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蛇と竜と蝙蝠と
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少年にとってグラン・ヴァーグで行われるレースは、まさに選り取り見取りの催し物だった。彼の所持する書物の中にはとても珍しい物が多く、交渉の材料にできた。
歴史的な資料に加え、様々な人物の文献、中にはファンタジーの世界らしくスキルを習得できる本もあった。それらの書物や重要な本を共有することを条件に、船に乗せてくれる海賊を探していたが、彼に近づいてくるのはそんな彼の書物に価値を見出した悪い海賊ばかりだったが、そこへ現れたのは天下の大海賊、エイヴリー海賊団の幹部の一人マクシムだった。
ツクヨとツバキと共に、エイヴリーの海賊船を改造する為の素材を運んでいる最中に絡まれ、騒ぎを起こしたくなかったツクヨ達の代わりに海賊達を退けたマクシム。
そのままその場を後にした彼を追いかけ、ヘラルトはエイヴリー海賊団の本隊へと向かう。そして彼は、世界の宝の在処を記したとされる難解な文章で書かれた不思議な書物、死海文書を交渉にだし、晴れてエイヴリー海賊団のアルマン部隊へ加入することが出来たのだった。
研究熱心のアルマンは、ヘラルトの持ち込んだ大量の本や書物の数々に感銘を受け、寝る間も惜しんで読み漁っていた。少年は彼に、自分に近いものを感じていたが、同時に理解できない部分もあった。
それは、夢や理想に胸を躍らせるばかりではなく、現実と比較しどうすればそのような世界が実現可能になるのかを、真剣に考えていたのだ。側から見れば馬鹿にされるようなことかもしれないが、アルマンはそれでも誰かが創り出した世界や物語を、夢幻で終わらせるのではなく、誰もが体験できる世界を目指したかったようだ。
彼とは違い、どちらかというとそんな彼を側から見る側の人間に近かったヘラルト。本や書物で様々な世界を見て、幻想に浸るのは好きだったが、あくまでそれは幻想に過ぎないと心のどこかで思っていたのだ。
そこがヘラルトとアルマンの違いだった。それがエイヴリーの言う心の成長なのだろう。文字や言葉だけでは伝わらない現実があり、それに触れることでより強く夢や理想を追いたくなる。
幻想に近づきたければ現実に目を向けなければならない。アルマンが本や書物で得た知識に溺れるヘラルトに、よく言っていた言葉だ。その時の彼には意味が分からない言葉だったが、ここで漸くその意味が汲み取れた気がしていた。
「さぁ行くぜ野朗共!神が造り出した神獣とやらに、人間の紡いできた叡智を見せつける時だッ!」
彼等が話している間に完了したレールガンの再装填。謎の雷に阻まれた攻撃の真相を確かめるべく、エイヴリー海賊団の最大火力を誇る兵器が、再び火を吹く。
一方、エイヴリー海賊団の幹部であるリーズは、自身の身体の傷を癒やし終え、万全の状態にまで復活を遂げた。元々ヴァンパイアの種族である彼女は、普通の人間とは身体の構造が違う。
戦線へ帰って来た彼女は、ロイクの竜騎士隊と同じく、雲の中へと上昇して行くと、雲海を這い回る蟒蛇の身体へ攻撃を始める。彼女のクラス、タクティシャンの能力により巨大化した眷族の蝙蝠は、ヴェインの召喚獣程ではないが、そのステータス自体も大きく上昇し、元のサイズでは小型のモンスターにさえまともにダメージを出せなかったが、蟒蛇の強靭な鱗を剥がせるまでになった。
ロイクの竜騎士隊と協力し、リーズの巨大化した蝙蝠による音波を使った魔法攻撃で鱗を剥がし、竜騎士隊が畳み掛けるようにして攻撃を仕掛ける。
