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意外な共闘
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ブルースはゾルターンに教会へ向かうよう指示を出すと、バルトロメオと共に地上から教会へ向かって走り出した。建物の上を屋上から屋上へと飛び移りながら教会へ向かったゾルターンが、先に教会の前に到着すると地上へ向けて特製の粘土を放り投げる。
空中で精巧な人の姿へと形を変えた土人形は、着地と同時に教会へと向かい扉を突き破り内部へと突入していく。その間に地上へと降りたゾルターンは、そのタイミングで地上を走って向かっていたブルースらと合流する。
「状況は?」
「今俺の土人形を向かわせた」
「残りはどれだけある?」
ブルースの問いに懐から残された粘土を取り出す。一度目の教会での戦闘で大半の量を使ってしまい、残りは多くても片手に収まる人数分しかないと彼に答えた。
教会にいるであろうバッハの霊体との戦闘を思い出し、後続で救助できる人間が必要だと判断したブルースは、ゾルターンに後方からの支援を言い渡すと、自らが先陣を切って突入すると口にする。
当然、彼の護衛であるバルトロメオは主人が最前列で戦闘を行うことに反対する。だが、直接心臓への攻撃ができるバッハの霊体との戦闘において、自分の作り物の身体が役に立つと語り、バルトロメオには自身が囮になっている内に決定打を打ち込む役割を与える。
実際、宮殿の内部で命を狙われた時と二クラス教会でゾルターンと共に戦った時も、身体の機能に不調をきたしていたものの、生身よりは再起可能であることは証明されている。
万が一身体が動かなくなってしまっても、ゾルターンがいればそれを治すことも可能。要するにこれから相手にする敵に対し、作り物の身体というものが非常に有効的に働くということだ。
敵の素性を知らないバルトロメオは主人であるブルースを心配しつつも彼の作戦に従い、一行はゾルターンの土人形が突き破った扉から教会の内部へと侵入する。
すると、ゾルターンが遠くから目にしていた時に言っていたように、教会内では既に別の人物達によって謎の人物達との戦闘が行われていた。そこで戦っていたのは、一人は刀を振るい次々に謎の人物を斬り払っていく男と、紅い鳥と共にお香のようなものから出る煙を、羽ばたきによって前線で戦う男の元へと送り込む女の姿があった。
ゾルターンの送り込んだ土人形は、例のオルガンの側で演奏をするバッハの霊体へ向けて攻撃を仕掛けていた。どうやら内部で戦っていた二人の人物は、土人形が敵ではないことを悟ると、それらを囮に周りの謎の人物達を排除していた。
「アカリちゃん!大丈夫?」
「えぇ!こちらは問題ありません。ですがアレは・・・!?」
より入り口に近かったその女は、突入してきたブルースとバルトロメオの姿に驚きたじろいでしまう。するとそれを察して男と紅い鳥が、彼女を守るようにブルースらの前に立ちはだかった。
「え?貴方は確か・・・」
「あぁ?何だぁテメェらは!?」
二クラス教会で戦闘を行なっていたのは、宮殿内で待機している筈のツクヨとアカリだったのだ。彼らが何故その場に居たのかは分からないが、ジークベルトの事件が起きてから宮殿内で度々騒ぎを起こしていたバルトロメオを見たツクヨが、彼らは敵ではないことに気がつく。
そしてそのバルトロメオが守るように腕で後方に控えさせている男こそが、アルバに招待された有名な音楽家の一人であるブルース・ワルターであることを悟る。
「貴方がブルース・ワルター?」
「おい!何無視してッ・・・!?
