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ケイルのいるところまで駆け抜けようと剣を振るうも、これまでのモンスターと些か身のこなしが違っていた。既に他の個体を捕食し、変異しているということなのだろう。
だが、彼らの目的は一先ず目の前のモンスターではなく、仲間のところへ辿り着くこと。攻撃が当たらずとも、道を切り開ければそれでよかった。
峰闇の剣を避けたモンスターも、何も黙って道を譲る訳もなく、その後すぐに体勢を立て直すし飛び掛かる。
モンスターの攻撃を避けて反撃するなどという余裕がなかった峰闇は、飛び掛かるモンスターを体当たりで弾き飛ばしてり、剣の振りに合わせた蹴りなどを織り交ぜながら払う。
「チッ・・・!捌き切れなッ・・・」
必死に彼らを止めにかかるモンスター達。数で飲み込もうとするモンスターが峰闇へ噛みつこうとしたところで、彼の後方から銃声が鳴る。
すると、その銃弾はモンスターの足を貫き、追跡をする足を止めて見せた。
「アシストします!でも多少の失敗は勘弁してくださいね!」
峰闇が捌き切れなかったモンスターを、マキナの銃が見事に貫いていく。彼もまた、モンスターを倒すというよりも、より効果的に動きを封じる為の攻撃をしていた。
しかし、今はそれで十分。暗黒スキルを使う峰闇を回復しながら進むにぃなも、手にしたロッドでモンスターを突いたり叩いたりしながら、彼をサポートしていく。
そして遂に、蒼空を庇いながら戦うケイルの元へ合流する一行。到着するや否や、にぃなはすぐに見るからに危険な状態にある蒼空の治療と回復を行う。
「出血が酷い・・・。それに魔力消費も。一体何と戦っていうの・・・?」
「・・・ユッキーのライブやイベントで、事あるごとに邪魔をしてた黒幕だよ・・・。そいつが直接彼女を狙って・・・」
彼らの到着に安堵したケイルは、辛うじて持ち堪えていた足の力が抜け、その場に膝をつく。鎧がステージにぶつかるような金属音が響く。その音を聞いたにぃなが振り返ると、彼女は蒼空よりも先にケイルの回復を優先する。
「俺はまだ戦えるぜ・・・。それより蒼空さんを・・・」
「黙って!悪いけど、私達にも優先順位があるの。貴方には彼らと共に戦ってもらわなきゃ困るんだから。蒼空はすぐには目を覚さない状態だもの。戦力になる方を優先させてもらう!」
意外にもにぃなは、冷静に戦況を見ていた。蒼空の重傷は誰の目にも明らか。彼を回復させたところで、目を覚ますのはいつになるか分からない。
それに、どれ程の回復魔法を注ぎ込めば蒼空が目を覚ますか分からない以上、にぃな達も自分達の命を蔑ろには出来ない。彼女の魔力がここで尽きてしまえば、それこそ取り返しのつかないことになる。
「彼女の言う通りかもな・・・。蒼空さんには悪りぃが、俺達にも現状を打開出来るっつぅ見込みがない。先ずはケイル、お前の力が必要だ」
峰闇もにぃなの意見には賛成だった。先ずは自分達の身の安全を確保しなければ、ここまで来た意味がない。説得するようにケイルへ話しかけ、彼の回復を優先させる。
心配そうな表情で、にぃなに回復してもらいながら、倒れる蒼空の方を見るケイル。出血は止めっているようだが、一向に顔色が良くならない。蒼空が本当に危険な状態を脱したのか不安になった彼は、医者でも何でもない彼女に容態を確認する。
「蒼空さんは・・・彼は大丈夫なのか?」
「私には今、彼がどんな状態にあるのかまでは分からない・・・。取り敢えず止血と、出来るだけのことはしたけど、私個人の見解ではここから立て直すかどうか本人次第ってところだと思う」
ヒーラーというクラスに就いていると、何かとこういった場面に出くわすことは少なくない。その度に彼女へ投げかけられる問いは、治ったのか無事なのかといったものばかり。
当然、彼女は医者でもなければ回復魔法の原理を知る技術者でもない。sそんなことを聞かれたところで、彼らを満足させられる回答を彼女は提示することはできないのだ。
それでも人は、治療や回復を行える者なら容態を把握し、現在がどのような状況であるかを聞かずにはいられない。それが友人や大切な者であれば尚更のことだろう。
ケイルもそんなことは分かっているはずなのだ。しかし、それを尋ねることで僅かでも気休めにはなる。同じような患者を診てきた彼女であれば、少なくとも自分以上にある程度の予想は立つであろう。
その彼女が“分からない“といえば、それ以上のことは知る由もない。
「そうか・・・。あとは蒼空さん次第・・・」
「だから貴方は、今で出来ることの集中して。生きていなければ、その先を知ることすら出来ないんだから」
にぃなのいう通り、これ以上分からないことについて悩んでいても仕方がない。ケイルもこれ以上考えるのを止め、今は目の前の戦闘に集中することにした。
スキルが使えるくらいにまで回復すると、彼はすぐにその場にいる全員へ防御力上昇の効果のあるバフを掛けた。全体の受けるダメージ総数が減れば、にぃなの負担も減る。
「助かるぜ、ケイル。後はコイツらの始末だ。大分数は減ってきたようだしな・・・、もう一息だ!」
「頼りにしてますよ、お二方!俺、前線に出るタイプじゃないんで」
にぃながケイルの回復を行なっている間に、峰闇とマキナの奮闘によって大きな被害もなく抑えられていた。
