121 / 530
Part1
Д.а 晩餐会の招待状 - 05
しおりを挟む
「――“しょくちゅう毒”とは、腹を下すことのように、話されていましたが?」
ギルバートの隣で、つい、セシルの説明を一緒になって聞いていたクリストフが、こそっと、ギルバートに話しかけてきた。
「確かに、そのようだと、話されていた。そういう病名なのだろうか?」
セシルの説明はとても的確で、要点が明確で、おまけに、なぜ注意点が必要なのか、その理由と説明が詳細で、聞いているだけなのに、
「ああ、なるほど」
と、つい聞き入ってしまう話し方なのだ。
「衛生管理をしっかりとしなければ、また、“しょくちゅう毒”という症状が、出るようですねえ」
「そのようだ」
セシルに付き添ってきたギルバート達だったが、なんだか、知らぬ場で、今日は――食品・衛生管理の為になる話を、(タダで) 聞かせてもらった感じだ。
ギルバート達は、セシルに付き添って、勉強しに来たわけではなかったのだが、なるほど、と納得しながら、(ついつい) セシルの説明を、全部、聞いてしまっていたギルバート達だった。
全部の注意点の説明が終わり、セシルは、並んでいる領民に向かって質問を始める。
こう言った状況では、どう対応しますか?
では、混雑して、行列ができている時に、こんなアクシデントが起き、どう対応しますか?
食材が足りなくなり、追加分を取りに戻る時には、どうしますか?
それぞれの質問が的を得ていて、質問を投げられた領民達だって、真剣にその答えを返答し合っている。
「では、今日の注意点を、常にしっかりと頭に入れ、混雑した時でも、パニックに陥らないよう、冷静を心がけてください。豊穣祭前日にも、もう一度、注意点の再確認をします。その時は、全員から、注意点を上げてもらいます」
「わかりました」
なんだか、領民達の間からも緊張感が漂い、顔が引き締まっている。
「では、手伝い係りや子供達にも、今日、復習した注意点を、しっかりと説明しておいて下さいね。何度も繰り返しますが、食品を扱うお店では、ほんの些細なミステイクで、壊滅的なダメージを与えることもあります。領地の、豊穣祭の評判も、そのたった一つのミステイクで、多大な影響がでてきますから」
「わかりました」
それで、締めが終わったようだった。
頭を下げる領民達を残し、セシルが馬を引いて、その広場を去って行く。
そのまま、やって来た裏通りで馬に乗り上げ、また、走り出した。
そして、今度はずっと奥の、反対側の領境にやって来たようだった。
その場でも、騎士達が領門で検問をしていたり、他の作業員のような領民達が、杭を打ったりと、大忙しである。
セシルがやって来ると、作業をしていた領民達が頭を下げ、セシルの元に集まって来た。
そこでは、今度は、作業中の注意点が繰り返され、作業の進行具合、怪我防止の注意点、それから、杭や柵を打ち込んでいる側と、普通の領門での検問作業の区分けを指示し、次から次へと、なにか――ポンポン、ポンポンと、セシルの指示で新たな課題が終わっていく。
無駄がなくて、考え込んでいる様子もないのに、次から次へと、ポンポン、ポンポンと、指示を出すセシルは、そのテンポが止まらない。
だからと言って、早口でもない。
きちんと、説明が聞きやすいトーンで、説明内容もあまりに明確だ。
その場での確認は、一時間ほど。
また馬に乗って、次の場所に。
そこでは、三十分程の確認を。
今度は、通行門をくぐって、裏通りを軽快に走り去りながら、どこかの建物の前までやって来ていた。
建物のすぐ前に、二人の騎士がセシルを待っていた。
「マスター」
セシルがやって来ると、若い二人の騎士が一礼をする。
「夕食をお持ち致しました」
「あら、それは、わざわざありがとう」
その建物の前には、馬を繋ぐ為の柵ができていて、セシルは自分の馬を繋いでいく。
セシルがギルバート達を振り返り、
「もう、そろそろ夕食の時間になってしまいましたので、ここで、一息つきたいと思います」
「そうですか。わかりました」
「こちらに夕食を用意してあります。お行儀悪くてすみませんが、皆様も、立ったまま、食べてくださいね。テーブルを出すことができませんので。申し訳ありません」
「いえ――」
野外での訓練では、外で食事をすることがある。煮炊きもする。
だが、立ったまま食事を取るのは、初めての経験だ。
控えている騎士のバスケットを覗き込み、セシルがおしぼりの束を取り上げた。丸く包まっているタオルが、全員の前に手渡される。
またも、手を拭くタオルだ。
まだほんわかとしたぬくもりが残っているが、たぶん、移動中で、少しタオルの温度が下がってしまったのだろう。
手慣れた風に、セシルが手早く「おしぼり」 で手を拭いて、バスケットに戻していた。
それで、セシルが隣にいる騎士のバスケットを覗き込み、中からなにかを取り上げた。どうやら、サンドイッチのようである。
立ったままで(お行儀悪く)、セシルは気軽に、パクリ、とサンドイッチを口に含む。
そして、視界の端で、(じーっと) セシルの動きを捕らえている王国騎士団の騎士達は、唖然として、完全に言葉なし。
セシルは伯爵令嬢ではなかったのか?!
