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最終章 全ての元凶
滅びに向かっている世界
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「お? 来たか」
「ガーネットを返してっ!」
ガーネットの首に片腕を巻き付けたまま、ラスボスは結衣たちを一瞥する。
魔法少女姿となった結衣たちを見て満足そうに口角を少しあげた。
「嬉しいのぉ。わしの言うことを聞いてくれて。褒めてつかわす」
「そういうのまじいらねーから。さっさとガーネットをこっちに渡せ!」
魔央が声を荒らげるも、ラスボスは人懐っこい笑みを浮かべている。
葡萄色の腰まで伸びた長い髪、黒曜石のような真っ黒な瞳、黒装束に大きなとんがり帽子。
それは、まるで――童話に出てくる“魔女”のイメージそのものだ。
「……ま、魔女……?」
結衣は声を震わせながら、ラスボスを指さした。
魔法少女姿になった今だからこそ見える、圧倒的なまでの魔力。
そして感じる負のオーラ。
魔法少女は願いを糧とする存在だが、魔女もそうなのだろうか。
「ご明察。わしが今現在現役で活動している唯一の魔女じゃ」
目の前の魔女は、結衣たちと同じぐらいの歳に見える。
だが、口調や本物の魔女という確認が取れたこともあり、年齢は結衣たちよりかなり上ということが予測できた。
「んー、そうじゃなぁ。わしはラピスラズリ、と名乗っておこうかの。まあ、長いし呼びづらいじゃろうから――“ルリ”、と呼んでほしいのじゃ!」
明るく無邪気に振舞っているが、ラピスラズリ――いや、ルリの本心は計り知れない。
「じ、じゃあ……ルリさん。あなたは……何をしようとしているんですか?」
結衣が放った言葉に、ルリとガーネット以外の全員が息をのむ。
だが当のルリは、ポカンとした顔をしている。
「……え? ノーネームに聞いてないのか?」
「の、ノーネーム?」
「そうじゃ。わしの腕の中の――って、今はガーネット……だったか?」
ノーネーム、つまり名前がないこと。
親のような魔術師から名を与えられず、結衣に出会う前は名無しだったガーネットがそれに当てはまる。
……ルリは、『なっちゃん』とは呼ばなかったのだろうか。
「それで? 何をしようとしている、だったか? 簡単じゃよ」
そう言うと、ルリは一呼吸置き、黒曜石のような真っ黒な瞳を結衣たちに向けて言う。
「――この世界をループさせ、世界の滅びを防ぐことじゃ」
「ガーネットを返してっ!」
ガーネットの首に片腕を巻き付けたまま、ラスボスは結衣たちを一瞥する。
魔法少女姿となった結衣たちを見て満足そうに口角を少しあげた。
「嬉しいのぉ。わしの言うことを聞いてくれて。褒めてつかわす」
「そういうのまじいらねーから。さっさとガーネットをこっちに渡せ!」
魔央が声を荒らげるも、ラスボスは人懐っこい笑みを浮かべている。
葡萄色の腰まで伸びた長い髪、黒曜石のような真っ黒な瞳、黒装束に大きなとんがり帽子。
それは、まるで――童話に出てくる“魔女”のイメージそのものだ。
「……ま、魔女……?」
結衣は声を震わせながら、ラスボスを指さした。
魔法少女姿になった今だからこそ見える、圧倒的なまでの魔力。
そして感じる負のオーラ。
魔法少女は願いを糧とする存在だが、魔女もそうなのだろうか。
「ご明察。わしが今現在現役で活動している唯一の魔女じゃ」
目の前の魔女は、結衣たちと同じぐらいの歳に見える。
だが、口調や本物の魔女という確認が取れたこともあり、年齢は結衣たちよりかなり上ということが予測できた。
「んー、そうじゃなぁ。わしはラピスラズリ、と名乗っておこうかの。まあ、長いし呼びづらいじゃろうから――“ルリ”、と呼んでほしいのじゃ!」
明るく無邪気に振舞っているが、ラピスラズリ――いや、ルリの本心は計り知れない。
「じ、じゃあ……ルリさん。あなたは……何をしようとしているんですか?」
結衣が放った言葉に、ルリとガーネット以外の全員が息をのむ。
だが当のルリは、ポカンとした顔をしている。
「……え? ノーネームに聞いてないのか?」
「の、ノーネーム?」
「そうじゃ。わしの腕の中の――って、今はガーネット……だったか?」
ノーネーム、つまり名前がないこと。
親のような魔術師から名を与えられず、結衣に出会う前は名無しだったガーネットがそれに当てはまる。
……ルリは、『なっちゃん』とは呼ばなかったのだろうか。
「それで? 何をしようとしている、だったか? 簡単じゃよ」
そう言うと、ルリは一呼吸置き、黒曜石のような真っ黒な瞳を結衣たちに向けて言う。
「――この世界をループさせ、世界の滅びを防ぐことじゃ」
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