258 / 262
最終章 全ての元凶
全ての力を出し切って
しおりを挟む
「これが! 私たちの全て! ――究極・虹!」
ガーネットを全力で振り、そこから七色のビームが繰り出される。
それは、みんなの力の全て。
今までの歴史を、過去を超越するほどの――暴力的なまでの鋭い光。
それがルリに直撃し、地中奥深くまで到達する。
地球の心臓部――マントルまで光が届き、結衣たちの願いが発動する。
――“世界を救いたい”。
その想いが、願いが形となって現れたのは、そんなに遅くなかった。
世界の終焉が、世界の再スタートとなった。
ひび割れた地面は元に戻り、崩れ落ちた建物も修復される。
何事もなかったかのように、世界は今、新しく生まれ変わったのだ。
「……やりましたね、結衣様」
「うん……これで、未来に進めるんだね……」
結衣とガーネットは、やり切った達成感で胸がいっぱいだった。
そして、結衣と魔央は再び分離する。
世界の終焉を防いだのだ。
もうこの姿になっていなくてもいいだろう。
だが――
「……わりぃ、結衣。俺……もう限界みたいだ」
「ま、魔央!? どうして……!」
魔央の身体は、橙色の淡い光を纏い、今にも消えそうなほど儚い。
半透明になり、手足が空気に溶け込んでいる。
「……わしの力を封じたじゃろう。その影響かもな。そやつは、本来ならとっくに死んでおるのじゃから」
「そんな……っ!」
あの時、あの究極魔法を使った時。
ルリの“魔女としての機能”を全て消し去っていた。
それを、今までのツケとしようとしたのだ。
なのに、それが却って裏目に出たらしい。
「いや、嫌だよ……! 魔央……っ!」
魔央は元々、お母さんのお腹の中で死んでいる。
それを、ルリの力で一時的に生きられていたにすぎない。
だが、だからと言って、これはあんまりだろう。
「どうにかならないの!? こんなの嫌だよ……!」
「――結衣様。私にお任せを」
そう言うと、ガーネットは今にも消えそうな魔央に近づき、そっと抱きしめる。
すると、魔央の身体は淡い光を発することをやめ、消えかけていた手足も元に戻った。
ガーネットを全力で振り、そこから七色のビームが繰り出される。
それは、みんなの力の全て。
今までの歴史を、過去を超越するほどの――暴力的なまでの鋭い光。
それがルリに直撃し、地中奥深くまで到達する。
地球の心臓部――マントルまで光が届き、結衣たちの願いが発動する。
――“世界を救いたい”。
その想いが、願いが形となって現れたのは、そんなに遅くなかった。
世界の終焉が、世界の再スタートとなった。
ひび割れた地面は元に戻り、崩れ落ちた建物も修復される。
何事もなかったかのように、世界は今、新しく生まれ変わったのだ。
「……やりましたね、結衣様」
「うん……これで、未来に進めるんだね……」
結衣とガーネットは、やり切った達成感で胸がいっぱいだった。
そして、結衣と魔央は再び分離する。
世界の終焉を防いだのだ。
もうこの姿になっていなくてもいいだろう。
だが――
「……わりぃ、結衣。俺……もう限界みたいだ」
「ま、魔央!? どうして……!」
魔央の身体は、橙色の淡い光を纏い、今にも消えそうなほど儚い。
半透明になり、手足が空気に溶け込んでいる。
「……わしの力を封じたじゃろう。その影響かもな。そやつは、本来ならとっくに死んでおるのじゃから」
「そんな……っ!」
あの時、あの究極魔法を使った時。
ルリの“魔女としての機能”を全て消し去っていた。
それを、今までのツケとしようとしたのだ。
なのに、それが却って裏目に出たらしい。
「いや、嫌だよ……! 魔央……っ!」
魔央は元々、お母さんのお腹の中で死んでいる。
それを、ルリの力で一時的に生きられていたにすぎない。
だが、だからと言って、これはあんまりだろう。
「どうにかならないの!? こんなの嫌だよ……!」
「――結衣様。私にお任せを」
そう言うと、ガーネットは今にも消えそうな魔央に近づき、そっと抱きしめる。
すると、魔央の身体は淡い光を発することをやめ、消えかけていた手足も元に戻った。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説

爆誕!異世界の歌姫~チートもヒロイン補正もないので、仕方がないから歌います~
ロゼーナ
ファンタジー
気づいたら異世界の森の中に転移していたアラサー会社員チヨリ。何かチートがあるかと期待したものの、装備はパジャマ、お金なし、自動翻訳機能なしでいきなり詰む。冷静かつ図太い性格(本人談)を存分に生かし、開き直って今日も楽しく歌をうたう。
*ほのぼの異世界生活、後にちょっと冒険。チートあり。血生臭い争いは起こりませんが、ケガや出血の描写は多少出てきます。ちびっ子や恋愛要素もあり。
*9/27追記:全編完結いたしました。応援ありがとうございました!
