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9話 模擬戦
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「よし、じゃあ君も正式に僕のクラン《ガイア》に入ったことだし、歓迎会でもしたいんだけど、残念ながら僕以外のクランメンバーが皆んなどっか行っちゃってるんだよねー。だから、とりあえずは後回しでもいいかな?」
「はぁ、はい」
「よし、じゃあ今からは…………何がしたい?」
ズコーッ! 何もないんかい! てっきり秘密の儀式とか、超厳しい訓練とか始まるのかと思ってしまった。
何がしたい、か。それなら僕の答えは一つしかない。
「強く、なりたいです」
「はっはっはー! 君は本当に面白いね! そして、真っ直ぐだ! よし、じゃあ僕と模擬戦をしようか!」
「え? 模擬戦?」
「そうだよ! 強くなるには実戦が一番だからね! それに、僕と君の間にどれくらいの差があるか知れるいい機会になると思うよ?」
「そ、そうですか。わかりました、ではお願いします」
「ふふふっ、良い目だね。でも、流石にここではしないからついてきて」
そう言われて向かったのは、まさに模擬戦をする為の場所だった。大きな広場があって、闘技場みたいなんだけど、観客席とかが一切ないんだ。ここなら確かに思いっきり戦えるね。
その広場に僕らは向かい合った。
「じゃあ、先手を譲ってあげるよ。僕は五秒間何もしないから、好きに攻撃してきていいよ。勝敗はそうだね、どちらかが降参するか、戦闘不能になるまででいいかな?」
戦闘不能、か。僕にどれだけやれるかは名からないけど、兎に角がんばるしかないか。
「わかりました」
「うん、じゃあこのコインが地面に落ちたら攻撃してきていいからね?」
そう言ってケイさんは金色のコインを空中に向かって弾いた。
あれは、実物を見たことはないけど、金貨なんじゃないか? そんなものをあんなにぞんざいに扱うなんて……
チャリーン、、
「ファイヤーボール!」
僕はさっきよりももっと魔力を込めて、全力のファイヤーボールを放った。今はこれしか使えないから、これが防がれたら終わりだ。だからこそ何もしないといった五秒の間にこれで決める!
僕のファイヤーボールは先程よりも大きく、灼熱を纏いながらケイさんに飛んでいった。もし、これで戦闘不能にならなくても、流石に大ダメージは食らうだろう、そう思っていた。
しかし、現実は違った。ケイさんに当たると思っていた僕の巨大な火の玉はみるみるうちに萎んでしまった。
「え!?」
「はい、五秒だね。君の技は強いけど、さっき見ちゃったからねー」
その言葉を最後にまた僕の意識が途切れてしまった。
『ほう、あやつは面白そうじゃのう』
天星竜様が何か言った気がしたんだけど、僕にはよく聞こえなかった。
❇︎
「う、うぅ……」
目を開けるとそこはさっきと全く同じ場所だった。
「お、やっと気づいたね! ふふ、ごめんね意地悪して、でもこうした方が分かりやすいし、君にもやる気が出るかなーって思って」
確かに、この人を越えなければ最強にはなれないということを痛感させられた。やる気は嫌でも上がってしまう。
「はい、有り難うございました」
「うんん、いいんだいいんだ。さっき僕は実戦が一番良いって行ったけど、あれは基礎ができている人に限った話なんだよね実は。そして、君は基礎ができていない、そうだろ?」」
「はい、冒険者になったのも今日ですし……」
「だから、戦い方というものを学びに行こう! 僕が推薦してあげるよ!」
戦い方を学ぶ? 推薦? 何を言っているんだ、この人は?
「うんっ! と言うわけで明日から君は冒険者第一学校、ゴンザック・バークレー校に入学だ!」
「は、はい?」
「はぁ、はい」
「よし、じゃあ今からは…………何がしたい?」
ズコーッ! 何もないんかい! てっきり秘密の儀式とか、超厳しい訓練とか始まるのかと思ってしまった。
何がしたい、か。それなら僕の答えは一つしかない。
「強く、なりたいです」
「はっはっはー! 君は本当に面白いね! そして、真っ直ぐだ! よし、じゃあ僕と模擬戦をしようか!」
「え? 模擬戦?」
「そうだよ! 強くなるには実戦が一番だからね! それに、僕と君の間にどれくらいの差があるか知れるいい機会になると思うよ?」
「そ、そうですか。わかりました、ではお願いします」
「ふふふっ、良い目だね。でも、流石にここではしないからついてきて」
そう言われて向かったのは、まさに模擬戦をする為の場所だった。大きな広場があって、闘技場みたいなんだけど、観客席とかが一切ないんだ。ここなら確かに思いっきり戦えるね。
その広場に僕らは向かい合った。
「じゃあ、先手を譲ってあげるよ。僕は五秒間何もしないから、好きに攻撃してきていいよ。勝敗はそうだね、どちらかが降参するか、戦闘不能になるまででいいかな?」
戦闘不能、か。僕にどれだけやれるかは名からないけど、兎に角がんばるしかないか。
「わかりました」
「うん、じゃあこのコインが地面に落ちたら攻撃してきていいからね?」
そう言ってケイさんは金色のコインを空中に向かって弾いた。
あれは、実物を見たことはないけど、金貨なんじゃないか? そんなものをあんなにぞんざいに扱うなんて……
チャリーン、、
「ファイヤーボール!」
僕はさっきよりももっと魔力を込めて、全力のファイヤーボールを放った。今はこれしか使えないから、これが防がれたら終わりだ。だからこそ何もしないといった五秒の間にこれで決める!
僕のファイヤーボールは先程よりも大きく、灼熱を纏いながらケイさんに飛んでいった。もし、これで戦闘不能にならなくても、流石に大ダメージは食らうだろう、そう思っていた。
しかし、現実は違った。ケイさんに当たると思っていた僕の巨大な火の玉はみるみるうちに萎んでしまった。
「え!?」
「はい、五秒だね。君の技は強いけど、さっき見ちゃったからねー」
その言葉を最後にまた僕の意識が途切れてしまった。
『ほう、あやつは面白そうじゃのう』
天星竜様が何か言った気がしたんだけど、僕にはよく聞こえなかった。
❇︎
「う、うぅ……」
目を開けるとそこはさっきと全く同じ場所だった。
「お、やっと気づいたね! ふふ、ごめんね意地悪して、でもこうした方が分かりやすいし、君にもやる気が出るかなーって思って」
確かに、この人を越えなければ最強にはなれないということを痛感させられた。やる気は嫌でも上がってしまう。
「はい、有り難うございました」
「うんん、いいんだいいんだ。さっき僕は実戦が一番良いって行ったけど、あれは基礎ができている人に限った話なんだよね実は。そして、君は基礎ができていない、そうだろ?」」
「はい、冒険者になったのも今日ですし……」
「だから、戦い方というものを学びに行こう! 僕が推薦してあげるよ!」
戦い方を学ぶ? 推薦? 何を言っているんだ、この人は?
「うんっ! と言うわけで明日から君は冒険者第一学校、ゴンザック・バークレー校に入学だ!」
「は、はい?」
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