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第四章「集結する忍者」
第三話「伝説の鉢金」
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服部半蔵は善三に向かい、穏やかな様子で話す。
「服部文蔵よ。俺はつい先日伊賀の里からこの江戸に出て来た。そしてお前の評判を聞いたのだが、相当なものではないか。火付けを討伐した事に始まり、町入能でも活躍したそうだな。それに、大奥でも上様の命を救ったそうではないか。流石服部の名を継ぐ者だ」
ここまで聞いて、文蔵はおやっと思った。これまで文蔵が出会ってきた忍者達は、揃いも揃って文蔵に敵対心を抱いていた。文蔵の忍者としての評判を妬んでの事である。だが、この半蔵は文蔵の働きを称賛している。ならば面倒な事にならずに済むやもしれぬ。
しかしここで半蔵の様子が一変した。
「だが、お前があたかも服部半蔵の末裔の様に語られる事は如何なものかな? 我ら服部半蔵の一族と、お前の服部家は何の血縁も無い事は家系図を調べた事から判明している」
「いや、そんな事を言われても」
文蔵の家が服部を名乗っているのは、文蔵の祖先がかつて服部半蔵に協力した事から服部を名乗る事を許されたのでである。血縁が無い事など先刻承知である。
困惑気味にその事情を説明したのだが、半蔵は聞く耳を持つつもりは無い様だ。
「黙れ。お前はこれ見よがしに神君家康公から拝領した、忍者衆総取締の証である手甲を常に身に付けているではないか。これこそお前が服部家の忍者の棟梁としての立場を簒奪しようとしている事の証ではないか」
「忍者衆総取締? これがですか?」
今の今までそんな事など露知らず左手に手甲を着けていた文蔵は困惑した。文蔵の左手には幼少時に拐課された時につけられた焼き印がある。これを隠すために着けているだけだ。それに、服部家にはこの手甲のいわれについて何も伝わっておらず、適当に倉庫を漁った時に発見しただけなのだ。
おそらく、文蔵の先祖がかつての服部半蔵あたりに貰ったのだが、その意味がどこかで失われていたのだろう。
「そして、その手甲は一つでは意味を成さない。俺の身につけている右手用の手甲、更には今では失われた鉢金が揃ってこそ忍者衆総取締としての意味が生まれるのだ。お前の様な者が持つには相応しくない」
「あ、そうですか」
文蔵には全く価値を見出せないが、半蔵にとってこの手甲や忍者衆総取締の地位は何にも代えられぬ程重要な事らしい。
文蔵としては焼き印を隠せれば何でも良いので、面倒に巻き込まれる前に半蔵に渡してしまおうと思った。
「そんな事を聞く必要は無いぞ」
「その通りだ。そんな一方的な話があってたまるか」
素直に手甲を差し出すつもりになった文蔵を、百地達が押しとどめた。
「忍者衆総取締の手甲と鉢金の話は我が百地家にも伝わっているが、何もこれは服部半蔵家が独占するべきものではあるまい。だからこそ、現在別々になっているのであろう」
「つまり、忍者衆総取締に相応しい者が持つべきだ。それが服部半蔵家の者とは限るまい」
「おのれ、同心風情が……」
「それがどうした。我らは同心で、そちらは家老の家柄かもしれんが、それは忍者としての格とは関係ないではないか」
目の前で繰り広げられる忍者達の言い争いを見て、文蔵は余計な事になったと内心思っていた。
服部半蔵に手甲を渡して縁を切ろうとしていたのに、何やら雲行きがおかしくなっているのを予感する。
「よろしい。なれば失われし鉢金を発見した者が、残る手甲も手にして忍者総取締になるという事で構わないな?」
「異議なし!」
「ふっ。甲賀忍者の実力を見せつけてくれるわ」
「ぬかせ。御庭番として今も忍者としてのお役目を果たす我ら紀州忍者こそが最強である事を天下に示してくれよう」
やっぱりだ。どうせこんな事になると思っていたのだ。
意気揚々と宣言する忍者達を見て、文蔵は心の中で溜息をついた。
「で、どうすんだよ。その、伝説の鉢金とかいうもんを探すのか?」
「馬鹿を言うなよ善兄。そんな馬鹿馬鹿しいものに関わってられると思うのか?」
「あれ? 探さないのかよ」
「え~? 何で探さないのさ。面白そうじゃん。伝説の鉢金」
半蔵ら忍者達が帰った後の蝮の善衛門邸で、文蔵達は酒を酌み交わしていた。酒の肴は半蔵が提案してきた伝説の鉢金探索についてである。
伝説の鉢金を見つけた者が、忍者衆総取締になれるという。かつて徳川家康の側近であった服部半蔵が伊賀甲賀の忍者を統べるこの役目をしていたという。代替わりして忍者を統べる役目に就く者はいなくなってしまい、百年の時が流れようという頃だ。
伝説の鉢金を探し出した者は、かつての服部半蔵の様な伝説の存在になれるのだ。朱音が面白そうというのも無理はあるまい。
もっとも、文蔵は乗り気ではない。
そもそも文蔵は忍者ではない。世間からは忍者同心などと言われているが、単に軽業や手裏剣が得意で忍者的な行動が得意なだけだ。服部という忍者感の強い姓も、忍者としての血筋を表す者ではない。それに自分の事を忍者などと思った事は無い。
それに伝説の鉢金やら、忍者衆総取締やら、胡乱過ぎる話である。講談か何かではあるまいし、とても信じられる内容ではない。忍者の一族達は信じている様だが、今の不遇な自分達の境遇のせいで警戒心が緩くなっているのではないだろうか。
「それじゃ、探しに行かないのね? 他の人たちは探しに行くんでしょ?」
「ああ、みんな百地さん達、それぞれ探しに行くんだとさ。隠し場所を示す古文書を見せられたんだが、これが暗号で書かれていてな。それをそれぞれで写して解き明かせってさ。まあ、俺には関係の無い話だ。だって、伝説の鉢金とやらが有るのは甲斐の国だってさ。とても行けないさ」
「そう? ちょっと離れてるけど、あたし達ならそれ程時間をかけずに行けるじゃないさ」
「おうよ。それに、お前が拾われたのも甲斐の国だったから思い出の場所じゃないか。面白そうだから探しに行くのも良いんじゃないか?」
「いやいや、それは無理ってもんだ」
朱音や善三は面白半分で文蔵をけしかけようとするが、文蔵は全く乗り気ではない。
これには事情がある。文蔵は現在れっきとした町奉行所の同心であり、定められた場所に居住する必要がある。勝手に江戸の外に出て旅をするなど許される事ではない。これは、幕府に仕える武士ならば何らかの役目に就いてなくても当然の義務である。
もちろん、知行地が江戸から離れているので作柄を確認するためだったり、上から命じられた役目のために遠出する事は有り得る。その他一族の冠婚葬祭、お伊勢参りなど理由はさまざまである。
だが、この場合文蔵は上役に何を言えば良いのであろう。
「伝説の鉢金を探しあて、忍者衆総取締になるために甲斐の国に旅に出ます。あ、いつ帰るかは分かりません」
そんな胡乱な事、とても言えたものではない。はっきり言って狂人の類の戯言であろう。乱心したと判断されてお役御免となってもおかしくはあるまい。
確かに町奉行である稲生は、文蔵が忍者であると町人達の噂になっていたからこそ同心に採用した。だが、流石に日ノ本一の忍者になるための宝探しを認めるかどうかは別問題だ。そもそも稲生が重視しているのは忍者であるとの町人の噂と関心であって、文蔵が真に忍者であるかなどどうでも良い事なのだ。忍者として頂点を目指したいので、しばらく同心の職務を休ませてくれなどという戯言を聞くとは思えない。
そもそも、そんな馬鹿みたいな事を文蔵だって切り出したくはない。
