屋上でポテチ

ノコギリマン

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置いてくタイプの台風みたいな女の子

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 なにか大きな力で強引に捻じ曲げられない限り、できるだけ平穏な日々を過ごしていたい。だれにも邪魔されずに本を読むのが最高に幸せな時間で、だからおれは図書委員になった。

 なのに――

「もうなにもかもわからないよ!」

 ――ここが図書室なのを分かっていないのか、おれがいる受付席からいちばん遠い席に座るふたりの女子のひとりが大声で喚いた。慌ててたしなめるもうひとりは同じクラスの横川磨智よこかわまちで、喚いたほうの女子はちがうクラスの……たしか名前は、ノリコだ。漢字も名字も知らないけど、ノリコだということだけは知っている。

 それに、横川磨智もノリコも気がついていないんだろうけど、おれは昔ふたりが公園で起こした事件の目撃者だった。

◆◆◆


 小学一年生の頃。

 おれは友だちの佐竹さたけと一緒に佐竹の家の近くの公園で遊んでいた。

 佐竹の名前は翔太しょうたでおれの名前はわたるだったから、当時はお互いにショータ、ワタルで呼び合っていた。

 公園の場所は自分の学区から離れていたけど、親同士で付き合いのある佐竹と遊ぶことが多かったから、おれは隣町の小学校の子たちに混じって遊ぶようになっていた。男子グループはかくれんぼや缶けり、女子はままごとをしている子がチラホラいて、活発な女子は男子グループに混ざったりしていた。そんな中で、いつも離れてふたりだけで遊んでいる女子がいて、それがノリコと横川磨智だった。なにかと目立っていたからこっちは認識していたけど、ふたりとも当時おれが公園で遊んでいたことは知らないと思う。

 その日、おれは鉄棒で自慢げに逆上がりをする佐竹の前でヒマしてて、ふと見ると、いつのまにか滑り台の上にいたノリコが、晴れているのになぜか小汚いビニール傘をさしていた。

「あれ、なにやってんだろ?」

 って、聞いたら、鉄棒から飛び降りた佐竹は、

「ほっといたほうがいいよ。ノリコとマチって変わってるから」

 って、言った。

 佐竹の言うとおりにしようと思い、でもなんとなく気になって横目で見ていると、ノリコが「ヤー」という声を上げて滑り台から飛び降りた。そのままお尻から落ちたノリコはLの字みたいなかっこうのまま、怪獣みたいに「ギャー!」と叫び声を上げ、つられるように横川磨智も「ギャー!」と泣き出した。

 周りの子どもたちが集まってきて野次馬みたいにふたりを取り囲む。おれは佐竹と一緒に後ろのほうで見ていたけど、そのうち誰もノリコを立たせてあげようとしないのにムカついてズカズカと前まで行って、ノリコの手をつかんで立たせてあげた。後にも先にも、こんな目立つ行動をしたのは、この時だけだ。

 泣きじゃくるノリコは、おれの存在に気づくはずもなく、

「傘で飛べないじゃん! 約束がちがう!」

 って、喚きながら、横川磨智と一緒に大粒の涙を流し続けている。

 助けたはいいけど次にどうすればいいか分からなくて、ニヤニヤしている周りの子たちの目にも耐えきれなくなって、とりあえずふたりを近くのベンチに座らせたおれは、佐竹に呼ばれて逃げるようにその場を離れた。

 この日、おれはふたつのことを学んだ。ひとつは「目立つのは危険なことだ」で、もうひとつは「傘で空は飛べない」だ。

◆◆◆


 あのときはどっちがノリコでどっちがマチなのかも分からなかったけど、横川磨智と中一と中二の二年連続で一緒のクラスになって、マチという名前が印象的で覚えていたし、横川磨智とよくいる女子が「ノリコ」と呼ばれていたから、あのふたりだとすぐに分かった。ただ、それをわざわざ言うほどの仲でもなかったから、未だに横川磨智もノリコもそのことを知らないはずだ。

