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第22話 琢磨のすべきごと
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「むぐ、むぐ、・・・・・・ドラゴンの肉って鶏肉みたいでなかなかの味だな」
召還石 赤(イフリート)を手に入れて数日、琢磨は神聖水が溜まっている拠点にてモリモリとドラゴン肉を喰っていた。そう、ドラゴンスネークの肉である。かつて自分のことを鼻にもかけないでどこか見下していてアラクネと死闘を繰り広げていたドラゴンスネークは、今やただの食料だった。ドラゴンということで味は期待してなかったが焼いたら普通に美味かった。最初はドラゴンスネークの体内に毒があったらしく多少苦しんだが今は毒耐性もでき全く問題ない。
そのおかげで丸一匹、ペロリと平らげる。最近分かったことだがどうもスキルを使い続けると腹が減るようだ。また、飢餓感に襲われたくないので定期的に魔物を狩って喰らっている。幸いここはダンジョンの中だ。食い物には困らない。(魔物だけど・・・・・・)
とりあえず魔物を喰らったらステータスが上がっているのが分かる。
「さて、ドラゴンスネークの肉を喰らったわけだが・・・・・・ステータスは・・・・・・」
鈴木琢磨 十六歳 男 ランクSS
職業:魔法剣士(?)
筋力:500
体力:700
耐性:250
敏捷:400
魔力:700
防御力:400
魔耐:400
技能《スキル》:身体強化・索敵《サーチ》・魔力操作・緋色の魔眼[+鑑定][+罠検知][遠隔攻撃]・ソニックムーブ
魔法:ファイヤボール・フレイムアロー・サンダーボルト
ドラゴンスネークの肉を喰らったらまたステータスが上がった。覚えた技も増えている。
早速、冒険者カードに表示されている『サンダーボルト』の項目を指でタップすると項目が出た。
「何々・・・・・・上空に雷を発生させ落とす技。ドラゴンスネークのスキルを覚えたようだな。試しにやってみるか」
琢磨は骨だけになったドラゴンスネークの残骸を狙って、『サンダーボルト』を唱えた。だが、うんともすんともいわなかった。何でだと何回もやったが結果は一緒だった。もう一度項目を見てみると、下の方に注意書きで、『*但し、使える場所は雷を呼ぶため空が見える場所に限られる』・・・・・・ここはダンジョンの奥深くだ。空なんてあるわけがない。ふざけんなと思わず冒険者カードを地面に叩きつけた。
「何でだ。ドラゴンスネークは使ってたじゃないか。もしかして魔法が違うのか・・・・・・」
琢磨はショックで気づいてないがドラゴンスネークを鑑定すれば分かった情報がある。ドラゴンスネークは体内に電気を発生させる器官がありそれにより電気を発生させる攻撃が得意だと。
「しょうがねえ。もう一つ覚えた『ソニックムーブ』の項目を見るか」
琢磨は冒険者カードを拾って『ソニックムーブ』の項目をタップすると、
「え~と、『目にもとまらぬ速さで高速移動する技。瞬時に相手の背後を取ることも可能。但し、サンダーボルトを自分の体に纏わせて使う応用技のため室内では使えない』・・・・・・ふざけるなぁぁぁぁああああっ!!!!!」
琢磨は勢い良く冒険者カードを再び地面に叩きつけた。器用に左手一本で叩きつけてるのはステータスが上がってる証拠だったりする。
その時の琢磨の顔は般若の面みたいな感じでさすがの魔物も危険を感じたのか襲われることは無かった。
ダンジョンの通路を走り抜ける影があった。
琢磨である。あれから、この怒りをどこにぶつけようかと思い、この怒りは俺をこんな目に遭わせた元凶にツケて憂さ晴らしをしようと思うことで立ち直った。この元凶からしたらたまったものじゃないだろう。だが、それほど怒っているのが琢磨だ。
本来なら脱出口を探すことを優先すべきなのだろうが、琢磨はこの怒りも合わせてどうしても三頭のドラゴンを殺したかった。一度は砕かれた心、それをなした化け物を目の前にして自分がきちんと戦えることを証明したうえで殺す。そうしないと前に進める気がしないのだ。
「シャァ!」
途中、何時ぞやの斑模様《まだらもよう》のスライムの群れに遭遇し一体が粘液攻撃を飛ばしてくるが、琢磨はどこか懐かしさを覚えつつ、紙一重で躱すと斑模様のスライムが一直線に重なるポイントでフレイムアローを唱え串刺しにして一網打尽にした。消滅するのを確認することなく奥に駆けて行った。
しばらくそうやって出会う魔物を瞬殺してると、ようやく宿敵の姿を発見した。
三頭のドラゴンは両サイドのドラゴンがどうやら眠ってるようで真ん中のドラゴンがボクサーラビットと思しき魔物を咀嚼している。その姿を確認した琢磨はニヤリと不敵に笑い、悠然と歩き出した。
三頭のドラゴンはおそらくこのダンジョンのボスだ。この魔物は他の個体と遭遇してない。それにあの時のアラクネの怯え方は異常だった。だから、他の魔物は三頭のドラゴンはと遭遇したら一目散に逃走を選ぶ。ドラゴンスネークがそうだったように。まさか、自ら向かってくる者がいるとも思ってないだろう。
しかし、現在その最強の魔物に立ちぬかう者が現れた。そう、何を隠そう、琢磨である。
召還石 赤(イフリート)を手に入れて数日、琢磨は神聖水が溜まっている拠点にてモリモリとドラゴン肉を喰っていた。そう、ドラゴンスネークの肉である。かつて自分のことを鼻にもかけないでどこか見下していてアラクネと死闘を繰り広げていたドラゴンスネークは、今やただの食料だった。ドラゴンということで味は期待してなかったが焼いたら普通に美味かった。最初はドラゴンスネークの体内に毒があったらしく多少苦しんだが今は毒耐性もでき全く問題ない。
そのおかげで丸一匹、ペロリと平らげる。最近分かったことだがどうもスキルを使い続けると腹が減るようだ。また、飢餓感に襲われたくないので定期的に魔物を狩って喰らっている。幸いここはダンジョンの中だ。食い物には困らない。(魔物だけど・・・・・・)
とりあえず魔物を喰らったらステータスが上がっているのが分かる。
「さて、ドラゴンスネークの肉を喰らったわけだが・・・・・・ステータスは・・・・・・」
鈴木琢磨 十六歳 男 ランクSS
職業:魔法剣士(?)
筋力:500
体力:700
耐性:250
敏捷:400
魔力:700
防御力:400
魔耐:400
技能《スキル》:身体強化・索敵《サーチ》・魔力操作・緋色の魔眼[+鑑定][+罠検知][遠隔攻撃]・ソニックムーブ
魔法:ファイヤボール・フレイムアロー・サンダーボルト
ドラゴンスネークの肉を喰らったらまたステータスが上がった。覚えた技も増えている。
早速、冒険者カードに表示されている『サンダーボルト』の項目を指でタップすると項目が出た。
「何々・・・・・・上空に雷を発生させ落とす技。ドラゴンスネークのスキルを覚えたようだな。試しにやってみるか」
琢磨は骨だけになったドラゴンスネークの残骸を狙って、『サンダーボルト』を唱えた。だが、うんともすんともいわなかった。何でだと何回もやったが結果は一緒だった。もう一度項目を見てみると、下の方に注意書きで、『*但し、使える場所は雷を呼ぶため空が見える場所に限られる』・・・・・・ここはダンジョンの奥深くだ。空なんてあるわけがない。ふざけんなと思わず冒険者カードを地面に叩きつけた。
「何でだ。ドラゴンスネークは使ってたじゃないか。もしかして魔法が違うのか・・・・・・」
琢磨はショックで気づいてないがドラゴンスネークを鑑定すれば分かった情報がある。ドラゴンスネークは体内に電気を発生させる器官がありそれにより電気を発生させる攻撃が得意だと。
「しょうがねえ。もう一つ覚えた『ソニックムーブ』の項目を見るか」
琢磨は冒険者カードを拾って『ソニックムーブ』の項目をタップすると、
「え~と、『目にもとまらぬ速さで高速移動する技。瞬時に相手の背後を取ることも可能。但し、サンダーボルトを自分の体に纏わせて使う応用技のため室内では使えない』・・・・・・ふざけるなぁぁぁぁああああっ!!!!!」
琢磨は勢い良く冒険者カードを再び地面に叩きつけた。器用に左手一本で叩きつけてるのはステータスが上がってる証拠だったりする。
その時の琢磨の顔は般若の面みたいな感じでさすがの魔物も危険を感じたのか襲われることは無かった。
ダンジョンの通路を走り抜ける影があった。
琢磨である。あれから、この怒りをどこにぶつけようかと思い、この怒りは俺をこんな目に遭わせた元凶にツケて憂さ晴らしをしようと思うことで立ち直った。この元凶からしたらたまったものじゃないだろう。だが、それほど怒っているのが琢磨だ。
本来なら脱出口を探すことを優先すべきなのだろうが、琢磨はこの怒りも合わせてどうしても三頭のドラゴンを殺したかった。一度は砕かれた心、それをなした化け物を目の前にして自分がきちんと戦えることを証明したうえで殺す。そうしないと前に進める気がしないのだ。
「シャァ!」
途中、何時ぞやの斑模様《まだらもよう》のスライムの群れに遭遇し一体が粘液攻撃を飛ばしてくるが、琢磨はどこか懐かしさを覚えつつ、紙一重で躱すと斑模様のスライムが一直線に重なるポイントでフレイムアローを唱え串刺しにして一網打尽にした。消滅するのを確認することなく奥に駆けて行った。
しばらくそうやって出会う魔物を瞬殺してると、ようやく宿敵の姿を発見した。
三頭のドラゴンは両サイドのドラゴンがどうやら眠ってるようで真ん中のドラゴンがボクサーラビットと思しき魔物を咀嚼している。その姿を確認した琢磨はニヤリと不敵に笑い、悠然と歩き出した。
三頭のドラゴンはおそらくこのダンジョンのボスだ。この魔物は他の個体と遭遇してない。それにあの時のアラクネの怯え方は異常だった。だから、他の魔物は三頭のドラゴンはと遭遇したら一目散に逃走を選ぶ。ドラゴンスネークがそうだったように。まさか、自ら向かってくる者がいるとも思ってないだろう。
しかし、現在その最強の魔物に立ちぬかう者が現れた。そう、何を隠そう、琢磨である。
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