「戦略は海上戦の時と同じだ!リーズ、ある程度なら能力の質を落としても構わない。他の場所にも眷族を送れるか?」
「誰に言ってんだぁ?任せときなよ。遅れた分はきっちり取り返してやるさ・・・!」
ロイクが心配するまでもないくらいに、リーズの闘志は燃えていた。魔物の策略にまんまとしてやられたのが、相当に彼女の勘に触ったようだ。それまで一体の巨大化した蝙蝠に乗って戦っていたリーズは、更に数体の蝙蝠を呼び出すと、タクティシャンの能力で巨大化させ、更に彼女の能力をエンチャントさせた上で、蟒蛇の身体を攻撃する別の部隊の元へ飛び立たせる。
するとリーズは、蝙蝠に攻撃させる直前に、もう一つのクラスであるインキュベータの能力を付与し、音波による攻撃を放たせる。先程の攻撃とは違い、やや威力が落ちたかのように見えたが、この攻撃は鱗へダメージを与えるだけの攻撃ではなかった。
彼女はインキュベータの能力で、蟒蛇の体表を老化させ、鱗の再生能力を著しく劣化させたのだ。これにより、エイヴリーの乗る戦艦の兵器、レールガンの攻撃を待たずしても、それなりのダメージを蟒蛇に与えられるようになったのだ。
「そんなに飛ばして大丈夫か?」
「今回の相手は只者じゃなさそうじゃないか。モンスターのくせに趣向の凝った攻撃なんてして来やがって・・・。出し惜しみして後悔する前に、一気に畳みかけてやるさ。それにこれなら、船長の兵器による砲撃が奴に命中しさえすれば、きっととんでもないダメージを叩き出せるよ!」
リーズはたかがモンスターだと侮った自分の失敗から学び、一切の妥協を許さない怒涛の攻めを見せる。彼女の奮起は周りの者達を突き動かし、士気はこれまで以上に上昇した。
自分達の働きが船長の攻撃の助けになると信じ、一心不乱に立ち向かう。迎え撃つは蟒蛇の這い回る雲の中から発生する雷撃。不規則な動きと閃光のように速い攻撃に苦しみながらも、彼等は撃ち落とされる仲間達を越えて立ち向かう。
歴史的な資料に加え、様々な人物の文献、中にはファンタジーの世界らしくスキルを習得できる本もあった。それらの書物や重要な本を共有することを条件に、船に乗せてくれる海賊を探していたが、彼に近づいてくるのはそんな彼の書物に価値を見出した悪い海賊ばかりだったが、そこへ現れたのは天下の大海賊、エイヴリー海賊団の幹部の一人マクシムだった。
ツクヨとツバキと共に、エイヴリーの海賊船を改造する為の素材を運んでいる最中に絡まれ、騒ぎを起こしたくなかったツクヨ達の代わりに海賊達を退けたマクシム。
そのままその場を後にした彼を追いかけ、ヘラルトはエイヴリー海賊団の本隊へと向かう。そして彼は、世界の宝の在処を記したとされる難解な文章で書かれた不思議な書物、死海文書を交渉にだし、晴れてエイヴリー海賊団のアルマン部隊へ加入することが出来たのだった。
研究熱心のアルマンは、ヘラルトの持ち込んだ大量の本や書物の数々に感銘を受け、寝る間も惜しんで読み漁っていた。少年は彼に、自分に近いものを感じていたが、同時に理解できない部分もあった。
それは、夢や理想に胸を躍らせるばかりではなく、現実と比較しどうすればそのような世界が実現可能になるのかを、真剣に考えていたのだ。側から見れば馬鹿にされるようなことかもしれないが、アルマンはそれでも誰かが創り出した世界や物語を、夢幻で終わらせるのではなく、誰もが体験できる世界を目指したかったようだ。
彼とは違い、どちらかというとそんな彼を側から見る側の人間に近かったヘラルト。本や書物で様々な世界を見て、幻想に浸るのは好きだったが、あくまでそれは幻想に過ぎないと心のどこかで思っていたのだ。
そこがヘラルトとアルマンの違いだった。それがエイヴリーの言う心の成長なのだろう。文字や言葉だけでは伝わらない現実があり、それに触れることでより強く夢や理想を追いたくなる。
幻想に近づきたければ現実に目を向けなければならない。アルマンが本や書物で得た知識に溺れるヘラルトに、よく言っていた言葉だ。その時の彼には意味が分からない言葉だったが、ここで漸くその意味が汲み取れた気がしていた。
「さぁ行くぜ野朗共!神が造り出した神獣とやらに、人間の紡いできた叡智を見せつける時だッ!」
彼等が話している間に完了したレールガンの再装填。謎の雷に阻まれた攻撃の真相を確かめるべく、エイヴリー海賊団の最大火力を誇る兵器が、再び火を吹く。
一方、エイヴリー海賊団の幹部であるリーズは、自身の身体の傷を癒やし終え、万全の状態にまで復活を遂げた。元々ヴァンパイアの種族である彼女は、普通の人間とは身体の構造が違う。
戦線へ帰って来た彼女は、ロイクの竜騎士隊と同じく、雲の中へと上昇して行くと、雲海を這い回る蟒蛇の身体へ攻撃を始める。彼女のクラス、タクティシャンの能力により巨大化した眷族の蝙蝠は、ヴェインの召喚獣程ではないが、そのステータス自体も大きく上昇し、元のサイズでは小型のモンスターにさえまともにダメージを出せなかったが、蟒蛇の強靭な鱗を剥がせるまでになった。
ロイクの竜騎士隊と協力し、リーズの巨大化した蝙蝠による音波を使った魔法攻撃で鱗を剥がし、竜騎士隊が畳み掛けるようにして攻撃を仕掛ける。
「戦略は海上戦の時と同じだ!リーズ、ある程度なら能力の質を落としても構わない。他の場所にも眷族を送れるか?」
「誰に言ってんだぁ?任せときなよ。遅れた分はきっちり取り返してやるさ・・・!」
ロイクが心配するまでもないくらいに、リーズの闘志は燃えていた。魔物の策略にまんまとしてやられたのが、相当に彼女の勘に触ったようだ。それまで一体の巨大化した蝙蝠に乗って戦っていたリーズは、更に数体の蝙蝠を呼び出すと、タクティシャンの能力で巨大化させ、更に彼女の能力をエンチャントさせた上で、蟒蛇の身体を攻撃する別の部隊の元へ飛び立たせる。
するとリーズは、蝙蝠に攻撃させる直前に、もう一つのクラスであるインキュベータの能力を付与し、音波による攻撃を放たせる。先程の攻撃とは違い、やや威力が落ちたかのように見えたが、この攻撃は鱗へダメージを与えるだけの攻撃ではなかった。
彼女はインキュベータの能力で、蟒蛇の体表を老化させ、鱗の再生能力を著しく劣化させたのだ。これにより、エイヴリーの乗る戦艦の兵器、レールガンの攻撃を待たずしても、それなりのダメージを蟒蛇に与えられるようになったのだ。
「そんなに飛ばして大丈夫か?」
「今回の相手は只者じゃなさそうじゃないか。モンスターのくせに趣向の凝った攻撃なんてして来やがって・・・。出し惜しみして後悔する前に、一気に畳みかけてやるさ。それにこれなら、船長の兵器による砲撃が奴に命中しさえすれば、きっととんでもないダメージを叩き出せるよ!」
リーズはたかがモンスターだと侮った自分の失敗から学び、一切の妥協を許さない怒涛の攻めを見せる。彼女の奮起は周りの者達を突き動かし、士気はこれまで以上に上昇した。
自分達の働きが船長の攻撃の助けになると信じ、一心不乱に立ち向かう。迎え撃つは蟒蛇の這い回る雲の中から発生する雷撃。不規則な動きと閃光のように速い攻撃に苦しみながらも、彼等は撃ち落とされる仲間達を越えて立ち向かう。
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