555 / 1,646
偽りの名
しおりを挟む
アンスティスとの交渉を終え、わざわざ足を運んでくれた少年をもてなす漁師達。スミスといたのでは、碌なものも口に出来ていないのだろう。豪華とまではいかないが、出された料理を貪るように両手で口へと運ぶ。
「はははッ!いい食いっぷりだな!もてなした甲斐があるってもんだ」
「そんなに飯にありつけていなかったのか?町唯一の診療所なんだろ?あまりよく思われていないとはいえ、必要不可欠な存在だ。そこまで粗末には扱えないんじゃないのか?」
ダミアンはデイヴィスの話を聞くと、小さな溜め息をついた後に勢いよく手を回し彼の肩を力強く叩く。そしてこの港町の根深い事情を何も知らぬ彼に、如何に町の者達の恨みが深かったのかを解く。
「余所者のお前には到底理解出来ないことだろうが、それだけここの者達にとっては深く重たい事柄だったんだ。特に町長やその周辺の奴らにとってはな・・・」
「アンタ達は違うというのか?」
「昔はそうだった。だが、俺がこの地に生を受けた時には、俺の周りは既にそのような思想を捨てていたよ。昔の理や因縁よりも、今を大事にしたんだ。俺も同じだよ。確かにスミスの決断のせいで大勢死んだ。しかし、いつまでも過去に囚われてなどいられないだろ?」
町長達は先代の思想や理念を大切にし、救える力を持ちながら見殺しにしたスミスには、それ相応の罰が降る事を望んでいる。
反対に漁師達は、過去ではなく現在に重点を置き、慣わしや理に縛られることなく、今を生きる者達の命や意見を尊重し、外の者達にも屈する事なく立ち向かって来た。
スミスは、例えそれが町中から恨みを買うことになったとしても、自身にとって重要な決断をし、再びこの地へと帰ってくる事を選んだ。そのお陰でどんなことになったのか。それでも彼は、彼にしか出来ないことをやり続けて来た。
最後の容疑者から話を聞き、これで漸く全ての者達の話を聞くことが出来た。デイヴィスが最後に気になっているのは、町長のところで見つけた書物庫に眠っている巻物に描かれた洞窟だ。
スミスがこの洞窟の事を知っていたのかは分からない。だが、関係性があの関係性で町長サイドの者がそんなことを教えるとは思えない。漁師サイドも同じだろう。そこまで恨みを持っている訳ではないが、話す必要性もない。
粗方の話を済ませると、ダミアンは切り上げづらいデイヴィスやアンスティスに代わり、ちょっとした食事会となった雰囲気を開きにした。
「さて、お前の質問攻めもこんなところか?なら、そろそろお開きにしよう。長居するのも、お前達の為にはならんだろう」
「そうだな・・・。最後に頼みがあるんだが・・・」
「あぁ、分かってる。その時が来たら案内しよう。アンスティス、お前もそろそろ先生の元へ帰れ。料理なら持っていけるだけ持ってって構わんから・・・」
口いっぱいに料理を頬張りながら、アンスティスは頷く。漁師の男が料理を入れ物にまとめ、薬と引き換えに渡した荷物と一緒に少年に渡すと、診療所へ帰るよう促す。漁師の男と一緒に、アンスティスはログハウスを出て行くとスミスの元へ戻っていった。
「準備が出来次第、入り江へ向かおう」
「ん?引き潮の時にしか入れないんじゃないのか?」
「あぁそうだ。お前は運がいいぞ、デイヴィス。今日が丁度その引き潮の日だ。あまり時間はない。支度を済ませたらすぐに行くぞ」
洞窟へ向かう前に、ちょっとした支度を始めるダミアンだったが、デイヴィスは彼女の案内を断る。これは彼なりの思いやりだった。漁師長である彼女が、直接案内してくれるのはありがたい事だが、このような状況下の中でリーダーが不在では、不足の事態に対応できず、困ることも出て来るだろう。
「洞窟のことはアンタしか知らないのか?もし他にいるなら、その者に任せよう。アンタが病にでもかかったりしたら、ここの者達に一生恨まれそうだ」
「はははッ!そんなことにはならないし、コイツらも恨んだりしないさ!分った。お前の提案に乗らせてもらうことにしよう。俺も他にやらなきゃいけないことができたしな・・・。おい!ハーマン!」
ダミアンが男の名を呼ぶと、側にいた男が漁に使う道具の修繕だろうか、その手を止めてこちらへやってくる。
