イケメン女子を攻略せよ!〜女の子に人気のイケ女の弱みを握ったので、イチャイチャしたりしてどうにかして自分のものにしようと思います〜

M・A・J・O

文字の大きさ
上 下
18 / 33
第一章 変態とイケ女

たらされた萌花はイケ女との関係に悩んでしまいました

しおりを挟む
「はぁぁ……朔良さんってほんと……」
「あたしがどうかしたのか?」

 朔良さんの天然たらしを目の当たりにして、私はもう情緒が限界だった。
 きっと私とそういう関係になる気はないのに、その気にさせることだけ言うんだ。
 なんてやつだ、もっと言ってほしい。
 ……いや、ちがう、そうじゃない。

「なんでそんなこと言うんですか……」
「え? なんか変なこと言ったっけ?」

 キョトンとした顔で首を傾げる朔良さんを見てると、自分がおかしいんじゃないかと思ってしまう。
 でもこれは私のせいではなく、朔良さんが悪いと思う。
 こんなこと言われた勘違いしてしまう。

「……あーもう! 好き!」
「お、おう」

 勢いにまかせて抱きつくと、戸惑いながらも受け止めてくれた。
 そのまま頭を撫でられる。
 やっぱりこうやって甘やかしてくれるから好きだなぁ……

 って、違う!!
 完全に思考回路がおかしくなっていた。
 冷静になろうとしたが、身体を離すことはできなかった。
 むしろさらに強く抱きしめてしまう。
 朔良さんの匂いに包まれているみたいで心地よいのだ。
 ずっとこのままでいたい。

 しかし、はっと我に返った時には遅かった。
 私が慌てて離れようとする前に、朔良さんの方から離れてしまった。
 残念な気持ちもあったが、これ以上くっついているとどうにかなりそうだったのでちょうどよかったかもしれない。

「ごめんなさい……!」
「いや、いいんだ。いいんだけど……ここ教室だぞ? 気をつけろよ?」
「はい……」

 確かにここは学校であり、いつ誰が来るかわかったものではない。
 もしこの場面を誰かに見られれば大変なことになるだろう。
 それなのに私はなんてことをしてしまったんだろうか。
 穴があったら入りたい。
 今すぐに。

 恥ずかしくて朔良さんの顔をまともに見れなかった。
 朔良さんも居た堪れなくなったのか、視線を逸らす。
 しばらく沈黙が続いた後、ふと思い出して口を開く。

「ところで、そろそろ夏休みですよね。予定はあるんですか?」

 むわっと蒸し暑い空気が肌にまとわりついてくる。
 ジメッとしていてあまり気分はよくないが、それでも夏を感じられて少し嬉しい。
 蝉の声が聞こえてくるだけでわくわくしてくる。

「特にないかなぁ……あ、でもうちの親戚が夏の間お店出すらしくて手伝わされそうなんだよなー」

 朔良さんはあまり乗り気ではないらしい。
 めんどくさがりな面もあるようだ。

 それにしても、朔良さんのバイト姿……少し見てみたい。
 どんな感じなのかすごく興味がある。
 きっと可愛くなるんだろうな。
 想像してみただけでもよだれが垂れてくる。
 おっと。

「へぇ~、それは楽しそうですね!」
「そうか? お店の手伝いって結構大変なんだよなぁ」

 朔良さんはため息をつく。
 相当嫌なんだなぁ、と苦笑いを浮かべる。

「萌花はどうするんだ?」
「え!? 私ですか!?」

 急に話を振られたので驚いた。
 まさか自分の話になるとは思ってなかった。
 何も考えていなかったので、返答に困ってしまう。

「……まだ未定ですけど、多分家でゴロゴロしてますかね……」

 とりあえず当たり障りのない答えを言うことにした。
 正直、夏休みの予定を全く考えてなかったから嘘ではないのだが。
 すると、朔良さんがニヤリと笑みを深めた気がした。
 何か企んでいるような、そんな笑顔だった。

 それから、私の耳元に口を近づけて囁くように言った。
 まるで内緒話をしているかのように。
 吐息がくすぐったい。
 その声音はとても妖艶で、背筋がゾクッとした。

「じゃあさ……一緒に旅行とか行くか?」
「……え? えええええええええ!?」

 思わず叫んでしまった。
 突然の提案に頭が追いつかない。
 一体どういうことなんだろうか。

「まあ、萌花次第だけどさ」

 そう言って朔良さんは微笑んだ。
 私はというと、ただ唖然とすることしかできなかった。
 だって、こんなの嬉しすぎる。
 好きな人と二人きりで旅行なんて夢みたいだ。

「ぜひ行きたいです!」

 私は身を乗り出して食い気味で返事をした。
 朔良さんは一瞬驚いていたが、すぐに優しい表情に戻った。
 やっぱりこの人には敵わない。
 私は心の底からそう思った。

 朔良さんはずるい。
 きっと私が断らないことを知っててこんなことを言うのだ。
 天然たらしにもほどがある。

「やった! じゃあ決まりな!」
「え、あ、ちょっと待ってください! いつどこに行くか決めましょう!」

 勝手に決められても困る。
 こういうことはちゃんと話し合って決めるべきだ。
 じゃないと不安になる。

「そうだな。まあ、あたしも全然決めてなかったから……追々決めていこうぜ」
「はい、わかりました」

 こうして私たちは、夏休みの予定を大雑把ではあるが立てた。
 予定がなかった私にとっては嬉しい誤算である。
 夏休みは朔良さんの家を頑張って特定してスト……貼りつこうと思っていたが、それはさすがにやめておくことにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

シチュボ(女性向け)

身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。 アドリブ、改変、なんでもOKです。 他人を害することだけはお止め下さい。 使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。 Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...