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炎の魔術師、再び
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先頭を行くエイヴリー海賊団の船を追うように、後方から群を抜いて速度のある一隻の小船が見え始める。まるでジェットエンジンでも積んでいるかのように、後ろへ炎を噴き出しながらみるみるその差を縮める。
炎で加速する船には見覚えがあった。リヴァイアサンとの戦いの中で、ツバキのボードを除けば最も機動力に長けていたであろう小船。炎の魔術師と呼ばれ、船員との連携にて大海原に炎の柱を作り上げるほどの人物。
シー・ギャング所属の四人の幹部が一人、ジャウカーンだった。エイヴリー海賊団の船を煽るように蛇行しているのが、ボスであるキングによく似ている。
彼はキングに才能を見出され、彼もまたキングに憧れを抱いた。二人の間に年齢など関係なかった。キングによって自分の居場所を得た彼は、キングのように自由に生き、人生を楽しむような性格へと変わっていく。
キングの偽りの明るさとは違い、彼は純粋に陽気な性質を持っていた。それ故、ジャウカーンの部隊は、シー・ギャングという組織の中でも特別楽しそうであり、また荒くれ者も多かった。
しかし、姿を現したのは数人しか乗れないような小船。見た様子だと、他の船員を乗せている雰囲気もない。それもその筈。彼は先にリヴァイアサンの血海を抜けたキングの護衛に向かおうと、一人その特殊な船と自慢の炎で泥沼を脱し、ここまで追いかけてきていたのだ。
あの場において、機動力のある小型船の方がいち早く抜け出せるのは、彼らが証明していること。それならば何故、エイヴリー海賊団のような大きな船団が、船底にまとわりつくような血海を抜けられたのか。
船の動きを鈍くさせられている以上、風や波による航海ではなかなか前へと出ることは出来なかった。ツバキのボードや、ジャウカーンの船のように別の何かによる推進力が必要とされていた。
エイヴリー海賊団は、世界中の様々な海を航海した。その中には、湿地帯や沼地のように船を動かしずらい海もあれば、砂の海のような異質な旅も乗り越えて来た。
その経験や現地の技術を取り入れることで、例え血海のような状態の海でも、それに対応できる装置をクラフトすることが可能だった。更には、自軍の船団を分解し少数の大型船へクラフトし、技術に加えパワーのある船へと作り替えた。
血海を抜けた後は、それぞれの海賊船へと形を変え、今まで通りの航海することが出来るという訳だったのだ。
後方に迫るジャウカーンの船目がけて、エイヴリー海賊団の砲撃が開始される。まるで弓兵の弓矢のように降り注ぐ砲弾の数々。圧倒的物量で相手を押し込めるのは、エイヴリー海賊団の十八番だった
それでもジャウカーンの快進撃を止めることは出来ない。船の側面に設置された無数の通気口のような穴から、勢いよく炎が噴き出している。恐らくそれがジャウカーンの船の機動力と見て間違いない。
炎の噴射により、巧みに船の向きを変えながら旋回して進む。次々に襲いかかる砲弾を、まるでジャングルに生息する蛇のようにすり抜けていく。
「そんなあくびの出そうな砲撃じゃぁ、俺は止めらんないよぉ~?」
「船長ッ!そろそろ出ます。俺達なら素早い奴が相手でも対処できます」
声を上げたのは、エイヴリー海賊団で空軍を担当するロイクだった。彼の竜騎士隊なら、海上を自由自在に走るジャウカーンの動きについて行ける。近距離からの攻撃であれば、流石の彼でも防ぎ切ることは出来ないだろう。
「もう時期レースも終わる・・・。ここらで徹底的に俺達の力を思い出させてやれ」
大きな椅子に腰掛けながら、船員達が手渡す船旅の途中で拾ったガラクタの山を次々に新しい砲弾へとクラフトしていくエイヴリー。このまま戦力を温存しておく理由もない。
本人の申し出ということもあり、ロイクの竜騎士隊を殿へと向かわせる。船長の許可が下ると、早々に部下達をまとめ上げ指示を出していくロイク。そして甲板に出ると、召喚の魔法陣も無しに彼の通った道の左右からドラゴンが姿を現していく。
「さぁ戦だ!後方を守る重要な役目だ。気を引き締めてかかれ!」
勇ましい返事と共に、次々にドラゴンへと跨り飛び立っていく船員達。兜の緒を締めるように、籠手の中へグッと指を通すロイク。死闘を繰り広げる必要はない。エイヴリー海賊団よりも遅れてゴールするように仕向けてやるだけで十分。
何なら、ジャウカーンを海に落としてやるだけでも十分なほどの時間稼ぎが出来るだろう。飛び立った竜騎士隊は、ジャウカーンの乗る小船に群がると、装備した槍を投げ放つ。
「大人しくしてくれれば間違って殺してしまうこともないぞ?」
正々堂々と、これから攻撃を仕掛けると言わんばかりに戦闘の意思を確かめる。その悠然たる態度に、ジャウカーンは大口を開けて大笑いしてのけぞった。
「はははははッ!誰を殺すってぇ~?遠慮しなさんな!どんな攻撃でも迎え撃ってやるのが、このジャウカーン様の度量よッ!」
彼の船は更に様々な方向へ炎を噴き出し、その機動力を上げる。砲弾だけでなく、ドラゴンの上から放たれる槍をも避けていくジャウカーンの船だったが、流石の彼でも全ては避け切れず、いくつかの槍が船に突き刺さる。
「あららぁ?流石にちょっとヤバイ・・・?それなら・・・!」
そう言うとジャウカーンは、突如自分の乗っている船に火を放ち、船全体を炎で覆い尽くした。
炎で加速する船には見覚えがあった。リヴァイアサンとの戦いの中で、ツバキのボードを除けば最も機動力に長けていたであろう小船。炎の魔術師と呼ばれ、船員との連携にて大海原に炎の柱を作り上げるほどの人物。
シー・ギャング所属の四人の幹部が一人、ジャウカーンだった。エイヴリー海賊団の船を煽るように蛇行しているのが、ボスであるキングによく似ている。
彼はキングに才能を見出され、彼もまたキングに憧れを抱いた。二人の間に年齢など関係なかった。キングによって自分の居場所を得た彼は、キングのように自由に生き、人生を楽しむような性格へと変わっていく。
キングの偽りの明るさとは違い、彼は純粋に陽気な性質を持っていた。それ故、ジャウカーンの部隊は、シー・ギャングという組織の中でも特別楽しそうであり、また荒くれ者も多かった。
しかし、姿を現したのは数人しか乗れないような小船。見た様子だと、他の船員を乗せている雰囲気もない。それもその筈。彼は先にリヴァイアサンの血海を抜けたキングの護衛に向かおうと、一人その特殊な船と自慢の炎で泥沼を脱し、ここまで追いかけてきていたのだ。
あの場において、機動力のある小型船の方がいち早く抜け出せるのは、彼らが証明していること。それならば何故、エイヴリー海賊団のような大きな船団が、船底にまとわりつくような血海を抜けられたのか。
船の動きを鈍くさせられている以上、風や波による航海ではなかなか前へと出ることは出来なかった。ツバキのボードや、ジャウカーンの船のように別の何かによる推進力が必要とされていた。
エイヴリー海賊団は、世界中の様々な海を航海した。その中には、湿地帯や沼地のように船を動かしずらい海もあれば、砂の海のような異質な旅も乗り越えて来た。
その経験や現地の技術を取り入れることで、例え血海のような状態の海でも、それに対応できる装置をクラフトすることが可能だった。更には、自軍の船団を分解し少数の大型船へクラフトし、技術に加えパワーのある船へと作り替えた。
血海を抜けた後は、それぞれの海賊船へと形を変え、今まで通りの航海することが出来るという訳だったのだ。
後方に迫るジャウカーンの船目がけて、エイヴリー海賊団の砲撃が開始される。まるで弓兵の弓矢のように降り注ぐ砲弾の数々。圧倒的物量で相手を押し込めるのは、エイヴリー海賊団の十八番だった
それでもジャウカーンの快進撃を止めることは出来ない。船の側面に設置された無数の通気口のような穴から、勢いよく炎が噴き出している。恐らくそれがジャウカーンの船の機動力と見て間違いない。
炎の噴射により、巧みに船の向きを変えながら旋回して進む。次々に襲いかかる砲弾を、まるでジャングルに生息する蛇のようにすり抜けていく。
「そんなあくびの出そうな砲撃じゃぁ、俺は止めらんないよぉ~?」
「船長ッ!そろそろ出ます。俺達なら素早い奴が相手でも対処できます」
声を上げたのは、エイヴリー海賊団で空軍を担当するロイクだった。彼の竜騎士隊なら、海上を自由自在に走るジャウカーンの動きについて行ける。近距離からの攻撃であれば、流石の彼でも防ぎ切ることは出来ないだろう。
「もう時期レースも終わる・・・。ここらで徹底的に俺達の力を思い出させてやれ」
大きな椅子に腰掛けながら、船員達が手渡す船旅の途中で拾ったガラクタの山を次々に新しい砲弾へとクラフトしていくエイヴリー。このまま戦力を温存しておく理由もない。
本人の申し出ということもあり、ロイクの竜騎士隊を殿へと向かわせる。船長の許可が下ると、早々に部下達をまとめ上げ指示を出していくロイク。そして甲板に出ると、召喚の魔法陣も無しに彼の通った道の左右からドラゴンが姿を現していく。
「さぁ戦だ!後方を守る重要な役目だ。気を引き締めてかかれ!」
勇ましい返事と共に、次々にドラゴンへと跨り飛び立っていく船員達。兜の緒を締めるように、籠手の中へグッと指を通すロイク。死闘を繰り広げる必要はない。エイヴリー海賊団よりも遅れてゴールするように仕向けてやるだけで十分。
何なら、ジャウカーンを海に落としてやるだけでも十分なほどの時間稼ぎが出来るだろう。飛び立った竜騎士隊は、ジャウカーンの乗る小船に群がると、装備した槍を投げ放つ。
「大人しくしてくれれば間違って殺してしまうこともないぞ?」
正々堂々と、これから攻撃を仕掛けると言わんばかりに戦闘の意思を確かめる。その悠然たる態度に、ジャウカーンは大口を開けて大笑いしてのけぞった。
「はははははッ!誰を殺すってぇ~?遠慮しなさんな!どんな攻撃でも迎え撃ってやるのが、このジャウカーン様の度量よッ!」
彼の船は更に様々な方向へ炎を噴き出し、その機動力を上げる。砲弾だけでなく、ドラゴンの上から放たれる槍をも避けていくジャウカーンの船だったが、流石の彼でも全ては避け切れず、いくつかの槍が船に突き刺さる。
「あららぁ?流石にちょっとヤバイ・・・?それなら・・・!」
そう言うとジャウカーンは、突如自分の乗っている船に火を放ち、船全体を炎で覆い尽くした。
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