「ハーマン・フロストだ。皆信頼しているが、俺と特に付き合いの長い奴だ。俺と同じくらい信頼してもらって構わない」
誠実そうな顔をしていながら、その身体つきは海賊のように屈強な筋肉のつき方をしている。この港町の漁師達は、町長サイドの意向とは違い、奪われるだけや交渉といった手段に出ることなく、略奪者には力で立ち向かう逞しい者達だ。
だが、それがたまに災いし、死者や要らぬ恨みを買うことになってしまう。そう言った考えの違いから、町長サイドとの関係が悪化していったのだ。しかし、彼らの逞しい生き方を支持する住人達もいる。
「ハーマンだ。漁師の仕事をしながら、ダミアンの側近をしている。洞窟へは彼と一緒に入ったことがある。当時とはまた少し変わってしまっているかもしれないが、案内は任せてくれ」
握手を求め、手を差し伸べてきた彼にデイヴィスも名乗りながらその手を取る。
「血の気の多い奴でな。漁をしている時よりも、海賊達を嬲り殺しにsしてる時の方が生き生きしてる」
「おいおい、初対面の人間に対してなんて事を言うんだ。それにアンタ程じゃないさ」
仲間とのやり取りで豪快に笑うダミアン。デイヴィスは既に準備が出来ていた。案内をハーマンに任せ、ダミアンはアンスティスが持って来た薬を幾つか飲むと、再び外へと出ていった。
「俺達も行こう。潮が引いている時間はそれ程長くない。もしアンタの用事が長くなるのであれば、急いだ方がいい」
「なら急ぐとしよう。どれだけ時間がかかるか分からんのでな」
二人はログハウスを出て、町の港を進み、奥の方にある入り江へと向かう。ダミアンに直接案内を頼まなかったのには、他にも理由があった。デイヴィスはまだ、ダミアンという人物を完全に信頼していた訳ではなかった。
町長の時のように、本人よりも周りの者の方が周りをよく見ているものだ。それに、何か事情がありそうだったので直接は聞かなかったが、何故漁師長の彼女が“ダミアン“という名を使っているのか。そこにも、この町の慣わしがあるのだろうか。
「どう見てもダミアンは“女“だった。何故彼女は男の名を名乗っているんだ?」
道中、漁師長の名前について話を切り出したデイヴィスに、驚きの表情を見せるハーマン。彼もあの場にいて、デイヴィスが名前に拘らないと話しているのを聞いていた。だが、それがあの場を上手く切り抜けるための策だったのだとしり、デイヴィスへのイメージがハーマンの中で変わった。
「あの場追及しなかったのは賢明な判断だ。彼は・・・彼女は“女扱い“されることを極度に嫌っている。その容姿と名の違いを指摘していたら、ここまで友好名関係は築けなかっただろうな。アンタを少し見くびっていたようだ」
海賊をやっている以上、碌な人物に見られないのは慣れていたデイヴィス。初めから賢明な人物像など期待っしていなかったが、考えを改めてくれたことに、素直に感謝を表すデイヴィス。
「漁師長は代々、その名前を継いできた。だが、あくまでそれは“フィッシャー“の名であって“ダミアン“ではない。彼女が名乗っているダミアンという名は、彼女の亡き父の名だ」
デイヴィスの推測通り、ダミアンは偽名であった。些細なことで、この病とは何の関係もないことかもしれないが、彼女はデイヴィスに隠し事をしていたのだ。
ここの者達は、少なからず何かしらの隠し事を持っているようだ。それが他の者達や住人達を守るための嘘なのか、それとも自身の疾しい事を隠そうとしてついているものなのか見極める必要がある。
「はははッ!いい食いっぷりだな!もてなした甲斐があるってもんだ」
「そんなに飯にありつけていなかったのか?町唯一の診療所なんだろ?あまりよく思われていないとはいえ、必要不可欠な存在だ。そこまで粗末には扱えないんじゃないのか?」
ダミアンはデイヴィスの話を聞くと、小さな溜め息をついた後に勢いよく手を回し彼の肩を力強く叩く。そしてこの港町の根深い事情を何も知らぬ彼に、如何に町の者達の恨みが深かったのかを解く。
「余所者のお前には到底理解出来ないことだろうが、それだけここの者達にとっては深く重たい事柄だったんだ。特に町長やその周辺の奴らにとってはな・・・」
「アンタ達は違うというのか?」
