専業ネカマの生態

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9話 絶国の美女

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「できたぁああああーーーー!!!!」

 苦節六時間、俺はとんでもないモンスターを生み出してしまった。

 これは千年に、いや万年に一人の逸材と言っても過言ではないだろう。まあ、人工的なものだから当たり前なのだろうが、それでも他人からしたら実在する人物だ。さぞかし驚くことだろうよ。

 しかも体型も完璧だ。俺の身長、体重に合わせているから、男としては小さい俺の身長も女子にしては高く、体重も出来るだけ寄せるために、出るとこは出るような体型なっている。

 まあ、流石に全く同じ体重にしてはただのデブになってしまうため、何十キロかはマイナスさせてもらったが。

 しかし、問題は俺がこの中に入って可愛い女の子を演じられるかどうか、ということだが……一応ボイスも選べたから俺の好みの声にしておいたが、まあなんとかなるか。別に今からいきなりアイドルになってステージに立ち、歌って踊るというわけではないからな。

 いつも通り基本的にソロプレイでいればバレる危険性も少なくなるだろう。

『キャラクリエイトを終了しますか?』

 うむ、これは非常に満足のいく結果だな。これからのプレイが非常に楽しみだ。

『ユーザー名を決定してください』

 名前、か。前回は男だったから格好良さに重点を置いたのだが、今回は女だ。可愛いらしい名前が良いだろう。

 それにヴィジュアルは完璧なのだ。名前がダサかったらその完璧性が崩れてしまう。そんな勿体無いことは決してできない。

 だが、そうなってくると難しいな。残念ながらこの三十六年間、一度も女性キャラを使ったこともなければ、名前をつけたこともない。

 だからどのような名前にすれば良いかわからないのだ。

 何か参考になるようなものさえあれば良いのだが、そんなもの……

 あ、いるじゃないか打ってつけの存在が。俺の大好きな、ヘヴィちゃんが!

 ヘヴィちゃんに似た名前で可愛らしい名前を付けよう。あ、そうだ、アレにしよう。

『パピィ、でよろしいですか?』

 パピィ、確か意味は子犬だった気がする。意味も音も完璧に可愛い、だろ? 美女、というイメージからはかけ離れるかもしれないが、綺麗さと同時に可愛さも売り出していけば問題はないはずだ。

『チュートリアルを開始しますか?』

 ふむ、チュートリアルか。前回はこれを行わずに痛い目を見たからな。今回は身長は殆ど弄ってないと言えど、体重を大幅に減らしている。更に女体化している為、体のバランスも異なってくるだろうからチュートリアルをしない手はない。

 チュートリアルを行わずにドジっ子を演出しても良いんだろうが、それは別に演出できるし、俺は完璧である方が好きだ。しっかりと準備を行いたい。

「はい」

 俺がそう答えると、俺の視界はホワイトアウトした。そして目が慣れると、俺は草原に立っていた。

「うぉっ」

 俺は宙に浮いているような感覚に襲われた。これが体重を減らしたことによるデメリットか。

 浮いているような感覚なのに、しっかり足は地面の上にある。まるで月面にでも降り立ったような感覚だ。

 ふぅ、チュートリアルをしておいて良かったぜ。一ヶ月前の俺とまた同じ失敗をする所だった。

 それはそうとして、ここでは何をす

「ヤッホー! 元気?」

「うわぁっ!」

 なんと、目の前に可愛い長靴を履いた猫が浮いていた。
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