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対決、黒コートの男
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武具を落とされたと同時に、シンの足が止まる。その代わりに彼の頭の中で巡り始めたのは、コートの男の技についての考察だった。何もないところから武具を撃ち放ち、狭き場所に身を隠し現れる。
それは宛ら、闇夜に隠れ標的の魂を器から解放する“アサシン“のようだった。シンは男の未知なる能力を、自身と同じアサシンのスキルなのではないかと考え始めていた。
「アンタ・・・まさか・・・」
シンの反応を見て、男は彼の方へ腕を伸ばし、かかってこいと挑発のジェスチャーをとる。何かを知りつつも、おちょくる様な態度をしていたのは今に始まったことではない。だが、今の男の動きからはこれまでにないものを感じた。
言うなれば、弟子が自分の所作から新たなことを発見し学び、自らの糧とするかのような、成長を見守る様な眼差し。シンが男の真相に一歩近づいた様な、そんなものを感じさせる。
「来いよ。お前の考えが正しいかどうか、試してみろ」
男の口ぶりからシンは間違いないと感じた。影のスキルを使えるのなら、これまでの不可解な能力も説明がつく。問題は、本当にこの男が“アサシン“のクラスであるかどうかだ。
これまで何処を探そうと、アサシン並びにそのギルドの情報は得られなかった。それが突如現れた男によって、何かのヒントになり得る足掛かりを見つける事が出来た。
そして幸か不幸か、それはシン達が探ろうとしていた“黒いコートの者達“と思しき人物であることだ。現実の世界に戻った時、シン達のように異変に巻き込まれたプレイヤーを集める組織、“アサシンギルド“なるものが存在していた。
しかし、今こうして敵対している以上、白獅達の様に友好的でないことは確かだ。何とかして、この男の素性を調べる為、シンは現実世界の協力者である白獅から受け取った、WoFの世界へ持ち込む事が可能な特殊なアイテム、“テュルプ・オーブ“を使い、彼と連絡を図る。
シンの片目が真っ黒に染まっていき、青白い文字の羅列が眼球の周りをゆっくりと周り始めた。だが、以前使った時とは反応が全く違い、見える景色にジャミングを受けているかのような妨害が入る。
「ッ・・・!?」
「おいおい・・・誰かに頼ろうってのは無しだぜぇ?あくまで自分の力で確かめるこったな!」
素早く身をかがめた男は、床に散らばる短剣を手に取り、シンの懐へと飛び込んでくる。咄嗟に飛び退こうと、シンが後ろへ身体を持っていったところで、それまで沈黙していたデイヴィスが助太刀に入る。
「雷遁・磁雷吸集ッ!」
デイヴィスがスキルを発動すると、床に散らばっていた武具が次々にカタカタと動き出し、男の拾った短剣に吸い寄せられる。周囲を取り囲むように、シンの武具が宙を舞う。
男はお構いなしに、刃を振るう。シンは辛うじて男の閃光のような斬撃を、身体を反らして躱しながら、手元で武具を繋いでいた細いワイヤーを男の方に垂らす。
ワイヤーが足元の武具に触れたのを確かめると、影を操りワイヤーの先端を武具に縛りつける。そして男の斬撃を躱すと同時に、浮き上がる足で反撃の蹴りをお見舞いする。
シンの蹴りを腕で軽く受け止める男。しかし、その足に僅かに光何かを見つける。ワイヤーだ。シンは蹴りを放ちながらワイヤーを足に絡め、落ちていた武具を男の位置からでは見えない背後で掴み取っていた。
何かを企んでいることを悟った男が、シンに体制を整える猶予を与えてしまう。両の足を床につけ、力の入る姿勢を取り、思い切り身体を捻らせ掴み取ったクナイを、アンダースローのように男の頭部目がけて放る。
シンの流れるような一連の動作に、男は身動きを取れなかったのか避けることが出来ず、見事にフードで隠れる顔面にクナイを貰った。しかしクナイは何処かへ消え、男に反応はない。
またしても攻撃をやり過ごされてしまった。だがこれも、シンの計算通りの出来事に過ぎない。男は力一杯に放たれたクナイを、フードで隠れる影で取り込み、シンの背後の影から勢いそのままに撃ち放ったのだ。
つまり、男は自身のフードの影からシンの影への道を作り、クナイの勢いを損なわせないまま投げ返したのだ。床に陰るシンの影から飛び出したクナイは、彼の太ももの裏へと突き刺さる。
服を貫き、肉を突き刺す痛みが走り、血が滴る。クナイの最も幅の広い部分まで深々と突き刺さると、そこでクナイは吸い込まれるように、シンの太ももに開けた穴から消えていった。
血の滴った床へ膝をつくシン。男との戦いの中で、代償なしに男へ攻撃を決めることは出来ないと決意し、自らの身体に穴を開けることで影の道を作り出し、スキルの発動を気取られないようにしたのだ。
案の定、男はシンの出血を見てほくそ笑んだように鼻息を鳴らした。直後、男の足にもシンと同じように、クナイが突き刺さった。
「くッ・・・!?」
「格下だと思って油断したか?やっと一撃、お見舞いしてやった・・・」
今度こそ間違いない。遂にコートの男へ傷を負わせることに成功したシン。男の足からは、暗くてよく確認出来ないがコートに染みる液体が見えた。男は常に身体中を影で覆っているわけではない。
攻撃の当たる寸前に影を巡らせ、シンやデイヴィスの攻撃をやり過ごしていたのだ。それが、シンの自傷行為による策に騙され、スキル発動のタイミングを損なった。
「野郎ッ・・・。生意気なことを・・・」
傷を負わされたことにプライドが傷付いたのか、男はクナイが突き刺さった足とは思えない踏み込みでシンへと向かっていき、コートの袖に忍ばせていた短剣で斬りつける。
それを躱したシンの足を蹴りで払い転倒させる。背中から倒れたシンへ、振り抜いた短剣を突き立てる。しかし、床に仰向けで倒れたシンは、瞬時に横向きになり男の短剣を避ける。
男は床に突き刺さった短剣を持ち替え、そのままシンが避けた方向へと、床を抉りながら振り抜く。素早く飛び上がったシンは、宙で身体を捻りギリギリのところで男の攻撃を躱すも、避けられた勢いを利用に身体を回転させた回し蹴りをくらってしまう。
男の足がシンの身体にめり込み、壁に向かって吹き飛ばされようとした時。シンはまだ、男に見られていないある武器で反撃を試みた。
それは宛ら、闇夜に隠れ標的の魂を器から解放する“アサシン“のようだった。シンは男の未知なる能力を、自身と同じアサシンのスキルなのではないかと考え始めていた。
「アンタ・・・まさか・・・」
シンの反応を見て、男は彼の方へ腕を伸ばし、かかってこいと挑発のジェスチャーをとる。何かを知りつつも、おちょくる様な態度をしていたのは今に始まったことではない。だが、今の男の動きからはこれまでにないものを感じた。
言うなれば、弟子が自分の所作から新たなことを発見し学び、自らの糧とするかのような、成長を見守る様な眼差し。シンが男の真相に一歩近づいた様な、そんなものを感じさせる。
「来いよ。お前の考えが正しいかどうか、試してみろ」
男の口ぶりからシンは間違いないと感じた。影のスキルを使えるのなら、これまでの不可解な能力も説明がつく。問題は、本当にこの男が“アサシン“のクラスであるかどうかだ。
これまで何処を探そうと、アサシン並びにそのギルドの情報は得られなかった。それが突如現れた男によって、何かのヒントになり得る足掛かりを見つける事が出来た。
そして幸か不幸か、それはシン達が探ろうとしていた“黒いコートの者達“と思しき人物であることだ。現実の世界に戻った時、シン達のように異変に巻き込まれたプレイヤーを集める組織、“アサシンギルド“なるものが存在していた。
しかし、今こうして敵対している以上、白獅達の様に友好的でないことは確かだ。何とかして、この男の素性を調べる為、シンは現実世界の協力者である白獅から受け取った、WoFの世界へ持ち込む事が可能な特殊なアイテム、“テュルプ・オーブ“を使い、彼と連絡を図る。
シンの片目が真っ黒に染まっていき、青白い文字の羅列が眼球の周りをゆっくりと周り始めた。だが、以前使った時とは反応が全く違い、見える景色にジャミングを受けているかのような妨害が入る。
「ッ・・・!?」
「おいおい・・・誰かに頼ろうってのは無しだぜぇ?あくまで自分の力で確かめるこったな!」
素早く身をかがめた男は、床に散らばる短剣を手に取り、シンの懐へと飛び込んでくる。咄嗟に飛び退こうと、シンが後ろへ身体を持っていったところで、それまで沈黙していたデイヴィスが助太刀に入る。
「雷遁・磁雷吸集ッ!」
デイヴィスがスキルを発動すると、床に散らばっていた武具が次々にカタカタと動き出し、男の拾った短剣に吸い寄せられる。周囲を取り囲むように、シンの武具が宙を舞う。
男はお構いなしに、刃を振るう。シンは辛うじて男の閃光のような斬撃を、身体を反らして躱しながら、手元で武具を繋いでいた細いワイヤーを男の方に垂らす。
ワイヤーが足元の武具に触れたのを確かめると、影を操りワイヤーの先端を武具に縛りつける。そして男の斬撃を躱すと同時に、浮き上がる足で反撃の蹴りをお見舞いする。
シンの蹴りを腕で軽く受け止める男。しかし、その足に僅かに光何かを見つける。ワイヤーだ。シンは蹴りを放ちながらワイヤーを足に絡め、落ちていた武具を男の位置からでは見えない背後で掴み取っていた。
何かを企んでいることを悟った男が、シンに体制を整える猶予を与えてしまう。両の足を床につけ、力の入る姿勢を取り、思い切り身体を捻らせ掴み取ったクナイを、アンダースローのように男の頭部目がけて放る。
シンの流れるような一連の動作に、男は身動きを取れなかったのか避けることが出来ず、見事にフードで隠れる顔面にクナイを貰った。しかしクナイは何処かへ消え、男に反応はない。
またしても攻撃をやり過ごされてしまった。だがこれも、シンの計算通りの出来事に過ぎない。男は力一杯に放たれたクナイを、フードで隠れる影で取り込み、シンの背後の影から勢いそのままに撃ち放ったのだ。
つまり、男は自身のフードの影からシンの影への道を作り、クナイの勢いを損なわせないまま投げ返したのだ。床に陰るシンの影から飛び出したクナイは、彼の太ももの裏へと突き刺さる。
服を貫き、肉を突き刺す痛みが走り、血が滴る。クナイの最も幅の広い部分まで深々と突き刺さると、そこでクナイは吸い込まれるように、シンの太ももに開けた穴から消えていった。
血の滴った床へ膝をつくシン。男との戦いの中で、代償なしに男へ攻撃を決めることは出来ないと決意し、自らの身体に穴を開けることで影の道を作り出し、スキルの発動を気取られないようにしたのだ。
案の定、男はシンの出血を見てほくそ笑んだように鼻息を鳴らした。直後、男の足にもシンと同じように、クナイが突き刺さった。
「くッ・・・!?」
「格下だと思って油断したか?やっと一撃、お見舞いしてやった・・・」
今度こそ間違いない。遂にコートの男へ傷を負わせることに成功したシン。男の足からは、暗くてよく確認出来ないがコートに染みる液体が見えた。男は常に身体中を影で覆っているわけではない。
攻撃の当たる寸前に影を巡らせ、シンやデイヴィスの攻撃をやり過ごしていたのだ。それが、シンの自傷行為による策に騙され、スキル発動のタイミングを損なった。
「野郎ッ・・・。生意気なことを・・・」
傷を負わされたことにプライドが傷付いたのか、男はクナイが突き刺さった足とは思えない踏み込みでシンへと向かっていき、コートの袖に忍ばせていた短剣で斬りつける。
それを躱したシンの足を蹴りで払い転倒させる。背中から倒れたシンへ、振り抜いた短剣を突き立てる。しかし、床に仰向けで倒れたシンは、瞬時に横向きになり男の短剣を避ける。
男は床に突き刺さった短剣を持ち替え、そのままシンが避けた方向へと、床を抉りながら振り抜く。素早く飛び上がったシンは、宙で身体を捻りギリギリのところで男の攻撃を躱すも、避けられた勢いを利用に身体を回転させた回し蹴りをくらってしまう。
男の足がシンの身体にめり込み、壁に向かって吹き飛ばされようとした時。シンはまだ、男に見られていないある武器で反撃を試みた。
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