 ふたりへ向けていた視線をすぐに本へ戻す。

 平穏に読書さえできればいい。佐竹とか他の同級生みたいに青春時代にがっつくようなことはしたくない。できるだけ他人と関わらずにただ静かに本を読んでいたいだけなんだよ、おれは。

 中学で一緒になって、はじめて佐竹が卓球部に入ろうとしていることを知った。なんでも、自分を変えたくて中学からはなにかの部活に入ろうと思っていたそうだ。それ自体は立派なことで否定する気もないけど、おれは体育会系のノリが苦手だったし、そもそも自分を変えようとも思ってなかったから、佐竹の誘いを断って一年生のときは帰宅部として過ごしていた。

 だけど二年生のときに、東初菜あずまはな先生が天体観測同好会を作った。もともと星は好きだったし、顧問の東初菜先生は優しいひとで星についても詳しくて色々と話ができたから、おれは入部することにした。

 変わりたかったわけじゃない、むしろ変わらなくてもいい場所を見つけたような気がしたからだった。

 同好会には他に別のクラスの佐野海さのかい山中笑美やまなかえみがいて、しばらくはその三人だけだったんだけど、夏休み前になぜか佐野とおなじクラスの平文麿たいらふみまろも入ることになった。結局、夏休みに入っても大した活動は無くて、でもそれがとても心地よくて、おれはますます天体観測同好会が好きになった。

 なにもなければ目立たないし、目立たなければ安全だ。

 読書もおなじくらい安全だ。本の中でなにが起きても本を閉じれば平凡な現実に帰って来れるから。たぶんおれは、物語が提供してくれる「安全な非日常」が好きなんだろう。

 いま読んでるのは『春夏冬賢作あきないけんさくの帰還』という推理小説だった。八作目の春夏冬賢作シリーズで、しかも三年ぶりの新作ってこともあって、本当に心待ちにしていた本だ。

 ある山村の屋敷にある「錆つき蔵」と呼ばれる蔵で起きた密室殺人事件に名探偵の春夏冬賢作が挑む作品で、いよいよ解決編に入ろうとしているところまで読んでいた。「春夏冬賢作シリーズ、最難解!」という帯の言葉どおり難しくて、おれは密室トリックの糸口さえつかめていなかった。ただ読み進めていくうちに「これは密室トリックじゃなくて、アリバイトリックなのでは?」ということまでは分かってきた。犯人の目星はついたし、もうちょっとでトリックも分かりそうな気がする……

「なんで『恋愛』の授業がないんだ! もうぜんぜんわからん!」

 ノリコの意味の分からない言葉が、おれの集中を削ぐ。

 あてつけで大きな咳払いをして、ふたたび読書へ集中する……

 ……ダメだ。気になる。

 おれが望む平穏な日常に入り込んでくる言葉じゃない。

 貴重な読書時間がノリコに脅かされている。だけど反応するのが悔しくて、本を読み続けた。

「ノ、ノリコなら大丈夫だよ!」

 今度は横川磨智の声が聞こえたけど無視して本に集中していると、

「ねえ、森田くん」

 って、急に呼ばれた。

 声でノリコだとすぐに分かる。

 いつの間にかすぐ横に立っていた。

「なに?」

 本に目を落としたまま、できるだけぶっきらぼうに言う。

「おすすめの本とかある?」

 なんだ、それ? 距離の詰め方がバグってない?

「なんで知りたいわけ?」
「なんで知りたいか、知りたいの?」
「……だから、そう言ってるだろ」
「それって、わたしに興味があるってこと?」

 どういう理屈でいくとそんな結論に至るんだ?

