早くから、三人が、揃って、自分達の進んで行く道を自覚し、決めていたことに他ならない。
だから、第二王子であるレイフなら、アルデーラとの王位継承権を競って、貴族達が第一王子派、第二王子派などと、派閥が出来上がっていてもおかしくはない状況だった。
だが、アルデーラは幼い時より、自身が国王となり――そして、中央政権を強めた王政国家の復活を決意していただけに、その道をまっしぐらに進んできた。
国を治めること、統治すること、権力、そして王族としてのプライドも高く、磨ける能力は全て磨いてきた努力家だ。
元々の資質に加え、実力も能力も証明済みで、自ら課した努力と不屈の精神で、新興貴族達や、王国騎士団をまとめ上げてきた男である。
それに対し、第二王子であるレイフは、頭脳明晰、怜悧で頭が切れる王子として知られている。その為、政官の仕事を担い、今は、レイフの補佐役で、陰からのまとめ役を担っているのだ。
第三王子であるギルバートは、王位継承権が第三位だったこともあり、レイフほどの王子としてのプレッシャーがかからなかったことが、幸いだったのだろうか。
アルデーラもレイフも、まだ生まれていなかった末妹の王女に代わり、末弟だったギルバートを可愛がっていた。
だから、昔から運動神経が良く、剣技に長けていたギルバートは、さっさと騎士団に入団して、武力から、兄であるアルデーラを護ることを誓い、そして、その道を進んで行くことを決めた王子だった。
次期国王であっても、武に長け、戦場にも赴く行動派のアルデーラ。国王としての実力も能力も兼ね備えているだけに、若い王太子殿下は、期待の王子だ。
政官は、第二王子のレイフが統率し、武力は、騎士団の第三王子のギルバートが受け持つという体制が、早くから出来上がっていたのだった。
それだけに、王位継承権争いやら、派閥争いといった余計な混乱に巻き込まれることもなく、その程度の動きは簡単に潰すことができ、政と武力がバランスよく保たれている現状が、幸いしていたのだろう。
その結果、王族内での権力は、驚くほどに安定していた。
末弟であるギルバートも、王家の一員であるから、王族が、揃って、いつも体験するであろう、あまりに汚い貴族社会や、人間不信を呼ぶほどの表裏一体を映す人間の醜さや、媚びへつらい、おべっかやら嘘の賛辞と、辟易するような経験をしてきているのは、他の二人の王子達と全く変わらない。
だから、ポーカーフェイスも得意だし、人前で余計なことは、一切、口に出さないし、寄ってくる者、そうでない者、分け隔てなく、一定の距離を保って、全く親しくならない――そんな王族の生存手段を、早くから身に着けている一人でもある。
ある程度の年齢に達すると、速攻で騎士団に入団し、「王族だから依怙贔屓されて――」 という周囲の中傷をものともせずに、実力で、副団長の地位に就任した実力派である。
今では、訓練の厳しさから、“鬼副団長”とまでのあだ名が飛び交い、おまけに、容赦なく、時に、冷徹な決断を下すギルバートは、仕事に関することだと、ほとんど無表情に近かった。
それで、更に、“氷の副団長”などという、余計なあだ名までつけられたほどである。
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