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 第三章 まさかの裏切り

魔法少女の可能性

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 ガーネットは、攻撃を受けて意識を失った。
 ――痛みはない。
 それに、攻撃を受けたという衝撃もない。
 ただ、暖かさがあった。
 なんの暖かさかはわからないが、心地よさが溢れている。

「……ガーネット。これが、私たちの想いだよ!」

 ……結衣の声が聞こえる。
 とても優しくて、思わず声が聞こえた方へ手を伸ばしてしまいそうだ。
 それに、みんなの声も聞こえる。
 自分を心配する声が……心の中へ浸透する。

「結衣様……皆様……どうも、ありがとうございます……」

 ガーネットは口角を上げながら、涙を流した。
 ……魔法少女の可能性を、信じてみるのも悪くはないだろう……

 ☆ ☆ ☆

 みんなの攻撃を受けて力なく落ちていくガーネットだったが、空を飛べる緋依とカスミに助けられた。
 そして、満身創痍な状態の魔央も、天使モードの結衣によって助けられる。

「……上手くいったみたいだね」
「ふんっ……俺にこんな辛い思いさせたこと、覚えとけよ」
「あ、あはは……後でいくらでもお仕置受けるよ」

 お姫様抱っこをされた状態の魔央が、結衣に向かって笑いかける。
 その瞳の奥に、煮えたぎるほどの怒気を込めて。
 そんな魔央に対し、結衣は苦笑いする。

「でもとりあえず、ガーネットが目を覚ましてからじゃないと」

 寝息をたてながら、とてもいい表情ですやすや眠るガーネット。
 とてもじゃないが、無感情に目を向けていた堕天使のようには見えなかった。

 ――ガーネットに元に戻って欲しい。
 そんなみんなの願いがひとつになって、ガーネットに届いたのだ。

 願いを魔法に変える力を持つ魔法少女。
 その魔法少女の力は、無限の可能性を秘めている。
 ガーネットが与えてくれた、大切なもの。
 そんなガーネットに、少しでも恩返しができたかもしれない。

「今はゆっくり休んで。急かすつもりはないよ」

 いつぞやに、ガーネットがせーちゃんに向けて放ったセリフを真似て言う。
 そんな結衣の表情は、とても柔らかかった。
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