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第八話 鍛錬
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なんで今に限って鉄パイプなんていう、どう見ても近接戦闘に役立つものを出してくるんだよ。一番はじめの戦闘とかで出してくれればよかったのに、こんな重いもの持って移動するとかしんどくてやってられない。
ん、しかしこの鉄パイプ意外と良い見た目をしている。握りやすい太さで、長さも程よく、良い感じに武器になりそうだ。これはかなり当たりなのではないか?
……いや、今までが酷すぎただけだろう。普通、こういうものが最初に出てもっとまともな武器寄越せよ! っていう流れだろ? なんで俺は初手でバケツを引いてるんだよ全く。スキルが悪いのか、俺の運が悪いのか。
俺は前世から運が良かった記憶が無いから、この話題はここまでにしよう。今まで散々このスキルに愚痴を言ってきたが、全て俺のせいなんて言われたら笑えない。
よし、これで素振りでもするか。せっかく武器らしい武器を手に入れたんだ。今のうちに鍛えておかないと、二度と機会が得られないかもしれないからな。幸い俺はアニメとか漫画が大好きで、こういう時にどうやって鍛えれば良いか、知っている。
愚直なまでの筋トレと、鉄パイプを剣に見立てて素振りをするのだ。スキルをこれ以上獲得できないため、頑張って俺自身を強くするしかない。体を鍛えて、剣技を磨いて、その上で運ゲーのガチャだ。
前二つは真剣にやるに越したことはない。だって、ラスト一個はもうどうしようもないんだからな。なんだよ、完全な運って、それに第二の人生かかってるってもうクソゲーだな、ほんと。
❇︎
今日は腕のトレーニングをした。そう、みんな大好き腕立て伏せだ。まあ、前世で筋トレは愚か、運動すらしてなかった俺は十回やるのが精一杯だった。体型は別に標準体型なのだが、お肉がついてないのだ。ガリガリ一歩手前な俺にそんな筋力あるわけがない。
ま、まあこれも地道な積み重ねだ、毎日続けよう。明日は腹筋だな。
そして素振りをしたのだが、腕立てをしたからか、一回目からきつくて、こちらも十回振る頃には筋肉がピクピクと痙攣して、もう、何も持てない状況だった。
「はぁ、」
全く情けない。こんなことになるなら前世から鍛えて良かったよ全く。久しぶりに体を動かしてみるとこうもできないとは幻滅するな。
それにしても、自分でもよく、こんな弱っちい体で今まで生き延びれていたなと思う。もう、五回は死んでそうな勢いだがな。
よし、今日はここら辺で終わりとしよう。もう、足も腕も疲れのピークを迎えている。これ以上やっても無駄だろうし、体を壊しそうだ。
俺は地面に寝転がって空を見上げた。もう、真っ暗だ。綺麗なお星様が一面に広がっている。知っている正座はひとつもない。
そういえば俺にこのスキルをよこしてきたクソジジイが、Aランクになれとかなんとか言っていたような気がする。ってことはやっぱり街はあるということだろう。
このスキルと体一つでAランクかー、どレだけの難易度なんだろうなそれは。早く達成できると良いが、、
そこで俺の意識は途絶えていた。
そして俺は、後にこの時、自分の命よりもこの疲れの回復を優先したことを後悔することとなった。
ん、しかしこの鉄パイプ意外と良い見た目をしている。握りやすい太さで、長さも程よく、良い感じに武器になりそうだ。これはかなり当たりなのではないか?
……いや、今までが酷すぎただけだろう。普通、こういうものが最初に出てもっとまともな武器寄越せよ! っていう流れだろ? なんで俺は初手でバケツを引いてるんだよ全く。スキルが悪いのか、俺の運が悪いのか。
俺は前世から運が良かった記憶が無いから、この話題はここまでにしよう。今まで散々このスキルに愚痴を言ってきたが、全て俺のせいなんて言われたら笑えない。
よし、これで素振りでもするか。せっかく武器らしい武器を手に入れたんだ。今のうちに鍛えておかないと、二度と機会が得られないかもしれないからな。幸い俺はアニメとか漫画が大好きで、こういう時にどうやって鍛えれば良いか、知っている。
愚直なまでの筋トレと、鉄パイプを剣に見立てて素振りをするのだ。スキルをこれ以上獲得できないため、頑張って俺自身を強くするしかない。体を鍛えて、剣技を磨いて、その上で運ゲーのガチャだ。
前二つは真剣にやるに越したことはない。だって、ラスト一個はもうどうしようもないんだからな。なんだよ、完全な運って、それに第二の人生かかってるってもうクソゲーだな、ほんと。
❇︎
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ま、まあこれも地道な積み重ねだ、毎日続けよう。明日は腹筋だな。
そして素振りをしたのだが、腕立てをしたからか、一回目からきつくて、こちらも十回振る頃には筋肉がピクピクと痙攣して、もう、何も持てない状況だった。
「はぁ、」
全く情けない。こんなことになるなら前世から鍛えて良かったよ全く。久しぶりに体を動かしてみるとこうもできないとは幻滅するな。
それにしても、自分でもよく、こんな弱っちい体で今まで生き延びれていたなと思う。もう、五回は死んでそうな勢いだがな。
よし、今日はここら辺で終わりとしよう。もう、足も腕も疲れのピークを迎えている。これ以上やっても無駄だろうし、体を壊しそうだ。
俺は地面に寝転がって空を見上げた。もう、真っ暗だ。綺麗なお星様が一面に広がっている。知っている正座はひとつもない。
そういえば俺にこのスキルをよこしてきたクソジジイが、Aランクになれとかなんとか言っていたような気がする。ってことはやっぱり街はあるということだろう。
このスキルと体一つでAランクかー、どレだけの難易度なんだろうなそれは。早く達成できると良いが、、
そこで俺の意識は途絶えていた。
そして俺は、後にこの時、自分の命よりもこの疲れの回復を優先したことを後悔することとなった。
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