だが、モンスターの数が減ってきたのは、彼らの攻撃によって倒されたものばかりではない。ここでも後方から、戦闘不能になった同胞を食らう変異種が複数いたのだ。
だが、彼らの目的は一先ず目の前のモンスターではなく、仲間のところへ辿り着くこと。攻撃が当たらずとも、道を切り開ければそれでよかった。
峰闇の剣を避けたモンスターも、何も黙って道を譲る訳もなく、その後すぐに体勢を立て直すし飛び掛かる。
モンスターの攻撃を避けて反撃するなどという余裕がなかった峰闇は、飛び掛かるモンスターを体当たりで弾き飛ばしてり、剣の振りに合わせた蹴りなどを織り交ぜながら払う。
「チッ・・・!捌き切れなッ・・・」
必死に彼らを止めにかかるモンスター達。数で飲み込もうとするモンスターが峰闇へ噛みつこうとしたところで、彼の後方から銃声が鳴る。
すると、その銃弾はモンスターの足を貫き、追跡をする足を止めて見せた。
「アシストします!でも多少の失敗は勘弁してくださいね!」
峰闇が捌き切れなかったモンスターを、マキナの銃が見事に貫いていく。彼もまた、モンスターを倒すというよりも、より効果的に動きを封じる為の攻撃をしていた。
しかし、今はそれで十分。暗黒スキルを使う峰闇を回復しながら進むにぃなも、手にしたロッドでモンスターを突いたり叩いたりしながら、彼をサポートしていく。
そして遂に、蒼空を庇いながら戦うケイルの元へ合流する一行。到着するや否や、にぃなはすぐに見るからに危険な状態にある蒼空の治療と回復を行う。
「出血が酷い・・・。それに魔力消費も。一体何と戦っていうの・・・?」
「・・・ユッキーのライブやイベントで、事あるごとに邪魔をしてた黒幕だよ・・・。そいつが直接彼女を狙って・・・」
彼らの到着に安堵したケイルは、辛うじて持ち堪えていた足の力が抜け、その場に膝をつく。鎧がステージにぶつかるような金属音が響く。その音を聞いたにぃなが振り返ると、彼女は蒼空よりも先にケイルの回復を優先する。
「俺はまだ戦えるぜ・・・。それより蒼空さんを・・・」
「黙って!悪いけど、私達にも優先順位があるの。貴方には彼らと共に戦ってもらわなきゃ困るんだから。蒼空はすぐには目を覚さない状態だもの。戦力になる方を優先させてもらう!」
意外にもにぃなは、冷静に戦況を見ていた。蒼空の重傷は誰の目にも明らか。彼を回復させたところで、目を覚ますのはいつになるか分からない。
それに、どれ程の回復魔法を注ぎ込めば蒼空が目を覚ますか分からない以上、にぃな達も自分達の命を蔑ろには出来ない。彼女の魔力がここで尽きてしまえば、それこそ取り返しのつかないことになる。
「彼女の言う通りかもな・・・。蒼空さんには悪りぃが、俺達にも現状を打開出来るっつぅ見込みがない。先ずはケイル、お前の力が必要だ」
峰闇もにぃなの意見には賛成だった。先ずは自分達の身の安全を確保しなければ、ここまで来た意味がない。説得するようにケイルへ話しかけ、彼の回復を優先させる。
心配そうな表情で、にぃなに回復してもらいながら、倒れる蒼空の方を見るケイル。出血は止めっているようだが、一向に顔色が良くならない。蒼空が本当に危険な状態を脱したのか不安になった彼は、医者でも何でもない彼女に容態を確認する。
「蒼空さんは・・・彼は大丈夫なのか?」
「私には今、彼がどんな状態にあるのかまでは分からない・・・。取り敢えず止血と、出来るだけのことはしたけど、私個人の見解ではここから立て直すかどうか本人次第ってところだと思う」
ヒーラーというクラスに就いていると、何かとこういった場面に出くわすことは少なくない。その度に彼女へ投げかけられる問いは、治ったのか無事なのかといったものばかり。
当然、彼女は医者でもなければ回復魔法の原理を知る技術者でもない。sそんなことを聞かれたところで、彼らを満足させられる回答を彼女は提示することはできないのだ。
それでも人は、治療や回復を行える者なら容態を把握し、現在がどのような状況であるかを聞かずにはいられない。それが友人や大切な者であれば尚更のことだろう。
ケイルもそんなことは分かっているはずなのだ。しかし、それを尋ねることで僅かでも気休めにはなる。同じような患者を診てきた彼女であれば、少なくとも自分以上にある程度の予想は立つであろう。
その彼女が“分からない“といえば、それ以上のことは知る由もない。
「そうか・・・。あとは蒼空さん次第・・・」
「だから貴方は、今で出来ることの集中して。生きていなければ、その先を知ることすら出来ないんだから」
にぃなのいう通り、これ以上分からないことについて悩んでいても仕方がない。ケイルもこれ以上考えるのを止め、今は目の前の戦闘に集中することにした。
スキルが使えるくらいにまで回復すると、彼はすぐにその場にいる全員へ防御力上昇の効果のあるバフを掛けた。全体の受けるダメージ総数が減れば、にぃなの負担も減る。
「助かるぜ、ケイル。後はコイツらの始末だ。大分数は減ってきたようだしな・・・、もう一息だ!」
「頼りにしてますよ、お二方!俺、前線に出るタイプじゃないんで」
にぃながケイルの回復を行なっている間に、峰闇とマキナの奮闘によって大きな被害もなく抑えられていた。
だが、モンスターの数が減ってきたのは、彼らの攻撃によって倒されたものばかりではない。ここでも後方から、戦闘不能になった同胞を食らう変異種が複数いたのだ。
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