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クイン

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二章

小説を書こう3-1

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 青山からの返信はこうである『お昼休みがまだ取れていないので、これからすぐなら大丈夫です。一時間ほどでよければ話せます。この前いったカフェで、待ち合せでいいでしょうか?』というメッセージが届いた。

 悪いことをした――と美晴は思った。一社会人なら平日は働いていて当たり前だ。

美晴はカフェにいる人々を見渡すとスーツ姿の客が多い気がした。そういった当たり前の感覚が抜けていることに、美晴は複雑な気持ちになった。

「健司の働きにいく姿を一目みたいと思うのは罪なのかねー」

 美晴はちらりと視線を鞄の口の方に向ける。飛び出しているA4の用紙。

 肩を弾ませながら青山が美晴の座っている席まで来た。
「お待たせしました。すいません、すぐにと言ったのはこちらですのに、急に店が忙しくなって」

「いいえ! こちらこそごめんなさいね。お仕事の時に呼び出したりしちゃって」 

 青山はかまわないと手を振る。

「それよりどうしたんですか? 突然会えないかって」

 美晴は健司の原稿を青山に差し出した。

「これは……」

「息子の原稿です」

 青山は原稿を受け取った。

「拝借します」

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