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第一章 高校一年生(二学期)
ふきょう(美久里)
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「ねぇ、美奈さ――『魔法少女になれたなら』観る気ない!?」
「え……いきなりなんなの?」
テスト期間に入り、みんなとあまりアニメの話が出来なくなってしまった美久里。
年齢が違うとは言え、同じ学生なら美奈もテスト期間に入っていてもおかしくはないのだが……
なぜか美久里は妹にアニメを勧めている。
「私勉強しなきゃなんだけど……」
「それは私も同じだから大丈夫だよ!」
「……何が大丈夫なの……」
謎の自信に満ち溢れた美久里を、美奈はものすごく鋭い目をして呆れた。
美久里はテスト勉強をしない気なのだろうか。
「アニメ観たらやるから! 一話だけでもいいからさぁ! 誰かと話したいんだよ~!」
「もうわかった! わかったから離れて!」
瑠衣のように、美奈に抱きつきまくっている美久里。
よほど欲求不満なのだろう。
オタクは自分の趣味を同志と語り合いたいものなのだ。
それを察した美奈は――というよりも、姉のウザさに耐えきれなかったのだと思われるが――一話だけ観ることにした。
『えーっと、こんにちは……じゃなくて、いぇーい? ――あ、いやっふ~! そこのあなた! 魔法少女になってくださ――』
「ここのガーネットのセリフ良くない!? なんて言おうか画策してるところが最高だよね!」
「ちょ……! おねえのせいで聞こえなかったんだけど!」
興奮しすぎて我を忘れている姉と、いつの間にか魅入っていた妹。
そこには、不思議で似たもの同士の姉妹がいる。
テスト勉強をしなければいけないことを忘れ、二人は『魔法少女になれたなら』の二話目に突入するのであった。
……その後、二人揃って夜遅くまで勉強をするはめになったという。
「え……いきなりなんなの?」
テスト期間に入り、みんなとあまりアニメの話が出来なくなってしまった美久里。
年齢が違うとは言え、同じ学生なら美奈もテスト期間に入っていてもおかしくはないのだが……
なぜか美久里は妹にアニメを勧めている。
「私勉強しなきゃなんだけど……」
「それは私も同じだから大丈夫だよ!」
「……何が大丈夫なの……」
謎の自信に満ち溢れた美久里を、美奈はものすごく鋭い目をして呆れた。
美久里はテスト勉強をしない気なのだろうか。
「アニメ観たらやるから! 一話だけでもいいからさぁ! 誰かと話したいんだよ~!」
「もうわかった! わかったから離れて!」
瑠衣のように、美奈に抱きつきまくっている美久里。
よほど欲求不満なのだろう。
オタクは自分の趣味を同志と語り合いたいものなのだ。
それを察した美奈は――というよりも、姉のウザさに耐えきれなかったのだと思われるが――一話だけ観ることにした。
『えーっと、こんにちは……じゃなくて、いぇーい? ――あ、いやっふ~! そこのあなた! 魔法少女になってくださ――』
「ここのガーネットのセリフ良くない!? なんて言おうか画策してるところが最高だよね!」
「ちょ……! おねえのせいで聞こえなかったんだけど!」
興奮しすぎて我を忘れている姉と、いつの間にか魅入っていた妹。
そこには、不思議で似たもの同士の姉妹がいる。
テスト勉強をしなければいけないことを忘れ、二人は『魔法少女になれたなら』の二話目に突入するのであった。
……その後、二人揃って夜遅くまで勉強をするはめになったという。
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