「昔はそうだった。だが、俺がこの地に生を受けた時には、俺の周りは既にそのような思想を捨てていたよ。昔の理や因縁よりも、今を大事にしたんだ。俺も同じだよ。確かにスミスの決断のせいで大勢死んだ。しかし、いつまでも過去に囚われてなどいられないだろ?」
町長達は先代の思想や理念を大切にし、救える力を持ちながら見殺しにしたスミスには、それ相応の罰が降る事を望んでいる。
反対に漁師達は、過去ではなく現在に重点を置き、慣わしや理に縛られることなく、今を生きる者達の命や意見を尊重し、外の者達にも屈する事なく立ち向かって来た。
スミスは、例えそれが町中から恨みを買うことになったとしても、自身にとって重要な決断をし、再びこの地へと帰ってくる事を選んだ。そのお陰でどんなことになったのか。それでも彼は、彼にしか出来ないことをやり続けて来た。
最後の容疑者から話を聞き、これで漸く全ての者達の話を聞くことが出来た。デイヴィスが最後に気になっているのは、町長のところで見つけた書物庫に眠っている巻物に描かれた洞窟だ。
スミスがこの洞窟の事を知っていたのかは分からない。だが、関係性があの関係性で町長サイドの者がそんなことを教えるとは思えない。漁師サイドも同じだろう。そこまで恨みを持っている訳ではないが、話す必要性もない。
粗方の話を済ませると、ダミアンは切り上げづらいデイヴィスやアンスティスに代わり、ちょっとした食事会となった雰囲気を開きにした。
「さて、お前の質問攻めもこんなところか?なら、そろそろお開きにしよう。長居するのも、お前達の為にはならんだろう」
「そうだな・・・。最後に頼みがあるんだが・・・」
「あぁ、分かってる。その時が来たら案内しよう。アンスティス、お前もそろそろ先生の元へ帰れ。料理なら持っていけるだけ持ってって構わんから・・・」
口いっぱいに料理を頬張りながら、アンスティスは頷く。漁師の男が料理を入れ物にまとめ、薬と引き換えに渡した荷物と一緒に少年に渡すと、診療所へ帰るよう促す。漁師の男と一緒に、アンスティスはログハウスを出て行くとスミスの元へ戻っていった。
「準備が出来次第、入り江へ向かおう」
「ん?引き潮の時にしか入れないんじゃないのか?」
「あぁそうだ。お前は運がいいぞ、デイヴィス。今日が丁度その引き潮の日だ。あまり時間はない。支度を済ませたらすぐに行くぞ」
洞窟へ向かう前に、ちょっとした支度を始めるダミアンだったが、デイヴィスは彼女の案内を断る。これは彼なりの思いやりだった。漁師長である彼女が、直接案内してくれるのはありがたい事だが、このような状況下の中でリーダーが不在では、不足の事態に対応できず、困ることも出て来るだろう。
「洞窟のことはアンタしか知らないのか?もし他にいるなら、その者に任せよう。アンタが病にでもかかったりしたら、ここの者達に一生恨まれそうだ」
「はははッ!そんなことにはならないし、コイツらも恨んだりしないさ!分った。お前の提案に乗らせてもらうことにしよう。俺も他にやらなきゃいけないことができたしな・・・。おい!ハーマン!」
ダミアンが男の名を呼ぶと、側にいた男が漁に使う道具の修繕だろうか、その手を止めてこちらへやってくる。
「ハーマン・フロストだ。皆信頼しているが、俺と特に付き合いの長い奴だ。俺と同じくらい信頼してもらって構わない」
誠実そうな顔をしていながら、その身体つきは海賊のように屈強な筋肉のつき方をしている。この港町の漁師達は、町長サイドの意向とは違い、奪われるだけや交渉といった手段に出ることなく、略奪者には力で立ち向かう逞しい者達だ。
だが、それがたまに災いし、死者や要らぬ恨みを買うことになってしまう。そう言った考えの違いから、町長サイドとの関係が悪化していったのだ。しかし、彼らの逞しい生き方を支持する住人達もいる。
「ハーマンだ。漁師の仕事をしながら、ダミアンの側近をしている。洞窟へは彼と一緒に入ったことがある。当時とはまた少し変わってしまっているかもしれないが、案内は任せてくれ」
握手を求め、手を差し伸べてきた彼にデイヴィスも名乗りながらその手を取る。
「血の気の多い奴でな。漁をしている時よりも、海賊達を嬲り殺しにsしてる時の方が生き生きしてる」
「おいおい、初対面の人間に対してなんて事を言うんだ。それにアンタ程じゃないさ」