結局文蔵は伝説の鉢金探し勝負には傍観を決め込み、江戸を離れない決断をした。この時はまだ、自分が否応なしにこの勝負に巻き込まれてしまうとは思いもよらなかったのであった。
「服部文蔵よ。俺はつい先日伊賀の里からこの江戸に出て来た。そしてお前の評判を聞いたのだが、相当なものではないか。火付けを討伐した事に始まり、町入能でも活躍したそうだな。それに、大奥でも上様の命を救ったそうではないか。流石服部の名を継ぐ者だ」
ここまで聞いて、文蔵はおやっと思った。これまで文蔵が出会ってきた忍者達は、揃いも揃って文蔵に敵対心を抱いていた。文蔵の忍者としての評判を妬んでの事である。だが、この半蔵は文蔵の働きを称賛している。ならば面倒な事にならずに済むやもしれぬ。
しかしここで半蔵の様子が一変した。
「だが、お前があたかも服部半蔵の末裔の様に語られる事は如何なものかな? 我ら服部半蔵の一族と、お前の服部家は何の血縁も無い事は家系図を調べた事から判明している」
「いや、そんな事を言われても」
文蔵の家が服部を名乗っているのは、文蔵の祖先がかつて服部半蔵に協力した事から服部を名乗る事を許されたのでである。血縁が無い事など先刻承知である。
困惑気味にその事情を説明したのだが、半蔵は聞く耳を持つつもりは無い様だ。
「黙れ。お前はこれ見よがしに神君家康公から拝領した、忍者衆総取締の証である手甲を常に身に付けているではないか。これこそお前が服部家の忍者の棟梁としての立場を簒奪しようとしている事の証ではないか」
「忍者衆総取締? これがですか?」
今の今までそんな事など露知らず左手に手甲を着けていた文蔵は困惑した。文蔵の左手には幼少時に拐課された時につけられた焼き印がある。これを隠すために着けているだけだ。それに、服部家にはこの手甲のいわれについて何も伝わっておらず、適当に倉庫を漁った時に発見しただけなのだ。
おそらく、文蔵の先祖がかつての服部半蔵あたりに貰ったのだが、その意味がどこかで失われていたのだろう。
「そして、その手甲は一つでは意味を成さない。俺の身につけている右手用の手甲、更には今では失われた鉢金が揃ってこそ忍者衆総取締としての意味が生まれるのだ。お前の様な者が持つには相応しくない」
「あ、そうですか」
文蔵には全く価値を見出せないが、半蔵にとってこの手甲や忍者衆総取締の地位は何にも代えられぬ程重要な事らしい。
文蔵としては焼き印を隠せれば何でも良いので、面倒に巻き込まれる前に半蔵に渡してしまおうと思った。
「そんな事を聞く必要は無いぞ」
「その通りだ。そんな一方的な話があってたまるか」
素直に手甲を差し出すつもりになった文蔵を、百地達が押しとどめた。
「忍者衆総取締の手甲と鉢金の話は我が百地家にも伝わっているが、何もこれは服部半蔵家が独占するべきものではあるまい。だからこそ、現在別々になっているのであろう」
「つまり、忍者衆総取締に相応しい者が持つべきだ。それが服部半蔵家の者とは限るまい」
「おのれ、同心風情が……」
「それがどうした。我らは同心で、そちらは家老の家柄かもしれんが、それは忍者としての格とは関係ないではないか」
目の前で繰り広げられる忍者達の言い争いを見て、文蔵は余計な事になったと内心思っていた。
服部半蔵に手甲を渡して縁を切ろうとしていたのに、何やら雲行きがおかしくなっているのを予感する。
「よろしい。なれば失われし鉢金を発見した者が、残る手甲も手にして忍者総取締になるという事で構わないな?」
「異議なし!」
「ふっ。甲賀忍者の実力を見せつけてくれるわ」
「ぬかせ。御庭番として今も忍者としてのお役目を果たす我ら紀州忍者こそが最強である事を天下に示してくれよう」
やっぱりだ。どうせこんな事になると思っていたのだ。
意気揚々と宣言する忍者達を見て、文蔵は心の中で溜息をついた。
「で、どうすんだよ。その、伝説の鉢金とかいうもんを探すのか?」
「馬鹿を言うなよ善兄。そんな馬鹿馬鹿しいものに関わってられると思うのか?」
「あれ? 探さないのかよ」
「え~? 何で探さないのさ。面白そうじゃん。伝説の鉢金」
半蔵ら忍者達が帰った後の蝮の善衛門邸で、文蔵達は酒を酌み交わしていた。酒の肴は半蔵が提案してきた伝説の鉢金探索についてである。
伝説の鉢金を見つけた者が、忍者衆総取締になれるという。かつて徳川家康の側近であった服部半蔵が伊賀甲賀の忍者を統べるこの役目をしていたという。代替わりして忍者を統べる役目に就く者はいなくなってしまい、百年の時が流れようという頃だ。
伝説の鉢金を探し出した者は、かつての服部半蔵の様な伝説の存在になれるのだ。朱音が面白そうというのも無理はあるまい。
もっとも、文蔵は乗り気ではない。
そもそも文蔵は忍者ではない。世間からは忍者同心などと言われているが、単に軽業や手裏剣が得意で忍者的な行動が得意なだけだ。服部という忍者感の強い姓も、忍者としての血筋を表す者ではない。それに自分の事を忍者などと思った事は無い。
それに伝説の鉢金やら、忍者衆総取締やら、胡乱過ぎる話である。講談か何かではあるまいし、とても信じられる内容ではない。忍者の一族達は信じている様だが、今の不遇な自分達の境遇のせいで警戒心が緩くなっているのではないだろうか。
「それじゃ、探しに行かないのね? 他の人たちは探しに行くんでしょ?」
「ああ、みんな百地さん達、それぞれ探しに行くんだとさ。隠し場所を示す古文書を見せられたんだが、これが暗号で書かれていてな。それをそれぞれで写して解き明かせってさ。まあ、俺には関係の無い話だ。だって、伝説の鉢金とやらが有るのは甲斐の国だってさ。とても行けないさ」
「そう? ちょっと離れてるけど、あたし達ならそれ程時間をかけずに行けるじゃないさ」
「おうよ。それに、お前が拾われたのも甲斐の国だったから思い出の場所じゃないか。面白そうだから探しに行くのも良いんじゃないか?」
「いやいや、それは無理ってもんだ」
朱音や善三は面白半分で文蔵をけしかけようとするが、文蔵は全く乗り気ではない。
これには事情がある。文蔵は現在れっきとした町奉行所の同心であり、定められた場所に居住する必要がある。勝手に江戸の外に出て旅をするなど許される事ではない。これは、幕府に仕える武士ならば何らかの役目に就いてなくても当然の義務である。
もちろん、知行地が江戸から離れているので作柄を確認するためだったり、上から命じられた役目のために遠出する事は有り得る。その他一族の冠婚葬祭、お伊勢参りなど理由はさまざまである。
だが、この場合文蔵は上役に何を言えば良いのであろう。
「伝説の鉢金を探しあて、忍者衆総取締になるために甲斐の国に旅に出ます。あ、いつ帰るかは分かりません」
そんな胡乱な事、とても言えたものではない。はっきり言って狂人の類の戯言であろう。乱心したと判断されてお役御免となってもおかしくはあるまい。
確かに町奉行である稲生は、文蔵が忍者であると町人達の噂になっていたからこそ同心に採用した。だが、流石に日ノ本一の忍者になるための宝探しを認めるかどうかは別問題だ。そもそも稲生が重視しているのは忍者であるとの町人の噂と関心であって、文蔵が真に忍者であるかなどどうでも良い事なのだ。忍者として頂点を目指したいので、しばらく同心の職務を休ませてくれなどという戯言を聞くとは思えない。
そもそも、そんな馬鹿みたいな事を文蔵だって切り出したくはない。
結局文蔵は伝説の鉢金探し勝負には傍観を決め込み、江戸を離れない決断をした。この時はまだ、自分が否応なしにこの勝負に巻き込まれてしまうとは思いもよらなかったのであった。
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