社会復帰日記

社会復帰中

文字の大きさ
上 下
83 / 104

19.06.14

しおりを挟む
 一週間を耐えた。よくやった。午前中だけとは言え、社会の中に久し振りに戻ってよく勤労を続けた。 この一週間に関して言えば、仕事は殆どなかったが、まず参加をすることに意義があるとするならば、その役目は立派に果たしたことになる。運良くか運悪くか、6月は祝日が無いものだから、途中で休むことなく身体を5日間の労働に適したものにすることが出来るだろう。しかし、そもそも5日間も労働が必要だとは思えない。休みは週の真ん中にもう1日欲しい。全て神が悪い。神は最後の1日だけを休息としたようだけど、もっと時間をかけて休みながら丁寧に創るべきだった。突貫工事の結果が現状としか思えない。これが普通の建築物であれば、一級建築士の不備でニュースにもなって、別の建物へ引っ越すことも出来るのだろうが、これは世界の不備なので、引っ越すなんて死ぬことになってしまうだろうし、私は取り合えず生存を続ける。

 昨日からの続き。出版社の採用に応募をしたが、何にもならなかった。普通に選考に落ちたのだ。それは考えてみれば当たり前のことで、いくら経歴不問とは言え、それなりに名の知れたところだったから経験者も集まっているはずで、仮に経験者がゼロだったとしたも、他のライバルに勝てるほどの実力が私にあったのかと言えば、皆まで言わない。そういう意味で私はこうなることをわかっていた気がするけれど、一方でこのタイミングでこの求人が出ることに運命的な何かを感じていて、もしかしたら引っ掛かるかもしれないと本当に期待していたのも事実だった。私は年末ジャンボ宝くじですら、毎年とても当たるような予感がして、外れると本気で落ち込むので、色々と期待し過ぎる性向なのかもしれない。とは言え、Twitterで求人を探す手もあるのかとここで知ったことは有益だった。転職サイトは掲示にも採用にも当然金がかかる。かからないサイトもあるのだろうけれど、企業側でないのでわからない。ビジネスモデルとして転職サイトを用いれば、どこかしらで発生するだろう。一方でTwitterであれば、ある程度の拡散力があり金もかからない。サイトに乗せられないような求人は集まりそうな気がした。企業側としても集まる応募者の質が変わるかもしれないし、応募者としても企業の募集条件が転職エージェントに守られていないということもあるのかもしれないが、サイトを使ったときと有意な差があるのなわからなかったので、Twitterで求人を探すことを始めた。

 「出版社 求人」で検索をかけても、見つかるのは過去の募集だったり、後は就活をしている大学生の呟きだったり、見つかってもアルバイトだったりで基本的には何も見つからない。一番、最新の有益な情報がまさにこの前落ちた求人だった。音楽関係も同じことで、調べていて得られることは殆ど無かった。この経歴ではやはり駄目なのか、四方八方塞がりになって、気持ちはまた落ち込み始めた。もしかしたら仕事に戻るべきかもしれない、とまた気持ちがふらつきだした。このことは会社の医務室担当へ相談するわけにもいかず、かかりつけの医師に相談をすることにした。

細かい話は明日以降に続ける。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

惑わさないで!

ひまわりまま
現代文学
彼女は一大決心をして彼とやっとあの日別れたのに・・・。 彼が私の前に現れた。 引き寄せられる強い力に彼女は戸惑い、苦しんでいく。 だめだとわかっているのに、彼を引き寄せてしまう。 彼とは? 彼女の葛藤の行方はいかに!!

干物女を圧縮してみた

春秋花壇
現代文学
部屋が狭くなってきた わたしは自分を圧縮してみた

妻と浮気と調査と葛藤

pusuga
現代文学
 妻の浮気を疑い探偵事務所に調査を依頼した男。  果たして妻は浮気をしているのか?葛藤を繰り返し何を持って自分を納得させるのか?そんな話です。  隔日連載  全15話予定  ちなみに完全フィクションです。  勘違いしないようにして下さい。

電子カルテの創成期

ハリマオ65
現代文学
45年前、医療にコンピューターを活用しようと挑戦した仲間たちの話。それは、地方都市から始まった、無謀な大きな挑戦。しかし現在、当たり前の様に医療用のデータベースが、活用されてる。新しい挑戦に情熱を持った医師と関係者達が、10年をかけ挑戦。当時の最先端技術を駆使してIBM、マッキントッシュを使い次々と実験を重ねた。当時の関係者は、転勤したり先生は、開業、病院の院長になり散らばった。この話は、実話に基づき、筆者も挑戦者の仲間の一人。ご覧ください。 Noveldaysに重複投稿中です。

或るタクシー

Kaito
現代文学
そのタクシーは今日も誰かの想いを乗せて走り続ける。毎日連載予定。

ネコになったみーちゃんがオスネコと交尾した

かめのこたろう
現代文学
内容は題名のとおりです。

かぐや姫奇譚?ー求婚者がダメンズばかりなんですがー

青太郎
恋愛
皆さんご存知の竹取物語。 「お前は罪を犯しました。よって穢れた下界へと追放となります」 …。 気付いたら、そのかぐや姫になっていました。 あれ?…俺、男だったはずなのに… 『…あなたは、私を補助する為の人格ではないのですか?』 日本最古の追放物語。 竹取物語とざまぁが好きな方、ぜひ軽い気持ちでお楽しみください。 【10話ぐらいまでは話の進みが遅いです】 *題名変更しました(旧:追放されましたーかぐや姫奇譚ー) * 原文、時系列、歴史的背景に忠実ではないのでテストの役には立ちません

一人語り

木ノ下 朝陽
現代文学
小説投稿サイト『エブリスタ』で現在連載中の小説「一人語り」を、一段落2000字前後にまとめ直し、加筆修正を施したものです。 (『カクヨム』にても、『エブリスタ』と同じ字数のものを、順次公開の予定です。 『エブリスタ』「一人語り」作品ページ https://estar.jp/novels/25969883 『カクヨム』「一人語り」作品ページ https://kakuyomu.jp/works/16817139557678572723) ルポライターの伍代智世は、とある事件の取材で、都内にある一軒の家を訪ねる。その家に引き籠るように暮らす、一人の女性に話を聞くために。 かつて祖母と暮らした家で、今も一見静かに一人暮らしを続ける彼女の、「影」とは…。 ふとしたきっかけで作者の中に生まれた「彼女」に、自動筆記の如く「書かせられた」物語です。 時に擦り切れそうになりながら、それでも懸命に生きていく、一人の女性のお話です。 学生の時以来、久し振りに筆を執りました。正直、今の自分でなければ書けなかった作品だと思います。 本来人見知りで、あまり他人とのお喋りが得意ではないヒロインの「一人語り」に、どうか暫しの間、お付き合いくだされば幸いです。

処理中です...