突っかかろうとするバルトロメオを制し、ブルースはツクヨの問いに答えるとここで何をしていると質問をする。しかし、そんな彼らの会話を邪魔するようにオルガンの方から送り込まれてくる謎の人物達が一行に襲い掛かる。
それをバルトロメオの召喚した大きな腕が、そしてツクヨの手にしたリナムルの地下研究所で入手した刀が、一瞬にして迫り来る謎の人物達を退ける。
「詳しい話は戦いながら聞くとしよう」
こうしてブルースらと合流したツクヨとアカリは、彼らと共闘する事となった。幸い、演奏を行うバッハの霊体はこちらへ攻めてくる事はなく、こちらから接近しない限りは謎の人物達を召喚するばかりで脅威にはならなかった。
だが、これと言って明確な有効手段もなかったブルースは、ツクヨらに対し相手の事をどこまで知っているのかと問う。
どうやら彼らの話では、襲撃を受ける宮殿に助けを求める者が現れ、街でも同じような状況になっている事を知ったのだという。その者が言うには、街は既に壊滅状態となっており、彼を宮殿に向かわせた仲間達も、街を徘徊する謎の人物達の揺動を買って出て、それ以降どこにいるかも分からないのだそうだ。
そして彼からの情報により、どうやら教会に妙な動きがあることを知ったのだという。彼らが突き止めた情報によると、教会では数日前から演奏を行うものとそれを聴きに行く謎の人物達が集まり、不穏な事を行っていたのだという。
異様な光景に調査を始めようとした彼らだったが、教会から聞こえてくる音楽に近づくと強い眠気に襲われてしまい、眠ってしまうと最後。目を覚ますと自宅におり、前日の記憶を失うという現象に見舞われていたようだ。
彼の話からも、犯人は教会で何かしらの準備、或いは儀式のようなものを行っていたと考えられる。それが今、アルバを襲っている襲撃事件に繋がるのかは分からないが、現状それが最も有力な手口と見て間違いないだろう。
ブルースらが宮殿を飛び出した後のことは何となく理解できたが、何故ツクヨらが二クラス教会に向かったのか。その理由を尋ねると、そこに犯人に繋がる証拠があるとして、音楽の聞こえてくる場所を特定し調べる作戦が開始されたことを知ることとなった。
空中で精巧な人の姿へと形を変えた土人形は、着地と同時に教会へと向かい扉を突き破り内部へと突入していく。その間に地上へと降りたゾルターンは、そのタイミングで地上を走って向かっていたブルースらと合流する。
「状況は?」
「今俺の土人形を向かわせた」
「残りはどれだけある?」
ブルースの問いに懐から残された粘土を取り出す。一度目の教会での戦闘で大半の量を使ってしまい、残りは多くても片手に収まる人数分しかないと彼に答えた。
教会にいるであろうバッハの霊体との戦闘を思い出し、後続で救助できる人間が必要だと判断したブルースは、ゾルターンに後方からの支援を言い渡すと、自らが先陣を切って突入すると口にする。
当然、彼の護衛であるバルトロメオは主人が最前列で戦闘を行うことに反対する。だが、直接心臓への攻撃ができるバッハの霊体との戦闘において、自分の作り物の身体が役に立つと語り、バルトロメオには自身が囮になっている内に決定打を打ち込む役割を与える。
実際、宮殿の内部で命を狙われた時と二クラス教会でゾルターンと共に戦った時も、身体の機能に不調をきたしていたものの、生身よりは再起可能であることは証明されている。
万が一身体が動かなくなってしまっても、ゾルターンがいればそれを治すことも可能。要するにこれから相手にする敵に対し、作り物の身体というものが非常に有効的に働くということだ。
敵の素性を知らないバルトロメオは主人であるブルースを心配しつつも彼の作戦に従い、一行はゾルターンの土人形が突き破った扉から教会の内部へと侵入する。
すると、ゾルターンが遠くから目にしていた時に言っていたように、教会内では既に別の人物達によって謎の人物達との戦闘が行われていた。そこで戦っていたのは、一人は刀を振るい次々に謎の人物を斬り払っていく男と、紅い鳥と共にお香のようなものから出る煙を、羽ばたきによって前線で戦う男の元へと送り込む女の姿があった。
ゾルターンの送り込んだ土人形は、例のオルガンの側で演奏をするバッハの霊体へ向けて攻撃を仕掛けていた。どうやら内部で戦っていた二人の人物は、土人形が敵ではないことを悟ると、それらを囮に周りの謎の人物達を排除していた。
「アカリちゃん!大丈夫?」
「えぇ!こちらは問題ありません。ですがアレは・・・!?」
より入り口に近かったその女は、突入してきたブルースとバルトロメオの姿に驚きたじろいでしまう。するとそれを察して男と紅い鳥が、彼女を守るようにブルースらの前に立ちはだかった。
「え?貴方は確か・・・」
「あぁ?何だぁテメェらは!?」
二クラス教会で戦闘を行なっていたのは、宮殿内で待機している筈のツクヨとアカリだったのだ。彼らが何故その場に居たのかは分からないが、ジークベルトの事件が起きてから宮殿内で度々騒ぎを起こしていたバルトロメオを見たツクヨが、彼らは敵ではないことに気がつく。
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だが、これと言って明確な有効手段もなかったブルースは、ツクヨらに対し相手の事をどこまで知っているのかと問う。
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