貴族の令嬢が外で、それも、立ったまま、手づかみで食事を済ます所など、見たことがない!
簡単に一口を食べ終えて、セシルは、また、バスケットの中にある大きな筒のようなものを取り出していた。
「イシュトール、蓋を開けてくれない?」
「わかりました」
護衛の騎士に手伝ってもらい蓋を開けた筒の――どうやら中身は、飲み物だったようで、コップに注ぎこむ。
セシルは、それも簡単に飲み干していた。
「あら? リンゴジュースにしてくれたのね。おいしいわ」
「そうですか。それは良かったです」
「私は会議に参加してきますので、二人は、皆さんの食事のサーブの手伝いをしてあげてね? きっと、遠慮なさってしまうでしょうから」
「付き添いはどうしますか?」
「すぐそこですから、いりません」
「わかりました」
「では、皆様、少しの間、失礼いたします。外で待たせてしまいまして、申し訳ありません。会議は三十分程ですので、近場のベンチにでも座って、休んでいてください」
「いえ、どうか、我々のことはお構いなく」
「わかりました」
それで、セシルは、目の前にある建物の中に消えてしまった。
「オシボリは、バスケットの中にお願いします。こちらに食事がありますので、どうぞ」
セシルの護衛をしていた騎士の二人が勧めてくるので、さすがに、無視するわけにもいかない。
ギルバート達全員が、「おしぼり」 のタオルをバスケットに戻し、立ったまま、前に差し出されたバスケットの中を覗き込む。
サンドイッチがたくさん並べられていて、ギルバートは、端から一つのサンドイッチを取り上げる。
残りの三人も、ギルバートにならって、サンドイッチを手に取った。
毒見は――今日は、必要ないだろう。
モグモグと、立ったまま、(お行儀悪く) 食事を取るのは初めてだ。
サンドイッチは摩訶不思議なものでもなく、卵が入っているものだった。塩味がきいて、中々、おいしいものである。
ギルバートの隣で、つい、セシルの説明を一緒になって聞いていたクリストフが、こそっと、ギルバートに話しかけてきた。
「確かに、そのようだと、話されていた。そういう病名なのだろうか?」
セシルの説明はとても的確で、要点が明確で、おまけに、なぜ注意点が必要なのか、その理由と説明が詳細で、聞いているだけなのに、
「ああ、なるほど」
と、つい聞き入ってしまう話し方なのだ。
「衛生管理をしっかりとしなければ、また、“しょくちゅう毒”という症状が、出るようですねえ」
「そのようだ」
セシルに付き添ってきたギルバート達だったが、なんだか、知らぬ場で、今日は――食品・衛生管理の為になる話を、(タダで) 聞かせてもらった感じだ。
ギルバート達は、セシルに付き添って、勉強しに来たわけではなかったのだが、なるほど、と納得しながら、(ついつい) セシルの説明を、全部、聞いてしまっていたギルバート達だった。
全部の注意点の説明が終わり、セシルは、並んでいる領民に向かって質問を始める。
こう言った状況では、どう対応しますか?
では、混雑して、行列ができている時に、こんなアクシデントが起き、どう対応しますか?
食材が足りなくなり、追加分を取りに戻る時には、どうしますか?
それぞれの質問が的を得ていて、質問を投げられた領民達だって、真剣にその答えを返答し合っている。
「では、今日の注意点を、常にしっかりと頭に入れ、混雑した時でも、パニックに陥らないよう、冷静を心がけてください。豊穣祭前日にも、もう一度、注意点の再確認をします。その時は、全員から、注意点を上げてもらいます」
「わかりました」
なんだか、領民達の間からも緊張感が漂い、顔が引き締まっている。
「では、手伝い係りや子供達にも、今日、復習した注意点を、しっかりと説明しておいて下さいね。何度も繰り返しますが、食品を扱うお店では、ほんの些細なミステイクで、壊滅的なダメージを与えることもあります。領地の、豊穣祭の評判も、そのたった一つのミステイクで、多大な影響がでてきますから」
「わかりました」
それで、締めが終わったようだった。
頭を下げる領民達を残し、セシルが馬を引いて、その広場を去って行く。
そのまま、やって来た裏通りで馬に乗り上げ、また、走り出した。
そして、今度はずっと奥の、反対側の領境にやって来たようだった。
その場でも、騎士達が領門で検問をしていたり、他の作業員のような領民達が、杭を打ったりと、大忙しである。
セシルがやって来ると、作業をしていた領民達が頭を下げ、セシルの元に集まって来た。
そこでは、今度は、作業中の注意点が繰り返され、作業の進行具合、怪我防止の注意点、それから、杭や柵を打ち込んでいる側と、普通の領門での検問作業の区分けを指示し、次から次へと、なにか――ポンポン、ポンポンと、セシルの指示で新たな課題が終わっていく。
無駄がなくて、考え込んでいる様子もないのに、次から次へと、ポンポン、ポンポンと、指示を出すセシルは、そのテンポが止まらない。
だからと言って、早口でもない。
きちんと、説明が聞きやすいトーンで、説明内容もあまりに明確だ。
その場での確認は、一時間ほど。
また馬に乗って、次の場所に。
そこでは、三十分程の確認を。
今度は、通行門をくぐって、裏通りを軽快に走り去りながら、どこかの建物の前までやって来ていた。
建物のすぐ前に、二人の騎士がセシルを待っていた。
「マスター」
セシルがやって来ると、若い二人の騎士が一礼をする。
「夕食をお持ち致しました」
「あら、それは、わざわざありがとう」
その建物の前には、馬を繋ぐ為の柵ができていて、セシルは自分の馬を繋いでいく。
セシルがギルバート達を振り返り、
「もう、そろそろ夕食の時間になってしまいましたので、ここで、一息つきたいと思います」
「そうですか。わかりました」
「こちらに夕食を用意してあります。お行儀悪くてすみませんが、皆様も、立ったまま、食べてくださいね。テーブルを出すことができませんので。申し訳ありません」
「いえ――」
野外での訓練では、外で食事をすることがある。煮炊きもする。
だが、立ったまま食事を取るのは、初めての経験だ。
控えている騎士のバスケットを覗き込み、セシルがおしぼりの束を取り上げた。丸く包まっているタオルが、全員の前に手渡される。
またも、手を拭くタオルだ。
まだほんわかとしたぬくもりが残っているが、たぶん、移動中で、少しタオルの温度が下がってしまったのだろう。
手慣れた風に、セシルが手早く「おしぼり」 で手を拭いて、バスケットに戻していた。
それで、セシルが隣にいる騎士のバスケットを覗き込み、中からなにかを取り上げた。どうやら、サンドイッチのようである。
立ったままで(お行儀悪く)、セシルは気軽に、パクリ、とサンドイッチを口に含む。
そして、視界の端で、(じーっと) セシルの動きを捕らえている王国騎士団の騎士達は、唖然として、完全に言葉なし。
セシルは伯爵令嬢ではなかったのか?!
貴族の令嬢が外で、それも、立ったまま、手づかみで食事を済ます所など、見たことがない!
簡単に一口を食べ終えて、セシルは、また、バスケットの中にある大きな筒のようなものを取り出していた。
「イシュトール、蓋を開けてくれない?」
「わかりました」
護衛の騎士に手伝ってもらい蓋を開けた筒の――どうやら中身は、飲み物だったようで、コップに注ぎこむ。
セシルは、それも簡単に飲み干していた。
「あら? リンゴジュースにしてくれたのね。おいしいわ」
「そうですか。それは良かったです」
「私は会議に参加してきますので、二人は、皆さんの食事のサーブの手伝いをしてあげてね? きっと、遠慮なさってしまうでしょうから」
「付き添いはどうしますか?」
「すぐそこですから、いりません」
「わかりました」
「では、皆様、少しの間、失礼いたします。外で待たせてしまいまして、申し訳ありません。会議は三十分程ですので、近場のベンチにでも座って、休んでいてください」
「いえ、どうか、我々のことはお構いなく」
「わかりました」
それで、セシルは、目の前にある建物の中に消えてしまった。
「オシボリは、バスケットの中にお願いします。こちらに食事がありますので、どうぞ」
セシルの護衛をしていた騎士の二人が勧めてくるので、さすがに、無視するわけにもいかない。
ギルバート達全員が、「おしぼり」 のタオルをバスケットに戻し、立ったまま、前に差し出されたバスケットの中を覗き込む。
サンドイッチがたくさん並べられていて、ギルバートは、端から一つのサンドイッチを取り上げる。
残りの三人も、ギルバートにならって、サンドイッチを手に取った。
毒見は――今日は、必要ないだろう。
モグモグと、立ったまま、(お行儀悪く) 食事を取るのは初めてだ。
サンドイッチは摩訶不思議なものでもなく、卵が入っているものだった。塩味がきいて、中々、おいしいものである。
1
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
イケメン御曹司、地味子へのストーカー始めました 〜マイナス余命1日〜
和泉杏咲
恋愛
表紙イラストは「帳カオル」様に描いていただきました……!眼福です(´ω`)
https://twitter.com/tobari_kaoru
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は間も無く死ぬ。だから、彼に別れを告げたいのだ。それなのに……
なぜ、私だけがこんな目に遭うのか。
なぜ、私だけにこんなに執着するのか。
私は間も無く死んでしまう。
どうか、私のことは忘れて……。
だから私は、あえて言うの。
バイバイって。
死を覚悟した少女と、彼女を一途(?)に追いかけた少年の追いかけっこの終わりの始まりのお話。
<登場人物>
矢部雪穂:ガリ勉してエリート中学校に入学した努力少女。小説家志望
悠木 清:雪穂のクラスメイト。金持ち&ギフテッドと呼ばれるほどの天才奇人イケメン御曹司
山田:清に仕えるスーパー執事
乙女ゲームで唯一悲惨な過去を持つモブ令嬢に転生しました
雨夜 零
恋愛
ある日...スファルニア公爵家で大事件が起きた
スファルニア公爵家長女のシエル・スファルニア(0歳)が何者かに誘拐されたのだ
この事は、王都でも話題となり公爵家が賞金を賭け大捜索が行われたが一向に見つからなかった...
その12年後彼女は......転生した記憶を取り戻しゆったりスローライフをしていた!?
たまたまその光景を見た兄に連れていかれ学園に入ったことで気づく
ここが...
乙女ゲームの世界だと
これは、乙女ゲームに転生したモブ令嬢と彼女に恋した攻略対象の話
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?
朱音ゆうひ
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!
「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」
王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。
不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。
もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた?
他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)
一家の恥と言われた令嬢ですが、嫁ぎ先で本領を発揮させていただきます
風見ゆうみ
恋愛
ベイディ公爵家の次女である私、リルーリアは貴族の血を引いているのであれば使えて当たり前だと言われる魔法が使えず、両親だけでなく、姉や兄からも嫌われておりました。
婚約者であるバフュー・エッフエム公爵令息も私を馬鹿にしている一人でした。
お姉様の婚約披露パーティーで、お姉様は現在の婚約者との婚約破棄を発表しただけでなく、バフュー様と婚約すると言い出し、なんと二人の間に出来た子供がいると言うのです。
責任を取るからとバフュー様から婚約破棄された私は「初夜を迎えることができない」という条件で有名な、訳アリの第三王子殿下、ルーラス・アメル様の元に嫁ぐことになります。
実は数万人に一人、存在するかしないかと言われている魔法を使える私ですが、ルーラス様の訳ありには、その魔法がとても効果的で!? そして、その魔法が使える私を手放したことがわかった家族やバフュー様は、私とコンタクトを取りたがるようになり、ルーラス様に想いを寄せている義姉は……。
※レジーナブックス様より書籍発売予定です!
※本編完結しました。番外編や補足話を連載していきます。のんびり更新です。
※作者独自の異世界の世界観であり、設定はゆるゆるで、ご都合主義です。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
皇帝(実の弟)から悪女になれと言われ、混乱しています!
魚谷
恋愛
片田舎の猟師だった王旬果《おうしゅんか》は
実は先帝の娘なのだと言われ、今上皇帝・は弟だと知らされる。
そしていざ都へ向かい、皇帝であり、腹違いの弟・瑛景《えいけい》と出会う。
そこで今の王朝が貴族の専横に苦しんでいることを知らされ、形の上では弟の妃になり、そして悪女となって現体制を破壊し、再生して欲しいと言われる。
そしてこの国を再生するにはまず、他の皇后候補をどうにかしないといけない訳で…
そんな時に武泰風(ぶたいふう)と名乗る青年に出会う。
彼は狼の魁夷(かいい)で、どうやら旬果とも面識があるようで…?
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる