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紅茶の証明
しおりを挟むブート達の件が終わった後の話である。
「今日のクエストは何を受けますか?」
「うーん、」
クエストカウンターをチェックする。今はランクがあがり多少難しい難度のものも受けれるようになっている。
Cランク:ワーンドウルフの群れが出没中。北の火山地帯であるという目撃情報を得た。約50体の大群と思われるためパーティー推奨。
Dランク:インセクターアントの狩猟。小柄ではあるが特殊な音波を発し他の虫型モンスターを引き連れる蟻型のモンスター。
Cランク:ワイバーン3頭の狩猟。珍しくアーサリスの森にて出現。森林の破壊が進むため早急に倒してほしい。
「ふむ、」
俺的にインセクターアントはあんまり行きたくないな。この世界の虫って大きさが異常なんだよな。人サイズの蜂を見た時には倒れそうになった。
そうなってくるとワイバーンあたりが妥当なところかな。マロが以前倒したことあるし。しかもワンパンだったしこれならいいだろ。
「はぁ、はぁ、早くこの弓でたくさんのモンスターを倒しまくりたいです。」
……いつも冷静なシルに変なスイッチが入ってしまったのだ。理由は新しい弓が手に入りしかもその弓の性能がとてつもないらしく早く試運転したいとのこと。
「気持ちはわからないでもないけど落ち着いてくれよ。なんか他の人たちからも見られてるんだから。」
「はっ、し、失礼しみゃした。」
あ、噛んだ。シルは周りを見回すと態度が急変しいつも通りになった。特に男性の目が何やらいやらしい。それでもシルに手を出そうするやつはいなかった。
「キュー、」「ピュー、」
アクアとリーンが猛烈に魔力を発してるのだ。理由はわからないがそれでもシルを守ってると俺は思う。その魔力に圧倒されるやつらばかりだ。
ワイバーンのクエストを受注し、アーサリスの森へと向かった。途中相変わらずルーの食欲旺盛ぶりが出てしまい、カバンからせっせとパンやお菓子を取り出して食べさせていた。
「はあー、もう後少ししかないからその辺の果物をもいで食べなさい。」
「ピイー……」
ルーはそんなシルの言葉にショックを受けたようだ。お菓子とかはルーの大好物でそれを制限されてしまってはしょんぼりするのはわかるが量が量なだけに俺は助けることはできない。
ルーは仕方なくといった様子でそこらに生えてる木になってる木の実を食べ始めた。この辺の木は火山がありあまり良いものがなく果物も総じて低品質らしい。それだけにルーの顔にはあまり覇気がない。
「無事に終わったら美味しいものを作るから待ってろ。今日はオークのとんかつにドリーサーペントの唐揚げだ。」
「ピイ!?ピイーー♪」
ルーはぱあと顔を上げる。その顔はまさに幸せそのものである。厳禁な鳥だと言いたいがまだ子供であるためそんなことも言えない。
「きゅー、」
子供といえばマロもいた。どうやらお腹が空いたらしい。ルーとは違い朝ごはんに薬草が無いためそれが食べたいと言ってる。カバンからひとまず霊薬草のストックを渡す。
「きゅー♪」
マロは俺の頭の上でもしゃもしゃと食べ……いや体に入った瞬間にしゅわわと溶けてる。この光景にもだいぶ慣れてきたな。
「ギャアーーース!」
「お、あれが今回のターゲットか。ん?やけに小さい気がするな。」
本当に森の中にワイバーンがいたが通常個体より小さい。以前マロが倒したのはもっとデカかった。果たして小さいと弱いのかそれとも反して強いのか。
「シンジ様、ここは私にお任せください。私の弓の腕前も見てもらいたいので。」
「そうだね、わかった。」
「ありがとうございます。」
シルは右手に弓を構え左手で矢筒からテイロ特製の矢を取り出す。シルはサウスポーなのか。
グググっと弓をひきしぼりワイバーンの頭をめがける。茂みから隠れて狙っているので全く気づかれてない。
ピュン!
「ギャア!?」
一本の矢が完璧に頭をめがけて飛んでいき貫通してワイバーンは絶命した。いきなり仲間が倒れたことでもう2匹のワイバーンもあたりを警戒するようになった。
「次は二本同時に。」
シルは今度は二本矢を取る。この弓は3本同時に打つことが出来るらしい。ワイバーンは離れた位置にいないため同時に狙うつもりだ。
「あ、あたりが悪い。」
シルが放った矢は一本は完璧にヒットし先ほど同様にワイバーンを倒したがもう一本はあまりうまく射ることができなかったようで倒れながらも起き上がってきた。
だがすかさずシルは弓で攻撃して迫ってくるワイバーンを倒した。その様子はまさに幾多の戦いを潜り抜けてきた戦士そのもの。俺みたいな元高校生のやつにはまだ無理か。
「お疲れ様。」
「いえ、本来なら二つ目で倒すのがセオリー。外してしまいました。まだ精進が必要です。」
「お、おうそうか。頑張れよ。俺は弓に関してはわからないから見守ることしかできないけど。」
「はい、頑張ります!」
俺からするとあれでも十分にすごいと思うのだが本人は全然納得してない様子。なんか人柄が見えてくるな、こういうの一つで。
「それじゃあアクアとミニスライムに解体は任せてもいいか?」
「キュー♪キュー!」
アクアは『わかったよー!ミニちゃんたち出てきておいでー。』と言いたげに跳ねてワイバーンの方に向かってぴょんぴょんとスライムによる行進が始まった。
ワイバーンの死体はあっという間にアクアに吸収されていく。各部位ごとに分けられたワイバーンの素材はミニスライムによって運ばれてカバンの中に入る。
その間に俺とリーンは少し早めの昼ごはんを作ることにした。ルーが待ちきれないなのだ。
