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過ぎ去りし時の流れ
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山からやって来た男がミネ自身だと気付いたのは、その時のハインドの街の住人やその周辺の国々でも、本人以外には誰もいなかった。自分の名を思い出した彼は、それ以外にも自身の失われた記憶に関する情報があるかも知れないと、そのまま回帰の山に残り手掛かりを探し始めた。
その頃からだ。ハインドの街で山から帰還した男が帰って来なくなったと言われるようになったのは。しかし、そんな事が巷で囁かれ始めたのも僅かな間だけだった。既に人々の意識から存在が薄れつつあった彼のことを、心配し探しに行こうという者はいない。
男にとっても、邪魔が入らないというのは好都合だったのかも知れない。人に冷たくあしらわれようと、人の身に危険が及ぶ事は望まなかった故、自分を探しに山へやって来る者が居たのなら、自身の記憶探しに集中出来なかったかも知れない。
何のしがらみもなく、自分がしたいように山を駆け回れるのは、男にとって宝物を探す冒険のように時間を忘れて没頭出来る事だった。幾つもの陽が沈み、幾つもの陽が昇る。一体どれだけの間、回帰の山を調べていたのか分からないくらい、男は山の中でありたあらゆる場所や物を調べて回った。
不思議と男にも疲労感などなかった。故にいくらでも調査が出来てしまったのだ。そしてある程度満足がいくほど山を調べた男は、ふと外の様子が気になり山を降りる事にした。
男がそう思ったのには、他にも理由があった。これだけ山を探索しても、山に入って来る者の気配を全くと言っていいほど感じなかったからだ。無論、感知に優れた能力や道具を持っていない彼に、人の気配を感じられるかと言われれば疑問だが、それでも整備された山道へは何度も足を運んでいた。
そして何度も山道の土に目をやった。だがそこに新しい痕跡は見つけられなかった。勿論単純に彼が見つけられなかっただけかも知れない。しかし、それにしては不自然なほど、山に誰かが踏み入ったという痕跡がないのが不思議でならなかった。
森を抜け、人里へと降りて来た彼の目に映ったのは、見たこともない建造物が建ち並ぶ、嘗てのハインドの街の姿だった。彼がその街がハインドの街であると分かったのは、その街の節々に残る嘗ての街の姿であったり、名残が残っていたからだった。
「おや?アンタ見ない顔だねぇ。どうしたんだい?そんなに汚れて・・・。浴場にでも行って、疲れと一緒に流して来たらどうだい?」
街へやって来た彼を迎えたのは、嘗て彼を街で迎えた農夫と同じように心配する街の住人だった。唖然として立ち尽くす彼を心配して、風呂やシャワーを借りられる宿屋へと案内する街の男。そこに悪意などなく、嘗ての優しい人で溢れるハインドの街の人々と何も変わらない、人の優しさだった。
彼が我に帰ったのは、街の人達が案内してくれた宿屋での事だった。それまでは呆けてしまい、ただただ街の人達に勧められるまま宿屋へ案内され、シャワーを浴びて山での汚れと疲れを流し、ベッドに横たわってすっかり休息を満喫していた。
「いやおかしい!絶対おかしい!何故街並みそのものが、全く別物のように変わっている?なのに節々には、ハインドの街の面影がある。俺が何処かに迷い込んだのか?それとも山の外がそっくりそのまま別のものにすげ変わったのか・・・?」
自身の身に何か起きたのか、周りに変化が起きたのか。真相を確かめる為にも、男は街にある筈のギルドを探した。そこであれば自分の事を知っている人がいるかも知れないという期待があった。
宿屋を飛び出し、街行く人々に尋ねながらギルドへとやって来た彼がその扉を開ける。外装や内装も彼の知っているギルドとは違っていた。だが様々な物の配置自体は当時の面影を感じさせる置き方をしているものもあった。
「アンタは確か山から来たっていう・・・。どうだい?記憶は戻ったか?」
「え・・・?」
何故ギルドの者が記憶の事を知っているのか。何も話した覚えがない彼は、ギルドの男が口にした言葉に僅かながらの希望を見出した。しかし、彼を心配するギルドの男が続けた言葉に、その希望は絶たれてしまう。
「アンタ、自分の名前も分からなかったんじゃないのか?街の人が聞いたら何も答えなかったって。まぁ無理もないさ。あの山から帰って来れただけでも運が良いんだからね。それだけでも感謝しなきゃ・・・」
「すまない、あの時は俺も動揺していて。とても現実なのかどうか、判断が付かなかったんだ。名前は“ミネ”と言う」
彼が思い出した自分の名前を口にした途端、ギルドの男はミネと名乗る彼を見て何を言っているんだという不思議な表情を浮かべた。
「ミネだって?苗字・・・ファミリーネームはなんて言うんだ?」
「ファミリーネーム・・・?いや、すまない。俺には家族は・・・」
「まぁ珍しい名前だが、無くもない話か・・・」
「・・・?」
ギルドの男の話が見えなかったミネは、自分の名前が何故そんなに引っ掛かるのかを尋ねる。するとギルドの男は、嘗てこの街にも同じ名前の男が居たと言うのだ。
その男の言うミネという人物は、嘗てこの街で調査隊として活躍していたものの、調査の中で行方不明になってしまったのだと語る。正しく自分の事だと思ったミネは、その男に自分こそがそのミネだと伝えようとしたところで、もう一つ驚きの言葉を口にする。
「でもそれは数十年も前の話だ。その“ミネ”と言う男が生きていたとしても、とっくに寿命で死んでる筈さ」
「ッ!?」
一瞬頭が真っ白になったミネは、ギルドの男の言うミネという人物と自分が別人であるとも思った。だが調べを進めれば進めるほど、この街で言い伝えのようになっている“ミネ”という人物が自分であるという事を知ることになる。
それを確定付けたのは、街の人々の話を聞く内に脳裏に蘇る過去の光景があったからだった。
「アンタ次第だがよぉ、この街でその名前を名乗るのはやめた方がいいぜ?俺みたいきっとみんな勘違いするだろうし、中には毛嫌いしている人もいるんだ。自分の名前を偽るのは不服だろうが、問題を避けたいのなら新しく別の名前で名乗った方が身の為でもある」
「そんな・・・あれから何十年もッ!?信じられない・・・その“ミネ”という人物について、何か調べられるところや詳しい人は?」
「あ?そうだなぁ、街の書物庫にでも行ってみるといいさ。あそこは誰にでも解放されてるところだしな。ただギルドの管轄だから、受付で一応許可を取っておいた方がいいな」
「なるほど・・・親切にありがとう」
「俺もさっきの名前は忘れておいてやるよ。記憶が戻るといいな、お大事に」
親切に街に事情を教えてくれたギルドの男と別れたミネは、そのままギルドの受付に書物庫で調べ物をしたいという事を告げる。問題なく許可がおり、案内をすると言われたが、先程の男から問題を避ける方法を学んだミネは、自分で探すと言ってギルドを立ち去って行った。
その頃からだ。ハインドの街で山から帰還した男が帰って来なくなったと言われるようになったのは。しかし、そんな事が巷で囁かれ始めたのも僅かな間だけだった。既に人々の意識から存在が薄れつつあった彼のことを、心配し探しに行こうという者はいない。
男にとっても、邪魔が入らないというのは好都合だったのかも知れない。人に冷たくあしらわれようと、人の身に危険が及ぶ事は望まなかった故、自分を探しに山へやって来る者が居たのなら、自身の記憶探しに集中出来なかったかも知れない。
何のしがらみもなく、自分がしたいように山を駆け回れるのは、男にとって宝物を探す冒険のように時間を忘れて没頭出来る事だった。幾つもの陽が沈み、幾つもの陽が昇る。一体どれだけの間、回帰の山を調べていたのか分からないくらい、男は山の中でありたあらゆる場所や物を調べて回った。
不思議と男にも疲労感などなかった。故にいくらでも調査が出来てしまったのだ。そしてある程度満足がいくほど山を調べた男は、ふと外の様子が気になり山を降りる事にした。
男がそう思ったのには、他にも理由があった。これだけ山を探索しても、山に入って来る者の気配を全くと言っていいほど感じなかったからだ。無論、感知に優れた能力や道具を持っていない彼に、人の気配を感じられるかと言われれば疑問だが、それでも整備された山道へは何度も足を運んでいた。
そして何度も山道の土に目をやった。だがそこに新しい痕跡は見つけられなかった。勿論単純に彼が見つけられなかっただけかも知れない。しかし、それにしては不自然なほど、山に誰かが踏み入ったという痕跡がないのが不思議でならなかった。
森を抜け、人里へと降りて来た彼の目に映ったのは、見たこともない建造物が建ち並ぶ、嘗てのハインドの街の姿だった。彼がその街がハインドの街であると分かったのは、その街の節々に残る嘗ての街の姿であったり、名残が残っていたからだった。
「おや?アンタ見ない顔だねぇ。どうしたんだい?そんなに汚れて・・・。浴場にでも行って、疲れと一緒に流して来たらどうだい?」
街へやって来た彼を迎えたのは、嘗て彼を街で迎えた農夫と同じように心配する街の住人だった。唖然として立ち尽くす彼を心配して、風呂やシャワーを借りられる宿屋へと案内する街の男。そこに悪意などなく、嘗ての優しい人で溢れるハインドの街の人々と何も変わらない、人の優しさだった。
彼が我に帰ったのは、街の人達が案内してくれた宿屋での事だった。それまでは呆けてしまい、ただただ街の人達に勧められるまま宿屋へ案内され、シャワーを浴びて山での汚れと疲れを流し、ベッドに横たわってすっかり休息を満喫していた。
「いやおかしい!絶対おかしい!何故街並みそのものが、全く別物のように変わっている?なのに節々には、ハインドの街の面影がある。俺が何処かに迷い込んだのか?それとも山の外がそっくりそのまま別のものにすげ変わったのか・・・?」
自身の身に何か起きたのか、周りに変化が起きたのか。真相を確かめる為にも、男は街にある筈のギルドを探した。そこであれば自分の事を知っている人がいるかも知れないという期待があった。
宿屋を飛び出し、街行く人々に尋ねながらギルドへとやって来た彼がその扉を開ける。外装や内装も彼の知っているギルドとは違っていた。だが様々な物の配置自体は当時の面影を感じさせる置き方をしているものもあった。
「アンタは確か山から来たっていう・・・。どうだい?記憶は戻ったか?」
「え・・・?」
何故ギルドの者が記憶の事を知っているのか。何も話した覚えがない彼は、ギルドの男が口にした言葉に僅かながらの希望を見出した。しかし、彼を心配するギルドの男が続けた言葉に、その希望は絶たれてしまう。
「アンタ、自分の名前も分からなかったんじゃないのか?街の人が聞いたら何も答えなかったって。まぁ無理もないさ。あの山から帰って来れただけでも運が良いんだからね。それだけでも感謝しなきゃ・・・」
「すまない、あの時は俺も動揺していて。とても現実なのかどうか、判断が付かなかったんだ。名前は“ミネ”と言う」
彼が思い出した自分の名前を口にした途端、ギルドの男はミネと名乗る彼を見て何を言っているんだという不思議な表情を浮かべた。
「ミネだって?苗字・・・ファミリーネームはなんて言うんだ?」
「ファミリーネーム・・・?いや、すまない。俺には家族は・・・」
「まぁ珍しい名前だが、無くもない話か・・・」
「・・・?」
ギルドの男の話が見えなかったミネは、自分の名前が何故そんなに引っ掛かるのかを尋ねる。するとギルドの男は、嘗てこの街にも同じ名前の男が居たと言うのだ。
その男の言うミネという人物は、嘗てこの街で調査隊として活躍していたものの、調査の中で行方不明になってしまったのだと語る。正しく自分の事だと思ったミネは、その男に自分こそがそのミネだと伝えようとしたところで、もう一つ驚きの言葉を口にする。
「でもそれは数十年も前の話だ。その“ミネ”と言う男が生きていたとしても、とっくに寿命で死んでる筈さ」
「ッ!?」
一瞬頭が真っ白になったミネは、ギルドの男の言うミネという人物と自分が別人であるとも思った。だが調べを進めれば進めるほど、この街で言い伝えのようになっている“ミネ”という人物が自分であるという事を知ることになる。
それを確定付けたのは、街の人々の話を聞く内に脳裏に蘇る過去の光景があったからだった。
「アンタ次第だがよぉ、この街でその名前を名乗るのはやめた方がいいぜ?俺みたいきっとみんな勘違いするだろうし、中には毛嫌いしている人もいるんだ。自分の名前を偽るのは不服だろうが、問題を避けたいのなら新しく別の名前で名乗った方が身の為でもある」
「そんな・・・あれから何十年もッ!?信じられない・・・その“ミネ”という人物について、何か調べられるところや詳しい人は?」
「あ?そうだなぁ、街の書物庫にでも行ってみるといいさ。あそこは誰にでも解放されてるところだしな。ただギルドの管轄だから、受付で一応許可を取っておいた方がいいな」
「なるほど・・・親切にありがとう」
「俺もさっきの名前は忘れておいてやるよ。記憶が戻るといいな、お大事に」
親切に街に事情を教えてくれたギルドの男と別れたミネは、そのままギルドの受付に書物庫で調べ物をしたいという事を告げる。問題なく許可がおり、案内をすると言われたが、先程の男から問題を避ける方法を学んだミネは、自分で探すと言ってギルドを立ち去って行った。
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