社会復帰日記

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19.05.27

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 施設でのグループワークが続いている。講義形式のものはある程度受け終わってしまったので、自習的なものかグループワークしかやれることは残っていない。今日はストレスの管理について話をした。その中で自分がどのような環境にあって、どのようなストレスを受けていたのか話をした。似たような境遇もいれば、私よりもずっと酷いと思えるのもいる。周りの席で怒鳴り声がするとか、AM5:00まで働いてそこから飲み会とか、夜勤とか。それぞれ駄目になってしまっても当然のように思えて、どうしてこういう思いをしてまで生きているのかわからなくなる。好きなバンドの歌詞に、本能を無視すれば明日死んじまっても別に構わない、というものがあるのだけれど、そんな気もする。死ぬ気はないけれど。

 昨日からの続き。年明けたばかりの深夜、断絶されたと思っていた後輩の女の子から連絡が入っていた。

「明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!」

 それだけだった。それだけだったが、かなり明るい気持ちになった。以前に書いたように、もうこの女の子にはこの日記を書いていることもばれてしまっているから、今となっては全く関係も断絶されているのだけれど、その当時はこれが来ただけでまだ全く諦められた訳ではないのだと思った。完全に嫌われた訳ではないと。

 ただ、気取っている私はそれに犬みたいに喜んで飛び付くのは恥に思えて、そのまま眠りについてしまった。今書いているように、ネット上であればいくらでも感情を露出出来るのに、現実だと格好つけてしまうから常に駄目なのだと今ならば思う。

 翌朝、返信をした。それも簡潔に「今年もよろしくお願いします」程度の寂しいものだったから、返信は特に来なかった。ここで今何しているの、とか聞くことが出来れば良かったのだろうか。それもそれでかなり気持ち悪く思える。

 他にやり取りをする友人もなく、日頃バラエティ番組を見ない身には年末年始特番はテレビ感が重すぎて、家の回りを散歩したりするくらいしかやることはなかったけれど、年明けのこともあって、当然外は冷たく余り散歩に適した気候ではないので、直ぐに嫌になってしまう。

 部屋で親に言うべきかを改めて考えた。年明けの浮いた雰囲気に混ぜてしまえばいいとも、新年早々嫌な話題を提供して心配させる必要がないとも、どちらを選択する理由もそれなりにあった。同じレベルの争いならば、私は大きな変化がないように努めた。自分の中で留めておくことを選択した。年も明け、よい気持ちで会社に戻れそうな気さえした。

 こうして波風立たせることなく、いつも通りに年末を過ごし、仕事はじめと同時に会社へ戻ってみようと心を変えた。

 細かい話は明日以降に続ける。
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