 意味が分からないから聞き返しただけなのに。

「興味があるわけないだろ。だれかも知らないのに」
「それはウソだね。わたしがノリコだって知ってるでしょ?」
「は?」

 意外過ぎる言葉に驚いて、思わずノリコを見る。

「小一のときにわたしが滑り台から飛び降りるの、見てたでしょ?」
「……佐竹から聞いた?」
「そんなわけないでしょ、翔太とはべつに仲良くないし」
「じゃあ、なんで?」
「あの時、わたしを立たせてくれた男子がいたんだけど、だれか分からなくてさ。泣いてたから顔もよく見てないし。でもベンチに座らされたあとに翔太が『ワタル、行こうぜ』って言ったのだけは覚えてたんだよね」
「なんでそれがおれになるわけ?」
「ワタルって名前の男子はウチの学校にはいなかったし、あの公園で翔太とよく一緒にいる、なんか見たことない男子がひとりいるなあって思ってたから、たぶんその子がワタルなんだろうなってずっと思ってたんだよね。ほかの小学校の子で翔太と仲がいい男子だろうって。いつかワタルって子にお礼を言いたかったんだ、わたし」
「……でもそれだけだと、おれとワタルはつながらなくない?」
「それがさ、たまたまなんだけど、中学に入って部活にでも入るかって卓球部に体験入部したことがあるんだよね。翔太も一緒でさ、むかしよく遊んでた男子がおなじクラスになったから誘ったけど断られたって話をされたの」
「それがおれだって聞いたってこと?」
「そうじゃなくて、ピンと来て『それって、ワタル?』って聞いたら、翔太が『なんで知ってんの?』ってびっくりしてたからさ。それでワタルがだれなのか聞いたら、三組の森田航だって言ってた。磨智と一緒のクラスだし、森田くんの方もわたしに絶対に気がつくと思ってさ」
「すげえ……」

 思わず口をついて出た言葉をノリコが捉える。

「すげえっしょ? わたし推理が得意だから」
「……でもいまの推理かな? けっこう出揃った状態での結論だと思うけど」
「そう。わたしは推理が得意だから、こんくらい余裕なんだよね。推理でもなんでもないよ。どっちかっていうと、論理的帰結かな」

 論理的帰結っていう難しい言葉がノリコの口から出たのに驚く。

「おれがあの日のことを忘れてるとは思わなかったの?」
「あんなの、忘れられるわけないでしょ」
「まあ、たしかに」

 さすがに笑ってしまう。

「ずっと気になってたんだよ。あのあと大丈夫だった?」
「当たり前でしょ。余裕だよ」
「でもなんで今になって、話したの?」
「まあ、チャンスも無かったし。こういうのはタイミングでしょ」

 図太いのか繊細なのか、よく分からない子だな。

「あの時はありがとう。ほんとに感謝してる」
「ああ、うん、どういたしまして」
「でさ、おすすめの本ってある?」
「だから、なんでそれが聞きたいんだよ?」
「本を読むのに理由なんてないでしょ」
「まあ……」

 なんかいいように言いくるめられてしまったような気がするけど、たしかに本を読むのに理由なんて必要ない。さっきから話していて、もしかしてノリコはあの時の印象とはちがって、とても頭が良い子なのかもしれないと思った。

「……おすすめの本って言われてもなあ。どういうのが好みなの?」
「そうだなあ、逆に森田くんはどういうのが好きなの?」
「おれはまあ、推理小説がいちばん好きなジャンルかも」
「推理小説か、推理小説ねえ」
「あんまり好きじゃない? さっき推理が得意とか言ってたのに?」
「……まあ、嫌いではないかな。それも推理小説?」

 話をそらすようにして、おれが持つ本を指すノリコ。

「うん。推理小説好き以外にはあんまり知られてないシリーズなんだけど、けっこうおすすめだよ」
「なんていうの?」
「これ」

 言って、ノリコに本の表紙を見せる。「春夏冬賢作」を一発で読めるわけがないから意地悪かなとも思ったけど、さっきからずっと負けてるような気がして、不意に湧いたイタズラ心でやってしまった。

「ゲッ!」

 予想外な反応をするノリコ。

「え、なに?」
「あ、ううん、なんでもない……てかさ、春夏冬賢作シリーズってマジで有名じゃないの? けっこう出てるよね。例えばだけどさ、アニメとかドラマとかになったりする可能性とかはない感じ?」
「いやあ、どうだろう。面白いからコアなファンはたくさんいると思うけど。てか、よく春夏冬賢作を読めたな。ファンなの?」
「うーん、ファンじゃないけど生かしてもらってます、的な?」
「よく分からないな、どういう意味?」
「それはあとで勝手に推理してよ。森田くん、今わたしが読めないと思って表紙を見せたでしょ? ムカつくから仕返しで答えは教えてあげない。それに、わたしはわたしで勝負したいし」

 さっきから微妙に会話がずれているような気がするけど、どこがずれているのかは、よく分からなかった。

「とにかくさ、他の教えてよ」

 ノリコの圧に負けて、おれはいくつかのおすすめ小説を教えた。

「分かった。じゃあ借りるのは明日でいい?」
「は?」

 いつのまにか、おれが貸すことになってるらしい。

「明日は無理だった?」
「いや、そういうわけじゃないけど」
「じゃあ、明日また来るから持って来て」
「あー、いや、そうだ。アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』なら、ここで借りれるよ」
「えっ、マジ……?」

 オススメの本があるのに、なぜか残念そうなノリコ。

 なんかちょっと悪い気がして、

「今日はそれを借りるってことでいい? 他は明日、持って来るよ」

 って、言ったら、ノリコは満面の笑みを浮かべた。

「ほんとに? やった!」

 ノリコの感情の起伏にちょっとついていけなかったけど、とりあえず『そして誰もいなくなった』を棚から持ってきて、図書カードに名前を書くように言った。

 笑顔で名前を書いたノリコが返してきた図書カードには「里村典子」という名前。偶然かもしれないけど、『八つ墓村』の登場人物と同姓同名だった。

「図書室で本を借りるのとか、はじめてかも」
「そうなんだ」
「うん。わたし読むの早いから、今日でもうぜんぶ読んじゃうかも」
「へえ」
「だから感想は明日言うね」
「あ、うん、分かった」
「明日持ってきてくれる本もソッコーで読むから、すぐ感想を言えると思う。だから明後日も来るし、明後日のつぎも来るね」
「え、毎日来るってこと?」
「え、ダメ?」
「いや、ダメとか言う権限はおれにはないけど」
「じゃ、決定ね」

 かなり強引に感想を言い合う約束を交わされた。

「じゃあ、今から帰ってすぐ読むね」

 って、言って、典子は図書室をサッサと出て行った。

 なんだったんだと思いながら、ふと典子がいた席の方を見ると、背筋をピンとしたまま壁を見つめる横川磨智が取り残されていた。

「えっと……里村さん、行っちゃったけど?」
「で、ですよねえ。へへへ」

 下手な作り笑いを浮かべて言った横川磨智が、おじさんみたいに手で宙を切りながら図書室の出口まで向かった。
やっとこの状況から解放されるって安心していると、扉に手をかけたまましばらく動かなかった横川磨智が振り向いて、

「あ、あの……」

 って、気まずそうにしながら言った。
「なに?」
「の、典子、台風みたいな女の子だけど、いい子なんです!」

 意を決したように大声で言う横川磨智にびっくりして、

「ああ、はい。それより早く行ったほうがいいよ。たぶん里村さんって、置いてくタイプの子でしょ?」

 って、言うのが精一杯だった。

「はい。でも慣れてるので。では、わたしはこれで」

 って、おじさんみたいに言って、横川磨智も図書室を出て行った。

 誰もいなくなった図書室で、おれは『春夏冬賢作の帰還』を開いて平穏な日常にもどった。

 でも、内容はあまり頭に入って来なかった。
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