百合ハーレムが大好きです!〜全ルート攻略開始〜
M・A・J・O
大衆娯楽
【大衆娯楽小説ランキング、最高第7位達成!】
黒髪赤目の、女の子に囲まれたい願望を持つ朱美。
そんな彼女には、美少女の妹、美少女の幼なじみ、美少女の先輩、美少女のクラスメイトがいた。
そんな美少女な彼女たちは、朱美のことが好きらしく――?
「私は“百合ハーレム”が好きなのぉぉぉぉぉぉ!!」
誰か一人に絞りこめなかった朱美は、彼女たちから逃げ出した。
……
ここから朱美の全ルート攻略が始まる!
・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪行貴族のはずれ息子【第2部 魔法師匠編】
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
※表紙を第一部と統一しました
★作者個人でAmazonにて自費出版中。Kindle電子書籍有料ランキング「SF・ホラー・ファンタジー」「児童書>読み物」1位にWランクイン!
★第1部はこちら↓
https://www.alphapolis.co.jp/novel/162178383/822911083
「お前みたいな無能は分家がお似合いだ」
幼い頃から魔法を使う事ができた本家の息子リーヴは、そうして魔法の才能がない分家の息子アシックをいつも笑っていた。
東にある小さな街を領地としている悪名高き貴族『ユーグ家』―古くからその街を統治している彼らの実態は酷いものだった。
本家の当主がまともに管理せず、領地は放置状態。にもかかわらず、税の徴収だけ行うことから人々から嫌悪され、さらに近年はその長男であるリーヴ・ユーグの悪名高さもそれに拍車をかけていた。
容姿端麗、文武両道…というのは他の貴族への印象を良くする為の表向きの顔。その実態は父親の権力を駆使して悪ガキを集め、街の人々を困らせて楽しむガキ大将のような人間だった。
悪知恵が働き、魔法も使え、取り巻き達と好き放題するリーヴを誰も止めることができず、人々は『ユーグ家』をやっかんでいた。
さらにリーヴ達は街の人間だけではなく、自分達の分家も馬鹿にしており、中でも分家の長男として生まれたアシック・ユーグを『無能』と呼んで嘲笑うのが日課だった。だが、努力することなく才能に溺れていたリーヴは気付いていなかった。
自分が無能と嘲笑っていたアシックが努力し続けた結果、書庫に眠っていた魔法を全て習得し終えていたことを。そして、本家よりも街の人間達から感心を向けられ、分家の力が強まっていることを。
やがて、リーヴがその事実に気付いた時にはもう遅かった。
アシックに追い抜かれた焦りから魔法を再び学び始めたが、今さら才能が実ることもなく二人の差は徐々に広まっていくばかり。
そんな中、リーヴの妹で『忌み子』として幽閉されていたユミィを助けたのを機に、アシックは本家を変えていってしまい…?
◇過去最高ランキング
・アルファポリス
男性HOTランキング:10位
・カクヨム
週間ランキング(総合):80位台
週間ランキング(異世界ファンタジー):43位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる