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三冊目
よん•たいが
しおりを挟むおおっ!?ムク犬の方から一緒に登校したいと言ってくるなんて、やっぱり昨日一日一緒に過ごした分だけの距離は近付いたのか?
パタパタと尻尾を振りながら、楽しげに話し掛けて来るムク犬に、笑みを返しながら心の中で握り拳をする俺。
「ふふ…。河合が早起きしなくても、俺が少し遅い電車に乗るから大丈夫だよ?」
「だって宍倉くん、委員長のお仕事とかあるから早く登校してるんでしょう?僕ねっ。宍倉くんに迷惑掛けちゃったお詫びとお礼に、宍倉くんのお仕事手伝うって決めたの!」
おやおや、随分可愛い事言ってくれるじゃねえか…。
確かに誰もいない教室で二人だけってのは、いいシチュエーションかも知んねえなと、ほくそ笑む。
「僕じゃ大した役には立てないと思うけど、僕に出来る事はなんだって頑張るから、遠慮なく言ってねっ」
そうかそうか何でもいいのか…。
「だって僕、ポチだもんっ」
…ん?
「…河合、ポチって何の事?」
「僕ね、宍倉くんと仲良くなりたいなあって思ってるの」
おおっ!?まさかムク犬の方から告白…?
「…それは嬉しいな」
にやけそうになる顔を引き締め、平静を装いながら返事をする。
「でも僕と宍倉くんじゃお友達でもちょっと釣り合わないでしょう?だからねっ、僕の事は犬だと思って使ってください!」
「…………」
確かに俺はムク犬の事を犬扱いしていた。けれど、これからは愛玩動物ではなく、恋の相手としてアプローチをしようとしているっていうのに…。
まさか今度は、ムク犬の方が自分を犬と思えと言って来るとは。
…はあ~っ、やっぱ前途多難だわ。
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