仲間とのやり取りで豪快に笑うダミアン。デイヴィスは既に準備が出来ていた。案内をハーマンに任せ、ダミアンはアンスティスが持って来た薬を幾つか飲むと、再び外へと出ていった。
「俺達も行こう。潮が引いている時間はそれ程長くない。もしアンタの用事が長くなるのであれば、急いだ方がいい」
「なら急ぐとしよう。どれだけ時間がかかるか分からんのでな」
二人はログハウスを出て、町の港を進み、奥の方にある入り江へと向かう。ダミアンに直接案内を頼まなかったのには、他にも理由があった。デイヴィスはまだ、ダミアンという人物を完全に信頼していた訳ではなかった。
町長の時のように、本人よりも周りの者の方が周りをよく見ているものだ。それに、何か事情がありそうだったので直接は聞かなかったが、何故漁師長の彼女が“ダミアン“という名を使っているのか。そこにも、この町の慣わしがあるのだろうか。
「どう見てもダミアンは“女“だった。何故彼女は男の名を名乗っているんだ?」
道中、漁師長の名前について話を切り出したデイヴィスに、驚きの表情を見せるハーマン。彼もあの場にいて、デイヴィスが名前に拘らないと話しているのを聞いていた。だが、それがあの場を上手く切り抜けるための策だったのだとしり、デイヴィスへのイメージがハーマンの中で変わった。
「あの場追及しなかったのは賢明な判断だ。彼は・・・彼女は“女扱い“されることを極度に嫌っている。その容姿と名の違いを指摘していたら、ここまで友好名関係は築けなかっただろうな。アンタを少し見くびっていたようだ」
海賊をやっている以上、碌な人物に見られないのは慣れていたデイヴィス。初めから賢明な人物像など期待っしていなかったが、考えを改めてくれたことに、素直に感謝を表すデイヴィス。
「漁師長は代々、その名前を継いできた。だが、あくまでそれは“フィッシャー“の名であって“ダミアン“ではない。彼女が名乗っているダミアンという名は、彼女の亡き父の名だ」
デイヴィスの推測通り、ダミアンは偽名であった。些細なことで、この病とは何の関係もないことかもしれないが、彼女はデイヴィスに隠し事をしていたのだ。
ここの者達は、少なからず何かしらの隠し事を持っているようだ。それが他の者達や住人達を守るための嘘なのか、それとも自身の疾しい事を隠そうとしてついているものなのか見極める必要がある。
0
お気に入りに追加
302
あなたにおすすめの小説
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」

秘密多め令嬢の自由でデンジャラスな生活〜魔力0、超虚弱体質、たまに白い獣で大冒険して、溺愛されてる話
嵐華子
ファンタジー
【旧題】秘密の多い魔力0令嬢の自由ライフ。
【あらすじ】
イケメン魔術師一家の超虚弱体質養女は史上3人目の魔力0人間。
しかし本人はもちろん、通称、魔王と悪魔兄弟(義理家族達)は気にしない。
ついでに魔王と悪魔兄弟は王子達への雷撃も、国王と宰相の頭を燃やしても、凍らせても気にしない。
そんな一家はむしろ互いに愛情過多。
あてられた周りだけ食傷気味。
「でも魔力0だから魔法が使えないって誰が決めたの?」
なんて養女は言う。
今の所、魔法を使った事ないんですけどね。
ただし時々白い獣になって何かしらやらかしている模様。
僕呼びも含めて養女には色々秘密があるけど、令嬢の成長と共に少しずつ明らかになっていく。
一家の望みは表舞台に出る事なく家族でスローライフ……無理じゃないだろうか。
生活にも困らず、むしろ養女はやりたい事をやりたいように、自由に生きているだけで懐が潤いまくり、慰謝料も魔王達がガッポリ回収しては手渡すからか、懐は潤っている。
でもスローなライフは無理っぽい。
__そんなお話。
※お気に入り登録、コメント、その他色々ありがとうございます。
※他サイトでも掲載中。
※1話1600〜2000文字くらいの、下スクロールでサクサク読めるように句読点改行しています。
※主人公は溺愛されまくりですが、一部を除いて恋愛要素は今のところ無い模様。
※サブも含めてタイトルのセンスは壊滅的にありません(自分的にしっくりくるまでちょくちょく変更すると思います)。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる