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第一章 高校一年生(一学期)
そうりつきねんび(朔良)
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「めんどくせー……」
自然とその言葉が口をついて出る。
多くの学校では、創立記念日は休みになるだろう。
だが、この聖タピオカ女子高等学校――通称タピ女では、創立記念日は学校に行かないといけないのだ。
「あ~……休みてぇ……」
天高くまで続きそうな感謝坂を見上げ、朔良は顔をしかめる。
もうこの坂を見上げるだけでもきつい。首が痛い。
天国まで伸びているようなのに、その先に地獄が待っているような感覚を覚える。
「あ……朔良?」
「え? あ、美久里か……」
道端で立ち止まる朔良を、訝しむように見ている美久里。
そんな美久里の様子に、朔良は目を凝らして苦笑する。
「……創立記念日ってめんどいよな~。いっそ休んじゃうか?」
「え……っ! だ、だめだよ……! 出席は大学の推薦にも影響するんだし……」
「そりゃそうだけどさ……」
美久里の言葉はもっともだが、そもそも創立記念日が休みじゃないこと自体おかしいと朔良は思う。
美久里は不安そうにおろおろしていたが、急に笑顔を浮かべて朔良の手をとる。
突然のことに目を見開くことしかできない朔良を、優しく引っ張っていく。
「え、な、なんだよ??」
戸惑いながらも、朔良は手を離さずについていく。
美久里は軽い足取りで坂を昇っていき、学校についたところで振り返る。
「私ね、ちっとも面倒臭くないよ。だって、朔良や萌花ちゃんに出会えた学校の創立記念日だもん!」
その言葉を聞いて、朔良は自分の心があたたかくなったのを感じた。
こんなに純粋で真っ直ぐな女の子が今までいただろうか。
「……そっか」
なんだか面倒臭いと言っていた自分が恥ずかしくなる。
目の前の美久里は満面の笑みで、朔良の全てを包み込むように立っている。
そんな美久里を追い越すように、校舎へと急いだ。
自然とその言葉が口をついて出る。
多くの学校では、創立記念日は休みになるだろう。
だが、この聖タピオカ女子高等学校――通称タピ女では、創立記念日は学校に行かないといけないのだ。
「あ~……休みてぇ……」
天高くまで続きそうな感謝坂を見上げ、朔良は顔をしかめる。
もうこの坂を見上げるだけでもきつい。首が痛い。
天国まで伸びているようなのに、その先に地獄が待っているような感覚を覚える。
「あ……朔良?」
「え? あ、美久里か……」
道端で立ち止まる朔良を、訝しむように見ている美久里。
そんな美久里の様子に、朔良は目を凝らして苦笑する。
「……創立記念日ってめんどいよな~。いっそ休んじゃうか?」
「え……っ! だ、だめだよ……! 出席は大学の推薦にも影響するんだし……」
「そりゃそうだけどさ……」
美久里の言葉はもっともだが、そもそも創立記念日が休みじゃないこと自体おかしいと朔良は思う。
美久里は不安そうにおろおろしていたが、急に笑顔を浮かべて朔良の手をとる。
突然のことに目を見開くことしかできない朔良を、優しく引っ張っていく。
「え、な、なんだよ??」
戸惑いながらも、朔良は手を離さずについていく。
美久里は軽い足取りで坂を昇っていき、学校についたところで振り返る。
「私ね、ちっとも面倒臭くないよ。だって、朔良や萌花ちゃんに出会えた学校の創立記念日だもん!」
その言葉を聞いて、朔良は自分の心があたたかくなったのを感じた。
こんなに純粋で真っ直ぐな女の子が今までいただろうか。
「……そっか」
なんだか面倒臭いと言っていた自分が恥ずかしくなる。
目の前の美久里は満面の笑みで、朔良の全てを包み込むように立っている。
そんな美久里を追い越すように、校舎へと急いだ。
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