「今日のクエストは何を受けますか?」
「うーん、」
クエストカウンターをチェックする。今はランクがあがり多少難しい難度のものも受けれるようになっている。
Cランク:ワーンドウルフの群れが出没中。北の火山地帯であるという目撃情報を得た。約50体の大群と思われるためパーティー推奨。
Dランク:インセクターアントの狩猟。小柄ではあるが特殊な音波を発し他の虫型モンスターを引き連れる蟻型のモンスター。
Cランク:ワイバーン3頭の狩猟。珍しくアーサリスの森にて出現。森林の破壊が進むため早急に倒してほしい。
「ふむ、」
俺的にインセクターアントはあんまり行きたくないな。この世界の虫って大きさが異常なんだよな。人サイズの蜂を見た時には倒れそうになった。
そうなってくるとワイバーンあたりが妥当なところかな。マロが以前倒したことあるし。しかもワンパンだったしこれならいいだろ。
「はぁ、はぁ、早くこの弓でたくさんのモンスターを倒しまくりたいです。」
……いつも冷静なシルに変なスイッチが入ってしまったのだ。理由は新しい弓が手に入りしかもその弓の性能がとてつもないらしく早く試運転したいとのこと。
「気持ちはわからないでもないけど落ち着いてくれよ。なんか他の人たちからも見られてるんだから。」
「はっ、し、失礼しみゃした。」
あ、噛んだ。シルは周りを見回すと態度が急変しいつも通りになった。特に男性の目が何やらいやらしい。それでもシルに手を出そうするやつはいなかった。
「キュー、」「ピュー、」
アクアとリーンが猛烈に魔力を発してるのだ。理由はわからないがそれでもシルを守ってると俺は思う。その魔力に圧倒されるやつらばかりだ。
ワイバーンのクエストを受注し、アーサリスの森へと向かった。途中相変わらずルーの食欲旺盛ぶりが出てしまい、カバンからせっせとパンやお菓子を取り出して食べさせていた。
「はあー、もう後少ししかないからその辺の果物をもいで食べなさい。」
「ピイー……」
ルーはそんなシルの言葉にショックを受けたようだ。お菓子とかはルーの大好物でそれを制限されてしまってはしょんぼりするのはわかるが量が量なだけに俺は助けることはできない。
ルーは仕方なくといった様子でそこらに生えてる木になってる木の実を食べ始めた。この辺の木は火山がありあまり良いものがなく果物も総じて低品質らしい。それだけにルーの顔にはあまり覇気がない。
「無事に終わったら美味しいものを作るから待ってろ。今日はオークのとんかつにドリーサーペントの唐揚げだ。」
「ピイ!?ピイーー♪」
ルーはぱあと顔を上げる。その顔はまさに幸せそのものである。厳禁な鳥だと言いたいがまだ子供であるためそんなことも言えない。
「きゅー、」
子供といえばマロもいた。どうやらお腹が空いたらしい。ルーとは違い朝ごはんに薬草が無いためそれが食べたいと言ってる。カバンからひとまず霊薬草のストックを渡す。
「きゅー♪」
マロは俺の頭の上でもしゃもしゃと食べ……いや体に入った瞬間にしゅわわと溶けてる。この光景にもだいぶ慣れてきたな。
「ギャアーーース!」
「お、あれが今回のターゲットか。ん?やけに小さい気がするな。」
本当に森の中にワイバーンがいたが通常個体より小さい。以前マロが倒したのはもっとデカかった。果たして小さいと弱いのかそれとも反して強いのか。
「シンジ様、ここは私にお任せください。私の弓の腕前も見てもらいたいので。」
「そうだね、わかった。」
「ありがとうございます。」
シルは右手に弓を構え左手で矢筒からテイロ特製の矢を取り出す。シルはサウスポーなのか。
グググっと弓をひきしぼりワイバーンの頭をめがける。茂みから隠れて狙っているので全く気づかれてない。
ピュン!
「ギャア!?」
一本の矢が完璧に頭をめがけて飛んでいき貫通してワイバーンは絶命した。いきなり仲間が倒れたことでもう2匹のワイバーンもあたりを警戒するようになった。
「次は二本同時に。」
シルは今度は二本矢を取る。この弓は3本同時に打つことが出来るらしい。ワイバーンは離れた位置にいないため同時に狙うつもりだ。
「あ、あたりが悪い。」
シルが放った矢は一本は完璧にヒットし先ほど同様にワイバーンを倒したがもう一本はあまりうまく射ることができなかったようで倒れながらも起き上がってきた。
だがすかさずシルは弓で攻撃して迫ってくるワイバーンを倒した。その様子はまさに幾多の戦いを潜り抜けてきた戦士そのもの。俺みたいな元高校生のやつにはまだ無理か。
「お疲れ様。」
「いえ、本来なら二つ目で倒すのがセオリー。外してしまいました。まだ精進が必要です。」
「お、おうそうか。頑張れよ。俺は弓に関してはわからないから見守ることしかできないけど。」
「はい、頑張ります!」
俺からするとあれでも十分にすごいと思うのだが本人は全然納得してない様子。なんか人柄が見えてくるな、こういうの一つで。
「それじゃあアクアとミニスライムに解体は任せてもいいか?」
「キュー♪キュー!」
アクアは『わかったよー!ミニちゃんたち出てきておいでー。』と言いたげに跳ねてワイバーンの方に向かってぴょんぴょんとスライムによる行進が始まった。
ワイバーンの死体はあっという間にアクアに吸収されていく。各部位ごとに分けられたワイバーンの素材はミニスライムによって運ばれてカバンの中に入る。
その間に俺とリーンは少し早めの昼ごはんを作ることにした。ルーが待ちきれないなのだ。
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